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公開番号
2025111867
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-31
出願番号
2024005752
出願日
2024-01-18
発明の名称
クリープ寿命予測方法、および、クリープ寿命予測装置
出願人
三菱重工業株式会社
代理人
SSIP弁理士法人
主分類
G01N
3/00 20060101AFI20250724BHJP(測定;試験)
要約
【課題】対象鋼材の材質に関わらず簡易かつ正確に対象鋼材の余寿命を予測できるクリープ寿命予測方法およびクリープ寿命予測装置を提供する。
【解決手段】クリープ寿命予測方法は、余寿命予測がなされる対象鋼材の第1時刻におけるクリープ損傷度を、非破壊評価法を利用して第1非破壊クリープ損傷度として特定する第1非破壊損傷度特定ステップと、ラーソンミラー法で規定される回帰式に、第1時刻までの対象鋼材の第1応力と、第1時刻までの対象鋼材の第1温度とを適用することで、第1時刻における対象鋼材のクリープ破断時間を、第1ラーソンミラー破断時間として特定する第1破断時間特定ステップと、第1非破壊クリープ損傷度から求まる第1時刻におけるクリープ破断時間である第1非破壊破断時間と、第1ラーソンミラー破断時間とに基づいて、第1ラーソンミラー破断時間の補正値である乖離度を特定する乖離度特定ステップとを備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
余寿命予測がなされる対象鋼材の第1時刻におけるクリープ損傷度を、非破壊評価法を利用して第1非破壊クリープ損傷度として特定する第1非破壊損傷度特定ステップと、
ラーソンミラー法で規定される回帰式に、前記第1時刻までの前記対象鋼材の第1応力と、前記第1時刻までの前記対象鋼材の第1温度とを適用することで、前記第1時刻における前記対象鋼材のクリープ破断時間を、第1ラーソンミラー破断時間として特定する第1破断時間特定ステップと、
前記第1非破壊クリープ損傷度から求まる前記第1時刻における前記クリープ破断時間である第1非破壊破断時間と、前記第1ラーソンミラー破断時間とに基づいて、前記第1ラーソンミラー破断時間の補正値である乖離度を特定する乖離度特定ステップと、
前記回帰式に前記乖離度を反映した補正回帰式に、前記第1時刻以降の第2時刻における前記対象鋼材の第2応力と、前記第2時刻における前記対象鋼材の第2温度とを適用することで、前記第2時刻における前記対象鋼材の余寿命を予測する余寿命予測ステップと
を備えるクリープ寿命予測方法。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
前記第1破断時間特定ステップは、
前記第1時刻よりも前の規定時刻から前記第1時刻にまでに至る前記対象鋼材に関する応力時系列データに基づき、前記第1応力を特定する応力特定ステップと、
前記規定時刻から前記第1時刻にまで至る前記対象鋼材に関する温度時系列データに基づき、前記第1温度を特定する温度特定ステップと、
を含む
請求項1に記載のクリープ寿命予測方法。
【請求項3】
前記第1非破壊損傷度特定ステップは、前記対象鋼材に対して実行する複数の前記非破壊評価法の各々から得られる結果に統計処理を適用することで、前記第1非破壊クリープ損傷度を特定する
請求項1または2に記載のクリープ寿命予測方法。
【請求項4】
前記第1破断時間特定ステップでは、前記対象鋼材の温度を計測するための光ファイバ温度センサの計測結果に基づき取得した前記対象鋼材の温度を前記回帰式に適用することで、前記第1ラーソンミラー破断時間を特定する
請求項1または2に記載のクリープ寿命予測方法。
【請求項5】
前記第2時刻よりも後の第3時刻における前記対象鋼材の前記クリープ損傷度を、非破壊評価法によって、第2非破壊クリープ損傷度として特定する第2非破壊損傷度特定ステップと、
前記ラーソンミラー法において規定される前記回帰式に、前記第3時刻までの前記対象鋼材の第3応力と、前記第3時刻までの前記対象鋼材の第3温度とを適用することで、前記第3時刻における前記クリープ破断時間を、第2ラーソンミラー破断時間として特定する第2破断時間特定ステップと、
前記第2非破壊クリープ損傷度から求まる前記第3時刻における前記クリープ破断時間である第2非破壊破断時間と、前記第2ラーソンミラー破断時間とに基づいて、前記第2ラーソンミラー破断時間の更新補正値である更新乖離度を特定する更新乖離度特定ステップと、
前記回帰式に前記更新乖離度を反映した更新補正回帰式に、前記第3時刻以降の第4時刻における前記対象鋼材の第4応力と、前記第4時刻における前記対象鋼材の第4温度とを適用することで、前記第4時刻における前記対象鋼材の前記余寿命である更新余寿命を評価する更新余寿命予測ステップと、
を備える
請求項1または2に記載のクリープ寿命予測方法。
【請求項6】
前記更新余寿命予測ステップで予測された前記更新余寿命から求まる前記対象鋼材の更新予測破断時点が、前記余寿命予測ステップで評価された前記余寿命から求まる前記対象鋼材の予測破断時点よりも早い場合、前記予測破断時点を前記更新予測破断時点に更新する余寿命更新ステップをさらに備える
請求項5に記載のクリープ寿命予測方法。
【請求項7】
前記対象鋼材が組み込まれる熱交換器を定期的に点検する点検ステップをさらに備え、
前記余寿命更新ステップは、Nを自然数と定義して、N回目の前記点検ステップからN+1回目の前記点検ステップまでの間に実行され、
前記余寿命更新ステップでは、N+1回目の前記点検ステップからN+2回目の前記点検ステップまでの前記熱交換器の規定稼働期間内の前記予測破断時点を、前記規定稼働期間内の前記更新予測破断時点に更新する
請求項6に記載のクリープ寿命予測方法。
【請求項8】
余寿命予測がなされる対象鋼材の第1時刻におけるクリープ損傷度を、非破壊評価法を利用して第1非破壊クリープ損傷度として特定する第1非破壊損傷度特定部と、
ラーソンミラー法で規定される回帰式に、前記第1時刻までの前記対象鋼材の第1応力と、前記第1時刻までの前記対象鋼材の第1温度とを適用することで、前記第1時刻における前記対象鋼材のクリープ破断時間を、第1ラーソンミラー破断時間として特定する第1破断時間特定部と、
前記第1非破壊クリープ損傷度から求まる前記第1時刻における前記クリープ破断時間である第1非破壊破断時間と、前記第1ラーソンミラー破断時間とに基づいて、前記第1ラーソンミラー破断時間の補正値である乖離度を特定する乖離度特定部と、
前記回帰式に前記乖離度を反映した補正回帰式に、前記第1時刻以降の第2時刻における前記対象鋼材の第2応力と、前記第2時刻における前記対象鋼材の第2温度とを適用することで、前記第2時刻における前記対象鋼材の余寿命を予測する余寿命予測部と
を備えるクリープ寿命予測装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼材の余寿命を予測するクリープ寿命予測方法、および、クリープ寿命予測装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、鋼材のクリープ寿命を予測するクリープ寿命予測方法が知られている。例えば、特許文献1に開示されるクリープ寿命予測方法は、クロム鋼の母材部のサンプルについて行われる試験結果に基づいて、クロム鋼の溶接部の破断時間が算出される。より具体的には、特許文献1で開示されるクリープ寿命予測方法は、析出物反映係数算出ステップ、長期挙動反映係数算出ステップ、母材部特性係数特定ステップ、溶接部特性係数特定ステップ、および、破断時間算出ステップを備える。
【0003】
析出物反映係数算出ステップでは、クロム鋼の母材部から採取されたサンプルについて、バナジウム系析出物の数密度と標準クリープ試験の結果から、サンプルのバナジウム系析出物の数密度に対応する析出物反映係数が算出される。長期挙動反映係数算出ステップでは、クロム鋼の母材部から採取された試験片についてスモールパンチクリープ試験の結果と標準クリープ試験の結果から、試験片のスモールパンチクリープ試験の結果に対応する長期挙動反映係数が算出される。母材部特性係数特定ステップでは、析出物反映係数と長期挙動反映係数から母材部特性係数が特定される。溶接部特性係数特定ステップでは、母材部の標準クリープ試験の結果と溶接部の標準クリープ試験の結果から、母材部特性係数の値に対応する溶接部特性係数が特定される。破断時間算出ステップでは、溶接部特性係数からクロム鋼の溶接部の破断時間が算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6976894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のクリープ寿命予測方法で扱われる鋼材は、改良9Cr-1Mo鋼(Modified 9Cr-1Mo steel)のみであり、他の種類の鋼材の余寿命を正確に評価できる寿命予測方法が求められる。
また、特許文献1で開示の寿命予測方法では、スモールパンチクリープ試験などを行う必要があり、コストおよび時間を少なからず要してしまう。また、試験片の採取時に鋼材(あるいは鋼材が組み込まれた実機)に少なからず損傷を与えてしまう。よって、より簡易な寿命予測方法が求められる。
【0006】
本開示の目的は、対象鋼材の材質に関わらず簡易かつ正確に対象鋼材の余寿命を予測できるクリープ寿命予測方法およびクリープ寿命予測装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係るクリープ寿命予測方法は、
余寿命予測がなされる対象鋼材の第1時刻におけるクリープ損傷度を、非破壊評価法を利用して第1非破壊クリープ損傷度として特定する第1非破壊損傷度特定ステップと、
ラーソンミラー法で規定される回帰式に、前記第1時刻までの前記対象鋼材の第1応力と、前記第1時刻までの前記対象鋼材の第1温度とを適用することで、前記第1応力と前記第1温度における前記対象鋼材のクリープ破断時間(全寿命)を、第1ラーソンミラー破断時間として特定する第1破断時間特定ステップと、
前記第1非破壊クリープ損傷度から求まる前記第1時刻における前記クリープ破断時間(全寿命)である第1非破壊破断時間と、前記第1ラーソンミラー破断時間とに基づいて、前記第1ラーソンミラー破断時間の補正値である乖離度を特定する乖離度特定ステップと、
前記回帰式に前記乖離度を反映した補正回帰式に、前記第1時刻以降の第2時刻における前記対象鋼材の第2応力と、前記第2時刻における前記対象鋼材の第2温度とを適用することで、前記第2時刻における前記対象鋼材の余寿命を予測する余寿命予測ステップと
を備える。
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係るクリープ寿命予測装置は、
余寿命予測がなされる対象鋼材の第1時刻におけるクリープ損傷度を、非破壊評価法を利用して第1非破壊クリープ損傷度として特定する第1非破壊損傷度特定部と、
ラーソンミラー法で規定される回帰式に、前記第1時刻までの前記対象鋼材の第1応力と、前記第1時刻までの前記対象鋼材の第1温度とを適用することで、前記第1応力と前記第1温度における前記対象鋼材のクリープ破断時間(全寿命)を、第1ラーソンミラー破断時間として特定する第1破断時間特定部と、
前記第1非破壊クリープ損傷度から求まる前記第1時刻における前記クリープ破断時間(全寿命)である第1非破壊破断時間と、前記第1ラーソンミラー破断時間とに基づいて、前記第1ラーソンミラー破断時間の補正値である乖離度を特定する乖離度特定部と、
前記回帰式に前記乖離度を反映した補正回帰式に、前記第1時刻以降の第2時刻における前記対象鋼材の第2応力と、前記第2時刻における前記対象鋼材の第2温度とを適用することで、前記第2時刻における前記対象鋼材の余寿命を予測する余寿命予測部と
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、対象鋼材の材質に関わらず簡易かつ正確に対象鋼材の余寿命を予測できるクリープ寿命予測方法およびクリープ寿命予測装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一実施形態に係る対象鋼材が使用される熱交換器の概略図である。
一実施形態に係るクリープ破断曲線を示す概略図である。
一実施形態に係る余寿命予測の概要を示す概略図である。
一実施形態に係る対象鋼材の余寿命予測方法を示すフローチャートである。
一実施形態に係る応力時系列データの概略図である。
一実施形態に係る温度時系列データの概略図である。
一実施形態に係る第1破断時間特定ステップを示すフローチャートである。
一実施形態に係る対象鋼材の更新余寿命予測方法を示すフローチャートである。
一実施形態に係る熱交換器の点検タイミングを示す概略図である。
一実施形態に係る熱交換器の点検の流れを示すフローチャートである。
一実施形態に係るクリープ寿命予測装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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