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公開番号2024175784
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023093787
出願日2023-06-07
発明の名称運転支援装置、運転支援方法及びプログラム
出願人富士電機株式会社
代理人個人,個人
主分類G05B 23/02 20060101AFI20241212BHJP(制御;調整)
要約【課題】シミュレータの予測値の不確実性を考慮して対象の最適な操作量を算出する技術を提供すること。
【解決手段】運転支援装置は、対象の実績データを用いて、操作変数値と環境変数値とを入力として状態変数値を予測するシミュレータを構築するシミュレータ構築部と、前記実績データを用いて、前記シミュレータの予測誤差幅推定モデルを構築する予測誤差幅推定モデル構築部と、前記実績データに含まれる操作変数値を用いて、操作変数シナリオを作成する第1のシナリオ作成部と、前記シミュレータと前記操作変数シナリオと環境変数の所定値とを用いて、状態変数シナリオを作成する第2のシナリオ作成部と、前記予測誤差幅推定モデルと前記状態変数シナリオとを用いて、予測誤差幅シナリオを作成する第3のシナリオ作成部と、前記環境変数の所定値と前記状態変数の目標値とが与えられたときに、前記予測誤差幅シナリオから操作変数最適値を算出する最適化部と、を有する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
対象から収集した複数の実績データを用いて、前記対象の操作変数の値と前記対象の環境変数の値とを入力として前記対象の状態変数の値を予測するシミュレータを構築するシミュレータ構築部と、
前記複数の実績データを用いて、前記シミュレータによる状態変数の値の予測誤差幅を推定する予測誤差幅推定モデルを構築する予測誤差幅推定モデル構築部と、
前記実績データに含まれる操作変数の値を用いて、前記対象で実現可能な操作変数の値を表す操作変数シナリオを作成する第1のシナリオ作成部と、
前記シミュレータと、前記操作変数シナリオと、与えられた環境変数の所定値とを用いて、前記操作変数シナリオに含まれる前記操作変数の値と前記環境変数の所定値とを前記シミュレータに入力したときの状態変数の値を前記操作変数シナリオに対応付けた状態変数シナリオを作成する第2のシナリオ作成部と、
前記予測誤差幅推定モデルと、前記状態変数シナリオとを用いて、前記状態変数シナリオに含まれる状態変数の値の予測誤差幅を前記状態変数シナリオに対応付けた予測誤差幅シナリオを作成する第3のシナリオ作成部と、
前記環境変数の所定値と前記状態変数の目標値とが与えられたときに、前記予測誤差幅シナリオを用いて、前記予測誤差幅シナリオに含まれる操作変数の値のうち、前記予測誤差幅が小さく、かつ、前記対象の状態変数の値が前記目標値に近付く値を操作変数最適値として算出する最適化部と、
を有する運転支援装置。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記予測誤差幅推定モデルは、前記シミュレータによる状態変数の値の予測誤差を推定する決定木が含まれるモデルである、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記予測誤差幅推定モデルは、
前記シミュレータによる状態変数の値と、前記決定木のターミナルノードのうち、前記シミュレータに入力された操作変数の値と環境変数の値が属するターミナルノードの統計量とを用いて、前記予測誤差幅を推定するモデルである、請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記統計量は、前記ターミナルノードに属する予測誤差の平均及び標準偏差である、請求項3に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記最適化部は、
前記予測誤差幅シナリオに含まれる操作変数の値のうち、前記予測誤差幅の絶対値と、前記対象の状態変数の値と前記目標値との差の絶対値との和が最小となる値を前記操作変数最適値として算出する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の運転支援装置。
【請求項6】
対象から収集した複数の実績データを用いて、前記対象の操作変数の値と前記対象の環境変数の値とを入力として前記対象の状態変数の値を予測するシミュレータを構築するシミュレータ構築手順と、
前記複数の実績データを用いて、前記シミュレータによる状態変数の値の予測誤差幅を推定する予測誤差幅推定モデルを構築する予測誤差幅推定モデル構築手順と、
前記実績データに含まれる操作変数の値を用いて、前記対象で実現可能な操作変数の値を表す操作変数シナリオを作成する第1のシナリオ作成手順と、
前記シミュレータと、前記操作変数シナリオと、与えられた環境変数の所定値とを用いて、前記操作変数シナリオに含まれる前記操作変数の値と前記環境変数の所定値とを前記シミュレータに入力したときの状態変数の値を前記操作変数シナリオに対応付けた状態変数シナリオを作成する第2のシナリオ作成手順と、
前記予測誤差幅推定モデルと、前記状態変数シナリオとを用いて、前記状態変数シナリオに含まれる状態変数の値の予測誤差幅を前記状態変数シナリオに対応付けた予測誤差幅シナリオを作成する第3のシナリオ作成手順と、
前記環境変数の所定値と前記状態変数の目標値とが与えられたときに、前記予測誤差幅シナリオを用いて、前記予測誤差幅シナリオに含まれる操作変数の値のうち、前記予測誤差幅が小さく、かつ、前記対象の状態変数の値が前記目標値に近付く値を操作変数最適値として算出する最適化手順と、
をコンピュータが実行する運転支援方法。
【請求項7】
対象から収集した複数の実績データを用いて、前記対象の操作変数の値と前記対象の環境変数の値とを入力として前記対象の状態変数の値を予測するシミュレータを構築するシミュレータ構築手順と、
前記複数の実績データを用いて、前記シミュレータによる状態変数の値の予測誤差幅を推定する予測誤差幅推定モデルを構築する予測誤差幅推定モデル構築手順と、
前記実績データに含まれる操作変数の値を用いて、前記対象で実現可能な操作変数の値を表す操作変数シナリオを作成する第1のシナリオ作成手順と、
前記シミュレータと、前記操作変数シナリオと、与えられた環境変数の所定値とを用いて、前記操作変数シナリオに含まれる前記操作変数の値と前記環境変数の所定値とを前記シミュレータに入力したときの状態変数の値を前記操作変数シナリオに対応付けた状態変数シナリオを作成する第2のシナリオ作成手順と、
前記予測誤差幅推定モデルと、前記状態変数シナリオとを用いて、前記状態変数シナリオに含まれる状態変数の値の予測誤差幅を前記状態変数シナリオに対応付けた予測誤差幅シナリオを作成する第3のシナリオ作成手順と、
前記環境変数の所定値と前記状態変数の目標値とが与えられたときに、前記予測誤差幅シナリオを用いて、前記予測誤差幅シナリオに含まれる操作変数の値のうち、前記予測誤差幅が小さく、かつ、前記対象の状態変数の値が前記目標値に近付く値を操作変数最適値として算出する最適化手順と、
をコンピュータに実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、運転支援装置、運転支援方法及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、産業分野では熟練オペレータの不足等を背景に、AI(Artificial Intelligence)や機械学習技術等を活用したプラント運転支援技術へのニーズが高まっている。プラント運転支援に関する従来技術として、プラントをモデル化した機械学習モデルをシミュレータとして利用し、最適化技術と組み合わせることにより、プラントの状態が目標となるような操作量を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7081728号公報
特許第7207596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シミュレータの予測値には誤差が含まれ得る(すなわち、シミュレータの予測値には不確実性がある)一方で、従来技術では、シミュレータの予測値に含まれ得る誤差が考慮されていなかった。
【0005】
本開示は、上記の点に鑑みてなされたもので、シミュレータの予測値の不確実性を考慮して対象の最適な操作量を算出する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による運転支援装置は、対象から収集した複数の実績データを用いて、前記対象の操作変数の値と前記対象の環境変数の値とを入力として前記対象の状態変数の値を予測するシミュレータを構築するシミュレータ構築部と、前記複数の実績データを用いて、前記シミュレータによる状態変数の値の予測誤差幅を推定する予測誤差幅推定モデルを構築する予測誤差幅推定モデル構築部と、前記実績データに含まれる操作変数の値を用いて、前記対象で実現可能な操作変数の値を表す操作変数シナリオを作成する第1のシナリオ作成部と、前記シミュレータと、前記操作変数シナリオと、与えられた環境変数の所定値とを用いて、前記操作変数シナリオに含まれる前記操作変数の値と前記環境変数の所定値とを前記シミュレータに入力したときの状態変数の値を前記操作変数シナリオに対応付けた状態変数シナリオを作成する第2のシナリオ作成部と、前記予測誤差幅推定モデルと、前記状態変数シナリオとを用いて、前記状態変数シナリオに含まれる状態変数の値の予測誤差幅を前記状態変数シナリオに対応付けた予測誤差幅シナリオを作成する第3のシナリオ作成部と、前記環境変数の所定値と前記状態変数の目標値とが与えられたときに、前記予測誤差幅シナリオを用いて、前記予測誤差幅シナリオに含まれる操作変数の値のうち、前記予測誤差幅が小さく、かつ、前記対象の状態変数の値が前記目標値に近付く値を操作変数最適値として算出する最適化部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
シミュレータの予測値の不確実性を考慮して対象の最適な操作量を算出する技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態に係る運転支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る運転支援装置の機能構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る運転シナリオ作成処理の一例を示す図である。
操作変数シナリオ作成の一例を説明するための図である。
状態変数シナリオ作成の一例を説明するための図である。
予測誤差幅シナリオ作成の一例を説明するための図である。
本実施形態に係る最適操作量算出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について説明する。以下の実施形態では、シミュレータの予測値の不確実性を考慮して対象の最適な操作量を算出することができる運転支援装置10について説明する。ここで、本実施形態に係る運転支援装置10には、対象の運転シナリオを作成する運転シナリオ作成フェーズと、この運転シナリオと最適化技術により当該対象に対する最適な操作量を算出する運転支援フェーズとが存在する。運転シナリオとは、操作量(操作変数値)と、環境変数値と、その操作変数値及び環境変数値を入力としてシミュレータにより予測した状態変数値と、その状態変数値の不確実性を表す予測誤差幅とを少なくとも対応付けた情報のことである。
【0010】
なお、対象とは、運用者(又は、オペレータと呼ばれてもよい。)が操作する対象のことであり、例えば、プラント、設備、機器、装置等が挙げられる。対象には各種センサが設置されており、これらのセンサにより当該対象の状態や環境、当該対象に対する操作等が計測される。対象の状態を表す変数は「状態変数」、環境を表す変数は「環境変数」、操作を表す変数は「操作変数」と呼ばれる。また、以下では、状態変数、環境変数、操作変数をまとめて単に「変数」ともいう。
(【0011】以降は省略されています)

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