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公開番号
2024154820
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023068921
出願日
2023-04-20
発明の名称
飛しょう体用レドーム
出願人
三菱電機株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
F42B
10/46 20060101AFI20241024BHJP(弾薬;爆破)
要約
【課題】耐熱衝撃性の高い飛しょう体用レドームを提供する。
【解決手段】目標に向けて飛しょうする飛しょう体の前方に設置され、セラミック材から構成されて先端が尖った形状を有する飛しょう体用レドームであって、レドームの先端部分におけるセラミック材はき裂に対して熱により再結晶化が促進される自己修復可能なセラミック材からなるようにした。レドームの先端部は空力荷重や空力加熱を受けやすく、き裂が発生しやすいが、本発明によれば飛しょう体が飛しょう中にレドームの先端部にき裂が生じた場合であっても、飛しょう時の空力加熱を利用してき裂を自己修復して、き裂の進展を抑制することを可能とした。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
飛しょう体の前方に設置され、セラミックス材から構成され先端が尖った形状を有する飛しょう体用レドームであって、
前記先端における前記セラミックス材は、き裂に対して熱により再結晶化が促進される自己修復可能なセラミックス材からなることを特徴とする飛しょう体用レドーム。
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
前記自己修復可能なセラミックス材は、コージライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、または、ヒューズドシリカ(SiO2)、または、シリコンナイトライド(Si3N4)の焼結体のセラミックスであって、添加物としてアルミナ(Al2O3)、または、酸化マンガン(MnO)が添加されて焼結された焼結体であることを特徴とする請求項1記載の飛しょう体用レドーム。
【請求項3】
前記セラミックス材は、第1のセラミックス材と第2のセラミックス材が積層された積層構造を有し、
前記第1のセラミックス材は、周囲外気と接する飛しょう体用レドームの外側の面に配置され、前記第2のセラミックス材は前記外側の面とは反対の内側の面に配置され、
前記先端における前記セラミックス材は、前記第1のセラミック材のみから構成され、
前記後端部における前記セラミックス材は、前記第1のセラミックス材と層厚が前記第1のセラミックス材より厚い前記第2のセラミックス材とから構成されるか、あるいは、前記第2のセラミックス材のみから構成され、
前記先端から前記後端部へ向けて、前記第1のセラミックス材の層厚は薄くなり、前記第2のセラミックス材の層厚は厚くなり、
前記第1のセラミックス材は、前記自己修復可能なセラミックス材であり、
前記第2のセラミックス材は、前記自己修復可能でないセラミックス材であり、コージライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、または、ヒューズドシリカ(SiO2)、または、シリコンナイトライド(Si3N4)の焼結体のセラミックスであって、添加物は添加せず、焼結する前の液状のコージライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、または、ヒューズドシリカ(SiO2)、または、シリコンナイトライド(Si3N4)をそのまま焼結したセラミックス材であることを特徴とする請求項1または2記載の飛しょう体用レドーム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、飛しょう体用アンテナを保護する飛しょう体用レドームに関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
所定の目標に向けて電波誘導にて飛しょうする飛しょう体は、先端部に目標を検知するためのレーダ用アンテナが備えられている。飛しょう体の先端部は、空力荷重や空力加熱を受けやすい部位である。このため飛しょう体の先端部は、空力抵抗を減らし高速で飛しょうできるように、尖った形状(例えばCone、Ogive、Von_Karman形状)とすることが一般的である。
【0003】
また、レドームは、レーダ用アンテナが送受信する電波を透過させる必要があることから、誘電体材料を使用しなければならない。誘電体材料としては、アルミナ(Al2O3)、コージライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、ヒューズドシリカ(SiO2)、シリコンナイトライド(Si3N4)焼結体などのセラミックス、FRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)材などが用いられている。
【0004】
超音速で飛しょうする飛しょう体のレドームは、耐熱性及び耐熱衝撃性に優れたセラミックス材を使用することが主流である。また、飛しょう体の機体は、通常、鉄、あるいはアルミニウム材などの高剛性で高熱膨張係数(10~30×10-E6/℃)の材料を用いているのが一般的である。前述のレドームと機体は異種材料となるので、その組み合わせによる熱応力が懸念される。このため、高剛性で熱膨張係数が比較的低いFRPを用いたリングを介して、レドームを機体に固定し、またレドームとリングは接着剤により固定することが一般的である。
【0005】
一方、セラミックスの公知技術として、自己修復可能なセラミックス材の開示がある(例えば特許文献1、2)。自己修復可能なセラミックス材は、熱衝撃の他、製造時や取り扱い時に生じるき裂に対して、熱及び電気による化学反応により再結晶化が促進される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表第2018-511167号
国際公開第2013/008646号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
飛しょう体において、数秒という短い時間で超音速または極超音速に達して飛しょうするものがある。また、長時間飛しょうするものもあり、空力加熱により機体が高温に晒される。レドームの先端部は空力加熱のよどみ点付近であり、従来、急激な温度上昇による熱衝撃が発生しやすかった。熱衝撃が発生した場合、先端部周辺に微小な欠陥が発生し、レドームにき裂が発生する可能性が生じるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、飛しょう体の前方に設置され、セラミックス材から構成され先端が尖った形状を有する飛しょう体用レドームにおいて、前記先端における前記セラミックス材は、き裂に対して熱により再結晶化が促進される自己修復可能なセラミックス材から成るようにした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、飛しょう体の前方に設置する飛しょう体用レドームであって、空力加熱に対する耐熱衝撃性の高い飛しょう体用レドームを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
この発明の実施の形態1に係る飛しょう体用レドームを備えた飛しょう体の側面図である。
この発明の実施の形態1に係る飛しょう体用レドームの断面を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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