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公開番号2024179383
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023098192
出願日2023-06-15
発明の名称電磁波発生装置
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人ぱるも特許事務所
主分類H01J 23/20 20060101AFI20241219BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】導波管内の真空状態を維持したまま導波管内部の陽極の位置を調整できるようにする。
【解決手段】陰極と、陰極に対向して配置され電子が通過可能な第一陽極と、この第一陽極の陰極とは反対側に接続された電磁波を導波する中空の導波管とを備え、陰極と第一陽極との間に高電圧パルスを印加して陰極から電子を引き出し、当該電子を第一陽極の方向に輸送し、第一陽極を通過した電子が導波管の内側で集群することにより仮想陰極を形成して電磁パルスが発生する電磁波発生装置において、導波管の内部に少なくとも1個の第二陽極が設置され、第二陽極は、導波管の外部に設置された駆動機構により、真空中に設置された状態で導波管の管軸と平行な方向に移動されるよう構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
陰極と、前記陰極に対向して配置され電子が通過可能な第一陽極と、この第一陽極の前記陰極とは反対側に接続された電磁波を導波する中空の導波管とを備え、前記陰極と前記第一陽極との間に高電圧パルスを印加して前記陰極から電子を引き出し、当該電子を前記第一陽極の方向に輸送し、前記第一陽極を通過した電子が前記導波管の内側で集群することにより仮想陰極を形成して電磁パルスが発生する電磁波発生装置において、
前記導波管の内部に少なくとも1個の第二陽極が設置され、前記第二陽極は、前記導波管の外部に設置された駆動機構により、真空中に設置された状態で前記導波管の管軸と平行な方向に移動されるよう構成された電磁波発生装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記導波管は、真空容器の内部に設置され、前記駆動機構の少なくとも一部は前記真空容器と前記導波管との間の空間に設置された請求項1に記載の電磁波発生装置。
【請求項3】
前記駆動機構は前記真空容器の外部に設置された駆動装置により駆動される請求項2に記載の電磁波発生装置。
【請求項4】
前記第二陽極は、前記導波管に設けられ、管軸と平行な方向に延びるスリットを貫通する支持部材を介して前記導波管の外部に配置された陽極ホルダーにより支持され、前記陽極ホルダーが前記駆動機構により移動される請求項2に記載の電磁波発生装置。
【請求項5】
前記第二陽極は、前記導波管に設けられ、管軸と平行な方向に延びるスリットを貫通する支持部材を介して前記導波管の外部に配置された陽極ホルダーにより支持され、前記陽極ホルダーが前記駆動機構により移動される請求項3に記載の電磁波発生装置。
【請求項6】
前記導波管は、内部を真空に保持することが可能で前記導波管の管軸と平行な方向に伸縮可能な金属製のベロウズにより構成され、前記第二陽極は前記ベロウズに固定されるとともに、前記ベロウズの外部に前記駆動機構が設けられた請求項1に記載の電磁波発生装置。
【請求項7】
前記第二陽極が、前記導波管の管軸方向に複数配置された請求項1から6のいずれか1項に記載の電磁波発生装置。
【請求項8】
複数の前記第二陽極は、前記駆動機構により、それぞれ単独で前記導波管の管軸と平行な方向に移動されるよう構成された請求項7に記載の電磁波発生装置。
【請求項9】
前記第一陽極が、前記導波管の外部に設置された駆動機構により、真空中に設置された状態で前記導波管の管軸と平行な方向に移動されるよう構成され、前記第一陽極および前記第二陽極はそれぞれ単独で前記導波管の管軸と平行な方向に移動されるよう構成された請求項1から6のいずれか1項に記載の電磁波発生装置。
【請求項10】
前記第一陽極が、前記導波管の外部に設置された駆動機構により、真空中に設置された状態で前記導波管の管軸と平行な方向に移動されるよう構成され、前記第一陽極および複数の前記第二陽極はそれぞれ単独で前記導波管の管軸と平行な方向に移動されるよう構成された請求項7に記載の電磁波発生装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電磁波発生装置に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
高出力の電磁波を発生させる電磁波発生装置として、仮想陰極発振器(バーカトール、Vircator)と呼ばれる電子管が知られている。仮想陰極発振器では、真空に保たれた導波管内に空間電荷制限電流を越える電子ビームを入射する。このように入射した電子は、導波管内部に集群して仮想陰極を形成する。形成された仮想陰極は、導波管内で時間的、空間的に電子を振動させる。仮想陰極発振器は、この電子の振動により、高出力なパルス状の電磁波(電磁パルス)を発生させる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
仮想陰極発振器を高出力にする技術として、仮想陰極発振器の導波管内部に、1つ以上の、電子は透過し電磁波を反射する陽極を設ける技術がある(例えば、特許文献2参照)。導波管内部に陽極を設けた仮想陰極発振器では、仮想陰極から放射されて導波管内部の陽極を透過した電子ビームがさらに新たな仮想陰極を形成する。仮想陰極発振器は、仮想陰極を複数形成させることにより、より高出力の電磁パルスを発生させる。
【0004】
このような仮想陰極発振器から発生する電磁波の周波数、出力強度は目的に応じて変更する場合がある。仮想陰極発振器で生成された仮想陰極において、プラズマの振動周期が電磁波の周波数となる。陽極の間隔は、発生する電磁波の状態に応じて調整する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平5-266810号公報
国際公開第2006/037918号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電磁波の周波数、出力強度を変更するためには、電子への印加電圧、陰極-陽極間距離の調整を行う。上記のように、発生した電磁波が導波管内部の陽極を通過して効率良く高出力の電磁波にするためには、導波管内部の陽極の位置を調整する必要がある。陽極が設置されている導波管内は真空が保持されている。このため、陽極の位置を変えるためには、導波管内の真空を破って一旦大気の状態にする作業が必要であり、作業が煩雑である。また、電磁波の出力を確認しながら導波管内部の陽極の位置を調整することができない。
【0007】
本開示は、上記の課題を解決するものであり、導波管内の真空状態を維持したまま導波管内部の陽極の位置を調整できる電磁波発生装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の電磁波発生装置は、陰極と、前記陰極に対向して配置され電子が通過可能な第一陽極と、この第一陽極の前記陰極とは反対側に接続された電磁波を導波する中空の導波管とを備え、前記陰極と前記第一陽極との間に高電圧パルスを印加して前記陰極から電子を引き出し、当該電子を前記第一陽極の方向に輸送し、前記第一陽極を通過した電子が前記導波管の内側で集群することにより仮想陰極を形成して電磁パルスが発生する電磁波発生装置において、
前記導波管の内部に少なくとも1個の第二陽極が設置され、前記第二陽極は、前記導波管の外部に設置された駆動機構により、真空中に設置された状態で前記導波管の管軸と平行な方向に移動されるよう構成されたものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の電磁波発生装置によれば、導波管内の真空状態を維持したまま導波管内部の陽極の位置の調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施の形態1による電磁波発生装置の構成を、内部を透視して示す斜視図である
実施の形態1による電磁波発生装置の構成を示す断面図である。
実施の形態1による電磁波発生装置の第二陽極および陽極ホルダーの構成を示す導波管の管軸に垂直な断面の拡大図である。
実施の形態1による電磁波発生装置の別の構成の第二陽極および陽極ホルダーの構成を示す導波管の管軸に垂直な断面の拡大図である。
実施の形態1による電磁波発生装置のさらに別の構成の第二陽極および陽極ホルダーの構成を示す導波管の管軸に垂直な断面の拡大図である。
実施の形態1による電磁波発生装置の第二陽極を導波管に挿入する方法を説明する断面図である。
実施の形態1による電磁波発生装置の別の構成を示す断面図である。
実施の形態2による電磁波発生装置の構成を示す断面図である。
実施の形態3による電磁波発生装置の構成を示す断面図である。
実施の形態4による電磁波発生装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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