TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025136065
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024034248
出願日
2024-03-06
発明の名称
インクジェット記録用水系インク
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類
C09D
11/30 20140101AFI20250911BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】インクジェット記録による印刷において吐出安定性に優れ、かつ、低吸液性印刷媒体に印刷した際に耐擦過性に優れる印刷物を得ることができる、インクジェット記録用水系インク、及び該水系インクを用いるインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】顔料、ポリマー分散剤(a)で分散されたポリオレフィンワックス粒子(W)、及び水を含有し、該ポリオレフィンワックス粒子(W)の酸価が1mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、該ポリオレフィンワックス粒子(W)の平均粒子径が200nm以上3,000nm以下である、インクジェット記録用水系インク、及び該水系インクを用いるインクジェット記録方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
顔料、ポリマー分散剤(a)で分散されたポリオレフィンワックス粒子(W)、及び水を含有し、
該ポリオレフィンワックス粒子(W)の酸価が1mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、
該ポリオレフィンワックス粒子(W)の平均粒子径が200nm以上3,000nm以下である、インクジェット記録用水系インク。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
前記ポリオレフィンワックス粒子(W)の粒度分布が0.5以上である、請求項1に記載の水系インク。
【請求項3】
前記ポリオレフィンワックス粒子(W)の含有量が0.1質量%以上7質量%以下である、請求項1に記載の水系インク。
【請求項4】
前記ポリオレフィンワックス粒子(W)に含まれるポリオレフィンワックス(w)100質量部に対する前記ポリマー分散剤(a)の含有量が、0.5質量部以上60質量部以下である、請求項1に記載の水系インク。
【請求項5】
前記ポリマー分散剤(a)が、アニオン性基を有するアニオン性モノマー(a-1)由来の構成単位と疎水性モノマー(a-2)由来の構成単位とを含むビニル系ポリマーである、請求項1~4のいずれか1項に記載の水系インク。
【請求項6】
前記ポリマー分散剤(a)の酸価が90mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の水系インク。
【請求項7】
前記顔料が、ポリマー分散剤(b)で分散されてなる形態である、請求項1~4のいずれか1項に記載の水系インク。
【請求項8】
水系インク中の固形分の総量中のポリオレフィンワックス粒子(W)の含有量が1質量%以上40質量%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の水系インク。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の水系インクを用いて、低吸液性印刷媒体に記録する、インクジェット記録方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録用水系インク及び該水系インクを用いるインクジェット記録方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
昨今の印刷業界を取り巻く状況下においては、作業環境、印刷環境、職場環境の意識の高まりを受けて、低臭気性、安全性等の観点から、ビヒクル成分として水が最大割合を占める水系インクが求められている。このような要求に対して、様々な水系インクが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、耐擦性等を備え、画質に優れた記録物が得られる水系インク組成物等の提供を目的として、ポリオレフィンワックスと、樹脂分散体と、水と、を含有し、所定の界面活性剤の含有量が、該樹脂分散体の樹脂と該ポリオレフィンワックスの合計の含有量を100質量部としたときに7質量部以下である、水系インク組成物等が開示されている。
また、特許文献2には、温度変化があっても着色剤の分散安定性が損なわれにくく、連続印刷が可能なインクジェット記録用インキを作製できる水系着色剤分散体の提供の目的を目的として、着色剤、酸価が1~300mgKOH/gの酸基含有樹脂、水系媒体、架橋剤、及び塩基性化合物を含み、該酸基含有樹脂が、特定の式で定義される中和値及び(架橋値を満たす水系着色剤分散体、及び該水系着色剤分散体を含むインクジェット記録用インキ等が開示されている。
特許文献3には、高品位な画像記録、印字が可能であり、かつ高い目詰まりに対する信頼性と保存安定性を両立するインクジェット記録用インクの提供を目的として、記録剤として水溶性染料を用いたインクジェット記録用インクにおいて、比重0.9~1.05、平均粒子径0.2~1.0μmの合成樹脂微粒子を0.5~15重量%含有するインクジェット記録用インクが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-162341号公報
特開2021-109912号公報
特開平8-239605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、水系インクは、樹脂フィルムのような低吸液性印刷媒体への印刷においては、インクの液体成分の吸収が遅い、又は吸収されないため、インクの乾燥に時間がかかる上に印刷物の耐擦過性も劣るといった問題がある。その中でも、印刷物の印刷面を爪等の鋭利なもので擦過した際の耐擦過性の更なる向上が求められている。溶剤系インクの場合は溶剤の高揮発性により乾燥が早いだけでなくインク中の樹脂分を溶剤で溶解又は膨潤させるため、印刷媒体との密着性が高くなり耐擦過性も高くなるが、水系インクではそれらが困難である。そのため、様々な技術開発が必要となってくる。
また、近年、普及が著しいインクジェット記録による印刷では、非常に微細なインクジェットノズルからインク液滴を印刷媒体に吐出するため、インクジェットノズル内でインクが目詰まりを起こすこと無く、安定にインクを吐出することができる吐出安定性の向上も求められる。
しかしながら、特許文献1の技術では、耐擦過性は向上するものの、吐出安定性が十分でない。また、特許文献2の技術では連続印刷が可能であることが記載され、特許文献3の技術では高い目詰まりに対する信頼性を有することが記載されているものの、これら特許文献2及び3の技術では、耐擦過性については検討がなされていない。
本発明は、インクジェット記録による印刷において吐出安定性に優れ、かつ、低吸液性印刷媒体に印刷した際に耐擦過性に優れる印刷物を得ることができる、インクジェット記録用水系インク、及び該水系インクを用いるインクジェット記録方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、顔料、ポリマー分散剤で分散されたポリオレフィンワックス粒子、及び水を含有し、該ポリオレフィンワックス粒子の酸価を所定の範囲とし、該ポリオレフィンワックス粒子の平均粒子径が所定の範囲であることにより、上記の課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]及び[2]に関する。
[1]顔料、ポリマー分散剤(a)で分散されたポリオレフィンワックス粒子(W)、及び水を含有し、
該ポリオレフィンワックス粒子(W)の酸価が1mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、
該ポリオレフィンワックス粒子(W)の平均粒子径が200nm以上3,000nm以下である、インクジェット記録用水系インク。
[2]前記[1]に記載の水系インクを用いて、低吸液性印刷媒体に記録する、インクジェット記録方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、インクジェット記録による印刷において吐出安定性に優れ、かつ、低吸液性印刷媒体に印刷した際に耐擦過性に優れる印刷物を得ることができる、インクジェット記録用水系インク、及び該水系インクを用いるインクジェット記録方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[インクジェット記録用水系インク]
本発明のインクジェット記録用水系インク(以下、単に「水系インク」又は「インク」ともいう)は、顔料、ポリマー分散剤(a)で分散されたポリオレフィンワックス粒子(W)、及び水を含有し、該ポリオレフィンワックス粒子(W)の酸価が1mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、該ポリオレフィンワックス粒子(W)の平均粒子径が200nm以上3,000nm以下である。
本発明において「水系」とは、媒体中で、水が質量比で最大割合を占めていることを意味する。
本発明において「ワックス」とは、室温(25℃)で固体又は半固体であって加熱により液体となる有機物を意味する。ここで、「ワックスが半固体である」とは、ワックスに力がかかると変形して流動するが、ワックスに力がかからない状態では一定の形状を保持できることを意味する。また、ワックスが加熱により液体となる温度、いわゆるワックスの融点は、45℃以上の温度領域に存在する。
本発明において「印刷」とは、文字や画像を記録する印刷、印字を含む概念であり、「印刷物」とは、文字や画像が記録された印刷物、印字物を含む概念である。
また、「低吸液性」とは、低吸液性、非吸液性を含む概念であり、印刷媒体と純水との接触時間100m秒における該印刷媒体の吸水量が0g/m
2
以上10g/m
2
未満であることを意味し、「高吸液性」とは、印刷媒体と純水との接触時間100m秒における該印刷媒体の吸水量が10g/m
2
以上のものを指し、該吸水量は、自動走査吸液計(例えば、熊谷理機工業(株)製「KM500win」)を用いて、23℃、相対湿度50%の条件下で、純水の接触時間100m秒における転移量として測定できる。
【0009】
本発明の水系インクは、吐出安定性に優れ、かつ、低吸液性印刷媒体に印刷した際に耐擦過性に優れる印刷物を得ることができる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明の水系インクは、平均粒子径が200nm以上3,000nm以下であり、比較的大きな粒子径を有するポリオレフィンワックス粒子を含有する。このような水系インクを用いて低吸液性印刷媒体にインク塗膜を形成すると、インク塗膜の摩擦抵抗を低下させることができるため、耐擦過性を向上させることができる。一方で、このような平均粒子径を有するポリオレフィンワックス粒子は、通常、乳化剤を用いないソープフリー型であるため、電荷反発力又は立体的反発力が十分でなく、非常に微細なインクジェットノズルから吐出し難く、そのまま用いても吐出不良となるか、又は吐出安定性が低下することとなる。
そこで、本発明の水系インクでは、ポリオレフィンワックス粒子をポリマー分散剤で分散させて、該ポリオレフィンワックス粒子の酸価を特定の範囲とし、ポリオレフィンワックス粒子の表面に酸基を導入させて電荷反発力を付与することにより、非常に微細なインクジェットノズル内を通過する際のポリオレフィンワックス粒子の凝集を抑制し、インクジェットノズル内におけるインクによる閉塞を緩和及び低減させることができ、優れた吐出安定性と耐擦過性との両立を達成することができると考えられる。
【0010】
<顔料>
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
顔料は、1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物が挙げられる。特に黒色インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックが挙げられる。白色インクにおいては酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料が挙げられる。
無彩色インクにおいては、ホワイト、ブラック、グレー等の無彩色顔料、有彩色インクにおいては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、レッド、オレンジ、グリーン等の有彩色顔料をいずれも用いることができる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー、C.I.ピグメントレッド、C.I.ピグメントオレンジ、C.I.ピグメントバイオレット、C.I.ピグメントブルー、及びC.I.ピグメントグリーンからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルクが挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
花王株式会社
容器
2か月前
花王株式会社
容器
2か月前
花王株式会社
飲料
2か月前
花王株式会社
容器
3か月前
花王株式会社
組立体
4日前
花王株式会社
研磨液
3か月前
花王株式会社
研磨液
3か月前
花王株式会社
注出部材
2か月前
花王株式会社
注出部材
2か月前
花王株式会社
消臭方法
2か月前
花王株式会社
放散装置
13日前
花王株式会社
製造装置
3か月前
花王株式会社
固形食品
6日前
花王株式会社
空洞充填材
3か月前
花王株式会社
化粧料容器
1か月前
花王株式会社
皮膚化粧料
2か月前
花王株式会社
アイマスク
2か月前
花王株式会社
カプセル剤
2か月前
花王株式会社
吸収性物品
2か月前
花王株式会社
吸収性物品
26日前
花王株式会社
吸収性物品
26日前
花王株式会社
吸収性物品
26日前
花王株式会社
パウチ容器
29日前
花王株式会社
固形入浴剤
1か月前
花王株式会社
皮膚化粧料
3か月前
花王株式会社
皮膚外用剤
2か月前
花王株式会社
樹脂組成物
2か月前
花王株式会社
吸収性物品
6日前
花王株式会社
皮膚化粧料
3か月前
花王株式会社
容器組立体
1か月前
花王株式会社
皮膚洗浄方法
3か月前
花王株式会社
シート材容器
1か月前
花王株式会社
酵素センサー
1か月前
花王株式会社
抗菌剤組成物
2か月前
花王株式会社
水解性シート
2か月前
花王株式会社
洗浄剤組成物
2か月前
続きを見る
他の特許を見る