TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024051725
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158033
出願日2022-09-30
発明の名称情報処理方法、反応温度算出装置、反応温度算出プログラム、及びコンピュータの非一時的可読記録媒体
出願人コスモ石油株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C10G 99/00 20060101AFI20240404BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】常圧蒸留残渣油等を含む原料油の水素化処理反応に関して、所定の反応条件を達成するために必要な反応温度を推定することができる情報処理方法の提供。
【解決手段】常圧蒸留残渣油を含む原料油の水素化処理反応に関して、反応を開始してから所定時間経過した際の原料油に関する情報、生成油に関する情報、及び運転条件に関する情報を取得する情報取得ステップと、前記情報に基づき、劣化関数により、触媒の劣化度を算出する劣化度算出ステップと、前記触媒の劣化度に基づき、前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件を満たすために必要な反応温度を算出する反応温度算出ステップと、を含む、情報処理方法であって、前記原料油に関する情報は、アスファルテン濃度に関する情報又は減圧蒸留残渣油濃度に関する情報を含む、情報処理方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
常圧蒸留残渣油を含む原料油の水素化処理反応に関して、反応を開始してから所定時間経過した際の原料油に関する情報、生成油に関する情報、及び運転条件に関する情報を取得する情報取得ステップと、
取得した前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件に関する情報に基づき、劣化関数により、触媒の劣化度を算出する劣化度算出ステップと、
前記触媒の劣化度に基づき、前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件を満たすために必要な反応温度を算出する反応温度算出ステップと、を含む、情報処理方法であって、
前記原料油に関する情報は、アスファルテン濃度に関する情報を含む、情報処理方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記劣化関数は、コークの堆積による触媒の劣化に関するコーク劣化関数と、金属の堆積による触媒の劣化に関する金属劣化関数から構成される、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記コーク劣化関数は、アスファルテン濃度補正項を含む、請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
常圧蒸留残渣油を含む原料油の水素化処理反応に関して、反応を開始してから所定時間経過した際の原料油に関する情報、生成油に関する情報、及び運転条件に関する情報を取得する情報取得ステップと、
取得した前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件に関する情報に基づき、劣化関数により、触媒の劣化度を算出する劣化度算出ステップと、
前記触媒の劣化度に基づき、前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件を満たすために必要な反応温度を算出する反応温度算出ステップと、を含む、情報処理方法であって、
前記原料油に関する情報は、減圧蒸留残渣油濃度に関する情報を含む、情報処理方法。
【請求項5】
前記劣化関数は、コークの堆積による触媒の劣化に関するコーク劣化関数と、金属の堆積による触媒の劣化に関する金属劣化関数から構成される、請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記コーク劣化関数は、減圧蒸留残渣油濃度補正項を含む、請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記原料油に関する情報は、原料油中の硫黄濃度に関する情報を含み、前記生成油に関する情報は、生成油中の硫黄濃度に関する情報を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記運転条件に関する情報は、水素分圧に関する情報、触媒充填量に関する情報、及び原料油の供給量に関する情報を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
常圧蒸留残渣油を含む原料油の水素化処理反応に関して、反応を開始してから所定時間経過した際の原料油に関する情報、生成油に関する情報、及び運転条件に関する情報を取得する取得部と、前記取得部で取得した前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件に関する情報に基づき、劣化関数により、触媒の劣化度を算出し、算出した前記触媒の劣化度に基づき、前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件を満たすために必要な反応温度を算出する演算部と、を含む、反応温度算出装置であって、
前記原料油に関する情報は、アスファルテン濃度に関する情報を含む、反応温度算出装置。
【請求項10】
前記劣化関数は、コークの堆積による触媒の劣化に関するコーク劣化関数と、金属の堆積による触媒の劣化に関する金属劣化関数から構成される、請求項9に記載の反応温度算出装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、反応温度算出装置、反応温度算出プログラム、及びコンピュータの非一時的可読記録媒体に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
原油を常圧蒸留して得られる常圧蒸留残渣油及び常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られる減圧蒸留残渣油には、高濃度の硫黄が含有している。常圧蒸留残渣油又は常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油(以下、常圧蒸留残渣油、減圧蒸留残渣油、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油を総称して「常圧蒸留残渣油等」ともいう。)を水素化処理することにより硫黄含有量を下げる方式は、直接脱硫として知られている。
【0003】
常圧蒸留残渣油等の水素化処理においては、副生成物としてコークが生成し、コークが水素化処理触媒に堆積することにより、水素化処理触媒の活性は経時的に低下する。また、常圧蒸留残渣油等にはニッケル化合物、バナジウム化合物等の金属化合物が含まれており、これらの化合物が金属として水素化処理触媒に堆積することによっても、水素化処理触媒の活性は経時的に低下する。したがって、生成油中の硫黄含有量を一定レベル以下に保つため、水素化処理触媒の活性低下に対して、反応温度を上げて運転を行わなければならない。
【0004】
この反応温度の設定において、反応温度が高すぎると、触媒の活性低下が進行するため、所定の運転時間(日数)を達成できなくなり生産性が低下する。一方、反応温度が低すぎると、触媒の活性低下が緩和されるため所定の運転時間までに余力が発生し、余力を活用できないと生産性が低下する。したがって、所定の反応条件(温度、処理量)を精度よく推定するための方法が望まれている。
【0005】
原油精製分野において、最適な反応温度を精度よく推定するための方法については種々の検討が行われている。例えば、特許文献1には、常圧蒸留軽油を含む原料油の水素化処理において、原料油として、性状の異なる常圧蒸留軽油を含む原料油に切り替える場合に、切り替え前の常圧蒸留軽油の性状に関する情報及び運転条件と、切り替え後の常圧蒸留軽油の性状に関する情報及び反応温度以外の運転条件から、切り替え後に必要となる反応温度を推定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平10-60455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の反応温度を推定する方法は、原料油の性状に着目した方法であり、水素化処理触媒の活性低下という観点では検討が行われていない。したがって、水素化処理触媒の活性低下を考慮した上で、最適な反応温度を推定する方法が望まれている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、常圧蒸留残渣油等を含む原料油の水素化処理反応に関して、所定の反応条件を達成するために必要な反応温度を推定することができる情報処理方法、及び前記反応温度を推定することができる反応温度算出装置、コンピュータを、前記反応温度算出装置として機能させるための反応温度算出プログラム、及び前記プログラムを記憶したコンピュータの非一時的可読記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の態様を有する。
[1] 常圧蒸留残渣油を含む原料油の水素化処理反応に関して、反応を開始してから所定時間経過した際の原料油に関する情報、生成油に関する情報、及び運転条件に関する情報を取得する情報取得ステップと、取得した前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件に関する情報に基づき、劣化関数により、触媒の劣化度を算出する劣化度算出ステップと、前記触媒の劣化度に基づき、前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件を満たすために必要な反応温度を算出する反応温度算出ステップと、を含む、情報処理方法であって、前記原料油に関する情報は、アスファルテン濃度に関する情報を含む、情報処理方法。
[2] 前記劣化関数は、コークの堆積による触媒の劣化に関するコーク劣化関数と、金属の堆積による触媒の劣化に関する金属劣化関数から構成される、[1]に記載の情報処理方法。
[3] 前記コーク劣化関数は、アスファルテン濃度補正項を含む、[2]に記載の情報処理方法。
[4] 常圧蒸留残渣油を含む原料油の水素化処理反応に関して、反応を開始してから所定時間経過した際の原料油に関する情報、生成油に関する情報、及び運転条件に関する情報を取得する情報取得ステップと、
取得した前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件に関する情報に基づき、劣化関数により、触媒の劣化度を算出する劣化度算出ステップと、
前記触媒の劣化度に基づき、前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件を満たすために必要な反応温度を算出する反応温度算出ステップと、を含む、情報処理方法であって、前記原料油に関する情報は、減圧蒸留残渣油濃度に関する情報を含む、情報処理方法。
[5] 前記劣化関数は、コークの堆積による触媒の劣化に関するコーク劣化関数と、金属の堆積による触媒の劣化に関する金属劣化関数から構成される、[4]に記載の情報処理方法。
[6] 前記コーク劣化関数は、減圧蒸留残渣油濃度補正項を含む、[5]に記載の情報処理方法。
[7] 前記原料油に関する情報は、原料油中の硫黄濃度に関する情報を含み、前記生成油に関する情報は、生成油中の硫黄濃度に関する情報を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の情報処理方法。
[8] 前記運転条件に関する情報は、水素分圧に関する情報、触媒充填量に関する情報、及び原料油の供給量に関する情報を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の情報処理方法。
[9] 常圧蒸留残渣油を含む原料油の水素化処理反応に関して、反応を開始してから所定時間経過した際の原料油に関する情報、生成油に関する情報、及び運転条件に関する情報を取得する取得部と、前記取得部で取得した前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件に関する情報に基づき、劣化関数により、触媒の劣化度を算出し、算出した前記触媒の劣化度に基づき、前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件を満たすために必要な反応温度を算出する演算部と、を含む、反応温度算出装置であって、前記原料油に関する情報は、アスファルテン濃度に関する情報を含む、反応温度算出装置。
[10] 前記劣化関数は、コークの堆積による触媒の劣化に関するコーク劣化関数と、金属の堆積による触媒の劣化に関する金属劣化関数から構成される、[9]に記載の反応温度算出装置。
[11] 前記コーク劣化関数は、アスファルテン濃度補正項を含む、[10]に記載の反応温度算出装置。
[12] 常圧蒸留残渣油を含む原料油の水素化処理反応に関して、反応を開始してから所定時間経過した際の原料油に関する情報、生成油に関する情報、及び運転条件に関する情報を取得する取得部と、前記取得部で取得した前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件に関する情報に基づき、劣化関数により、触媒の劣化度を算出し、算出した前記触媒の劣化度に基づき、前記原料油に関する情報、前記生成油に関する情報、及び前記運転条件を満たすために必要な反応温度を算出する演算部と、を含む、反応温度算出装置であって、前記原料油に関する情報は、減圧蒸留残渣油濃度に関する情報を含む、反応温度算出装置。
[13] 前記劣化関数は、コークの堆積による触媒の劣化に関するコーク劣化関数と、金属の堆積による触媒の劣化に関する金属劣化関数から構成される、[12]に記載の反応温度算出装置。
[14] 前記コーク劣化関数は、減圧蒸留残渣油濃度補正項を含む、[13]に記載の反応温度算出装置。
[15] 前記原料油に関する情報は、原料油中の硫黄濃度に関する情報を含み、前記生成油に関する情報は、生成油中の硫黄濃度に関する情報を含む、[9]~[14]のいずれかに記載の反応温度算出装置。
[16] 前記運転条件に関する情報は、水素分圧に関する情報、触媒充填量に関する情報、及び原料油の供給量に関する情報を含む、[9]~[15]のいずれかに記載の反応温度算出装置。
[17] コンピュータを、[9]~[16]のいずれかに記載の反応温度算出装置として機能させるための反応温度算出プログラム。
[18] [17]に記載のプログラムを記憶したコンピュータの非一時的可読記録媒体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、常圧蒸留残渣油等を含む原料油の水素化処理反応に関して、所定の反応条件を達成するために必要な反応温度を推定することができる情報処理方法、及び前記反応温度を推定することができる反応温度算出装置、コンピュータを、前記反応温度算出装置として機能させるための反応温度算出プログラム、及び前記プログラムを記憶したコンピュータの非一時的可読記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

三菱ケミカル株式会社
プラスチックの油化方法
今日
出光興産株式会社
潤滑油組成物
5日前
三菱ケミカル株式会社
プラスチックの油化方法
今日
出光興産株式会社
摺動面用潤滑油組成物
8日前
日本製鉄株式会社
コークス炉の耐火物構造
27日前
本田技研工業株式会社
燃料製造システム及び燃料製造方法
29日前
本田技研工業株式会社
燃料製造システム及び燃料製造方法
29日前
株式会社ニッペコ
グリース組成物
今日
コスモ石油株式会社
航空燃料油および航空燃料油用基材
28日前
JFEスチール株式会社
高炉用原料製造装置及び高炉用原料製造方法
22日前
株式会社プラザ・オブ・レガシー
水性作動用液体およびアクチュエータ
20日前
協同油脂株式会社
等速ジョイント用グリース組成物
6日前
JFEスチール株式会社
位置決め装置及びモジュールブロックの設置方法
今日
三菱ケミカル株式会社
潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物
8日前
三菱重工業株式会社
バイオマスガス化装置の運転方法およびバイオマスガス化装置
22日前
三井化学株式会社
重合体の分解油を精製する方法および精製油の製造方法
8日前
JFEスチール株式会社
モジュールブロックの設置装置及びモジュールブロックの設置方法
今日
インフィニューム インターナショナル リミテッド
潤滑油組成物
14日前
ミネベアミツミ株式会社
転がり軸受、ピボットアッシー軸受、およびディスク駆動装置
5日前
NOKクリューバー株式会社
グリース組成物およびグリース組成物用添加剤
28日前
株式会社MORESCO
潤滑剤用基油
5日前
インフィニューム インターナショナル リミテッド
金属アルカン酸塩を含む潤滑剤組成物
22日前
アルプスアルパイン株式会社
電気接点用グリースの製造方法、電気接点用グリース、電気部品の製造方法および電気部品
今日
インフィニューム インターナショナル リミテッド
官能化C4-5オレフィンポリマー及びそれらを含む潤滑剤組成物
22日前
ライテン・インコーポレイテッド
潤滑剤のための球状炭素同素体
22日前
三菱ケミカル株式会社
ニードルコークス用原料組成物、生コークスおよびその製造方法、黒鉛電極用ニードルコークスおよびその製造方法、黒鉛電極の製造方法
22日前
アフトン・ケミカル・コーポレーション
低温バルブトレイン摩耗を低減させるための潤滑組成物
1日前
ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニー
より低又は低GWPの冷媒又は冷媒ブレンドを用いて、PAG潤滑油又は冷媒を空調又はシステムに導入するための組成物、システム、及び方法
22日前
株式会社PFU
コンピュータ
22日前
カシオ計算機株式会社
練習システム、練習方法、及びプログラム、並びに指導者端末装置
28日前
ブラザー工業株式会社
画像形成装置
今日
キヤノン株式会社
情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
20日前
ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニー
GWPがより低い若しくは低GWP冷媒又は冷媒ブレンドを使用して、電気(HEV、PHEV、EV)自動車空調/暖房システム、又は固定式空調/暖房システム、又は固定式冷凍システムの中にPOE潤滑剤を導入するための組成物、システム、及び方法
26日前
日本メクトロン株式会社
フレキシブルプリント配線板の接続構造
13日前
株式会社メカニカル技研
部品収集支援システム、そのプログラム及び入出庫作業制御プログラム
21日前
日本カーバイド工業株式会社
粘着剤組成物及びその製造方法、並びに、粘着シート
14日前
続きを見る