TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024037194
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-19
出願番号2022141814
出願日2022-09-07
発明の名称フランジ部同士の接合部位の腐食防止構造
出願人中国電力株式会社
代理人弁理士法人光陽国際特許事務所
主分類F22B 37/00 20060101AFI20240312BHJP(蒸気発生)
要約【課題】本発明は、ボイラの蒸気ドラムと水位検出装置のフロートを収容した容器とを連通する配管系統を見直し、上方に開口した隙間等が生じやすい箇所の改良を行うことで、所定のフランジ部同士の接合部位の腐食の防止を図ることを課題とする。
【解決手段】水位検出装置5の接続のためのフランジ部と開閉弁9の接続のためのフランジとの接合部位の腐食の防止のために、屋外に配置された配管部分7a、8aに、開閉弁9を、弁棒91の変位する方向が水平若しくは略水平方向に沿うように配置し、配管部分7a、8aの開閉弁9を備えた箇所から水位検出装置5の容器51までの範囲にわたって配置されて、開閉弁9の大部分や前記フランジ部を含めて配管部分7a、8aを覆うカバー部材10を、弧状部材10a、10bを結合させて筒状に構成し、弧状部材10a、10bの筒状に構成するための結合位置を側方に位置させる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
フランジ部同士の接合部位の腐食を防止するための構造であって、
接合される前記フランジ部同士の一方のフランジ部は、
ボイラの蒸気ドラムと2つの配管系統を介して連通する容器を有して構成されていると共に前記容器内に収容されたフロートの浮力を利用して前記蒸気ドラムの水位を検出する水位検出装置を、前記配管系統と接続するための第1フランジ部であり、
接合される前記フランジ部同士の他方のフランジ部は、
前記2つの配管系統の屋外に配置された配管部分にそれぞれ備えられていると共に弁棒の変位により前記配管系統の流路を開閉する開閉弁を、前記水位検出装置と接続するための第2フランジ部であり、
前記2つの配管系統の配管部分に備える開閉弁の双方を、前記弁棒の変位する方向が水平若しくは略水平方向に沿うように配置し、
更に、前記2つの配管系統の配管部分の双方に、前記開閉弁を備えた箇所から前記水位検出装置の容器までの範囲にわたって配置されて、前記開閉弁や前記第1、第2フランジ部を含めて前記配管部分を覆うカバー部材を、複数の弧状部材を結合させることで筒状に構成し、前記弧状部材の筒状に構成するための結合位置を側方にしたことを特徴とするフランジ部同士の接合部位の腐食防止構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば所内ボイラの蒸気ドラムと水位検出装置とを連通させる配管系統が備える開閉弁を接続するためのフランジ部と、水位検出装置を接続するためのフランジ部と、の接合部位が雨水の侵入により腐食するのを防止するための構造に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
発電施設の所内ボイラは、当該所内ボイラの上側に位置する蒸気ドラムにおいて、例えば特許文献1に示されるように、蒸気ドラム内の水位を検出するための水位検出装置を有している。この水位検出装置として、フロートの浮力による上下動と磁石による吸着、離脱とを利用して、水位の変化を検知して知らせる形式(以下、フロート式)のものを用いられる場合がある。このようなフロート式の水位検出装置では、フロートが少なくとも収容された容器を有し、例えば特許文献1に示されるように、容器の上側が蒸気ドラムの上方と蒸気側配管系統を介して連通され、前記容器の下側が蒸気ドラムの下方と缶水側配管系統を介して連通する構成が採られる。
【0003】
それぞれの配管系統の途中には、例えば特許文献1に示されるように開閉弁を備えているところ、この配管系統の前記した開閉弁を備えた配管部分が屋外に出ている場合がある。水位検出装置の容器と各配管系統の開閉弁とは、フランジ部のフランジ面同士を接合することで接続される。そして、各配管系統は、前記開閉弁の周囲から水位検出装置の容器との接続のための前記した双方のフランジ部にかけて保温カバー等のカバー部材で覆われ、更に保温カバー等のカバー部材は、金具により固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-185108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、所内ボイラの蒸気ドラムと水位検出装置のフロートが収容された水位検出装置の容器とを連通する配管系統の開閉弁を備えた配管部分が屋外に出ていると、当該配管部分が有する上方に開口した隙間から多くの雨水がカバー部材内に浸入し、このカバー部材内に浸入した雨水が、開閉弁を接続するためのフランジ部と水位検出装置の容器を接続するためのフランジ部との接続部位まで伝わって、これらのフランジ部の腐食を生じ、接合面等に穴を開けるおそれがある。このように、フランジ部の他方のフランジ部との接合部位が腐食して接合面に穴が開くと、水密性、気密性が損なわれ、水位検出装置の容器内のフロートを浮かせるための水位が実際よりも減少して、水位検出装置が蒸気ドラムの正しい水位を検出することができなくなるという不具合が生ずる。また、開閉弁を接続するためのフランジ部や水位検出装置の容器を接続するためのフランジ部の腐食の有無の確認等を行うメンテナンス作業も頻繁に行う必要が生ずる。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みたもので、ボイラの蒸気ドラムと水位検出装置のフロートが収容された容器とを連通する配管系統を見直し、上方に開口した隙間等が生じやすい箇所の改良を行うことで、水位検出装置を接続するためのフランジ部と開閉弁を接続するためのフランジとの接合部位の腐食の防止を図る、フランジ部同士の接合部位の腐食防止構造を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明は、フランジ部同士の接合部位の腐食を防止するための構造であって、接合される前記フランジ部同士の一方のフランジ部は、ボイラの蒸気ドラムと2つの配管系統を介して連通する容器を有して構成されていると共に前記容器内に収容されたフロートの浮力を利用して前記蒸気ドラムの水位を検出する水位検出装置を、前記配管系統と接続するための第1フランジ部であり、接合される前記フランジ部同士の他方のフランジ部は、前記2つの配管系統の屋外に配置された配管部分にそれぞれ備えられていると共に弁棒の変位により前記配管系統の流路を開閉する開閉弁を、前記水位検出装置と接続するための第2フランジ部であり、前記2つの配管系統の配管部分に備える開閉弁の双方を、前記弁棒の変位する方向が水平若しくは略水平方向に沿うように配置し、更に、前記2つの配管系統の配管部分の双方に、前記開閉弁を備えた箇所から前記水位検出装置の容器までの範囲にわたって配置されて、前記開閉弁や前記第1、第2フランジ部を含めて前記配管部分を覆うカバー部材を、複数の弧状部材を結合させることで筒状に構成し、前記弧状部材の筒状に構成するための結合位置を側方にしたことを特徴としている。ボイラは、例えば火力発電所等の発電施設の所内ボイラである。カバー部材としては、基本的に保温カバーが用いられる。第1フランジ部は、例えば、水位検出装置の容器自体に設けられている。第2フランジ部は、例えば、開閉弁自体ではなく、開閉弁と水位検出装置の容器との間に介在する接続用配管に設けられていてもよい。
【0008】
これにより、配管系統の屋外に配置された横方向に延びる配管部分が備える、いずれの開閉弁も、弁棒が上下方向に変位するように配管部分の上方に設けられておらず、開閉弁や第1、第2フランジ部を含めて配管系統の屋外に配置された配管部分を覆うカバー部材は、弧状部材同士の結合部が側方になっている。すなわち、配管系統の屋外に配置された配管部分における、上方に開口した隙間等が生じやすい箇所の解消が図られている。したがって、開閉弁の弁棒と開閉弁の他の部位又はカバー部材との隙間や、カバー部材の弧状部材同士の結合部から、雨水がカバー部材内に浸入することが抑制される。よって、カバー部材内に浸入した雨水が第1フランジ部と第2フランジ部との接合部位まで伝わって、第1、第2フランジ部の接合部位、特に接合面が腐食してしまうのを抑制することが可能であるので、第1、第2フランジ部の接合面に穴が開いて、フランジ部の水密性、気密性が損なわれ、水位検出装置の容器内の水位が蒸気ドラムの状況と関係なく下がることが抑制される。
【0009】
また、開閉弁としてハンドル車を手で回転させる手動弁が用いられる場合に、弁棒の先端側にハンドル車が設けられるところ、弁棒の変位する方向が水平方向若しくは略水平方向に沿うように、配管系統の屋外で配置された横方向に延びる配管部分に開閉弁が設けられるので、ハンドル車の回転による開閉弁の手動での開閉操作を容易にすることが可能である。
【発明の効果】
【0010】
以上に述べたように、本発明のフランジ部同士の接合部位の腐食防止構造によれば、配管系統の屋外に配置された横方向に延びる配管部分が備える、いずれの開閉弁も、弁棒が上下方向に変位するように配管部分の上方に設けられておらず、開閉弁や第1、第2フランジ部を含めて配管系統の屋外に配置された配管部分を覆うカバー部材は、弧状部材同士の結合部が側方になっている。すなわち、配管系統の屋外に配置された配管部分における、上方に開口した隙間等が生じやすい箇所の解消が図られている。したがって、開閉弁の弁棒と開閉弁の他の部位又はカバー部材との隙間や、カバー部材の弧状部材同士の結合部から、雨水がカバー部材内に浸入することが抑制される。よって、カバー部材内に浸入した雨水が第1フランジ部と第2フランジ部との接合部位まで伝わって、第1、第2フランジ部の接合部位、特に接合面が腐食してしまうのを抑制することが可能であるので、第1、第2フランジ部の接合面に穴が開いて、フランジ部の水密性、気密性が損なわれ、水位検出装置の容器内の水位が蒸気ドラムの状況と関係なく下がるのを抑制することができる。よって、カバー部材内に浸入した雨水が第1フランジ部と第2フランジ部との接合部位まで伝わって、第1、第2フランジ部の接合部位、特に接合面が腐食してしまうのを抑制することが可能であるので、第1、第2フランジ部の接合面に穴が開いて、フランジ部の水密性、気密性が損なわれ、水位検出装置の容器内の水位が蒸気ドラムの状況と関係なく下がることを抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

中国電力株式会社
保持装置
1か月前
中国電力株式会社
給電装置
5日前
中国電力株式会社
パイプコンベア装置
1か月前
中国電力株式会社
スイッチギヤの防護板
今日
中国電力株式会社
水位検出用のフロート
19日前
中国電力株式会社
航空障害灯点検システム
5日前
中国電力株式会社
送電設備用防水対策シート
25日前
中国電力株式会社
機械学習装置及び微地絡監視装置
6日前
中国電力株式会社
ボイラ給水装置およびボイラ給水方法
1か月前
中国電力株式会社
遮断器制御装置および遮断器制御方法
今日
中国電力株式会社
復水器リーク監視システムおよび監視方法
27日前
中国電力株式会社
電力供給システムおよび電力供給プログラム
1か月前
中国電力株式会社
事象予報支援システム、及び事象予報支援方法
27日前
中国電力株式会社
ボイラ制御装置、プログラム、ボイラ制御方法
19日前
中国電力株式会社
変圧器の冷却装置のファンユニットの制御回路
1か月前
中国電力株式会社
伐採計画立案支援装置、及び伐採計画立案支援方法
6日前
中国電力株式会社
接地抵抗測定端子装置および接地抵抗測定端子装置ユニット
6日前
中国電力株式会社
情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び地絡点標定システム
6日前
中国電力株式会社
バイオマスの灰処理水の処理方法及びバイオマスの灰処理水の処理設備
4日前
中国電力株式会社
ロール体の寄せ作業用の治具、及び該治具を備えるロール体ユニット、及びロール体の寄せ作業方法
6日前
中国電力株式会社
水循環配管のクリーンアップ工程の制御システム、情報処理装置、プログラム、及び、水循環配管のクリーンアップ工程の制御方法
25日前
三浦工業株式会社
ボイラ
1か月前
三浦工業株式会社
ボイラ
2か月前
東レエンジニアリング株式会社
蒸気発生装置
2か月前
株式会社豊田中央研究所
蒸気発生器
6日前
三浦工業株式会社
副生燃料利用システム
5日前
中国電力株式会社
ボイラ給水装置およびボイラ給水方法
1か月前
中国電力株式会社
復水器リーク監視システムおよび監視方法
27日前
三浦工業株式会社
ボイラシステム及びボイラシステム制御方法
2か月前
三菱重工業株式会社
作業機器及び作業方法
2か月前
中国電力株式会社
ボイラ制御装置、プログラム、ボイラ制御方法
19日前
中国電力株式会社
フランジ部同士の接合部位の腐食防止構造
2か月前
日新電機株式会社
蒸発器、及び化学蓄熱システム
13日前
株式会社東芝
発電設備
1か月前
住友ゴム工業株式会社
蒸気供給システム及びタイヤ加硫システム
2か月前
株式会社神鋼環境ソリューション
熱利用システム
3か月前
続きを見る