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公開番号2025088127
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023202610
出願日2023-11-30
発明の名称動力システム
出願人いすゞ自動車株式会社
代理人弁理士法人創光国際特許事務所
主分類F02D 41/06 20060101AFI20250604BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】窒素酸化物の増加を抑制し、かつ燃焼温度を適切に昇温させる。
【解決手段】動力システムSは、第一気筒群21の圧縮工程中に第一気筒群21の排気弁42の開閉を制御する排気弁制御部622と、第一気筒群21の圧縮工程中に排気弁42が開く場合、第二気筒群22の排気を吸気管路12に還流させ、かつ第一気筒群21の排気を吸気管路12に還流させない還流制御部624と、第一気筒群21の圧縮工程中に排気弁42が開く場合、第一気筒群21の燃焼室242への燃料噴射を停止させ、第一気筒群21の圧縮工程中に排気弁42が閉じている状態で第二気筒群22の燃焼室242に噴射させる燃料の第一噴射量よりも多い第二噴射量の燃料を、第二気筒群22の燃焼室242に噴射させる噴射制御部623と、を有する。
【選択図】図3



特許請求の範囲【請求項1】
エンジンの複数の気筒のうち第一気筒群の排気弁の開閉を制御する排気弁制御部と、
前記第一気筒群の排気、及び前記複数の気筒のうち前記第一気筒群と異なる第二気筒群の排気の前記エンジンの吸気管路への還流を制御する還流制御部と、
前記複数の気筒の各々の燃焼室への燃料の噴射を制御する噴射制御部と、
を有し、
前記排気弁制御部が前記第一気筒群の圧縮工程中に前記第一気筒群の排気弁を開くように制御する場合、
前記還流制御部は、前記第一気筒群の排気が前記吸気管路に還流せず、前記第二気筒群の排気が前記吸気管路に還流するように制御し、
前記噴射制御部は、
前記第一気筒群の燃焼室への燃料噴射を停止させ、かつ、
前記第一気筒群の圧縮工程中に前記排気弁が閉じている状態で前記第二気筒群の燃焼室に噴射させる燃料の第一噴射量よりも多い第二噴射量の燃料を、前記第二気筒群の燃焼室に噴射させる、
動力システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記第一気筒群の排気を前記吸気管路に還流する第一還流管路と、
前記第二気筒群の排気を前記吸気管路に還流する第二還流管路と、を有する、
請求項1に記載の動力システム。
【請求項3】
前記噴射制御部は、前記第一気筒群の排気工程中に前記排気弁が開く場合、前記第一気筒群の圧縮工程中に前記排気弁が開いている状態の前記エンジンに生じる負荷に応じた量だけ前記第一噴射量よりも多い前記第二噴射量の燃料を前記第二気筒群の燃焼室に噴射させる、
請求項1に記載の動力システム。
【請求項4】
前記排気弁制御部は、前記第一気筒群の圧縮工程中に前記第一気筒群の排気弁が開いていた第一開放時間と、前記第二気筒群の圧縮工程中に前記第二気筒群の排気弁が開いていた第二開放時間とを同じにする、
請求項1に記載の動力システム。
【請求項5】
前記排気弁制御部は、前記第一開放時間が前記第二開放時間よりも所定時間以上大きい場合、
前記第二気筒群の圧縮工程中に前記第二気筒群の排気弁を開き、
前記第一気筒群の圧縮工程中に前記第一気筒群の排気弁を閉じた状態にすることで、前記第一開放時間と前記第二開放時間を同じにする、
請求項4に記載の動力システム。
【請求項6】
前記噴射制御部は、前記第一開放時間が前記第二開放時間よりも前記所定時間以上大きい場合、
前記第二気筒群への燃料噴射を停止させ、
圧縮工程中に排気弁が閉じている状態の前記第一気筒群の燃焼室に、前記第二気筒群の圧縮工程中に排気弁が閉じている状態で噴射させる燃料の第三噴射量よりも多い第四噴射量の燃料を噴射部に噴射させ、
前記還流制御部は、圧縮工程中に排気弁が閉じている前記第一気筒群の排気を前記吸気管路に還流させ、かつ圧縮工程中に排気弁が開いている前記第二気筒群の排気を前記吸気管路に還流させない、
請求項5に記載の動力システム。
【請求項7】
前記エンジンの冷却水の温度を取得する取得部を有し、
前記排気弁制御部は、前記冷却水の温度が所定水温以下の場合に、前記第一気筒群の圧縮工程中に前記排気弁を開く、
請求項1に記載の動力システム。
【請求項8】
前記エンジンの回転数を取得する取得部を有し、
前記排気弁制御部は、前記回転数が所定回転数以下の場合に、前記第一気筒群の圧縮工程中に前記排気弁を開く、
請求項1に記載の動力システム。
【請求項9】
前記取得部は、前記燃焼室に噴射する燃料の指示噴射量を取得し、
前記排気弁制御部は、前記回転数が前記所定回転数以下であり、かつ前記指示噴射量が前記燃焼室に噴射可能な最大噴射量よりも小さい場合、前記第一気筒群の圧縮工程中に前記排気弁を開く、
請求項8に記載の動力システム。
【請求項10】
前記第一気筒群の圧縮工程中に前記排気弁が開く場合に前記第一気筒群のピストンへの潤滑油の供給を停止させる供給制御部を有する、
請求項1に記載の動力システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンを用いた動力システムに関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
エンジンの冷間始動時にエンジンや浄化装置を昇温させる技術が知られている。特許文献1には、エンジンの燃焼室に噴射する燃料の量を増やすことで燃焼温度を上昇させ、高温になった排気で浄化装置を昇温させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000-320386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、燃料の噴射量を増やしすぎるとエンジンの出力が大きくなりすぎてしまうため、増量可能な噴射量に限界があり、燃焼温度を十分に上昇させられないことがあった。また、噴射量を増量して燃焼温度を上昇させると、燃焼時に生成される窒素酸化物が増加してしまっていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、窒素酸化物の増加を抑制し、かつ燃焼温度を適切に昇温させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様においては、エンジンの複数の気筒のうち第一気筒群の排気弁の開閉を制御する排気弁制御部と、前記第一気筒群の排気、及び前記複数の気筒のうち前記第一気筒群と異なる第二気筒群の排気の前記エンジンの吸気管路への還流を制御する還流制御部と、前記複数の気筒の各々の燃焼室への燃料の噴射を制御する噴射制御部と、を有し、前記排気弁制御部が前記第一気筒群の圧縮工程中に前記第一気筒群の排気弁を開くように制御する場合、前記還流制御部は、前記第一気筒群の排気が前記吸気管路に還流せず、前記第二気筒群の排気が前記吸気管路に還流するように制御し、前記噴射制御部は、前記第一気筒群の燃焼室への燃料噴射を停止させ、かつ、前記第一気筒群の圧縮工程中に前記排気弁が閉じている状態で前記第二気筒群の燃焼室に噴射させる燃料の第一噴射量よりも多い第二噴射量の燃料を、前記第二気筒群の燃焼室に噴射させる、動力システムを提供する。
【0007】
前記第一気筒群の排気を前記吸気管路に還流する第一還流管路と、前記第二気筒群の排気を前記吸気管路に還流する第二還流管路と、を有してもよい。
【0008】
前記噴射制御部は、前記第一気筒群の排気工程中に前記排気弁が開く場合、前記第一気筒群の圧縮工程中に前記排気弁が開いている状態の前記エンジンに生じる負荷に応じた量だけ前記第一噴射量よりも多い前記第二噴射量の燃料を前記第二気筒群の燃焼室に噴射させてもよい。
【0009】
前記排気弁制御部は、前記第一気筒群の圧縮工程中に前記第一気筒群の排気弁が開いていた第一開放時間と、前記第二気筒群の圧縮工程中に前記第二気筒群の排気弁が開いていた第二開放時間とを同じにしてもよい。
【0010】
前記排気弁制御部は、前記第一開放時間が前記第二開放時間よりも所定時間以上大きい場合、前記第二気筒群の圧縮工程中に前記第二気筒群の排気弁を開き、前記第一気筒群の圧縮工程中に前記第一気筒群の排気弁を閉じた状態にすることで、前記第一開放時間と前記第二開放時間を同じにしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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