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公開番号2025127605
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-02
出願番号2024024386
出願日2024-02-21
発明の名称ガスセンサ
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類G01N 27/409 20060101AFI20250826BHJP(測定;試験)
要約【課題】センサ素子の被水量を効果的に抑制することができるガスセンサを提供すること。
【解決手段】ガスセンサ1は、センサ素子2とハウジング3と素子カバー4とを備える。素子カバー4は、センサ素子2の先端側を覆うように配設されたインナーカバー5と、インナーカバー5の外側に配設されたアウターカバー6とを有する。インナーカバー5の側壁51にはインナー側壁孔511が設けてある。インナーカバー5の底壁52にはインナー底壁孔521が設けてある。アウターカバー6の側壁61にはアウター側壁孔611が設けてある。アウター側壁孔611は、インナーカバー5よりも先端側に設けてある。インナー側壁孔511の総面積をS1s、インナー底壁孔521の総面積をS1b、アウター側壁孔611の総面積をS2sとしたとき、0.09≦S1b/S2s≦0.34、かつ、0.49≦S1s/S2s≦0.90、を満たす。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
被測定ガス（Ｇ）中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子（２）と、
該センサ素子を内側に挿通して保持するハウジング（３）と、
該ハウジングの先端側に配設された素子カバー（４）とを備え、
前記素子カバーは、前記センサ素子の先端側を覆うように配設された有底筒形状のインナーカバー（５）と、該インナーカバーの外側に空間（４１）を空けて覆うように配設された有底筒形状のアウターカバー（６）とを有し、
前記インナーカバーの側壁（５１）には、前記被測定ガスが流通するインナー側壁孔（５１１）が設けてあり、
前記インナーカバーの底壁（５２）には、前記被測定ガスが流通するインナー底壁孔（５２１）が設けてあり、
前記アウターカバーの側壁（６１）には、前記被測定ガスが流通するアウター側壁孔（６１１）が設けてあり、
前記アウター側壁孔は、前記インナーカバーよりも先端側に設けてあり、
前記インナー側壁孔の総面積をＳ１ｓ、前記インナー底壁孔の総面積をＳ１ｂ、前記アウター側壁孔の総面積をＳ２ｓとしたとき、
０．０９≦Ｓ１ｂ／Ｓ２ｓ≦０．３４、かつ、０．４９≦Ｓ１ｓ／Ｓ２ｓ≦０．９０、を満たす、ガスセンサ（１）。
続きを表示（約 440 文字）【請求項２】
前記インナーカバーは、前記インナー側壁孔が設けられた第１側壁部と、該第１側壁部よりも先端側に設けられると共に軸方向から見た直径が前記第１側壁部よりも小さい第２側壁部とを有する、請求項１に記載のガスセンサ。
【請求項３】
前記インナー底壁孔は、複数個形成されている、請求項１又は２に記載のガスセンサ。
【請求項４】
前記インナー側壁孔の直径をφ１ｓ、前記インナー底壁孔の直径をφ１ｂ、前記アウター側壁孔の直径をφ２ｓとしたとき、
０．５≦φ１ｂ／φ２ｓ≦０．９５、かつ、０．７≦φ１ｓ／φ２ｓ≦０．９５、
を満たす、請求項１又は２に記載のガスセンサ。
【請求項５】
前記センサ素子は、複数のセラミック層が積層された積層型の素子である、請求項１又は２に記載のガスセンサ。
【請求項６】
前記センサ素子は、表面に多孔質の保護層を設けてなる、請求項１又は２に記載のガスセンサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、ガスセンサに関する。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
自動車の内燃機関等の排気系に設けられ、被測定ガスである排ガス中の酸素や窒素酸化物等の特定ガス濃度を測定するガスセンサが知られている。ガスセンサとしては、例えば、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子と、センサ素子を内側に挿通するハウジングと、ハウジングの先端側に配設された素子カバーとを備えたものがある。
【０００３】
特許文献１には、素子カバーとして、内側カバー（以下において、インナーカバーともいう。）と外側カバー（以下において、アウターカバーともいう。）とを有するガスセンサが開示されている。そして、特許文献１に記載のガスセンサは、センサ出力の応答性を充分高くすると共にセンサ素子への水の付着を充分防止することを目的として、インナーカバーの外径とアウターカバーの内径との関係を特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特許第５８５１４７９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、特許文献１に記載のガスセンサにおいては、インナーカバーおよびアウターカバーのそれぞれに形成されたガス孔の大きさについて、特に言及されていない。また、ガスセンサの使用環境によっては、インナーカバーの内側に水が浸入して、インナーカバーの内側に水が溜まることが懸念される。インナーカバーの内側に水が溜まると、その溜まった水がセンサ素子に接触することが懸念され、この場合、センサ素子への被水量が多くなることが懸念される。被水量が多いと、素子割れを防ぎ難くなるので、その対策が求められる場合がある。
【０００６】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、センサ素子の被水量を効果的に抑制することができるガスセンサを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の一態様は、被測定ガス（Ｇ）中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子（２）と、
該センサ素子を内側に挿通して保持するハウジング（３）と、
該ハウジングの先端側に配設された素子カバー（４）とを備え、
前記素子カバーは、前記センサ素子の先端側を覆うように配設された有底筒形状のインナーカバー（５）と、該インナーカバーの外側に空間（４１）を空けて覆うように配設された有底筒形状のアウターカバー（６）とを有し、
前記インナーカバーの側壁（５１）には、前記被測定ガスが流通するインナー側壁孔（５１１）が設けてあり、
前記インナーカバーの底壁（５２）には、前記被測定ガスが流通するインナー底壁孔（５２１）が設けてあり、
前記アウターカバーの側壁（６１）には、前記被測定ガスが流通するアウター側壁孔（６１１）が設けてあり、
前記アウター側壁孔は、前記インナーカバーよりも先端側に設けてあり、
前記インナー側壁孔の総面積をＳ１ｓ、前記インナー底壁孔の総面積をＳ１ｂ、前記アウター側壁孔の総面積をＳ２ｓとしたとき、
０．０９≦Ｓ１ｂ／Ｓ２ｓ≦０．３４、かつ、０．４９≦Ｓ１ｓ／Ｓ２ｓ≦０．９０、を満たす、ガスセンサ（１）にある。
【発明の効果】
【０００８】
上記ガスセンサにおいては、インナー側壁孔の総面積Ｓ１ｓ、インナー底壁孔の総面積Ｓ１ｂ、アウター側壁孔の総面積Ｓ２ｓが、０．０９≦Ｓ１ｂ／Ｓ２ｓ≦０．３４、かつ、０．４９≦Ｓ１ｓ／Ｓ２ｓ≦０．９０、を満たす。これにより、センサ素子の被水量を効果的に抑制することができる。
【０００９】
以上のごとく、上記態様によれば、センサ素子の被水量を効果的に抑制することができるガスセンサを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
実施形態１における、ガスセンサの軸方向に沿った断面図。
実施形態１における、ガスセンサの先端側部分の断面図。
実施形態１における、排気系へのガスセンサの取り付け例の説明図。
実施形態１における、インナーカバーを先端側から見た平面図。
図２のＶ－Ｖ線矢視断面図。
図２のVI－VI線矢視断面図。
実施形態１における、アウターカバーを先端側から見た平面図。
実施形態１における、センサ素子の軸方向に沿った断面図であり、図９のVIII－VIII線矢視断面図。
図８のIX－IX線矢視断面図。
実施形態１における、素子カバー内における被測定ガスの主なガス流れを示す説明図。
排気管内の水がガスセンサに接触する様子を示す説明図。
アウターカバー内への浸水を示す説明図。
インナーカバー内への浸水を示す説明図。
インナーカバー内に水が溜まり始める様子を示す説明図。
インナーカバー内に溜まった水がセンサ素子に接触する様子を示す説明図。
実験例１、２における、被水試験の説明図。
図１６のXVII－XVII断面相当の、被水試験の説明図。
実験例３、４における、ガスセンサの応答性試験の説明図。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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