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公開番号2025087483
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023202177
出願日2023-11-29
発明の名称全固体電池の試験方法
出願人太陽誘電株式会社
代理人個人
主分類H01M 10/0585 20100101AFI20250603BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 高速充放電時や交流インピーダンス評価時において電極層の挙動を試験することができる、全固体電池の試験方法を提供する。
【解決手段】 固体電解質層が正極層と負極層とによって挟持された評価用セルと、二相共存反応を有する電極活物質を含む第1参照極と第1対極とによって固体電解質層が挟持された第1参照極用セルと、二相共存反応を有する電極活物質を含む第2参照極と第2対極とによって固体電解質層が挟持された第2参照極用セルと、を備え、第1参照極が正極層に対して固体電解質層を介して接続され、第2参照極が負極層に対して固体電解質層を介して接続された試験用全固体電池において、第1参照極と第1対極との間の充電率を二相共存反応のプラトー領域に調整し、第2参照極と第2対極との間の充電率を二相共存反応のプラトー領域に調整し、第1参照極および第2参照極を参照極として用いて、正極層および負極層の電位挙動を測定する。
【選択図】 図1

特許請求の範囲【請求項1】
固体電解質層が、正極活物質を含む正極層と負極活物質を含む負極層とによって挟持された評価用セルと、二相共存反応を有する電極活物質を含む第1参照極と前記第1参照極に対する第1対極とによって固体電解質層が挟持された第1参照極用セルと、二相共存反応を有する電極活物質を含む第2参照極と前記第2参照極に対する第2対極とによって固体電解質層が挟持された第2参照極用セルと、を備え、前記第1参照極が前記正極層に対して固体電解質層を介して接続され、前記第2参照極が前記負極層に対して固体電解質層を介して接続された試験用全固体電池を用い、
前記第1参照極と前記第1対極との間の充電率を、前記第1参照極が備える前記電極活物質の二相共存反応のプラトー領域に調整する手順と、
前記第2参照極と前記第2対極との間の充電率を、前記第2参照極が備える前記電極活物質の二相共存反応のプラトー領域に調整する手順と、
前記第1参照極および前記第2参照極を参照極として用いて、前記正極層および前記負極層の少なくともいずれか一方の電位挙動を測定する手順と、を有する全固体電池の試験方法。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記第1参照極が含む前記電極活物質および前記第2参照極が含む前記電極活物質の少なくともいずれか一方は、LiCoPO

、LiFePO

、LiCoO

、LiMn



の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の全固体電池の試験方法。
【請求項3】
前記第1参照極が含む前記電極活物質および前記第2参照極が含む前記電極活物質の少なくともいずれか一方は、Li

Ti


12
、TiO

、LiTiPO

、LiTi

(PO



、Li
1+x
Al

Ti
2-x
(PO



の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の全固体電池の試験方法。
【請求項4】
前記第1参照極および前記第2参照極を短絡させて、前記第1参照極および前記第2参照極を基準電極として充放電評価を実施し、正極電位として、前記正極層と、前記第1参照極および前記第2参照極との間の電位差を記録する、請求項1に記載の全固体電池の試験方法。
【請求項5】
前記第1参照極および前記第2参照極を短絡させて、前記第1参照極および前記第2参照極を基準電極として充放電評価を実施し、負極電位として、前記負極層と、前記第1参照極および前記第2参照極との間の電位差を記録する、請求項1に記載の全固体電池の試験方法。
【請求項6】
作用極電流端子および作用極電圧端子を前記正極層に接続し、対極電流端子および対極電圧端子を前記負極層に接続し、参照極端子を前記第1参照極および前記第2参照極に接続し、前記正極層と前記負極層との間に交流信号を入力し、前記正極層と前記第1参照極および前記第2参照極との間、および前記負極層と前記第1参照極および前記第2参照極との間の信号を記録する、請求項1に記載の全固体電池の試験方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体電池の試験方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、携帯電子機器、ウエアラブルデバイス、IoTデバイスなどの電源として、エネルギー密度の高さからリチウムイオン二次電池が広く用いられている。これらのリチウムイオン二次電池では、イオンを移動させる媒体として、可燃性の有機溶媒を用いた電解液が用いられている。このような可燃性の電解液を用いた電池においては、電解液の漏液や発煙・発火等の危険性が課題として指摘されている。このような危険性を解消し、本質的な安全性を確保する手段として、可燃性の有機電解液の代替として、難燃性の固体電解質を用いるとともに、構成要素全てを固体とした全固体電池の開発が進められている。
【0003】
二次電池デバイスは、正極、電解質、および負極の特性バランスが重要であり、電池内部における各々の特性を独立評価する手法構築が求められる。液系のリチウムイオン二次電池においては、正極負極間に金属線(Ag、Li、Li-Inなど)を導入することにより、様々な評価が行われてきた。全固体電池においても、比較的柔軟な硫化物系全固体電池において様々な手法にて参照極を導入する試みがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-62523号公報
【非特許文献】
【0005】
J. Mater. Chem. A, 2018, 6, 14867-14875
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
酸化物系全固体電池では、参照極導入の試みとして、二相共存反応を有する活物質を用いたセルを、評価用セルの横に固体電解質を介して並列に接続する構成を用い、一括焼結を行う酸化物系全固体電池への参照極の導入が可能になっている(例えば、特許文献1参照)。この技術の構築により、例えば、0.2C以下の低レート充放電時における正負極各々の特性を独立評価することが可能となっている。
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、評価電極と参照極との距離が比較的遠くなっている。そのため、例えば、0.2C以下の低レート充放電では追従可能であるが、高レートや、交流インピーダンス測定など、高い応答性を要求する測定に対応することは困難である。
【0008】
非特許文献1では、電極背面に参照極を設置する構成が報告されている。この構成であれば、参照極と評価電極との間の距離を削減できる可能性がある。しかしながら、酸化物系全固体電池において、参照極と評価電極との間の距離を削減できる手法についてはまだ報告されていない。例えば、参照極を設置するなどして電池セルの対称性を崩すと、酸化物系全固体電池の焼成時に歪みが生じるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高速充放電時や交流インピーダンス評価時において電極層の挙動を試験することができる、全固体電池の試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る全固体電池の試験方法は、固体電解質層が、正極活物質を含む正極層と負極活物質を含む負極層とによって挟持された評価用セルと、二相共存反応を有する電極活物質を含む第1参照極と前記第1参照極に対する第1対極とによって固体電解質層が挟持された第1参照極用セルと、二相共存反応を有する電極活物質を含む第2参照極と前記第2参照極に対する第2対極とによって固体電解質層が挟持された第2参照極用セルと、を備え、前記第1参照極が前記正極層に対して固体電解質層を介して接続され、前記第2参照極が前記負極層に対して固体電解質層を介して接続された試験用全固体電池を用いて、前記第1参照極と前記第1対極との間の充電率を、前記第1参照極が備える前記電極活物質の二相共存反応のプラトー領域に調整する手順と、前記第2参照極と前記第2対極との間の充電率を、前記第2参照極が備える前記電極活物質の二相共存反応のプラトー領域に調整する手順と、前記第1参照極および前記第2参照極を参照極として用いて、前記正極層および前記負極層の少なくともいずれか一方の電位挙動を測定する手順とを有する。
(【0011】以降は省略されています)

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