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公開番号2024071242
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2022182082
出願日2022-11-14
発明の名称圧電体素子、及び圧電体素子の製造方法
出願人国立大学法人静岡大学
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類H10N 30/01 20230101AFI20240517BHJP()
要約【課題】高い圧電特性が得られる圧電体素子及び圧電体素子の製造方法の提供。
【解決手段】基板11、第1電極層12、圧電体層13、及び第2電極層14をこの順で備え、圧電体層13は、Pb(Zr1-XTiX)O3で表されるチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスからなり、Xが0.50~0.65であり且つ正方晶系であるPZT層を有し、第1電極層12は、ニッケル酸ランタン系セラミックスからなるLNO層を有し、基板11は、熱膨張係数が2.59×10-6/Kより大きく、且つPZT層の熱膨張係数より小さい、圧電体素子1。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
基板、第1電極層、圧電体層、及び第2電極層をこの順で備え、
前記圧電体層は、Pb(Zr
1-X
Ti

)O

で表されるチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスからなり、前記Xが0.50~0.65であり且つ正方晶系であるPZT層を有し、
前記第1電極層は、ニッケル酸ランタン系セラミックスからなるLNO層を有し、
前記基板は、熱膨張係数が2.59×10
-6
/Kより大きく、且つ前記PZT層の熱膨張係数より小さい、圧電体素子。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記基板がガラス基板である、請求項1に記載の圧電体素子。
【請求項3】
基板、第1電極層、Pb(Zr
1-X
Ti

)O

で表されるチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスからなるPZT層を有する圧電体層、及び第2電極層をこの順に備える圧電体素子の製造方法であって、
熱膨張係数が2.59×10
-6
/Kより大きく、且つ前記PZT層の熱膨張係数より小さい前記基板を準備する、基板準備工程と、
前記基板上に、ニッケル酸ランタン系セラミックスからなるLNO層を有する第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、
前記第1電極層上に、前記Xが0.50~0.65であり且つ正方晶系である前記PZT層を有する圧電体層を形成する圧電体層形成工程と、
を含む、圧電体素子の製造方法。
【請求項4】
前記基板がガラス基板である、請求項3に記載の圧電体素子の製造方法。
【請求項5】
前記第1電極層形成工程における前記LNO層が、ランタン原子、ニッケル原子、及び炭素数1以上4以下の有機溶媒を含む第1膜を、10℃/秒以上の昇温速度で450℃以上700℃以下の温度まで昇温し、前記温度で保持して多孔質(100)配向の前記LNO層を形成する、溶液法により形成される、請求項3又は請求項4に記載の圧電体素子の製造方法。
【請求項6】
前記第1電極層形成工程における前記LNO層が気相法により形成される、請求項3又は請求項4に記載の圧電体素子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電体素子、及び圧電体素子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、圧電特性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Ti、Zr)O

)薄膜(以下、「PZT薄膜」という。)を用いたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスやNEMS(Nano Electro Mechanical Systems)デバイスが注目を集めている。
【0003】
PZT薄膜は、その配向方向により物理定数が異なることが知られている。特に正方晶系、菱面体晶系及びその境界のMPB(Morphotropic phase boundary)組成のPZT薄膜は、c軸配向((001)配向)制御がされることで、高い圧電性及び強誘電性を示す。つまり、c軸配向制御されたPZT薄膜は、高い圧電定数を示すとともに、高い残留分極値Prを示す。
【0004】
例えば、特許文献1には、第1電極と第2電極との間に形成されたペロブスカイト構造であって主に(100)配向の圧電体膜を有する圧電素子の製造方法において、(a)第1圧電体膜を形成し、前記第1圧電体膜の格子定数dを測定し、前記格子定数dが、4.03≦d≦4.08であるか否かを検証する工程と、(b)前記検証結果に基づき、第2圧電体膜の化合物組成比を調整する工程と、(c)前記第2圧電体膜を有する圧電素子を形成する工程と、を有する圧電素子の製造方法、が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、基板、第1電極層、圧電体層、及び第2電極層をこの順で備え、前記第1電極層は、ニッケル酸ランタン系セラミックスからなるLNO層を有し、前記圧電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスからなるPZT層を有し、特定の式(1)で表される変動率Aが10%以下であり、特定の式(2)で表される変動率Bが10%以下である、圧電体素子、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-250626号公報
特開2022-41246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来から、高性能な圧電体としてチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr
1-X
,Ti

)O

;PZT)系セラミックスが用いられている。しかし、より高い圧電特性(具体的には圧電定数d
33
)を実現することが求められている。
【0008】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、高い圧電特性が得られる圧電体素子及び圧電体素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
【0010】
<1>
基板、第1電極層、圧電体層、及び第2電極層をこの順で備え、
前記圧電体層は、Pb(Zr
1-X
Ti

)O

で表されるチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスからなり、前記Xが0.50~0.65であり且つ正方晶系であるPZT層を有し、
前記第1電極層は、ニッケル酸ランタン系セラミックスからなるLNO層を有し、
前記基板は、熱膨張係数が2.59×10
-6
/Kより大きく、且つ前記PZT層の熱膨張係数より小さい、圧電体素子。
<2>
前記基板がガラス基板である、<1>に記載の圧電体素子。
<3>
基板、第1電極層、Pb(Zr
1-X
Ti

)O

で表されるチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスからなるPZT層を有する圧電体層、及び第2電極層をこの順に備える圧電体素子の製造方法であって、
熱膨張係数が2.59×10
-6
/Kより大きく、且つ前記PZT層の熱膨張係数より小さい前記基板を準備する、基板準備工程と、
前記基板上に、ニッケル酸ランタン(LaNiO

)系セラミックスからなるLNO層を有する第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、
前記第1電極層上に、前記Xが0.50~0.65であり且つ正方晶系である前記PZT層を有する圧電体層を形成する圧電体層形成工程と、
を含む、圧電体素子の製造方法。
<4>
前記基板がガラス基板である、<3>に記載の圧電体素子の製造方法。
<5>
前記第1電極層形成工程における前記LNO層が、ランタン原子、ニッケル原子、及び炭素数1以上4以下の有機溶媒を含む第1膜を、10℃/秒以上の昇温速度で450℃以上700℃以下の温度まで昇温し、前記温度で保持して多孔質(100)配向の前記LNO層を形成する、溶液法により形成される、<3>又は<4>に記載の圧電体素子の製造方法。
<6>
前記第1電極層形成工程における前記LNO層が気相法により形成される、<3>又は<4>に記載の圧電体素子の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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