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公開番号2025034552
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141001
出願日2023-08-31
発明の名称余寿命予測装置及び余寿命予測方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類G01N 29/48 20060101AFI20250306BHJP(測定;試験)
要約【課題】精度の高い余寿命予測を行うことを課題とする。
【解決手段】非破壊検査による欠陥検出信号のばらつきの要因となる検査条件、及び、非破壊検査の対象となる欠陥の条件である欠陥条件に対する信号強度をシミュレーションするシミュレーション処理部102と、シミュレーション処理部102による解析結果と、実検査で得られた応答信号の信号強度である実信号強度を基に、実信号強度から推定される欠陥条件に関する確率分布を推定する確率分布推定部104と、確率分布推定部104によって推定された欠陥条件に関する確率分布の時間変化を計算し、所定時間後の欠陥条件に関する確率分布と、予め設定されている検査対象物の破壊確率分布の重複部分が、所定の条件を満たす時間を余寿命として推定し、推定した余寿命を出力部に出力する余寿命予測部105と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
非破壊検査による欠陥検出信号のばらつきの要因となる検査条件、及び、前記非破壊検査の対象となる欠陥の条件である欠陥条件に対する信号強度をシミュレーションするシミュレーション処理部と、
前記シミュレーション処理部による解析結果と、実検査で得られた応答信号の信号強度である実信号強度を基に、前記実信号強度から推定される前記欠陥条件に関する確率分布を推定する確率分布推定部と、
前記確率分布推定部によって推定された前記欠陥条件に関する確率分布の時間変化を計算し、所定時間後の前記欠陥条件に関する確率分布と、予め設定されている検査対象物の破壊確率分布の重複部分が、所定の条件を満たす時間を余寿命として推定し、推定した余寿命を出力部に出力する余寿命予測部と、
を有する余寿命予測装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記非破壊検査には、超音波センサが用いられ、
前記検査条件は、前記超音波センサの設置位置のばらつき、及び、超音波の送信方向のばらつきのいずれかを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の余寿命予測装置。
【請求項3】
前記欠陥条件は、欠陥のサイズのばらつきを有するとともに、欠陥位置のばらつき、欠陥方向のばらつき、及び、欠陥形状のばらつきのいずれかを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の余寿命予測装置。
【請求項4】
前記シミュレーション処理部は物理シミュレーションを実施することで前記検査条件と前記欠陥条件に対応した信号強度を計算し、
前記確率分布推定部は、前記物理シミュレーションの結果と、入力された実検査によって取得される信号強度を基に、ベイズ推定によって前記欠陥条件に関する確率分布を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の余寿命予測装置。
【請求項5】
前記欠陥条件は連続型確率変数であり、
前記余寿命予測部は、
前記確率分布推定部が推定した前記検査条件に関する確率分布を初期分布として、フォッカー・プランク方程式を解くことで、時間経過に伴う確率分布を解析的に計算する
ことを特徴とする請求項1に記載の余寿命予測装置。
【請求項6】
前記余寿命予測部は、
前記確率分布推定部が推定した確率分布を初期分布として、前記初期分布から前記欠陥条件に対してランダムサンプリングを繰り返すことで時間経過に伴う確率分布をモンテカルロ計算で計算する
ことを特徴とする請求項1に記載の余寿命予測装置。
【請求項7】
検査対象物の余寿命を予測する余寿命予測装置が、
非破壊検査による欠陥検出信号のばらつきの要因となる検査条件、及び、前記非破壊検査の対象であり、前記検査対象物に生じる欠陥の条件である欠陥条件に対する信号強度をシミュレーションするシミュレーションステップと、
前記シミュレーションステップによる解析結果と、実検査で得られた応答信号の信号強度である実信号強度を基に、前記実信号強度から推定される前記欠陥条件に関する確率分布を推定する確率分布推定ステップと、
前記確率分布推定ステップによって推定された前記欠陥条件に関する確率分布の時間変化を計算し、所定時間後の前記欠陥条件に関する確率分布と、予め設定されている前記検査対象物の破壊確率分布の重複部分が、所定の条件を満たす時間を余寿命として推定し、推定した余寿命を出力部に出力する余寿命予測ステップと、
を行う余寿命予測方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、余寿命予測装置及び余寿命予測方法の技術に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
発電プラント、鉄道台車等に代表される社会インフラ機器の運用時に超音波探傷等の非破壊検査により、構成部品に欠陥が生じているか否かが検査されることがある。そして、検査で欠陥が発見された場合、運用を一時停止して補修を実施することが一般的である。
【0003】
しかし、検査で欠陥が発見されたタイミングで毎回運用を停止して補修を実施するよりも、定期検査等、計画された運用停止タイミングで複数個所を同時に補修した方が合理的である。そのためには、欠陥を基に、監視対象物の余寿命を予測し、発見された欠陥のリスクを評価したうえで、次回の運用停止タイミングまで運用を継続できることが保証される必要がある。
【0004】
このような課題に対し、例えば、特許文献1には、「配管の円周溶接部又は長手溶接部、若しくは、管台溶接部の少なくとも一つを含む評価対象部位の種類と、該評価対象部位の厚さとの組合せの各々について設定された検査方法により、前記評価対象部位の検査を行うステップと、前記検査方法による前記評価対象部位の検査結果に基づいて行われる前記評価対象部位の余寿命評価の精度向上に必要なパラメータを取得するための追加計測の計測項目を選定するステップと、を備える」プラントの検査方法が開示されている(請求項1参照)。
【0005】
また、特許文献2には、「材料の疲労寿命を確率論的に予測するための方法は、実際の等価初期欠陥寸法(EIFS)に関する確率変数をサンプリングする段階(41)と、多変量分布から疲労亀裂成長方程式のパラメータ(lnC,m)に関する確率変数を生成する段階(42)と、これらの確率変数を用いて疲労亀裂成長方程式を解く段階(43)と、を含む。記録されたEIFSデータは、ターゲットの物体を超音波で走査する段階と、ターゲットの物体からの反響信号を記録する段階と、走査された較正ブロックから予め記録された値を用いて、反響信号強度を等価反射体寸法に変換する段階とによって得られる。等価反射体寸法は記録されたEIFSデータを含む」EIFS不確定性を考慮した、超音波検査データを用いた確率論的疲労寿命予測が開示されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第7125266号公報
特表2015-512526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術は、精度向上のために追加計測を必要とする点で改善を要する。また、特許文献2に記載の技術において、実際の探傷信号は、検査条件に加え、欠陥形状や向きといった欠陥の性質にも起因して探傷信号がばらつくため、余寿命予測が不確実になることを考慮する必要がある。
【0008】
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、精度の高い余寿命予測を行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した課題を解決するため、本発明は、非破壊検査による欠陥検出信号のばらつきの要因となる検査条件、及び、前記非破壊検査の対象となる欠陥の条件である欠陥条件に対する信号強度をシミュレーションするシミュレーション処理部と、前記シミュレーション処理部による解析結果と、実検査で得られた応答信号の信号強度である実信号強度を基に、前記実信号強度から推定される前記欠陥条件に関する確率分布を推定する確率分布推定部と、前記確率分布推定部によって推定された前記欠陥条件に関する確率分布の時間変化を計算し、所定時間後の前記欠陥条件に関する確率分布と、予め設定されている検査対象物の破壊確率分布の重複部分が、所定の条件を満たす時間を余寿命として推定し、推定した余寿命を出力部に出力する余寿命予測部と、を有する。
その他の解決手段は実施形態中において適宜記載する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、精度の高い余寿命予測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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