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公開番号2025075027
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-14
出願番号2025011881,2024541692
出願日2025-01-28,2024-02-22
発明の名称半導体発光装置
出願人シチズン電子株式会社,シチズン時計株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類H10H 20/851 20250101AFI20250507BHJP()
要約【課題】半導体発光装置内の温度による白色光の色度ズレを抑制した、半導体発光装置を提供することを課題とする。
【解決手段】基体と、前記基体に備えられた波長430nm~480nmに発光ピークを有する半導体発光素子と、前記半導体発光素子から出射された光の波長を変換する波長変換材料を複数含む透光性材料と、を有する、白色光を発光する半導体発光装置であって、白色光の発光スペクトルにおいて、波長500nm以上605nm未満での発光スペクトルの温度による変化量と、波長605nm以上650nm未満での発光スペクトルの温度による変化量の差の絶対値を小さくすることで、課題を解決する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
基体と、
前記基体に備えられた波長430nm~480nmに発光ピークを有する半導体発光素子と、
前記半導体発光素子から出射された光の波長を変換する波長変換材料を複数含む透光性材料と、を有する、白色光を発光する半導体発光装置であって、
前記白色光の発光スペクトルのうち、
波長380nm以上500nm未満を第一領域、
波長500nm以上605nm未満を第二領域、
波長605nm以上650nm未満を第三領域、
波長650nm以上780nm以下を第四領域、と定義し、
前記波長変換材料は、前記第二領域に発光ピークを有する蛍光体Aと、前記第三領域に発光ピークを有するフッ化物蛍光体と、波長590nm以上780nm以下の領域に発光ピークを有する蛍光体Bと、を少なくとも含み、
前記半導体発光装置の動作温度を25℃から85℃に変化させた際の、前記白色光の前記第二領域における分光放射束の積分値の変化量をΔS

(%)とし、
前記半導体発光装置の動作温度を25℃から85℃に変化させた際の、前記白色光の前記第三領域における分光放射束の積分値の変化量をΔS

(%)としたとき、
前記白色光の色温度が3000K以下では|ΔS

-ΔS

|の値が8%以下であり、
前記白色光の色温度が3000Kより高い範囲では|ΔS

-ΔS

|の値が12%以下である、
半導体発光装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
基体と、
前記基体に備えられた波長430nm~480nmに発光ピークを有する半導体発光素子と、
前記半導体発光素子から出射された光の波長を変換する波長変換材料を複数含む透光性材料と、を有する、白色光を発光する半導体発光装置であって、
前記波長変換材料は、波長500nm以上605nm未満に発光ピークを有する蛍光体Aと、波長605nm以上650nm未満に発光ピークを有するフッ化物蛍光体と、波長590nm以上780nm以下に発光ピークを有する蛍光体Bと、を少なくとも含み、
前記蛍光体Aと蛍光体Bとは、動作温度を25℃から85℃に変化させた際に該蛍光体から発する蛍光の分光放射束の積分値の変化量(%)が、それぞれ8%以上であり、
前記半導体発光装置の動作温度を25℃から85℃に変化させた際の、前記白色光の色度図上の色度変化量が、マクアダム楕円3step以内である、
半導体発光装置。
【請求項3】
前記白色光の発光スペクトルのうち、波長380nm以上780nm以下の領域における分光放射束の積分値をSとし、前記第四領域における分光放射束の積分値をS

としたとき、


/Sの値が0.06以上0.15以下である、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記蛍光体Aは、ガーネット蛍光体である、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記蛍光体Aは、LuAG蛍光体である、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記蛍光体Bは、SCASN蛍光体である、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記フッ化物蛍光体は、KSF蛍光体である、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記白色光の演色性評価指数Raは90以上である、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記透光性材料中における前記フッ化物蛍光体の透過性材料の重量に対する配合量は35wt%以下である、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記蛍光体Bは、ピーク波長が620nm以上である、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子、及び波長変換材料を備えた、半導体発光装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
LED(半導体発光素子)と蛍光体とを組み合わせて白色光を出射させる半導体発光装置は、長寿命であり、且つエネルギー消費量が少ないことから、様々な用途に広く普及してきた。
【0003】
半導体発光装置の適用領域のうち一般照明の領域においては、エネルギー消費量が少ないことに加えて演色性が良好であることが求められている。エネルギー効率と演色性とを両立させた半導体発光装置として、特許文献1には、広帯域スペクトル赤色蛍光体と、狭帯域スペクトル赤色蛍光体と、を含む受光発光媒体が開示されている。
また、狭帯域スペクトル赤色蛍光体としては、例えばK

SiF

:Mn
4+
で表されるフッ化物蛍光体が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許第8921875号
特開2010-209311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、フッ化物蛍光体を用いてエネルギー効率と演色性とを両立させ得る半導体発光装置を更に検討していたところ、半導体発光装置から発光される白色光は、半導体発光装置内の温度によって色度のズレが生じるという新たな課題に想到した。本発明は、フッ化物蛍光体を用いた半導体発光装置で生じ得る、半導体発光装置内の温度による白色光の色度のズレを抑制した、半導体発光装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため、波長変換材料の温度変化による発光特性の変化を確認したところ、フッ化物蛍光体は温度変化による発光特性の安定性が極めて高かったが、他の波長変換材料については温度変化による発光特性の変化が大きい材料があった。また、波長変換材料としてフッ化物蛍光体を含む半導体発光装置が発光する白色光のスペクトルを確認したところ、温度変化による発光特性の変化が大きい波長領域が存在することに想到した。
そして、これらの知見に基づき鋭意研究をすすめ、半導体発光装置内の温度による白色光の色度のズレを抑制した、半導体発光装置を完成させた。
【0007】
本発明は、以下の形態を含むものである。
[1]基体と、
前記基体に備えられた波長430nm~480nmに発光ピークを有する半導体発光素子と、
前記半導体発光素子から出射された光の波長を変換する波長変換材料を複数含む透光性材料と、を有する、白色光を発光する半導体発光装置であって、
前記白色光の発光スペクトルのうち、
波長380nm以上500nm未満を第一領域、
波長500nm以上605nm未満を第二領域、
波長605nm以上650nm未満を第三領域、
波長650nm以上780nm以下を第四領域、と定義し、
前記波長変換材料は、前記第二領域に発光ピークを有する蛍光体Aと、前記第三領域に発光ピークを有するフッ化物蛍光体と、波長590nm以上780nm以下の領域に発光ピークを有する蛍光体Bと、を少なくとも含み、
前記半導体発光装置の動作温度を25℃から85℃に変化させた際の、前記白色光の前記第二領域における分光放射束の積分値の変化量をΔS

(%)とし、
前記半導体発光装置の動作温度を25℃から85℃に変化させた際の、前記白色光の前記第三領域における分光放射束の積分値の変化量をΔS

(%)としたとき、
前記白色光の色温度が3000K以下では|ΔS

-ΔS

|の値が8%以下であり、
前記白色光の色温度が3000Kより高い範囲では|ΔS

-ΔS

|の値が12%以下である、
半導体発光装置。
[2]基体と、
前記基体に備えられた波長430nm~480nmに発光ピークを有する半導体発光素子と、
前記半導体発光素子から出射された光の波長を変換する波長変換材料を複数含む透光性材料と、を有する、白色光を発光する半導体発光装置であって、
前記波長変換材料は、波長500nm以上605nm未満に発光ピークを有する蛍光体Aと、波長605nm以上650nm未満に発光ピークを有するフッ化物蛍光体と、波長590nm以上780nm以下に発光ピークを有する蛍光体Bと、を少なくとも含み、
前記蛍光体Aと蛍光体Bとは、動作温度を25℃から85℃に変化させた際に該蛍光体から発する蛍光の分光放射束の積分値の変化量(%)が、それぞれ8%以上であり、
前記半導体発光装置の動作温度を25℃から85℃に変化させた際の、前記白色光の色度図上の色度変化量が、マクアダム楕円3step以内である、
半導体発光装置。
[3]前記白色光の発光スペクトルのうち、波長380nm以上780nm以下の領域における分光放射束の積分値をSとし、前記第四領域における分光放射束の積分値をS

としたとき、


/Sの値が0.06以上0.15以下である、[1]又は[2]に記載の半導体発光装置。
[4]前記蛍光体Aは、ガーネット蛍光体である、[1]~[3]のいずれかに記載の半導体発光装置。
[5]前記蛍光体Aは、LuAG蛍光体である、[1]~[4]のいずれかに記載の半導体発光装置。
[6]前記蛍光体Bは、SCASN蛍光体である、[1]~[5]のいずれかに記載の半導体発光装置。
[7]前記フッ化物蛍光体は、KSF蛍光体である、[1]~[6]のいずれかに記載の半導体発光装置。
[8]前記白色光の演色性評価指数Raは90以上である、[1]~[7]のいずれかに記載の半導体発光装置。
[9]前記透光性材料中における前記フッ化物蛍光体の透過性材料の重量に対する配合量は35wt%以下である、[1]~[8]のいずれかに記載の半導体発光装置。
[10]前記蛍光体Bは、ピーク波長が620nm以上である、[1]~[9]のいずれかに記載の半導体発光装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、半導体発光装置内の温度による白色光の色度ズレを抑制した、半導体発光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例で用いたLuAG蛍光体の、常温での発光スペクトル(25℃、実線)と高温での発光スペクトル(85℃、破線)を示すグラフ。
実施例で用いたYAG蛍光体の、常温での発光スペクトル(25℃、実線)と高温での発光スペクトル(85℃、破線)を示すグラフ。
実施例で用いたKSF蛍光体の、常温での発光スペクトル(25℃、実線)と高温での発光スペクトル(85℃、破線)を示すグラフ。
実施例で用いたSCASN蛍光体の、常温での発光スペクトル(25℃、実線)と高温での発光スペクトル(85℃、破線)を示すグラフ。
実施例で用いたSCASN蛍光体の、常温での発光スペクトル(25℃、実線)と高温での発光スペクトル(85℃、破線)を示すグラフ。
実施例で用いた白色光発光装置1の常温での発光スペクトル(25℃、実線)と高温での発光スペクトル(85℃、破線)を示すグラフ(実施例相当)。
実施例で用いた白色光発光装置8の常温での発光スペクトル(25℃、実線)と高温での発光スペクトル(85℃、破線)を示すグラフ(比較例相当)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をより詳細に説明するが、発明の範囲が具体的な形態にのみ限定されることはない。また、本明細書中「X~Y」で表される数値範囲は、Xを下限値、Yを上限値として含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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