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公開番号2025102207
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023219522
出願日2023-12-26
発明の名称動翼、及び動翼の加工方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類F01D 5/20 20060101AFI20250701BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】クリープ変形による不具合を抑制する動翼、及び動翼の加工方法を提供する。
【解決手段】動翼は、翼体における、軸線に対する径方向外側の端部に設けられているシュラウドを備える。シュラウドは、翼体から遠ざかる広がり方向に広がるシュラウド本体を有する。シュラウド本体は、翼体が接続されている翼体接続領域と、広がり方向における翼体接続領域の外側に形成されている外縁側領域と、を有する。翼体接続領域のガスパス面は、広がり方向における単位位置変化量あたりの径方向の位置変化量の割合である面変化率が、広がり方向に向かうにつれて次第に小さくなる湾曲した面である。広がり方向における単位位置変化量当たりのガスパス面と反ガスパス面との間隔である厚さの変化量を厚さ変化率とした場合、外縁側領域中の特定外縁側領域における平均の厚さ変化率は、翼体接続領域中で特定外縁側領域に接している領域縁における厚さ変化率より大きい。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
軸線を中心としたロータ軸に取り付けられる動翼において、
前記軸線に対する径方向に延び、前記径方向に直交する断面形状が翼形を成す翼体と、
前記翼体における、前記軸線に対する径方向外側の端部に設けられているシュラウドと、
を備え、
前記翼体は、前記軸線が延びる軸線方向における軸線上流側と軸線下流側とのうち、最も前記軸線上流側の前縁と、最も前記軸線下流側の後縁と、前記前縁と前記後縁とをつなぎ互いに背合わせの関係にある腹側面と背側面と、を有し、
前記シュラウドは、前記翼体が延びる前記径方向に垂直な成分を有する方向であって、前記翼体から遠ざかる広がり方向に広がるシュラウド本体を有し、
前記シュラウド本体は、前記翼体が接続されている領域を含む翼体接続領域と、前記翼体接続領域に接続され、前記広がり方向における前記翼体接続領域の外側に形成されている外縁側領域と、を有し、
前記翼体接続領域及び前記外縁側領域は、いずれも、前記径方向外側を向く反ガスパス面と、前記軸線に対する径方向内側を向くガスパス面と、を有し、
前記翼体接続領域の前記ガスパス面は、前記広がり方向における単位位置変化量あたりの前記径方向の位置変化量の割合である面変化率が、前記広がり方向に向かうにつれて次第に小さくなる湾曲した面であり、
前記広がり方向における単位位置変化量当たりの前記ガスパス面と前記反ガスパス面との間隔である厚さの変化量を厚さ変化率とした場合、前記外縁側領域中の特定外縁側領域における平均の前記厚さ変化率は、前記翼体接続領域中で前記特定外縁側領域に接している領域縁における前記厚さ変化率より大きい、
動翼。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1に記載の動翼において、
前記特定外縁側領域は、第一外縁側領域を有し、
前記第一外縁側領域の前記ガスパス面における平均の前記面変化率は、前記第一外縁側領域の前記反ガスパス面における平均の前記面変化率よりも大きい、
動翼。
【請求項3】
請求項2に記載の動翼において、
前記第一外縁側領域は、前記シュラウド本体における前記軸線上流側の領域であって、前記軸線を中心とする周方向で前記腹側面に対して前記背側面が存在する周方向背側の領域である、
動翼。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の動翼において、
前記特定外縁側領域は、第二外縁側領域を有し、
前記第二外縁側領域の前記反ガスパス面における平均の前記面変化率は、前記第二外縁側領域の前記ガスパス面における平均の前記面変化率よりも大きい、
動翼。
【請求項5】
請求項4に記載の動翼において、
前記第二外縁側領域は、前記シュラウド本体における前記軸線上流側の領域であって、前記軸線を中心とする周方向で前記背側面に対して前記腹側面が存在する周方向腹側の領域である、
動翼。
【請求項6】
請求項4に記載の動翼において、
前記シュラウド本体内には、前記翼体接続領域から前記広がり方向に延び、冷却空気を流通させる冷却流路が形成され、
前記冷却流路は、前記第二外縁側領域における前記反ガスパス面で前記広がり方向に開口している、
動翼。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の動翼において、
前記ガスパス面は、前記翼体の前記腹側面及び前記背側面のそれぞれから前記広がり方向に向かうにつれて、次第に前記径方向外側に位置するように延在するフィレット面を有し、
前記広がり方向における前記翼体接続領域の前記領域縁は、前記広がり方向における前記フィレット面の外縁であるフィレット縁上にある、
動翼。
【請求項8】
請求項1に記載の動翼において、
前記外縁側領域は、前記外縁側領域の前記反ガスパス面の縁と前記外縁側領域の前記ガスパス面の縁とを接続する端面を有し、
前記端面は、前記軸線上流側を向く前端面を有し、
前記前端面は、第一前端面と、第二前端面と、を有し、
前記第一前端面は、前記前縁よりも前記軸線上流側に位置し、前記軸線を中心とする周方向であって、前記軸線に対して垂直な方向に広がり、
前記第二前端面は、前記周方向で前記翼体から遠ざかる側に向かうにつれて次第に前記軸線下流側に向かうよう、前記第一前端面に対して傾斜した面である、
動翼。
【請求項9】
請求項8に記載の動翼において、
前記第二前端面は、前記第一前端面に対して、前記周方向で前記腹側面に対して前記背側面が存在する周方向背側に位置する面であり、
前記第二前端面は、前記周方向背側に向かうにつれて次第に前記軸線下流側に向かうよう、前記第一前端面に対して傾斜した面である、
動翼。
【請求項10】
請求項1に記載の動翼において、
前記外縁側領域は、前記外縁側領域の前記反ガスパス面の縁と前記外縁側領域の前記ガスパス面の縁とを接続する端面を有し、
前記端面は、前記軸線を中心とする周方向で前記腹側面に対して前記背側面が存在する周方向背側を向き且つ前記翼体よりも前記周方向背側に位置する背側端面と、前記周方向で前記背側面に対して前記腹側面が存在する周方向腹側を向き且つ前記翼体よりも前記周方向腹側に位置する腹側端面と、を有し、
前記背側端面は、前記シュラウドの前記周方向背側に位置する他の前記シュラウドの前記腹側端面の一部と接触可能な背側コンタクト面を有し、
前記腹側端面は、前記シュラウドの前記周方向腹側に位置する他の前記シュラウドの前記背側端面の一部と接触可能な腹側コンタクト面を有し、
前記腹側コンタクト面における前記径方向の幅は、前記背側コンタクト面における前記径方向の幅よりも小さい、
動翼。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、動翼、及び動翼の加工方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
軸流回転機械の一種であるガスタービンは、軸線を中心として回転するロータと、ロータを覆うケーシングと、を備える。ロータは、ロータ軸と、このロータ軸に取り付けられている複数の動翼と、を有する。
【0003】
例えば、以下の特許文献1に記載の動翼は、翼形を成す翼体と、シュラウドと、を有している。翼体は、軸線に対する径方向に延びている。シュラウドは、翼体の軸線に対する径方向の外側の端に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11-13403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、シュラウドは、翼体の径方向の外側の端に設けられている。このため、このシュラウドの重量増加が翼体にかかる遠心力の増加につながる。遠心力が増加すると、シュラウドにおける翼体から径方向外側にめくり上がるクリープ変形の変形量が増大する。これにより、シュラウドの寿命が短くなる等の不具合が生じる。
【0006】
本開示は、クリープ変形による不具合を抑制する動翼、及び動翼の加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本開示に係る第一の態様としての動翼は、
軸線を中心としたロータ軸に取り付けられる動翼において、前記軸線に対する径方向に延び、前記径方向に直交する断面形状が翼形を成す翼体と、前記翼体における、前記軸線に対する径方向外側の端部に設けられているシュラウドと、を備え、前記翼体は、前記軸線が延びる軸線方向における軸線上流側と軸線下流側とのうち、最も前記軸線上流側の前縁と、最も前記軸線下流側の後縁と、前記前縁と前記後縁とをつなぎ互いに背合わせの関係にある腹側面と背側面と、を有し、前記シュラウドは、前記翼体が延びる前記径方向に垂直な成分を有する方向であって、前記翼体から遠ざかる広がり方向に広がるシュラウド本体を有し、前記シュラウド本体は、前記翼体が接続されている領域を含む翼体接続領域と、前記翼体接続領域に接続され、前記広がり方向における前記翼体接続領域の外側に形成されている外縁側領域と、を有し、前記翼体接続領域及び前記外縁側領域は、いずれも、前記径方向外側を向く反ガスパス面と、前記軸線に対する径方向内側を向くガスパス面と、を有し、前記翼体接続領域の前記ガスパス面は、前記広がり方向における単位位置変化量あたりの前記径方向の位置変化量の割合である面変化率が、前記広がり方向に向かうにつれて次第に小さくなる湾曲した面であり、前記広がり方向における単位位置変化量当たりの前記ガスパス面と前記反ガスパス面との間隔である厚さの変化量を厚さ変化率とした場合、前記外縁側領域中の特定外縁側領域における平均の前記厚さ変化率は、前記翼体接続領域中で前記特定外縁側領域に接している領域縁における前記厚さ変化率より大きい。
【0008】
外縁側領域は、翼体接続領域と比較して剛性が小さく、遠心力によるクリープ変形が生じやすい。
【0009】
本態様では、翼体接続領域のガスパス面は、広がり方向における単位位置変化量あたりの径方向の位置変化量の割合である面変化率が、広がり方向に向かうにつれて次第に小さくなる湾曲した面となっている。さらに、外縁側領域中の特定外縁側領域における平均の厚さ変化率は、翼体接続領域中で特定外縁側領域に接している領域縁における厚さ変化率より大きい。このため、外縁側領域と翼体接続領域とを滑らかに接続しつつ、外縁側領域が翼体接続領域よりも薄くなる。これにより、空力特性を維持しつつ、外縁側領域を軽量化することができる。よって、シュラウドの外縁側領域にかかる遠心力を低減し、径方向外側にめくり上がるクリープ変形を抑制することができる。したがって、クリープ変形による不具合を抑制することができる。
【0010】
上記目的を達成するための本開示に係る第二の態様としての動翼は、
軸線を中心としたロータ軸に取り付けられる動翼において、前記軸線に対する径方向に延び、前記径方向に直交する断面形状が翼形を成す翼体と、前記翼体における、前記軸線に対する径方向外側の端部に設けられているシュラウドと、を備え、前記翼体は、前記軸線が延びる軸線方向における軸線上流側と軸線下流側とのうち、最も前記軸線上流側の前縁と、最も前記軸線下流側の後縁と、前記前縁と前記後縁とをつなぎ互いに背合わせの関係にある腹側面と背側面と、を有し、前記シュラウドは、前記翼体が延びる前記径方向に垂直な成分を有する方向であって、前記翼体から遠ざかる広がり方向に広がるシュラウド本体を有し、前記シュラウド本体は、前記径方向外側を向く反ガスパス面と、前記軸線に対する径方向内側を向くガスパス面と、前記反ガスパス面の縁と前記ガスパス面の縁とを接続する端面と、を有し、前記端面は、前記軸線上流側を向く前端面を有し、前記前端面は、第一前端面と、第二前端面と、を有し、前記第一前端面は、前記前縁よりも前記軸線上流側に位置し、前記軸線を中心とする周方向であって、前記軸線に対して垂直な方向に広がり、前記第二前端面は、前記周方向で前記翼体から遠ざかる側に向かうにつれて次第に前記軸線下流側に向かうよう、前記第一前端面に対して傾斜した面である。
(【0011】以降は省略されています)

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