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公開番号2024076815
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-06
出願番号2022188598
出願日2022-11-25
発明の名称すり潰し砥石と、この砥石を備えるすり潰し装置
出願人丸井工業株式会社
代理人個人
主分類B02C 7/04 20060101AFI20240530BHJP(破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理)
要約【課題】詰まりが生じ難く、しかも処理能力に優れたすり潰し砥石をより安価に提供する。
【解決手段】すり潰し砥石17のすり潰し面44に多数個の砥粒42を群状に配してなる砥粒固定領域51を形成する。この砥粒固定領域51は、当該すり潰し面44の外周縁に沿うリング状の第1領域52と、当該第1領域52に囲まれる内側領域53に部分的に配置された第2領域54とで構成する。内側領域53の第2領域54を除く部分に、砥粒42の無い非固定領域56を形成し、第2領域54を内側領域53に分散状に配置された複数個の単位固定部55で構成する。すり潰し面44の中心を通って径方向に走る仮想直線Lと、ベース43を回転させた際の単位固定部55の回転軌跡Tとを規定し、仮想直線L上に全ての単位固定部55の回転軌跡Tを投影させたとき、内側領域53における仮想直線L上に回転軌跡Tが投影されない空白の領域が形成されないように構成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
すり潰し装置の加工室(1)内に向い合せ状にセットされ、加工室(1)内に投入された原料のすり潰し加工を行う上下一対の砥石であって、
各砥石は、中央開口(45)を有し、該中央開口(45)を除く上下面のいずれか一方にすり潰し面(44)を有する金属円盤体からなるベース(43)と、ベース(43)のすり潰し面(44)に固定された多数個の砥粒(42)とからなり、
すり潰し面(44)に多数個の砥粒(42)を群状に配してなる砥粒固定領域(51)が、当該すり潰し面(44)の外周縁に沿うリング状の第1領域(52)と、当該第1領域(52)に囲まれる内側領域(53)に部分的に配置された第2領域(54)とで構成されており、
内側領域(53)の第2領域(54)を除く部分に、砥粒(42)の無い非固定領域(56)が形成されており、
第2領域(54)は、内側領域(53)に分散状に配置された複数個の単位固定部(55)で構成されており、
すり潰し面(44)の中心を通って径方向に走る仮想直線(L)と、ベース(43)を回転させた際の単位固定部(55)の回転軌跡(T)とを規定し、仮想直線(L)上に全ての単位固定部(55)の回転軌跡(T)を投影させたとき、
内側領域(53)における仮想直線(L)上に回転軌跡(T)が投影されない空白の領域が形成されないように構成されていることを特徴とするすり潰し砥石。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
砥粒固定領域(51)が、すり潰し面(44)の表面に形成された、ベース(43)を構成する金属よりも融点の低い金属からなる金属片を溶融してなる溶着層(58)と、該溶着層(58)に保持された砥粒(42)とで構成されている、請求項1記載のすり潰し砥石。
【請求項3】
加工室(1)内にセットされる砥石は、回転しない固定砥石(18)と、駆動力を受けて回転する回転砥石(19)とからなり、
固定砥石(18)の第2領域(54A(54))が、すり潰し面(44A(44))の中心側から径方向に伸びるとともに、周方向の等角度位置に配された複数個の帯状の単位固定部(55A(55))により放射状に形成されており、
隣り合う単位固定部(55A(55))により区画される非固定領域(56A(56))が、外拡がりの扇状に形成されており、
各単位固定部(55A(55)には、すり潰し面(44A(44))の径方向の中途部、或いは径方向の内外端部に砥粒の無いブランク部(57A(57))が形成されており、
隣り合う単位固定部(55A(55))におけるすり潰し面(44A(44))の中心からブランク部(57A(57))までの距離が互いに異なるものとされている請求項1又は2記載のすり潰し砥石。
【請求項4】
加工室(1)内にセットされる砥石は、回転しない固定砥石(18)と、駆動力を受けて回転する回転砥石(19)とからなり、
回転砥石(19)の第2領域(54B(54))が、すり潰し面(44B(44))の中心側から径方向に伸びるとともに、周方向の等角度位置に配された複数個の帯状の単位固定部(55B(55))により放射状に形成されており、
隣り合う単位固定部(55B(55))により区画される非固定領域(56B(56))が、外拡がりの扇状に形成されており、
単位固定部(55B(55))は、すり潰し面(44B(44))の径方向の中途部、或いは径方向の内外端部に、砥粒の無いブランク部(57B(57))を有する第1の単位固定部(66)と、ブランク部(57B(57))を有しない第2の単位固定部(67)とで構成されており、
第1の単位固定部(66)と第2の単位固定部(67)とが周方向に交互に配置されている、請求項1又は2記載のすり潰し砥石。
【請求項5】
第2領域(54B(54))が、第1の単位固定部(66)と第2の単位固定部(67)との間に形成されて、第1領域(52B(52))に接する外拡がりの扇状に形成された第3の単位固定部(68)を含む、請求項4記載のすり潰し砥石。
【請求項6】
加工室(1)内で向い合せ状にセットされる固定砥石(18)と回転砥石(19)とを備え、
固定砥石(18)及び回転砥石(19)が請求項1に記載のすり潰し砥石(17)で構成されているすり潰し装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、大豆や胡麻などの穀物のすり潰し加工に使用されるすり潰し砥石、及びこの砥石を備えるすり潰し装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
この種のすり潰し砥石には、砥粒と結合剤とを混ぜ合わせ、これを焼結して製作されるものがある。このような焼結により製作された砥石は、気孔が多数存在する多孔質体であるため、気孔内に水が溜まり、或いは砥石ですり潰された原料が侵入することが避けられない。このため、清掃に多大な労力を要する点と、気孔内に侵入した穀物が腐敗しやすい点に難がある。
【0003】
上記問題を解決するものとして、金属円盤に砥粒を固定したすり潰し砥石が知られている。例えば、特許文献1には、鉄等の金属盤の表面の全体にタングステンカーバイトからなる砥粒が固定された砥石(超硬摩砕砥石)が開示されている。金属盤の表面は、外周部が平坦面とされ、外周部の内側が截頭円錐台形状の中窪み面とされており、平坦面の全面に相対的に粒径の細かい砥粒が電着され、中窪み面の全面に相対的に粒径の荒い砥粒が電着されている。すり潰し装置には、砥粒が固定された面どうしが向かい合う状態で、上述の一対の砥石がセットされ、一方の砥石を固定し、他方の砥石を高速で回転させることで、これら砥石の間に投入された原料に対するすり潰し加工が行われる。かかるすり潰し加工では、これら砥石の間で原料が外方向へ移動され、両砥石の外周縁部分からすり潰された原料が排出される。以上のような金属円盤の表面に砥粒を固定してなるすり潰し砥石では、焼結により製作された砥石のような気孔は存在しないため、より簡単に清掃を行うことができる。気孔内に水が溜まることはなく、また気孔に侵入した穀物が腐敗することもなく、衛生的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平7-136529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のすり潰し砥石では、金属盤の表面の全体に砥粒が固定されているため、すり潰された原料が砥粒に引っ掛かる「詰まり」が生じやすい。つまり、すり潰された原料が両砥石間の外周縁間から適切に排出されなくなるおそれがある。加えて、特許文献1のすり潰し砥石では、金属盤の表面の全体に砥粒が固定されているため、砥石の製造コストが格段に高くなることも避けられない。つまり、砥粒の素材であるタングステンカーバイト、人工ダイアモンド、立方晶窒化ホウ素などは極めて高価であるため、砥粒の使用量に比例して砥石の製造コストが大幅に上昇することが避けられない。これら問題は、例えば金属盤の表面における砥粒の密度を低くする、或いは砥粒を分散配置することで解消できるが、その場合には、砥石の処理能力(すり潰し能力)が著しく低下するおそれがある。元より特許文献1のすり潰し砥石では、電着により砥粒を固定しているため、金属盤の表面に部分的に電気を印加することは不可能であり、また部分的に砥粒を固定させることも不可能である。
【0006】
本発明は、以上のような従来のすり潰し砥石の抱える問題を解決することを目的としてなされたものであり、詰まりが生じ難く、しかも処理能力に優れたすり潰し砥石をより安価に提供することを目的とする。本発明の他の目的は、上記のすり潰し砥石を備えたすり潰し装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、すり潰し装置の加工室1内に向い合せ状にセットされ、加工室1内に投入された原料のすり潰し加工を行う上下一対のすり潰し砥石を対象とする。各砥石は、中央開口45を有し、該中央開口45を除く上下面のいずれか一方にすり潰し面44を有する金属円盤体からなるベース43と、ベース43のすり潰し面44に固定された多数個の砥粒42とからなる。すり潰し面44に多数個の砥粒42を群状に配してなる砥粒固定領域51が、当該すり潰し面44の外周縁に沿うリング状の第1領域52と、当該第1領域52に囲まれる内側領域53に部分的に配置された第2領域54とで構成されている。内側領域53の第2領域54を除く部分に、砥粒42の無い非固定領域56が形成されており、第2領域54は、内側領域53に分散状に配置された複数個の単位固定部55で構成されている。そして、すり潰し面44の中心を通って径方向に走る仮想直線Lと、ベース43を回転させた際の単位固定部55の回転軌跡Tとを規定し、仮想直線L上に全ての単位固定部55の回転軌跡Tを投影させたとき、内側領域53における仮想直線L上に回転軌跡Tが投影されない空白の領域が形成されないように構成されていることを特徴とする。
【0008】
砥粒固定領域51は、すり潰し面44の表面に形成された、ベース43を構成する金属よりも融点の低い金属からなる金属片を溶融してなる溶着層58と、該溶着層58に保持された砥粒42とで構成されている。
【0009】
加工室1内にセットされる砥石は、回転しない固定砥石18と、駆動力を受けて回転する回転砥石19とからなる。固定砥石18の第2領域54A(54)は、すり潰し面44A(44)の中心側から径方向に伸びるとともに、周方向の等角度位置に配された複数個の帯状の単位固定部55A(55)により放射状に形成されており、隣り合う単位固定部55A(55)により区画される非固定領域56A(56)は、外拡がりの扇状に形成されている。各単位固定部55A(55)には、すり潰し面44A(44)の径方向の中途部、或いは径方向の内外端部に砥粒の無いブランク部57A(57)が形成されており、隣り合う単位固定部55A(55)におけるすり潰し面44A(44)の中心からブランク部57A(57)までの距離が互いに異なるものとされている。
【0010】
加工室1内にセットされる砥石は、回転しない固定砥石18と、駆動力を受けて回転する回転砥石19とからなる。回転砥石19の第2領域54B(54)は、すり潰し面44B(44)の中心側から径方向に伸びるとともに、周方向の等角度位置に配された複数個の帯状の単位固定部55B(55)により放射状に形成されており、隣り合う単位固定部55B(55)により区画される非固定領域56B(56)は、外拡がりの扇状に形成されている。単位固定部55B(55)は、すり潰し面44B(44)の径方向の中途部、或いは径方向の内外端部に、砥粒の無いブランク部57B(57)を有する第1の単位固定部66と、ブランク部57B(57)を有しない第2の単位固定部67とで構成されており、第1の単位固定部66と第2の単位固定部67とが周方向に交互に配置されている。
(【0011】以降は省略されています)

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