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公開番号2025000277
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-07
出願番号2023100050
出願日2023-06-19
発明の名称遅延制御回路、光送信装置、及び遅延制御方法
出願人富士通株式会社
代理人個人,個人
主分類G02F 1/01 20060101AFI20241224BHJP(光学)
要約【課題】複数の電極セグメントを有する光変調器の駆動信号の遅延量を自動制御する遅延制御技術を提供する。
【解決手段】遅延制御回路は、光変調器のマッハツェンダ干渉計の2本の導波路の一方または両方に沿って直列に設けられる複数の電極セグメントに入力される信号に所定の遅延を与える遅延回路と、前記複数の電極セグメントの中から2つの電極セグメントを選択し選択された前記2つの電極セグメントの間の遅延量を制御する制御回路と、前記2つの電極セグメントにランダムに変化する同一信号が入力された状態で、前記マッハツェンダ干渉計の出力光から所定の周波数成分を抽出する周波数フィルタと、抽出された前記所定の周波数成分のパワーをモニタするモニタと、を備え、前記制御回路は、抽出された前記所定の周波数成分のモニタ結果に基づいて前記2つの電極セグメントの間の前記遅延量を制御する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
光変調器のマッハツェンダ干渉計の2本の導波路の一方または両方に沿って直列に設けられる複数の電極セグメントに入力される信号に所定の遅延を与える遅延回路と、
前記複数の電極セグメントの中から2つの電極セグメントを選択し、選択された前記2つの電極セグメントの間の遅延量を制御する制御回路と、
前記2つの電極セグメントにランダムに変化する同一信号が入力された状態で、前記マッハツェンダ干渉計の出力光から所定の周波数成分を抽出する周波数フィルタと、
抽出された前記所定の周波数成分のパワーをモニタするモニタと、
を備え、
前記制御回路は、抽出された前記所定の周波数成分のモニタ結果に基づいて前記2つの電極セグメントの間の前記遅延量を制御する、
遅延制御回路。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記制御回路は、前記遅延回路により前記2つの電極セグメントに入力される前記同一信号に与えられる遅延をスイープし、抽出された前記所定の周波数成分の前記パワーが最大になる遅延量を前記遅延回路に設定する、
請求項1に記載の遅延制御回路。
【請求項3】
前記制御回路は、前記遅延回路により前記2つの電極セグメントに入力される前記同一信号に与えられる遅延をスイープし、抽出された前記所定の周波数成分の中で前記パワーが最小になる周波数に対応する遅延量を前記2つの電極セグメントの間の相対遅延量として前記遅延回路に設定する、
請求項1に記載の遅延制御回路。
【請求項4】
前記マッハツェンダ干渉計の前記出力光を検出する光検出器、
を有し、前記周波数フィルタは、前記光検出器の検出結果を示す電気信号から前記所定の周波数成分を抽出する電気フィルタである、
請求項1に記載の遅延制御回路。
【請求項5】
前記周波数フィルタは、中心周波数と周波数範囲が異なる複数の周波数フィルタを含む請求項4に記載の遅延制御回路。
【請求項6】
前記周波数フィルタは、中心周波数と周波数範囲が可変の可変フィルタである、
請求項4に記載の遅延制御回路。
【請求項7】
前記遅延回路は、前記複数の電極セグメントに対応する複数の遅延調整回路を有し、
前記制御回路は、前記2つの電極セグメントに対応する2つの遅延調整回路のいずれか一方の前記遅延量をスイープする、
請求項1に記載の遅延制御回路。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の遅延制御回路と、
デジタル信号プロセッサと、
を備え、前記遅延制御回路は、前記デジタル信号プロセッサと前記光変調器との間に設けられる、
光送信装置。
【請求項9】
前記複数の電極セグメントに入力される前記信号を増幅するドライバアレイ、
を有し、
前記遅延制御回路は、前記デジタル信号プロセッサと前記ドライバアレイの間に接続され、
前記ドライバアレイは、前記デジタル信号プロセッサから出力され前記遅延制御回路で遅延が与えられたデジタル信号を増幅して、遅延調整された前記デジタル信号を前記複数の電極セグメントに入力する、
請求項8に記載の光送信装置。
【請求項10】
光変調器のマッハツェンダ干渉計の2本の導波路の一方または両方に沿って直列に設けられる複数の電極セグメントの中から2つの電極セグメントを選択し、
選択された前記2つの電極セグメントにランダムに変化する同一信号を入力し、
前記マッハツェンダ干渉計の出力光から所定の周波数成分を抽出し、
抽出された前記所定の周波数成分のパワーをモニタし、
前記パワーのモニタ結果に基づいて、前記2つの電極セグメントの間の遅延量を制御する、
遅延制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、遅延制御回路、光送信装置、及び遅延制御方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
光変調器のマッハツェンダ(MZ)干渉計を構成する2本の導波路の一方または双方に沿って複数の信号電極を設け、各電極を独立して駆動する構成が検討されている。このような構成の光変調器は「セグメント変調器」と呼ばれる場合がある。長い信号電極を複数の電極に分割し、分割された各電極に個別に駆動電圧を印加することで、素子の容量を低減できる。その結果、光変調器の消費電力と帯域のトレードオフを緩和することが可能になる。セグメント変調器では、各電極を光が通過するタイミングと、その電極に駆動電圧が印加されるタイミングを合わせるために、遅延回路を設ける必要がある。これまで、主として想定されていた遅延量は、光信号の伝搬遅延(たとえば、数ピコから100ピコ秒程度)である。タイミングを制御する制御回路は、たとえば、位相インターポレータ回路とD-フリップフロップ回路とを組み合わせた一般的な回路により実現されている。また、遅延量をモニタおよび制御する手法として、光変調器の出力光の平均パワーに応じて、光変調器の導波路に沿って設けられた複数の電極に信号を印加するタイミングを制御する構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
国際公開第2014/103231号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の通信トラフィックの急激な増大に応じてボーレートが高くなると、プロセスばらつきや温度ばらつきで電子回路側に発生する遅延変動が無視できなくなる。光送受信機を製造し出荷する工場と、光送受信機を設置して立ち上げる現場とでは、環境温度や局所温度が異なる可能性が高い。出荷時に遅延調整を完了しているにもかかわらず、現場の動作環境において、立ち上げ時に再調整が必要になる場合がある。この場合、光送受信機内に遅延回路および高精度な遅延量のモニタ手法とその制御手法が実装されていることが望ましい。
【0005】
発明者らは、光変調器の駆動回路と理想的な遅延回路を仮定した電子回路シミュレーションにより、-5℃から95℃の温度変動で、少なくとも6ピコ秒の遅延が生じることを確認した。この遅延量は、64Gbaudの1ユニットインターバル(UI)である15.6ピコ秒の2/5、96Gbaudの1UIである10.4ピコ秒の3/5に相当し、1UIに対する遅延として無視できない量である。本開示は、複数の電極セグメントを有する光変調器の駆動信号の遅延量を自動制御する遅延制御技術を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態において、遅延制御回路は、
光変調器のマッハツェンダ干渉計の2本の導波路の一方または両方に沿って直列に設けられる複数の電極セグメントに入力される信号に所定の遅延を与える遅延回路と、
前記複数の電極セグメントの中から2つの電極セグメントを選択し、選択された前記2つの電極セグメントの間の遅延量を制御する制御回路と、
前記2つの電極セグメントにランダムに変化する同一信号が入力された状態で、前記マッハツェンダ干渉計の出力光から所定の周波数成分を抽出する周波数フィルタと、
抽出された前記所定の周波数成分のパワーをモニタするモニタと、
を備え、
前記制御回路は、抽出された前記所定の周波数成分のモニタ結果に基づいて前記2つの電極セグメントの間の前記遅延量を制御する。
【発明の効果】
【0007】
複数の電極セグメントを有する光変調器の駆動信号の遅延量を自動制御する遅延制御技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態の光送信装置の模式図である。
32Gbaudにおける信号遅延による波形劣化の例を示す図である。
実施形態の遅延制御回路の模式図である。
遅延ずれ量とモニタ光強度の関係を示す図である。
周波数フィルタを用いる意義を示す図である。
周波数フィルタの中心周波数と遅延調整範囲を示す図である。
周波数に応じた遅延ずれ量の調整範囲を示す図である。
フィルタ中心周波数が50GHz、及び96GHzにおけるモニタ光強度の遅延量依存性を示す図である。
フィルタ中心周波数が96GHzの場合の周波数スペクトルの遅延量依存性を示す図である。
実施例1の遅延制御方法のフローチャートである。
遅延調整対象となる2つの電極セグメントの選択を示す図である。
実施例2の遅延制御方法のフローチャートである。
遅延制御回路の変形例を示す図である。
フィルタの中心周波数と遅延調整範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態では、遅延制御回路に、
光変調器のマッハツェンダ干渉計の2本の導波路の一方または両方に沿って直列に設けられる複数の電極セグメントに入力される信号に所定の遅延を与える遅延回路と、
前記複数の電極セグメントの中から2つの電極セグメントを選択し、選択された2つの電極セグメントの間の遅延量を制御する制御回路と、
前記2つの電極セグメントにランダムに変化する同一信号(たとえばPRBSパターン)が入力された状態で、マッハツェンダ干渉計の出力光から所定の周波数成分を抽出する周波数フィルタと、
抽出された所定の周波数成分のパワーをモニタするモニタと、
を設ける。制御回路は、抽出された前記所定の周波数成分のモニタ結果に基づいて、選択された2つの電極セグメントの間の前記遅延量を制御する。これにより、セグメント型の光変調器の駆動信号の遅延量を高精度に自動制御する。
【0010】
以下で、図面を参照して、実施形態の遅延制御の具体的な構成と手法を説明する。以下に示す形態は、本開示の技術思想を具現化するための一例であって、開示内容を限定するものではない。各図面に示される構成要素の大きさ、位置関係等は、発明の理解を容易にするために、誇張して描かれている場合がある。同一の構成要素または機能に同一の名称または符号を付けて、重複する説明を省略する場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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