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公開番号2025036036
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024038339,2023139319
出願日2024-03-12,2023-08-29
発明の名称積層体用シーラントフィルム、積層体及び包装容器
出願人大日本印刷株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B32B 27/32 20060101AFI20250306BHJP(積層体)
要約【課題】耐熱性、低温シール性および耐衝撃性に優れる積層体用シーラントフィルムを提供する。
【解決手段】ポリプロピレンの含有割合が80質量%以上である積層体に用いるシーラントフィルムであって、積層体の一方の表面に位置する第1層と、第1層に接する第2層とを少なくとも備え、第1層は51質量%以上90質量%以下の第1マトリックス樹脂成分と第1分散成分とを含み、第1マトリックス樹脂成分に第1分散成分が分散した海島構造を有し、第2層は51質量%以上85質量%以下の第2マトリックス樹脂成分と第2分散成分とを含み、第2マトリックス樹脂成分に第2分散成分が分散した海島構造を有し、第1マトリックス樹脂成分がプロピレン-エチレンランダム共重合体からなり、第1分散成分が5質量%以上のポリエチレンを含み、第2マトリックス樹脂成分がブロックポリプロピレンからなり、第2分散成分が5質量%以上のポリエチレンを含む、積層体用シーラントフィルム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂材料の総量に対するポリプロピレンの含有割合が80質量%以上である積層体に用いるシーラントフィルムであって、
前記積層体に用いた際、当該積層体の表面のうち一方に位置する第1層と、前記第1層に接する第2層と、を少なくとも備え、
前記第1層は、当該第1層の総量に対して51質量%以上90質量%以下の第1マトリックス樹脂成分と、第1分散成分とを含み、前記第1マトリックス樹脂成分に前記第1分散成分が分散した海島構造を有し、
前記第2層は、当該第2層の総量に対して51質量%以上85質量%以下の第2マトリックス樹脂成分と、第2分散成分とを含み、前記第2マトリックス樹脂成分に前記第2分散成分が分散した海島構造を有し、
前記第1マトリックス樹脂成分が、プロピレン-エチレンランダム共重合体からなり、
前記第1分散成分が、前記第1層の総量に対して少なくとも5質量%以上のポリエチレンを含み、
前記第2マトリックス樹脂成分が、ブロックポリプロピレンからなり、
前記第2分散成分が、前記第2層の総量に対して少なくとも5質量%以上のポリエチレンを含む、積層体用シーラントフィルム。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記ブロックポリプロピレンは、プロピレン単独重合体と、ブロックエラストマーとを少なくとも含み、前記プロピレン単独重合体に前記ブロックエラストマーが分散した海島構造を有する、請求項1に記載の積層体用シーラントフィルム。
【請求項3】
前記ブロックエラストマーは、エチレン-プロピレンエラストマーからなる、請求項2に記載の積層体用シーラントフィルム。
【請求項4】
前記第2層の総量に対する前記第2分散成分の含有割合が、15質量%以上49質量%以下である、請求項1に記載の積層体用シーラントフィルム。
【請求項5】
前記第1層の総量に対する前記第1分散成分の含有割合が、10質量%以上49質量%以下である、請求項4に記載の積層体用シーラントフィルム。
【請求項6】
前記第1層の総量に対する前記第1分散成分の含有割合が、前記第2層の総量に対する前記第2分散成分の含有割合よりも少ない、請求項5に記載の積層体用シーラントフィルム。
【請求項7】
前記第2分散成分が、第2エラストマーをさらに含む、請求項1に記載の積層体用シーラントフィルム。
【請求項8】
前記第2エラストマーは、プロピレン-エチレンエラストマーまたはエチレン-αオレフィンエラストマーからなる、請求項7に記載の積層体用シーラントフィルム。
【請求項9】
前記第2分散成分において、前記ポリエチレンの含有量に対する前記第2エラストマーの含有量の比が、0.5以上1.0未満である、請求項7に記載の積層体用シーラントフィルム。
【請求項10】
前記第1分散成分が、第1エラストマーをさらに含む、請求項1に記載の積層体用シーラントフィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体用シーラントフィルム、積層体及び包装容器に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、包装容器は、強度及び耐熱性に優れるポリエステルフィルムや、耐衝撃性に優れるナイロンフィルム等を基材として用い、ヒートシール性に優れるポリオレフィンフィルムをシーラントフィルムとして用いた積層体から構成されていた。しかしながら、近年の循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、高いリサイクル適性を有する包装容器が求められているが、異種の樹脂材料から構成された従来の包装容器では、樹脂材料ごとに分離することが困難であった。
【0003】
そこで、リサイクルしやすい単一素材化(モノマテリアル化)という観点から、ポリプロピレンによる単一素材化が検討されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、ポリエステルフィルム又はナイロンフィルムに代えて、ポリプロピレンを含有する延伸基材を基材として使用し、ポリプロピレンを含有するシーラントフィルムと組み合わせた、包装容器等の包装材料に用いる積層体が開示されている。この積層体によれば、基材とシーラントフィルムとがいずれもポリプロピレンにより構成されることで、リサイクル適性が向上されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-020391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、レトルトパウチ等の包装容器とする場合、包装容器に用いる積層体には、加熱殺菌処理に耐える耐熱性が求められる。また、積層体をヒートシールして包装容器とするために、積層体には製袋適性が求められており、シーラントフィルムには低温シール性が求められる。さらに、レトルトパウチ等の包装容器に用いる積層体には、パウチの落下時の衝撃に耐える耐落下衝撃性(耐衝撃性)が求められる。しかしながら、ポリプロピレンによる単一素材化された積層体では、これらの要求特性を満たすための検討が十分でないのが実情である。
【0006】
本開示の解決課題の一つは、耐熱性、低温シール性および耐衝撃性に優れ、ポリプロピレンによる単一素材化された積層体に適した、積層体用シーラントフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の積層体用シーラントフィルムは、樹脂材料の総量に対するポリプロピレンの含有割合が80質量%以上である積層体に用いるシーラントフィルムであって、前記積層体に用いた際、当該積層体の表面のうち一方に位置する第1層と、前記第1層に接する第2層と、を少なくとも備え、前記第1層は、当該第1層の総量に対して51質量%以上90質量%以下の第1マトリックス樹脂成分と、第1分散成分とを含み、前記第1マトリックス樹脂成分に前記第1分散成分が分散した海島構造を有し、前記第2層は、当該第2層の総量に対して51質量%以上85質量%以下の第2マトリックス樹脂成分と、第2分散成分とを含み、前記第2マトリックス樹脂成分に前記第2分散成分が分散した海島構造を有し、前記第1マトリックス樹脂成分が、プロピレン-エチレンランダム共重合体からなり、前記第1分散成分が、前記第1層の総量に対して少なくとも5質量%以上のポリエチレンを含み、前記第2マトリックス樹脂成分が、ブロックポリプロピレンからなり、前記第2分散成分が、前記第2層の総量に対して少なくとも5質量%以上のポリエチレンを含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、耐熱性、低温シール性および耐衝撃性に優れ、ポリプロピレンによる単一素材化された積層体に適した、積層体用シーラントフィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、積層体用シーラントフィルムの一実施形態を示す断面模式図である。
図2は、積層体用シーラントフィルムの一実施形態を示す断面模式図である。
図3は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
図4は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
図5は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
図6は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
図7は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
図8は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
図9は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
図10は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
図11は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
図12は、包装容器の一実施形態を示す正面図である。
図13は、包装容器の一実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について、詳細に説明する。本開示は多くの異なる形態で実施でき、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されない。図面は、説明をより明確にするため、実施形態に比べ、各層の幅、厚さおよび形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定しない。本明細書と各図において、既出の図に関してすでに説明したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(【0011】以降は省略されています)

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