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公開番号2024059875
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2024028086,2018232355
出願日2024-02-28,2018-12-12
発明の名称光学フィルムの通紙方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人まこと国際特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240423BHJP(光学)
要約【課題】光学フィルムに外観不良が生じ難い光学フィルムの通紙方法を提供する。
【解決手段】本発明は、複数の搬送ローラR11a~R15を有する搬送設備と、複数の処理槽2とを備える光学フィルムF0の製造設備において、搬送設備のパスラインに光学フィルムF0を通紙する方法であって、光学フィルムF0の搬送方向上流側に位置する処理槽2(例えば、膨潤処理槽21)内の処理浴Lに光学フィルムF0を浸漬させた後に、光学フィルムF0の搬送方向下流側に位置する処理槽2(例えば、染色処理槽22)に設けられた搬送ローラR2、R12に光学フィルムF0を通紙する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の搬送ローラを有する搬送設備と、複数の処理槽とを備える光学フィルムの製造設備において、前記搬送設備のパスラインに光学フィルムを通紙する方法であって、
前記光学フィルムの搬送方向上流側に位置する処理槽内の処理浴に前記光学フィルムを浸漬させた後に、前記光学フィルムの搬送方向下流側に位置する処理槽に設けられた搬送ローラに前記光学フィルムを通紙し、
前記製造設備は、前記複数の処理槽として、前記光学フィルムの搬送方向下流側から順に、前記光学フィルムに洗浄処理を施す洗浄処理槽と、前記光学フィルムに延伸処理を施す延伸処理槽と、前記光学フィルムに所定の処理を施す上流側処理槽と、を備え、
前記延伸処理槽に設けられた搬送ローラのうち、前記延伸処理槽内で昇降可能な搬送ローラである昇降ローラを前記延伸処理槽内の処理浴の液面よりも上方に上昇させると共に、前記洗浄処理槽に設けられた搬送ローラのうち、前記洗浄処理槽内で昇降可能な搬送ローラである昇降ローラを前記洗浄処理槽内の処理浴の液面よりも上方に上昇させた状態で、前記光学フィルムを前記延伸処理槽内の処理浴及び前記洗浄処理槽内の処理浴に浸漬させずに前記延伸処理槽及び前記洗浄処理槽に設けられた搬送ローラに通紙した後、前記洗浄処理槽に設けられた昇降ローラを前記洗浄処理槽内の処理浴の液面よりも下方に下降させて前記光学フィルムを前記洗浄処理槽内の処理浴に浸漬させ、次に、前記延伸処理槽に設けられた昇降ローラを前記延伸処理槽内の処理浴の液面よりも下方に下降させて前記光学フィルムを前記延伸処理槽内の処理浴に浸漬させる、光学フィルムの通紙方法。
前記パスラインとは、前記搬送ローラの位置によって決まる前記光学フィルムの搬送経路を意味し、前記通紙とは、人が前記光学フィルムの先端部を手で引っ張って、前記搬送ローラに前記光学フィルムを掛けていき、前記光学フィルムを前記パスラインに沿わせる作業を意味する。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記光学フィルムの搬送方向上流側に位置する処理槽に設けられた搬送ローラのうち、前記処理槽内で昇降可能な搬送ローラである昇降ローラを前記処理槽内の処理浴の液面よりも上方に上昇させた状態で、前記搬送ローラに前記光学フィルムを通紙した後、前記昇降ローラを前記処理浴の液面よりも下方に下降させて前記光学フィルムを前記処理浴に浸漬させる、請求項1に記載の光学フィルムの通紙方法。
【請求項3】
前記上流側処理槽が、前記光学フィルムの搬送方向上流側から順に、前記光学フィルムに膨潤処理を施す膨潤処理槽、前記光学フィルムに染色処理を施す染色処理槽、前記光学フィルムに架橋処理を施す架橋処理槽である、請求項1又は2に記載の光学フィルムの通紙方法。
【請求項4】
前記昇降ローラとして前記光学フィルムの搬送方向上流側に位置する処理槽の前記光学フィルムの搬送方向に複数の昇降ローラが設けられ、前記複数の昇降ローラを前記処理浴の液面よりも下方に下降させる際に、順に下降させる、請求項2又は3に記載の光学フィルムの通紙方法。
【請求項5】
前記複数の昇降ローラのうち、下降後の上下方向位置が互いに異なる昇降ローラが存在し、その下降後の位置が最も下になる昇降ローラを最初に下降させる、請求項4に記載の光学フィルムの通紙方法。
【請求項6】
前記光学フィルムが、偏光フィルムの原反フィルムである、請求項1から5の何れか一項に記載の光学フィルムの通紙方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光フィルムの原反フィルム等の光学フィルムを通紙する方法に関する。特に、本発明は、光学フィルムの外観不良が生じ難い光学フィルムの通紙方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、光学フィルムは、液晶表示装置や有機EL表示装置等の画像表示装置等に用いられている。光学フィルムとしては、例えば、偏光フィルム(偏光子)、偏光フィルムを含む偏光板、位相差フィルム、アンチグレアフィルム等が挙げられる。
光学フィルムは、通常、長尺帯状の原反フィルムを用いて製造される。通常、搬送ローラを有する搬送設備で原反フィルムを長手方向に搬送しながら、順次各種の処理を施すことで、製品としての長尺帯状の光学フィルムが製造される(例えば、特許文献1、2参照)。長尺帯状の光学フィルムは、用途に応じたサイズに切断され、画像表示装置等に用いられる。
以下、本明細書では、製品としての光学フィルムのみならず、原反フィルム及び中間製品のフィルムも含めて光学フィルムと称する。
【0003】
例えば、光学フィルムが偏光フィルムの原反フィルムの場合、原反フィルムを搬送設備で搬送しながら、複数の処理槽内の処理浴に原反フィルムを順に浸漬させることで、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質で染色すると共に一軸延伸する処理が施されることになる(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
ここで、光学フィルム製品の製造を開始する際には、上記の搬送ローラを有する搬送設備のパスライン(搬送ローラの位置によって決まる光学フィルムの搬送経路)に光学フィルムを通紙する作業を行う必要がある。通紙とは、人が光学フィルムの先端部を手で引っ張って、搬送ローラに光学フィルムを掛けていき、光学フィルムをパスラインに沿わせる作業である。
【0005】
例えば、光学フィルムが偏光フィルムの原反フィルムである場合、一の原反フィルムと次の原反フィルムとをスプライスして(一の原反フィルムの後端部と次の原反フィルムの先端部とを繋ぐこと)搬送することができない。偏光フィルムの原反フィルムは、処理浴中で延伸処理を施されるので、一般的なテープやレーザ溶接等でスプライスしても、スプライス部分が外れてしまうからである。したがい、繰出ローラに巻回された原反フィルムが無くなる度に、次の繰出ローラに巻回された原反フィルムを手で通紙している。
【0006】
従来、上記の処理槽において光学フィルムを通紙する場合、光学フィルムを処理槽内の処理浴に浸漬させずに、処理槽に設けられた搬送ローラに通紙し、通紙作業が完了した後に、光学フィルムを処理浴に浸漬させるのが一般的であった。具体的には、処理槽内で昇降可能な搬送ローラである昇降ローラを処理槽内の処理浴の液面よりも上方に上昇させた状態で処理浴に浸漬させずに光学フィルムを通紙し、通紙作業が完了した後に、昇降ローラを下降させて光学フィルムを処理浴に浸漬させるのが一般的であった。
上記従来の通紙方法では、光学フィルムの擦れや切れが生じる場合があった。特に、偏光フィルムの原反フィルムのような薄い光学フィルムほど、通紙作業中に擦れや切れが生じるおそれがあった。光学フィルムの先端部に擦れや切れが生じて傷になったとしても、通紙作業を行ったこの先端部を製品として使用しなければ、特に問題は生じない。
しかしながら、光学フィルムの擦れや切れに起因して、搬送ローラの表面(通常はゴム材料)に凹凸が生じたり、光学フィルムの形成材料や搬送ローラの表面のゴム材料からなる異物が発生することによって問題が生じる場合がある。具体的には、搬送ローラの表面にいったん凹凸が生じると交換するまで直らないため、通紙作業が完了した後の通常搬送時の光学フィルムに搬送ローラの表面の凹凸が転写されることで、光学フィルムに外観不良が生じる場合がある。また、発生した異物は、光学フィルムの搬送設備が設けられた雰囲気中や処理槽中に長時間漂うため、この異物が光学フィルムに付着することで、光学フィルムに外観不良が生じる場合がある。光学フィルムは、例えば、数10μm程度の寸法の凹凸や異物であっても、視認できた場合には外観不良となり、製品の歩留まり低下に通じるおそれがある。このため、通紙作業中に生じる光学フィルムの擦れや切れに起因した光学フィルムの外観不良をできる限り生じさせないことが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-248590号公報
特開2004-341515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、光学フィルムの外観不良が生じ難い光学フィルムの通紙方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、通紙作業中に擦れや切れが生じる原因の一つが光学フィルムの硬さにあることを知見した。具体的には、従来、通紙作業中には光学フィルムは処理槽の処理浴に浸漬させないために硬く、通紙作業中に搬送ローラとの摩擦によって、光学フィルムに擦れや切れが生じ易いことが分かった。
【0010】
本発明は、上記の本発明者らの知見に基づき完成したものである。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、複数の搬送ローラを有する搬送設備と、複数の処理槽とを備える光学フィルムの製造設備において、前記搬送設備のパスラインに光学フィルムを通紙する方法であって、前記光学フィルムの搬送方向上流側に位置する処理槽内の処理浴に前記光学フィルムを浸漬させた後に、前記光学フィルムの搬送方向下流側に位置する処理槽に設けられた搬送ローラに前記光学フィルムを通紙し、前記製造設備は、前記複数の処理槽として、前記光学フィルムの搬送方向下流側から順に、前記光学フィルムに洗浄処理を施す洗浄処理槽と、前記光学フィルムに延伸処理を施す延伸処理槽と、前記光学フィルムに所定の処理を施す上流側処理槽と、を備え、前記延伸処理槽に設けられた搬送ローラのうち、前記延伸処理槽内で昇降可能な搬送ローラである昇降ローラを前記延伸処理槽内の処理浴の液面よりも上方に上昇させると共に、前記洗浄処理槽に設けられた搬送ローラのうち、前記洗浄処理槽内で昇降可能な搬送ローラである昇降ローラを前記洗浄処理槽内の処理浴の液面よりも上方に上昇させた状態で、前記光学フィルムを前記延伸処理槽内の処理浴及び前記洗浄処理槽内の処理浴に浸漬させずに前記延伸処理槽及び前記洗浄処理槽に設けられた搬送ローラに通紙した後、前記洗浄処理槽に設けられた昇降ローラを前記洗浄処理槽内の処理浴の液面よりも下方に下降させて前記光学フィルムを前記洗浄処理槽内の処理浴に浸漬させ、次に、前記延伸処理槽に設けられた昇降ローラを前記延伸処理槽内の処理浴の液面よりも下方に下降させて前記光学フィルムを前記延伸処理槽内の処理浴に浸漬させる、光学フィルムの通紙方法を提供する。前記パスラインとは、前記搬送ローラの位置によって決まる前記光学フィルムの搬送経路を意味し、前記通紙とは、人が前記光学フィルムの先端部を手で引っ張って、前記搬送ローラに前記光学フィルムを掛けていき、前記光学フィルムを前記パスラインに沿わせる作業を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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