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公開番号2025007830
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023109481
出願日2023-07-03
発明の名称透明吸湿用積層体
出願人大日本印刷株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B32B 27/18 20060101AFI20250109BHJP(積層体)
要約【課題】本発明は、製造適性に優れ、簡易な層構成でありながら、吸湿性に優れ、吸湿前及び吸湿後においても透明性に優れていることから内容物の視認性に優れ、外部からの水分を遮蔽し、包装された内容物収容部空間の水分を吸収して、輸送中及び長期間の保管中に、内容物が水分によって劣化することを抑制することができる透明吸湿積層体、及び該透明吸湿積層体を用いて作製した、透明吸湿包装材料、透明吸湿包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
少なくとも、ガスバリア層と、基材層と、吸湿層およびヒートシール層を含む透明吸湿シーラント層とを、この順に積層して有する透明吸湿積層体であって、該吸湿層は、少なくとも、特定の吸湿剤とバインダー樹脂とを含有し、高吸湿性と高全光線透過度と低ヘイズとに優れた、透明吸湿積層体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも、ガスバリア層と、基材層と、吸湿層およびヒートシール層を含む透明吸湿シーラント層とを、この順に積層して有する透明吸湿積層体であって、
該吸湿層は、少なくとも、吸湿剤とバインダー樹脂とを含有し、
該吸湿剤はハイドロタルサイトであり、
該吸湿層中のハイドロタルサイトの含有量は、0.5質量%以上、70質量%以下であり、
25℃50%11日間静置する吸湿処理において、
吸湿量は、2.8g/m
2
以上であり、
吸湿処理前及び吸湿処理後の全光線透過度は、60%以上、99%以下であり、
吸湿処理前及び吸湿処理後のヘイズは、10%以上、85%以下である、
ことを特徴とする透明吸湿積層体。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記ガスバリア層は、無機蒸着層を含み、
該無機蒸着層は、アルミニウム元素および/または珪素元素からなる1種または2種以上の無機化合物を含有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の透明吸湿積層体。
【請求項3】
前記基材層は、ポリアミド系樹脂および/またはポリエステル系樹脂を含有することを特徴とする、請求項1に記載の透明吸湿積層体。
【請求項4】
前記バインダー樹脂は、ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする、請求項1に記載の透明吸湿積層体。
【請求項5】
フェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の透明吸湿積層体。
【請求項6】
ヒートシール層を、さらに前記吸湿層の片面または両面に隣接して有する、請求項1に記載の透明吸湿積層体。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載の透明吸湿積層体から作製された、透明吸湿包装材料。
【請求項8】
請求項7に記載の透明吸湿包装材料から作製された、透明吸湿包装体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、透明であり、包装された内容物が吸湿することを抑制するための、吸湿性を有する透明吸湿積層体、及び該透明吸湿積層体を用いて作製した、透明吸湿包装材料、透明吸湿包装体に関する。
本発明の透明吸湿積層体は、湿気を嫌う様々な分野の製品に適用することができ、例えば、車載用のネジ、シャフト、金属板等の金属製品、及び電気部品等を防錆する為の包装材料や、食品や医薬品等の水分による劣化を抑制する為の包装材料に好適に用いることができる。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
湿気を嫌う医薬品や食品の包装材料として、従来品は防湿性が不十分なものが多く、それを補うためにアルミニウム箔ピロー袋を外袋として用い、更に乾燥剤を同梱している。
しかしながら、外袋開封後の防湿性が不十分であり、また同梱による」乾燥剤の誤飲事故が多発している。
そこで、医薬品や食品の輸送、あるいは長期保管を目的とした包装袋が開発されているが、内容物である医薬品や食品の品質を維持できるように、より安定した防湿防水性やバリア性を有し、且つシンプルな層構成で工程数の少ない製造工程によって製造し得る包装材料が求められている。
たとえば金属製品内容物への防錆を目的として、常温で揮発して防錆効果を発揮する気化性の高い防錆剤を樹脂に含有させた包装用積層体が、特許文献1~3で提案されている。
しかしながら、外装による密閉が必要であったり、気化した防錆剤が内容物に付着した場合に内容物が劣化したり、機能的障害を生じたりする等、防錆効果以外の影響が懸念され、除去するにも手間が煩雑であるために用途が限定されており、揮発性の防錆剤を用いない防錆積層体が望まれている。
包装材料の防湿性を改良する為に、包装材料に乾燥剤やバリア層を含ませることが特許文献4で提案されているが、包装材料の透明性が不十分であり、内容物の変質状態を確認するための視認性に劣るものであった。
また、100nm程度の微粒の吸湿剤を包装材料に含有して透明度を高めることが引用文献5で提案されているが、吸湿剤が二次凝集を生じて高い透明度を得ることが困難であり、また透明性を高める為に吸湿剤の含有量を低くせざるを得ず、十分な吸湿能力を有することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-254350号公報
特開2007-308726号公報
特開2010-052751号公報
特許5429948号公報
特開2021-147086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題を解決し、製造適性に優れ、簡易な層構成でありながら、吸湿性に優れ、吸湿前及び吸湿後においても透明性に優れていることから内容物の視認性に優れ、外部からの水分を遮蔽し、包装された内容物収容部空間の水分を吸収して、輸送中及び長期間の保管中に、内容物が水分によって劣化することを抑制することができる透明吸湿積層体、及び該透明吸湿積層体を用いて作製した、透明吸湿包装材料、透明吸湿包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、種々検討の結果、少なくとも、特定の吸湿剤と特定のバインダー樹脂とを含有する吸湿層を含む透明吸湿積層体が、上記の目的を達成することを見出した。
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
1. 少なくとも、ガスバリア層と、基材層と、吸湿層およびヒートシール層を含む透明吸湿シーラント層とを、この順に積層して有する透明吸湿積層体であって、
該吸湿層は、少なくとも、吸湿剤とバインダー樹脂とを含有し、
該吸湿剤はハイドロタルサイトであり、
該吸湿層中のハイドロタルサイトの含有量は、0.5質量%以上、70質量%以下であり、
25℃50%11日間静置する吸湿処理において、
吸湿量は、2.8g/m

以上であり、
吸湿処理前及び吸湿処理後の全光線透過度は、60%以上、99%以下であり、
吸湿処理前及び吸湿処理後のヘイズは、10%以上、85%以下である、
ことを特徴とする透明吸湿積層体。
2. 前記ガスバリア層は、無機蒸着層を含み、
該無機蒸着層は、アルミニウム元素および/または珪素元素からなる1種または2種以上の無機化合物を含有する
ことを特徴とする、上記1に記載の透明吸湿積層体。
3. 前記基材層は、ポリアミド系樹脂および/またはポリエステル系樹脂を含有することを特徴とする、上記1または2に記載の透明吸湿積層体。
4. 前記バインダー樹脂は、ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする、上記1~3の何れかに記載の透明吸湿積層体。
5. フェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤を含有することを特徴とする、上記1~4の何れかに記載の透明吸湿積層体。
6. ヒートシール層を、さらに前記吸湿層の片面または両面に隣接して有する、上記1~5の何れかに記載の透明吸湿積層体。
7. 上記1~6の何れかに記載の透明吸湿積層体から作製された、透明吸湿包装材料。8. 上記7に記載の透明吸湿包装材料から作製された、透明吸湿包装体。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、製造適性に優れ、簡易な層構成でありながら、吸湿性に優れ、吸湿前及び吸湿後においても透明性に優れていることから内容物の視認性に優れ、外部からの水分を遮蔽し、包装された内容物収容部空間の水分を吸収して、輸送中及び長期間の保管中に、内容物が水分によって劣化することを抑制することができる透明吸湿積層体、及び該透明吸湿積層体を用いて作製した、透明吸湿包装材料、透明吸湿包装体を得ることができる。
そして、本発明の透明吸湿包装体を、薬剤用の包装に用いることで、薬剤の劣化や変色を抑制できる。また、シリカゲル等が入った吸湿小袋を同梱する必要がなく、該吸湿小袋を誤飲する危険性を回避できる。さらに、錠剤の紛失、落薬、割れの判別によるリスクを軽減することができる。
また、内容物が金属機器等の金属製品である場合には、金属製品の錆を防止することができ、従来から用いられていた油紙等により保護する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の透明吸湿用積層体、透明吸湿包装材料の層構成の一例を示す概略的断面図である。
本発明の透明吸湿用積層体、透明吸湿包装材料の層構成の別態様の一例を示す概略的断面図である。
【0008】
各図においては、解り易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見易さの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
また、各図においては省略されているが、各層の間に接着剤層を設けることもできる。
さらに、必要に応じて、各層間の接着強度(密着強度)を強固にするために、各層の積層面に、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、グロー放電処理、サンドブラスト処理等のなどの物理的な表面処理や、化学薬品を用いた酸化処理などの化学的な表面処理を予め施しておくこともできる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の透明吸湿積層体、透明吸湿包装材料、透明吸湿包装体について、以下に更に詳しく説明する。具体例を示しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、本発明においては、フィルムとシートとは同義として扱い、吸水または吸湿は、気体および/または液体の水を吸収することを指す。
【0010】
I.透明吸湿積層体
本発明の透明吸湿積層体は、少なくとも、ガスバリア層と、基材層と、吸湿層およびヒートシール層を含む透明吸湿シーラント層とを、この順で有する積層体である。それぞれの層は、それぞれが単層であってもよく、多層であっても良い。
そして、透明吸湿シーラント層は、例えば、ヒートシール性を有する吸湿層からなるそうであってもよく、吸湿層の片面または両面にヒートシール層を有した層構成であってもよい。
本発明の透明吸湿積層体は、ガスバリア層を有していることによって、先ず透過しようとする水蒸気の透過を抑制することができ、且つ、透明吸湿シーラント層を有していることによって、透過して来た水蒸気を捕捉することができる。
本発明の透明吸湿積層体は、吸湿前、および温度25℃、湿度50%RH、または温度40℃、湿度90%RHの環境下に11日間静置して吸湿させた後等の吸湿後においても、透明性を示すことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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