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公開番号2024071067
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2022181802
出願日2022-11-14
発明の名称ウェルアレイフィルター、粒子整列デバイスおよび粒子捕獲方法
出願人東京応化工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12M 1/28 20060101AFI20240517BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】できるだけ多くのウェル内に一つずつ細胞等の粒子を捕捉でき、シングルセル率が高く通液性が良好で、多数の細胞等を整列して安定に捕捉できるウェルアレイフィルター、粒子整列デバイスおよび粒子捕獲方法を提供する。
【解決手段】このウェルアレイフィルター1は、フィルタ本体2に複数のウェル3が形成され、隣接するウェル3同士はウェル隔壁6で仕切られ、ウェル底部4には2以上の貫通孔8が形成され、貫通孔8の開口部最小幅は1μm以上3.5μm以下で、貫通孔の合計開口面積の比率は0.5%以上3.5%以下である。各ウェル底部4の貫通孔8の全てを囲む最小外接円G1を仮定し、その中心を複数の貫通孔8のいずれの中心に移動させた場合、移動後の最小外接円G2は複数の貫通孔8の全てに対し少なくとも部分的に重なる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
平板状のフィルタ本体を有し、前記フィルタ本体には前記フィルタ本体の上面のウェル形成領域に開口する複数のウェルが形成され、互いに隣接する前記ウェル同士の間はウェル隔壁によりそれぞれ仕切られ、
前記ウェルの下端にはウェル底部がそれぞれ形成され、前記ウェル底部には前記フィルタ本体の下面に達する2以上の貫通孔が形成され、
前記貫通孔の上面開口部の最小幅は1μm以上3.5μm以下であり、
前記ウェル形成領域の面積に対する前記貫通孔の合計開口面積の比率は0.5%以上3.5%以下であり、
前記各ウェル底部に形成されている前記複数の貫通孔の全てを囲む最小外接円を仮定し、この最小外接円の中心を前記複数の貫通孔のいずれの中心に移動させた場合にも、前記最小外接円は前記複数の貫通孔の全てに対し少なくとも部分的に重なる位置関係を満たすことを特徴とするウェルアレイフィルター。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記各ウェル底部に形成されている前記貫通孔は、仮想的な線分上に2個以上形成されているか、仮想的な三角形の頂点位置および前記三角形の辺上もしくは内側に合計3個以上形成されているか、または、仮想的な四角形の頂点位置および前記四角形の辺上もしくは内側に合計4個以上形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウェルアレイフィルター。
【請求項3】
前記貫通孔の開口形状は、円形、楕円形、または複数の円形もしくは楕円形が繋がった形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のウェルアレイフィルター。
【請求項4】
前記貫通孔の開口形状は、多角形状または角が丸められた多角形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のウェルアレイフィルター。
【請求項5】
少なくとも前記ウェルの内面には、細胞接着を抑制するポリマーが塗布されていることを特徴とする請求項1または2に記載のウェルアレイフィルター。
【請求項6】
請求項1または2に記載のウェルアレイフィルターと、前記ウェルアレイフィルターを支持するとともに前記ウェルアレイフィルターの前記ウェルの開口部側から前記貫通孔を通じて前記ウェルの底面側へ向けて通じるサンプル流路を有するデバイス本体を備えたことを特徴とする粒子整列デバイス。
【請求項7】
請求項6の粒子整列デバイスの前記サンプル流路に、前記ウェルアレイフィルターおよび前記デバイス本体を溶解または変質させない有機溶媒を含む液体を通液させる工程と、
前記サンプル流路に水溶液を通液させて有機溶媒を含む液体を前記水溶液で置換する工程と、
前記サンプル流路に、前記ウェルで捕捉すべき粒子を含む水溶液を通液させ前記ウェル内に前記粒子を捕獲する工程を有する粒子捕獲方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞やビーズ等の粒子を捕捉するためのウェルアレイフィルター、粒子整列デバイス、および粒子捕獲方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、特に創薬分野において、細胞解析のターゲッ卜が細胞群レベルから単一細胞レベルへと細分化され、細胞スクリーニングデバイス(粒子整列デバイス)を用いて、ウェルアレイフィルターの微細かつ多数のウェル内に細胞を1つ1つ捕捉したうえ、多数の細胞に対し一斉にスクリーニングテストを行い、目的の特性を有する細胞を選別する手法が使用されている。細胞をスクリーニングする方法としては、例えば、多数のウェル内に捕捉した細胞を、特定の抗体と結合するキャッチャーなどの試薬を分散させた液と接触させ、キャッチャーと結合した分泌物を分泌した細胞を探し出し、ウェルから回収する方法などが採用されている。
【0003】
特許文献1に開示された粒子整列デバイスは、レジストで作製されたウェルアレイフィルターを備え、このウェルアレイフィルターには、底部にそれぞれ一つの貫通孔を有するウェルが多数配列されて形成されている。各ウェルの開口形状は、細胞に類似させて、円形または楕円形とされている。特許文献1の実施例では、ウェルの開口径は100μm、ウェルの深さは30~100μm、貫通孔の開口径は2~5μmとされたウェルアレイフィルターが開示されている。
【0004】
特許文献2に開示された粒子整列デバイスは、シリコンウェハで作製されたウェルアレイフィルターを備え、このウェルアレイフィルターには、エッチングにより多数のウェルが配列されて形成され、各ウェルの底部には、それぞれ一つの貫通孔を形成したSiNx膜が設けられている。各ウェルの開口形状は円形とされている。このウェルアレイフィルターは、シリコンウェハから作製されているので、特許文献2の実施例は、フィルタ本体の厚さが380μm、ウェルの開口径は100μm程度で、ウェル中心間距離は150μm程度とされている。
【0005】
特許文献3に開示された粒子整列デバイスは、細胞を格納するための底部に貫通孔を有するウェル基板と、その細胞からの分泌物を検出するための細胞を格納するための基板の2層からなる分泌アッセイ用のウェルアレイフィルターを備えている。前記ウェル基板は、レジストで作製されている。特許文献3の実施例では、ウェルは円形で開口径は12μmと細胞に近いサイズであるが、ウェル中心間の距離は100μm程度とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許第10370630号明細書
米国特許第9638636号明細書
特開2019-213566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のようなウェルアレイフィルターでは、細胞やビーズ等を分散媒に分散させたサンプル液体をウェルアレイフィルターに通液した際に、できるだけ多くのウェルに細胞等が捕捉されるとともに、一つのウェル内には一つだけの細胞が格納される、いわゆるシングルセルになるように細胞等が捕捉されることが好ましい。一度の通液で多くのウェルに細胞等を捕捉でき、しかも、シングルセル率が高ければ、ターゲットとなる細胞等を一つ一つ分別して高い確率で捕獲することが可能である。
【0008】
一方、細胞を捕捉した後に培養する場合や、個々のウェルから細胞等をキャピラリーで回収する場合には、ウェルの開口径がある程度大きい方が扱いやすい。開口径が小さいウェルで細胞を培養すると、分裂した細胞がウェルから溢れ出て捕捉し損ねる場合があるうえ、ウェルの開口径がキャピラリーの先端外径より大きい方が、キャピラリーの先端をウェル内に直接挿入でき、細胞等の回収が容易になるためである。
【0009】
しかし、ウェルの開口径を単に大きくすると、ウェルアレイフィルターの単位面積当たりのウェル数は減る。例えば、ウェル間を隔てる壁の幅を一定として、ウェルの開口径が20μmの場合と、50μmの場合を比較すると、単位面積当たりのウェル数は1/4になる。20μmの場合と50μmの場合で、ウェル底部に形成されている一つの貫通孔の開口径を同じにすると、フィルターの面積当たりの貫通孔の面積の比率、すなわち貫通孔の開口率も1/4に低下し、ウェルアレイフィルター全体としての通液性が悪化し、通液作業の効率が低下する。
【0010】
ウェルアレイフィルターの通液性を改善するために、ウェル毎に一つ形成された貫通孔の開口径を大きくすると、細胞等が貫通孔を通り抜けるおそれがある。そこで、各ウェル内の貫通孔の数を増やすことが考えられるが、単に貫通孔の数を増やすだけでは、ウェルの開口径が同じ場合にも、シングルセル率が低下する現象が判明した。
(【0011】以降は省略されています)

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