TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024093850
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022210445
出願日2022-12-27
発明の名称水洗大便器
出願人TOTO株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類E03D 1/28 20060101AFI20240702BHJP(上水;下水)
要約【課題】便器のローシルエット化を実現しつつオーバーフロー性能を確保することができ、オーバーフロー流路の逆流を抑制してオーバーフロー流路内の汚物の付着を抑制することができる水洗大便器を提供する。
【解決手段】本発明の水洗大便器1は、貯水タンク4と、汚物を受けるボウル部14と、このボウル部の下方に入口部16cが接続される排水トラップ部16と、を備えた便器本体2と、貯水タンク内の洗浄水が規定以上の水位を上回った際に便器本体に洗浄水をオーバーフローさせるオーバーフロー流路34と、を有し、オーバーフロー流路は、貯水タンクに対してリム吐水口2aよりも低い位置に接続される上流側接続部34aと、封水が形成される屈曲管路16aよりも下流側の排水流路に接続される下流側接続部34bと、を備えており、オーバーフロー流路の下流側接続部の流路方向は、下降管路16bの流路方向に対して90度以下になるように設定されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、
洗浄水を貯水する貯水タンクと、
汚物を受けるボウル部と、このボウル部の上縁に形成されるリム部と、このリム部に設けられて上記ボウル部内に洗浄水を吐水するリム吐水口と、上記ボウル部の下方に入口部が接続されて上記ボウル部内の汚物を排出する排水流路の一部を形成する排水トラップ部と、を備えた便器本体と、
上記排水トラップ部の下流側に接続されて排水流路の一部を形成する排水ソケットと、
上記貯水タンクと上記便器本体とを接続し、上記貯水タンク内の洗浄水が規定以上の水位を上回った際に上記便器本体に洗浄水をオーバーフローさせるオーバーフロー流路と、を有し、
上記排水トラップ部は、上記入口部の後方且つ下方の最下端部まで下降した後にその後方且つ上方の頂部まで上昇する排水流路を形成する屈曲管路と、この屈曲管路の頂部から後方且つ下方に下降した後に上記排水ソケットに接続される排水流路を形成する下降管路と、を備え、上記頂部よりも上流側の上記屈曲管路内には封水が形成されており、
上記オーバーフロー流路は、上記貯水タンクに対して上記リム吐水口よりも低い位置に接続される上流側接続部と、上記封水が形成される上記屈曲管路よりも下流側の排水流路に接続される下流側接続部と、を備えており、
上記オーバーフロー流路の下流側接続部の流路方向は、上記下流側接続部が接続される排水流路の流路方向に対して90度以下になるように設定されていることを特徴とする水洗大便器。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
上記排水流路は、上記オーバーフロー流路の下流側接続部の後方側の下流側排水流路が上記下流側接続部よりも前方側の上流側排水流路よりも拡大している請求項1記載の水洗大便器。
【請求項3】
上記排水トラップ部の上記下降管路は、上記頂部から後方且つ下方に向かって傾斜する排水流路を形成する傾斜部と、この傾斜部の下流端から後方の上記排水ソケットに向かって水平に延びる排水流路を形成する水平部と、を備えており、上記オーバーフロー流路の下流側接続部は、上記傾斜部又は上記水平部に接続されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項4】
上記排水トラップ部を含む上記便器本体は陶器製であり、上記排水トラップ部の上記下降管路は、上記オーバーフロー流路の下流側接続部が接続される陶器製の被接続部を備えている請求項3記載の水洗大便器。
【請求項5】
上記排水トラップ部の被接続部は、上記下降管路の上記傾斜部又は上記水平部の上面から鉛直方向上方に突出する突出開口部を形成している請求項4記載の水洗大便器。
【請求項6】
上記貯水タンクは、その上部に設けられて上記リム吐水口よりも低い位置あるオーバーフロー口を備えており、上記オーバーフロー流路の上流側接続部は、上記オーバーフロー口に接続されており、上記排水トラップ部の上記被接続部は、背面視において、上記下降管路の上記傾斜部の側面から斜め上方に突出する突出開口部を形成しており、上記オーバーフロー流路は、上記オーバーフロー口に接続される上記上流側接続部から上記突出開口部に接続される上記下流側接続部に向かって流路距離が最短になるように一直線状に延びている請求項4記載の水洗大便器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器に関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器として、例えば、特許文献1に記載されているように、便器本体のジェット吐水口に供給する洗浄水を貯水する貯水タンクと、この貯水タンク及び便器本体のリム吐水口のそれぞれに洗浄水を給水する給水装置と、貯水タンク内の洗浄水が規定以上の水位を上回った際に洗浄水を便器本体の下流側の排水流路(排水ソケット)にオーバーフローさせるオーバーフロー流路(オーバーフローバイパス流路)とを備えたものが知られている。また、このオーバーフロー流路は、臭気の逆流や害虫の侵入を抑制する臭気逆流抑制部を備えており、この臭気逆流抑制部により、排水トラップ管路の封水よりも下流側の排水流路の臭気がオーバーフローバイパス流路を介して貯水タンク側に侵入することが抑制され、使用者に対して不快感を与えないようになっている。
また、特許文献2に記載されている従来の水洗大便器においては、その便器本体のリムに洗浄水を供給する給水装置と、便器本体の便鉢の下流側に連通する上昇流路と、その下流側に連通する下降流路とを備えた便器排水路を備えている。また、この便器排水路には、その下降流路から空気を吸引する吸引管を備えた吸気装置が設けられている。この吸気装置により、その吸気管が接続された便器排水路の下降流路から空気が吸引されると、その負圧作用により便器排水路内に洗浄水が勢いよく流入し、サイホン作用が発生し、汚物を排出することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-117927号公報
特開2009-191444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、近年、意匠性や介護性を向上させるために、水洗大便器全体の上端高さ位置を比較的に低く設定した、いわゆる、「便器のローシルエット化」のニーズが高まっている。
しかしながら、上述した特許文献1、2に記載されている従来の水洗大便器においては、給水装置が便器本体のリム面やリム吐水口よりも上方に配置されているため、その分、水洗大便器全体の上端高さ位置も高く設定されることになり、便器のローシルエット化が課題となっている。
特に、上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器において、便器のローシルエット化を実現するために、給水装置を便器本体のリム面やリム吐水口よりも下方に配置し、オーバーフロー流路の下流側をリム吐水口等に接続した場合には、オーバーフロー流路の上流側が下流側よりも低くなり、オーバーフロー機能が果たせなくなるという問題ある。
したがって、給水装置を便器本体のリム面よりも下方に配置して便器のローシルエット化を実現した場合において、便器本体又はその下流側の排水流路に対するオーバーフロー流路の下流側の接続先をいかに工夫してオーバーフロー性能を確保し、オーバーフロー流路の逆流を抑制して、オーバーフロー流路内の汚物の付着を抑制するかが近年要請されている課題ともなっている。
また、上述した特許文献2に記載されている従来の水洗大便器においては、便器本体のリムに洗浄水を供給する給水装置として、洗浄水を貯水する貯水タンクを採用した場合には、この貯水タンク内の洗浄水が規定以上の水位を上回った際に洗浄水を便器排水路にオーバーフローさせるオーバーフロー流路が必要となるが、このようなオーバーフロー流路が吸気装置とは別に便器排水路に接続された場合には、便器排水路の排水性能に関わる箇所に余計な流路が接続されることになり、便器排水路の汚物がオーバーフロー流路に逆流し、排水性能の低下を招くおそれがあるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した近年要請されている課題と従来技術の問題を解決するためになされたものであり、便器のローシルエット化を実現しつつオーバーフロー性能を確保することができ、オーバーフロー流路の逆流を抑制してオーバーフロー流路内の汚物の付着を抑制することができる水洗大便器を提供すること目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、洗浄水を貯水する貯水タンクと、汚物を受けるボウル部と、このボウル部の上縁に形成されるリム部と、このリム部に設けられて上記ボウル部内に洗浄水を吐水するリム吐水口と、上記ボウル部の下方に入口部が接続されて上記ボウル部内の汚物を排出する排水流路の一部を形成する排水トラップ部と、を備えた便器本体と、上記排水トラップ部の下流側に接続されて排水流路の一部を形成する排水ソケットと、上記貯水タンクと上記便器本体とを接続し、上記貯水タンク内の洗浄水が規定以上の水位を上回った際に上記便器本体に洗浄水をオーバーフローさせるオーバーフロー流路と、を有し、上記排水トラップ部は、上記入口部の後方且つ下方の最下端部まで下降した後にその後方且つ上方の頂部まで上昇する排水流路を形成する屈曲管路と、この屈曲管路の頂部から後方且つ下方に下降した後に上記排水ソケットに接続される排水流路を形成する下降管路と、を備え、上記頂部よりも上流側の上記屈曲管路内には封水が形成されており、上記オーバーフロー流路は、上記貯水タンクに対して上記リム吐水口よりも低い位置に接続される上流側接続部と、上記封水が形成される上記屈曲管路よりも下流側の排水流路に接続される下流側接続部と、を備えており、上記オーバーフロー流路の下流側接続部の流路方向は、上記下流側接続部が接続される排水流路の流路方向に対して90度以下になるように設定されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、貯水タンク内の洗浄水が規定以上の水位を上回ると、その洗浄水が、貯水タンクに対してリム吐水口よりも低い位置に上流側接続部が接続されるオーバーフロー流路からオーバーフローされる。そして、このオーバーフロー洗浄水は、オーバーフロー流路の下流側接続部が接続された便器本体の排水トラップ部における封水が形成される屈曲管路よりも下流側の排水流路内に排出される。
このとき、オーバーフロー流路の上流側接続部が貯水タンクに対してリム吐水口よりも低い位置に接続されていることにより、貯水タンクや水洗大便器全体の上端高さ位置についても比較的低い位置に設定することができるため、便器のローシルエット化を実現することができる。
また、オーバーフロー流路の下流側接続部の流路方向が、この下流側接続部が接続される排水流路の流れ方向に対して90度以下になるように設定されているため、排水流路内の汚物がオーバーフロー流路に逆流することを抑制することができると共に、オーバーフロー流路内に汚物が付着することを抑制することができる。
【0007】
本発明において、好ましくは、上記排水流路は、上記オーバーフロー流路の下流側接続部の後方側の下流側排水流路が上記下流側接続部よりも前方側の上流側排水流路よりも拡大している。
このように構成された本発明においては、オーバーフロー流路の下流側接続部が接続される排水流路について、オーバーフロー流路の下流側接続部の後方側の下流側排水流路をオーバーフロー流路の下流側接続部の前方側の上流側排水流路よりも拡大させているため、オーバーフロー流路の下流側接続部よりも後方側の下流側排水流路内において、その前方側の上流側排水流路よりも大きな淀みを発生させることができる。
したがって、このような淀みにより、オーバーフロー流路に汚物が流れ込み難くなるため、汚物を下流側へ排出させやすくすることができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、上記排水トラップ部の上記下降管路は、上記頂部から後方且つ下方に向かって傾斜する排水流路を形成する傾斜部と、この傾斜部の下流端から後方の上記排水ソケットに向かって水平に延びる排水流路を形成する水平部と、を備えており、上記オーバーフロー流路の下流側接続部は、上記傾斜部又は上記水平部に接続されている。
このように構成された本発明においては、オーバーフロー流路の下流側接続部について、排水トラップ部の頂部から後方且つ下方に向かって傾斜する排水流路を形成する下降管路の傾斜部に接続させるか、又は、この傾斜部の下流端から後方の排水ソケットに向かって水平に延びる排水流路を形成する水平部に接続させたことにより、オーバーフロー流路から排水トラップ部の下降管路の傾斜部又は水平部内にオーバーフローさせた洗浄水を下流側にスムーズに排出させることができる。
したがって、下流側の排水流路からオーバーフロー流路への排水の逆流を抑制することでき、オーバーフロー洗浄水の排出性能を向上させることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、上記排水トラップ部を含む上記便器本体は陶器製であり、上記排水トラップ部の上記下降管路は、上記オーバーフロー流路の下流側接続部が接続される陶器製の被接続部を備えている。
このように構成された本発明においては、排水トラップ部を含む便器本体が陶器製であり、オーバーフロー流路の下流側接続部が接続される排水トラップ部の下降管路の被接続部についても陶器製であるため、劣化し難い。
したがって、オーバーフロー流路の下流側接続部が接続される排水トラップ部側の被接続部の劣化によってオーバーフロー流路のオーバーフロー性能が低下することを抑制することができる。
また、オーバーフロー流路の下流側接続部が接続される被接続部を便器本体の排水トラップ部とは別部材で形成した場合には、オーバーフロー流路の下流側接続部と排水トラップ部の被接続部との接続箇所において、漏水等のリスクを回避するためにシール構造等を設ける必要がある分、部品点数が増加することになる。
これに対し、本発明では、排水トラップ部の下降管路の被接続部が陶器製の便器本体と一体に形成されているため、オーバーフロー流路の下流側接続部と排水トラップ部の被接続部との接続箇所において部品点数を抑制することができる。
したがって、オーバーフロー流路の下流側接続部と排水トラップ部の被接続部との接続箇所の占有スペースや周辺スペースを小型化することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、上記排水トラップ部の被接続部は、上記下降管路の上記傾斜部又は上記水平部の上面から鉛直方向上方に突出する突出開口部を形成している。
このように構成された本発明においては、オーバーフロー発生時にオーバーフロー流路内にオーバーフローした洗浄水は、オーバーフロー流路の下流側接続部が接続される排水トラップ部の下降管路の被接続部における突出開口部を通過し、その下流側の排水流路に排出される。
この際、排水トラップ部の被接続部の突出開口部が、排水トラップ部の下降管路の傾斜部又は水平部の上面から鉛直方向上方に突出しているため、この突出開口部を通過するオーバーフロー洗浄水について、重力作用と共に上方から下方の排水流路に向けて確実に排出させることができる。
したがって、オーバーフロー流路のオーバーフロー性能を向上させることができると共に、オーバーフロー発生時の下流側の排水流路からオーバーフロー流路への排水の逆流を確実に抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

TOTO株式会社
紙巻器
5日前
TOTO株式会社
洗面器
1か月前
TOTO株式会社
複合材料
23日前
TOTO株式会社
複合材料
23日前
TOTO株式会社
吐水装置
5日前
TOTO株式会社
吐水装置
5日前
TOTO株式会社
吐水装置
5日前
TOTO株式会社
陶器素地
2か月前
TOTO株式会社
便座装置
11日前
TOTO株式会社
手乾燥装置
2か月前
TOTO株式会社
水洗大便器
2か月前
TOTO株式会社
水洗大便器
2か月前
TOTO株式会社
水洗大便器
2か月前
TOTO株式会社
シャワー装置
2か月前
TOTO株式会社
洗面ユニット
13日前
TOTO株式会社
浴室システム
12日前
TOTO株式会社
シャワー装置
2か月前
TOTO株式会社
シャワー装置
2か月前
TOTO株式会社
衛生洗浄装置
5日前
TOTO株式会社
水石鹸供給装置
3日前
TOTO株式会社
浴室除菌システム
1か月前
TOTO株式会社
釉薬層を備えた陶器
2か月前
TOTO株式会社
静電チャック及びその製造方法
5日前
TOTO株式会社
静電チャック及びその製造方法
5日前
TOTO株式会社
静電チャック及びその製造方法
5日前
TOTO株式会社
静電チャック及びその製造方法
5日前
TOTO株式会社
静電チャック及びその製造方法
5日前
TOTO株式会社
静電チャック及びその製造方法
5日前
TOTO株式会社
静電チャック及びその製造方法
5日前
TOTO株式会社
衛生陶器の形状を評価する評価方法
11日前
TOTO株式会社
排水ソケット及びそれを備えた水洗大便器
1か月前
TOTO株式会社
トイレシステム、便座装置、または便器装置
6日前
TOTO株式会社
端末装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
2か月前
TOTO株式会社
端末装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
2か月前
TOTO株式会社
陶器素地
2か月前
TOTO株式会社
浴槽装置
23日前
続きを見る