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公開番号
2025030399
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023135669
出願日
2023-08-23
発明の名称
電力推定システム及び方法
出願人
株式会社日立製作所
代理人
弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
主分類
H02J
3/00 20060101AFI20250228BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】計測した電力需要に含まれる各成分を精度良く推定する。
【解決手段】システムは、電力系統における地点の電力系統データと因子データから、第二成分に関わる所定の因子の値が所定の閾値以下である日時についての値を含むデータである標本データを抽出し、標本データから第一成分を推定する第一成分推定モデルを生成する。システムは、電力系統データと因子データと第一成分推定モデルとから第二成分の第一推定値を算出し、第二成分に関わる所定の因子のデータと第二成分の第一推定値とから第二成分を推定する第二成分モデルを生成する。システムは、電力系統データと第二成分に関わる所定の因子のデータと第二成分推定モデルとから、第一成分の第二推定値と第二成分の第二推定値とを算出する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
電力系統データ及び因子データを受信するインターフェース装置と、
前記電力系統データ及び前記因子データを記憶する記憶装置と、
前記インターフェース装置及び前記記憶装置に接続されたプロセッサと
を備え、
電力系統における1つ以上の地点の各々について、
前記電力系統データは、当該地点の電力需要の計測値の時系列を含み、
前記因子データは、当該地点の電力需要に含まれる第一成分と第二成分のうち前記第二成分との相関が前記第一成分との相関よりも強い所定の因子についての因子値の時系列を含み、
前記プロセッサが、
(A)前記第二成分に関わる前記所定の因子の因子値が所定の閾値以下である1つ以上の日時を前記因子データから特定し、当該1つ以上の日時の計測値を含む計測標本データを前記電力系統データから抽出し、当該1つ以上の日時の因子値を1つ以上の因子について含む因子標本データを前記因子データから抽出し、前記第一成分を推定するモデルである第一成分推定モデルを、前記計測標本データと前記因子標本データとを基に生成し、
(B)前記因子データのうち前記1つ以上の因子の推定対象期間での因子値を前記第一成分推定モデルに入力することで前記第一成分の前記推定対象期間での第一推定値を推定し、前記第一成分の前記推定対象期間での第一推定値と、前記電力系統データのうち前記推定対象期間での電力需要とから前記第二成分の前記推定対象期間での第一推定値を算出し、
(C)前記因子データのうち前記所定の因子についての前記推定対象期間での因子値のデータと、前記第二成分の前記推定対象期間での第一推定値とから、前記第二成分を推定するモデルである第二成分推定モデルを生成し、
(D)前記因子データのうちの前記所定の因子について算出対象期間での因子値のデータを前記第二成分推定モデルに入力することで前記第二成分の前記算出対象期間での第二推定値を算出し、前記電力系統データのうち前記算出対象期間での電力需要から前記第二成分の前記算出対象期間での第二推定値を引くことで前記第一成分の前記算出対象期間での第二推定値を算出する、
ことを特徴とする電力推定システム。
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【請求項2】
前記プロセッサは、前記第一成分推定モデルを用いて前記第一成分の前記推定対象期間での推定値を算出し、前記第一成分の算出された推定値に、当該推定値のうちの所定の時間帯での推定値と、前記電力系統データの前記所定の時間帯での電力需要との差分の統計値を加算する補正処理を行い、当該補正処理が施された推定値を、前記第一成分の前記推定対象期間での第一推定値として算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力推定システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第一成分推定モデルの推定精度である性能指標値が最良になったときの閾値を、前記所定の因子の因子値と比較するための閾値として設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力推定システム。
【請求項4】
前記計測標本データ及び前記因子標本データのいずれも、第一成分の変動パターンの類似性に影響する属性値が同一のデータで構成されたデータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力推定システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記所定の因子の前記推定対象期間での因子値から補正値を差し引く補正処理を行い、前記所定の因子についての前記推定対象期間での因子値のデータであって前記補正処理がされた因子値を含むデータと、前記第二成分の前記推定対象期間での第一推定値とから、前記第二成分推定モデルを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力推定システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第二成分の推定対象期間での第一推定値に含まれる不適合な値を検知し、当該不適合な値に対する対処処理を実施した上で、前記第二成分推定モデルを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力推定システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第二成分推定モデルを用いて算出された第二成分の推定値に対して、前記第二成分の推定値に電力需要の周波数的特徴に基づく所定の補正処理を行い、当該所定の補正処理の結果を、前記第二成分の第二推定値として算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力推定システム。
【請求項8】
1つ以上の地点の各々について、前記プロセッサは、当該地点の第一成分の第二推定値と当該地点の第二成分の第二推定値から、当該地点の第一成分の予測対象期間での予測値と当該地点の第二成分の前記予測対象期間での予測値を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力推定システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記第一成分の第二推定値と前記第二成分の第二推定値とを含んだ電力推定データが、推定精度が高いとの定義に基づく所定の条件を満たすか否かを判定し、
当該所定の条件が満たされない場合、前記計測標本データ及び前記因子標本データの他に、前記電力推定データの少なくとも一部を用いて、第一成分推定モデルを生成し、その後、(B)乃至(D)を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力推定システム。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記電力系統における複数地点の前記第一成分の第二推定値を統合したデータである第一の統合データを生成し、
前記複数視点の前記第二成分の第二推定値を統合したデータである第二の統合データを生成し、
前記第一の統合データと前記第二の統合データとから前記複数地点の電力需要の予測値を統合したデータである統合予測データを生成し、
前記統合予測データに基づき、所定の分配方法で、前記統合予測データの生成前の各地点の電力需要の予測値を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力推定システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電力を推定する技術に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
電力分野において、数十~数千の変電所単位の数十分~数時間毎の有効電力及び/又は無効電力(以下、有効電力及び/又は無効電力のことを「電力需要」という)を推定した値に基づいて、送電系統及び/又は配電系統(以下、送電系統及び/又は配電系統のことを「電力系統」という)の設備を制御することで送電ロスの低減などを行う試みがある。そのため、設備を適切に制御するためには電力需要を高精度に推定することが重要である。
【0003】
電力系統を運用する電力会社などは、変電所の需要端など電力系統のある地点において電力系統側から供給する電力需要を計測し把握している。一方で、電力系統に太陽光発電設備(PV)や風力発電設備が連系されている場合には、PVにより発電された電力や風力発電設備により発電された電力が電力系統側へ流れている。そのため、電力需要には、PV出力成分と負荷成分などの2つ以上の複数の成分が内在している。複数の成分において、或る成分は或る因子と強い相関があるが、他の成分は当該因子と強い相関があるわけではない。
【0004】
PV出力成分と負荷成分などの各成分は変動の傾向が異なるため、成分ごとにそれぞれ分けて推定を行うことが、電力需要を高精度に推定する上で重要である。
【0005】
また、電力需要を構成する複数の成分は、単一の因子と相対的に強い相関(例えば、当該単一の因子と最も強い相関)を示す第二成分と、第二成分以外の第一成分で構成されていると考えることができる。「第一成分」とは、例えば負荷成分や、負荷成分と第二成分が混合された成分である。「負荷成分」とは、電気機器などの負荷の動作により消費する有効電力や無効電力であり、気温や暦日の種別(平日と休日など)といった因子との相関を示す。「第二成分」とは、例えば日射(単一の因子の一例)と強い相関を示すPV出力成分や、風速(単一の因子の一例)と強い相関を示す風力発電出力成分である。第二成分は、単一の因子と強く相関しているため、強い相関を示す単一の因子の情報を使用することで、第一成分と比較して高い精度で第二成分の推定が可能な傾向にある。なお、「PV出力成分」とは、PVが発電する電力の有効電力又は無効電力であり、「風力発電出力成分」とは、風力発電設備が発電する電力の有効電力又は無効電力である。第一成分:第二成分の例としては、下記(x)~(z)がある。
(x)負荷成分の有効電力 : PV出力成分の有効電力
(y)負荷成分の有効電力 : 風力発電成分の有効電力
(z)負荷成分の有効電力と風力発電成分の有効電力との混合成分 : PV出力成分の有効電力
【0006】
電力会社は各成分が合成された電力需要は計測可能であるが、PV出力成分や負荷成分など各成分を直接把握することは困難であるため、計測した電力需要からそれぞれの成分を推定することが必要となる。
【0007】
計測した電力需要に含まれるPV出力と負荷などの成分を推定するための技術として、特開2014-200167号公報(特許文献1)、特開2016-197948号公報(特許文献2)が知られている。
【0008】
特許文献1では、計測した有効電力と無効電力と日射量とから、無効電力から有効電力を導出する換算式(無効電力換算式)を生成し、生成した無効電力換算式を用いてPVが出力する有効電力と負荷が消費する有効電力を推定する技術が開示されている。また、特許文献2では、計測した有効電力と日射量とから、日射量からPV出力を導出する換算式(日射量換算式)を推定し、生成した日射量換算式を用いてPVが出力する有効電力と負荷が消費する有効電力を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2014-200167号公報
特開2016-197948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1では、PV出力が無い場合には計測する有効電力と無効電力に直線的な関係があるとの仮定を基にPV出力と実負荷が推定される。しかし、実際には無効電力補償装置など無効電力を調整する設備の設定次第で計測する無効電力の値が変動するため、前記仮定が成立せず推定精度が悪化する。
(【0011】以降は省略されています)
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