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公開番号2024076883
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-06
出願番号2022188694
出願日2022-11-25
発明の名称芳香族スルフィド化合物の精製方法及び製造方法、芳香族スルフィド誘導体の製造方法、並びに、芳香族スルフィド誘導体を含有する組成物
出願人東京応化工業株式会社
代理人弁理士法人坂本国際特許商標事務所
主分類C07C 319/28 20060101AFI20240530BHJP(有機化学)
要約【課題】芳香族スルフィド化合物の精製方法及び製造方法、かかる精製方法によって得られた該化合物を用いた誘導体の製造方法、並びに該誘導体等を提供する。
【解決手段】(a)式(1)で表される芳香族スルフィド化合物と不純物とを含有する混合物を、芳香族スルフィド化合物の良溶媒に加え不溶解成分を析出させて処理液を得る工程と;(b)(b-1)ろ過助剤を含む層を有するろ材を用い処理液をろ過して、ろ液を得る工程、(b-2)ろ過助剤を処理液に加えた後、ろ過することによって、ろ液を得る工程、又は(b-3)(b-1)及び(b-2)の両方を行い、ろ液を得る工程と;(c)ろ液を、芳香族スルフィド化合物の貧溶媒に加えて晶析させることによって、芳香族スルフィド化合物を得る工程と;を含む芳香族スルフィド化合物の精製方法を提供する。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表される構造を有する芳香族スルフィド化合物の精製方法であって、
(a)前記芳香族スルフィド化合物と不純物とを含有する混合物を、前記芳香族スルフィド化合物の良溶媒に加えて、不溶解成分を析出させて処理液を得る工程と;
(b)(b-1)ろ過助剤を含む層を少なくとも有するろ材を用いて、前記処理液をろ過して、ろ液を得る工程、(b-2)ろ過助剤を前記処理液に加えた後、ろ過することによって、ろ液を得る工程、又は(b-3)前記(b-1)及び前記(b-2)の両方を行い、ろ液を得る工程と;
(c)前記(b)工程で得られたろ液を、前記芳香族スルフィド化合物の貧溶媒に加えて、晶析させることで、芳香族スルフィド化合物を得る工程と;
を含む、芳香族スルフィド化合物の精製方法。
JPEG
2024076883000017.jpg
42
161
(式中、R

及びR

は、それぞれ独立に、-OH基又は-SH基を表し、a及びbは、それぞれ独立に、0又は1であり、a及びbの少なくとも1つは1である。)
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記式(1)のR

及びR

の両方が-SH基であり、a及びbの両方が1である、請求項1に記載の芳香族スルフィド化合物の精製方法。
【請求項3】
前記(c)工程は、前記(b)工程で得られたろ液を、前記芳香族スルフィドの貧溶媒に加えて、晶析させることで、不純物含有量が6000ppm以下である前記芳香族スルフィド化合物を含有する組成物を得る工程である、
請求項1又は2に記載の芳香族スルフィド化合物の精製方法。
【請求項4】
後処理として、請求項1又は2に記載の精製方法を行う工程を含む、芳香族スルフィド化合物の製造方法。
【請求項5】
(i)請求項1又は2に記載の精製方法によって精製された芳香族スルフィド化合物を準備する工程と;
(ii)前記精製された芳香族スルフィド化合物と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロイルハライド、及びメタクリロイルハライドからなる群より選ばれる少なくとも1種とを、反応させて、下記式(2)で表される構造を有する芳香族スルフィド誘導体を得る工程と、を含む、
芳香族スルフィド誘導体の製造方法。
JPEG
2024076883000018.jpg
48
161
(式中、R

及びR

は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、A及びBは、それぞれ独立に、S原子又はO原子を表し、a及びbは、それぞれ独立に、0又は1であり、a及びbの少なくとも1つは1である。)
【請求項6】
前記(ii)工程は、前記精製された芳香族スルフィド化合物と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロイルハライド、及びメタクリロイルハライドからなる群より選ばれる少なくとも1種とを、反応させて、不純物含有量が30ppm以下である、前記芳香族スルフィド誘導体を含有する組成物を得る工程を行う、
請求項5に記載の芳香族スルフィド誘導体の製造方法。
【請求項7】
(i)請求項1又は2に記載の精製方法によって精製された芳香族スルフィドを準備する工程と;
(ii)前記精製された芳香族スルフィド化合物と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロイルハライド、及びメタクリロイルハライドからなる群より選ばれる少なくとも1種とを、反応させて、不純物含有量が30ppm以下である、下記式(2)で表される構造を有する芳香族スルフィド誘導体を含有する組成物を得る工程と、
を含む方法によって得られる、芳香族スルフィド誘導体を含有する組成物。
JPEG
2024076883000019.jpg
48
161
(式中、R

及びR

は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、A及びBは、それぞれ独立に、S原子又はO原子を表し、a及びbは、それぞれ独立に、0又は1であり、a及びbの少なくとも1つは1である。)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族スルフィド化合物の精製方法及び製造方法、芳香族スルフィド誘導体の製造方法、並びに、芳香族スルフィド誘導体を含有する組成物に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
4,4’-チオビスベンゼンチオール(「44TBBT」、「ビス(4-メルカプトフェニル)スルフィド」等と呼ばれることもある。)等の芳香族スルフィド化合物は、透明性、屈折率向上性等に優れた材料として有用である。
【0003】
その他にも、4,4’-チオビスベンゼンチオール等の芳香族スルフィド化合物はビス(4-メタクリロイルチオフェニル)スルフィド(「BMTPS」)等の芳香族スルフィド誘導体等の原料としても有用である。
【0004】
例えば、特許文献1には、ビス(4-メルカプトフェニル)スルフィドのアルカリ金属塩とメタクリロイルハライドとを反応させ、ビス(4-メタクリロイルチオフェニル)スルフィドを得る方法において、あらかじめビス(4-メルカプトフェニル)スルフィドに還元剤を添加しアルカリ金属水酸化物水溶液中で加熱処理した後、メタクリロイルハライドと反応させることを特徴とするビス(4-メタクリロイルチオフェニル)スルフィドの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平06-100528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、4,4’-チオビスベンゼンチオール等の芳香族スルフィド化合物の合成において、合成反応後の不純物の除去について改善の余地がある。例えば、合成反応において、相間移動触媒である第4級アンモニウム塩を用いる場合、目的物である芳香族スルフィド化合物と、相間移動触媒のカチオンとの塩等が副生されてしまい、このような副生成物が、反応生成物全体として有機溶媒への溶解性の悪化、及び次工程の反応において操作性の悪化、収率の低下の原因になっている場合があると考えられる。
【0007】
そして、不純物の除去が不十分な芳香族スルフィド化合物を用いて、ビス(4-メタクリロイルチオフェニル)スルフィド等の芳香族スルフィド誘導体を合成すると、得られた芳香族スルフィド誘導体についても不純物の除去が不十分であり、ろ過性等が悪いという不具合が生じ得る。
【0008】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、不純物の除去に優れた芳香族スルフィド化合物の精製方法及びその製造方法、さらには、かかる精製方法によって得られた芳香族スルフィド化合物を用いた芳香族スルフィド誘導体の製造方法、並びに、芳香族スルフィド誘導体を含有する組成物を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の構造を有する芳香族スルフィド化合物の精製方法であって、(a)芳香族スルフィド化合物と不純物とを含有する混合物を、芳香族スルフィド化合物の良溶媒に加えて、不溶解成分を析出させて処理液を得る工程と;(b)(b-1)ろ過助剤を含む層を少なくとも有するろ材を用いて、処理液をろ過して、ろ液を得る工程、(b-2)ろ過助剤を処理液に加えた後、ろ過することによって、ろ液を得る工程、又は(b-3)(b-1)及び(b-2)の両方を行い、ろ液を得る工程と;(c)(b)工程で得られたろ液を、芳香族スルフィド化合物の貧溶媒に加えて、晶析させることで、芳香族スルフィド化合物を得る工程と;を含む、芳香族スルフィド化合物の精製方法を行うことに知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
<1>
下記式(1)で表される構造を有する芳香族スルフィド化合物の精製方法であって、(a)前記芳香族スルフィド化合物と不純物とを含有する混合物を、前記芳香族スルフィド化合物の良溶媒に加えて、不溶解成分を析出させて処理液を得る工程と;(b)(b-1)ろ過助剤を含む層を少なくとも有するろ材を用いて、前記処理液をろ過して、ろ液を得る工程、(b-2)ろ過助剤を前記処理液に加えた後、ろ過することによって、ろ液を得る工程、又は(b-3)前記(b-1)及び前記(b-2)の両方を行い、ろ液を得る工程と;(c)前記(b)工程で得られたろ液を、前記芳香族スルフィド化合物の貧溶媒に加えて、晶析させることで、芳香族スルフィド化合物を得る工程と;を含む、芳香族スルフィド化合物の精製方法である。
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2024076883000001.jpg
41
161
(式中、R

及びR

は、それぞれ独立に、-OH基又は-SH基を表し、a及びbは、それぞれ独立に、0又は1であり、a及びbの少なくとも1つは1である。)
<2>
前記式(1)のR

及びR

の両方が-SH基であり、a及びbの両方が1である、<1>に記載の芳香族スルフィド化合物の精製方法である。
<3>
前記(c)工程は、前記(b)工程で得られたろ液を、前記芳香族スルフィドの貧溶媒に加えて、晶析させることで、不純物含有量が6000ppm以下である前記芳香族スルフィド化合物を含有する組成物を得る工程である、<1>又は<2>に記載の芳香族スルフィド化合物の精製方法である。
<4>
後処理として、<1>~<3>のいずれかに記載の精製方法を行う工程を含む、芳香族スルフィド化合物の製造方法である。
<5>
(i)<1>~<3>のいずれかに記載の精製方法によって精製された芳香族スルフィド化合物を準備する工程と;(ii)前記精製された芳香族スルフィド化合物と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロイルハライド、及びメタクリロイルハライドからなる群より選ばれる少なくとも1種とを、反応させて、下記式(2)で表される構造を有する芳香族スルフィド誘導体を得る工程と、を含む、芳香族スルフィド誘導体の製造方法である。
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2024076883000002.jpg
48
161
(式中、R

及びR

は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、A及びBは、それぞれ独立に、S原子又はO原子を表し、a及びbは、それぞれ独立に、0又は1であり、a及びbの少なくとも1つは1である。)
<6>
前記(ii)工程は、前記精製された芳香族スルフィド化合物と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロイルハライド、及びメタクリロイルハライドからなる群より選ばれる少なくとも1種とを、反応させて、不純物含有量が30ppm以下である、前記芳香族スルフィド誘導体を含有する組成物を得る工程を行う、<5>に記載の芳香族スルフィド誘導体の製造方法である。
<7>
(i)<1>~<3>のいずれかに記載の精製方法によって精製された芳香族スルフィドを準備する工程と;
(ii)前記精製された芳香族スルフィド化合物と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロイルハライド、及びメタクリロイルハライドからなる群より選ばれる少なくとも1種とを、反応させて、不純物含有量が30ppm以下である、下記式(2)で表される構造を有する芳香族スルフィド誘導体を含有する組成物を得る工程と、を含む方法によって得られる、芳香族スルフィド誘導体を含有する組成物である。
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48
161
(式中、R

及びR

は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、A及びBは、それぞれ独立に、S原子又はO原子を表し、a及びbは、それぞれ独立に、0又は1であり、a及びbの少なくとも1つは1である。)
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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