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公開番号2025098100
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2025044220,2021565922
出願日2025-03-19,2020-05-14
発明の名称光起電力装置
出願人オックスフォード フォトボルテイクス リミテッド
代理人弁理士法人ITOH
主分類H10K 30/50 20230101AFI20250624BHJP()
要約【課題】従来のPIN構造の問題に対処する。
【解決手段】光起電力装置は、PIN構造を有し、p型ホール輸送層(2)は、基板(1)で担持され、ペロブスカイト層(3)およびn型電子輸送層(4)は、p型層上に順次配置される。n型電子輸送層の上部には、光透過導電層(9)が設置され、受光上部表面が形成される。n型電子輸送層と光透過性導電層との間には、間に導電性材料(7)の層を有する2つの無機電気絶縁層(6、8)が提供される。2つの無機電気絶縁層は、4.5eVよりも大きなバンドギャップを有する材料を有し、導電性材料の層は、電気絶縁層のバンドギャップよりも小ささバンドギャップを有する材料を有する。各電気絶縁層は、導電性材料の層と、タイプ1のオフセット接合を形成する。
【選択図】図1B


特許請求の範囲【請求項1】
PIN構造を有する光起電力装置であって、
p型ホール輸送層が基板に担持され、
前記p型ホール輸送層上に、ペロブスカイト層およびn型電子輸送層がこの順に配置され、
前記n型電子輸送層の上部には、光透過性導電層が提供され、受光上部表面が形成され、
前記n型電子輸送層と前記光透過性導電層の間には、間に導電性材料の層を有する2つの無機電気絶縁層を有する界面構造が提供され、
前記無機電気絶縁層は、バンドギャップが4.5eVよりも大きい材料を有し、導電性材料の前記層は、前記無機電気絶縁層の前記バンドギャップよりもバンドギャップが小さい材料を有し、
各無機電気絶縁層は、導電性材料の前記層とタイプ1のオフセット接合を形成する、光起電力装置。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
導電性材料の前記層は、バンドギャップが2eVよりも大きく、4.0eV以下の材料を有する、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項3】
前記基板は、別の光起電力サブセルを有し、モノリシックな一体化マルチ接合光起電力装置が形成される、請求項1または2に記載の光起電力装置。
【請求項4】
前記2つの無機電気絶縁層は、Al
2
O
3
を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光起電力装置。
【請求項5】
前記2つの無機電気絶縁層の間の導電性材料の前記層は、SnO
x
;ZnO
x
;(Zn:Sn)O
x
;TiO
x
およびInO
x
からなる群から選定された1または2以上の材料を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光起電力装置。
【請求項6】
前記2つの無機電気絶縁層の間の導電性材料の前記層は、SnO
x
を有する、請求項5に記載の光起電力装置。
【請求項7】
前記別の光起電力サブセルは、ペロブスカイト、単結晶シリコン、ポリシリコン、Cu(In,Ga)Se
2
、またはCu
2
ZnSn(S,Se)
4
サブセルを有する、請求項3に記載の光起電力装置。
【請求項8】
前記ペロブスカイト層は、有機カチオンおよびセシウムカチオン、Pb、Sn、Sb、もしくはTiの1もしくは2以上から選択された1または2以上のカチオンと、Cl、BrおよびIから選択された1もしくは2以上のハロゲン化物アニオンと、を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光起電力装置。
【請求項9】
前記2つの無機電気絶縁層は、0.4から3nmの間の厚さを有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光起電力装置。
【請求項10】
前記2つの無機電気絶縁層の間の導電性材料の前記層は、3から12nmの間の厚さを有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光起電力装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、光起電力(PV)装置に関し、特に、ペロブスカイトPV装置、およびペロブスカイト系のサブセルを有するタンデム太陽電池のような、マルチ接合光起電力装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
太陽エネルギーは、再生可能エネルギーを提供できる最も将来性のある技術である。ただし、歴史的に、高い材料コストを含む、太陽エネルギーを取得するための装置製造の高コストがその幅広い普及を妨げている。
【0003】
例えば、シリコンp-n接合で構成される単接合太陽電池のような単接合太陽電池は、AM1.5G条件(例えば、A.Reindersらの“ペロブスカイト太陽エネルギー-基礎から応用まで”,Wiley,ISBN9781118927465[2017],p164参照)下で、約29%の最大理論効率を有し、実質効率は、最大26%である。しかしながら、シリコン単接合セル(または別のタイプの単接合セル)の上に、より高いバンドギャップを有する材料のセルを積層し、直列に接続した場合、限界理論効率は、40%を超えるまで上昇する。従って、タンデムおよび他のマルチ接合セル技術には、大きな関心がある。
【0004】
また、単接合ペロブスカイト太陽電池は、シリコンに匹敵する効率を示す。
【0005】
太陽電池は、典型的な構造または反転構造を有し得る。本願に記載のような反転ペロブスカイト太陽電池の場合、しばしば、P-I-N(p型コンタクト(P)、ペロブスカイト(I)、n型コンタクト(N)の連続層)と称される構成で開発され、通常、これには、有機nコンタクトが使用される。しかしながら、この有機材料は、連続層形成プロセスの間に劣化し得る。この問題は、例えば、n型コンタクトへのスパッタリングにより、後続のTCO(透明導電性酸化物電極)層がコーティングされる場合、特に深刻になる可能性がある。後続の材料層のスパッタリングの間のスパッタ損傷から、有機nコンタクト層を保護するため、有機nコンタクト層の成膜の直後に、緻密なn型無機コンタクトが成膜され得る。
【0006】
例えば、反転PINペロブスカイト太陽電池において、有機フラーレンコンタクトの電子選択およびスパッタ保護のため、原子層成膜(ALD)成長n型SnO
2
を使用することが提案されている(Bushら,2017(10.1038/nenergy.2017.9))。また、2018年6月11日に、Nature Materialsにおいて、Sahliらのオンライン公開(https://doi.org/10.1038/s41563-018-0115-4)により、完全にテクスチャ化されたモノリシックペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池が開示されている。原子層成膜法により、スタックの上にSnO
2
のバッファ層が成膜される。ペロブスカイト太陽電池へのALDの使用に関するレビューが最近公開されている-V.Zardetto,B.L.Williamsら,持続可能エネルギーと燃料,vol.1,p30-55(2017)参照。反転PINペロブスカイト装置構造は、“Organic-Inorganic Halide Perovskite Photovoltaics”Park編集,Gratzel,Miyasaka,Springer(2016)ISBN978-3-319-35112-4(特に第12章p307-p324参照)に、より詳しく記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、既存の技術には、次のような多くの潜在的な欠点がある:
1)プロセスの再現性:多くのALDプロセスの核発生の表面依存性のため、膜厚は、処理ごとに異なり得る。SnO
2
の場合、これは、最大10から15%になり得る。
2)未パッシベーション結合による無機-n/フラーレン界面でのキャリア再結合により、太陽電池装置における開回路電圧(V
OC
)およびフィルファクタ(FF)のロスが生じる。
3)無機n型層の目的は、有機n型層およびペロブスカイト層をスパッタ損傷から保護すること、ならびに有害なITO/有機nコンタクト、およびITO/ペロブスカイトコンタクトの領域の形成を抑制することである。無機層の不十分な密度および/または表面被覆率、あるいは過剰に高い導電率は、この効果を制限し得る。
【0008】
本発明の目的は、従来のこれらの問題に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様では、請求項1から11に規定の光起電力装置が提供される。
【0010】
マルチレイヤ界面層を有する光起電力装置は、米国特許第9,416,279号で知られている。しかしながら、この特許では、本発明のPIN構造ではなく、典型的なNIP構造が示されている。NIP構造とPIN構造が直面する製造プロセスの考慮事項は、異なる。通常、スパッタリングは、NIP構造において問題は少ないが、PIN構造に対するスパッタリングの使用は、前述のように、材料を損傷する可能性がある。本発明は、反転ペロブスカイト太陽電池に関し、無機の「真性-n型-真性(INI)」サンドイッチ構造を提供し、前述の従来技術の整然とした無機n型層を置換する。本発明の3層スタックを使用した場合に比べて、単一の「整然とした」SnO
2
層を使用した場合、変動が大きくなり、ピークおよび平均効率が低くなる。
(【0011】以降は省略されています)

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