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公開番号
2025123917
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-25
出願番号
2024019703
出願日
2024-02-13
発明の名称
消臭用香料組成物
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
A61L
9/01 20060101AFI20250818BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】ケミカル臭を生じさせることなく、糞尿臭、食べ物臭及び体臭のすべてを消臭可能な消臭用香料組成物を提供すること。
【解決手段】下記の成分(A)及び(B)を含有し、
成分(A)に対する成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.07以上5以下であり、かつ
成分(A)と成分(B)との合計含有量 [(A)+(B)]が0.5質量%以上である、
消臭用香料組成物。
(A)分子量が100以上200以下であり、かつ、炭素数が7以上11以下であるカルボン酸エステル
(B)2-メチル-2-ペンテン酸、cis-3-ヘキセニル=ベンゾアート、シトロネリル=ブチラート、ベンズアルデヒド、trans-3-ヘキセノール、cis-6-ノネン-1-オール及びチモールから選ばれる1種又は2種以上
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の成分(A)及び(B)を含有し、
成分(A)に対する成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.07以上5以下であり、かつ
成分(A)と成分(B)との合計含有量[(A)+(B)]が0.5質量%以上である、
消臭用香料組成物。
(A)分子量が100以上200以下であり、かつ、炭素数が7以上11以下であるカルボン酸エステル
(B)2-メチル-2-ペンテン酸、cis-3-ヘキセニル=ベンゾアート、シトロネリル=ブチラート、ベンズアルデヒド、trans-3-ヘキセノール、cis-6-ノネン-1-オール及びチモールから選ばれる1種又は2種以上
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
成分(A)がエチル=2-メチルブチラート、エチル=ブチラート、エチル=ヘプタノアート、ヘキシル=アセタート、エチル=3-フェニルグリシダート、p-クレシル=イソブチラート、ベンジル=アセタートから選ばれる1種又は2種以上である、請求項1記載の消臭用香料組成物。
【請求項3】
成分(A)の含有量が0.5質量%以上40質量%以下である、請求項1又は2に記載の消臭用香料組成物。
【請求項4】
成分(C)として、cis-ジャスモン、l-カルボン、α-ピネン、ヘリオナール、ヘキシルシンナムアルデヒド及びリナロールから選ばれる1種又は2種以上を更に含有する、請求項1に記載の消臭用香料組成物。
【請求項5】
成分(A)に対する成分(C)の質量比[(C)/(A)]が0.07以上10以下である、請求項4に記載の消臭用香料組成物。
【請求項6】
成分(B)に対する成分(C)の質量比[(C)/(B)]が0.1以上35以下である、請求項4又は5に記載の消臭用香料組成物。
【請求項7】
成分(C)に対する成分(A)及び(B)の合計含有量の質量比[{(A)+(B)}/(C) ]が0.1以上5以下である、請求項4又は5に記載の消臭用香料組成物。
【請求項8】
糞尿臭、体臭及び食べ物臭のうちのいずれか1以上の悪臭に曝される前の対象者に適用される、請求項1又は2に記載の消臭用香料組成物。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の消臭用香料組成物をシールに含侵させた香料含侵シールであって、
当該香料含侵シールの単位質量当たりの成分(A)の含有量が0.001g/g以上0.05g/g以下である、香料含侵シール。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の消臭用香料組成物をマスクに含侵させた香料含侵マスクであって、
当該香料含浸マスクの単位質量当たりの成分(A)の含有量が0.0001g/g以上0.005g/g以下である、香料含侵マスク。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭用香料組成物に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
消費者の嗜好性や生活環境の多様化により、身の回りの臭いや体臭に対して敏感な人が増加しており、臭いの種類に対応した消臭剤組成物が提案されている。
【0003】
例えば、プロリン類又はその誘導体(A)とともに、α,β-不飽和カルボニル香料化合物(b-1)と、該(b-1)以外の香料化合物(b-2)とを特定の量比で含有する消臭剤組成物が、加齢臭や調理油臭の原因物質であるアルデヒド類の消臭に効果的であることが報告されている(特許文献1)。また、酢酸ベンジル、酢酸エチル等から選ばれる1以上の香料成分を含有するへそ凹部洗浄剤が、へそ凹部特有の臭いを消臭できることが報告されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-65323号公報
特開2007-230982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、台風や豪雨、地震や火災等の自然災害が頻発し、被災者は避難所での退避生活を余儀なくされる場合がある。避難所での退避生活は、壁や間仕切りのない同一空間を大勢の他人と共有しながら、仮設トイレを共用し、入浴することなく、カップ麺等のインスタント食品を非常食として摂取することが多い。そのため、避難所には、仮設トイレからの糞尿臭、入浴できないことによる体臭、カップ麺等のインスタント食品の食べ物臭等様々な悪臭が存在し、場所によってはこれらが混ざり合っている。このような悪臭が、被災者の退避生活におけるストレスの一因となっているため、糞尿臭、体臭及び食べ物臭のすべてを消臭可能な組成物が求められる。
しかし、上記した従来の組成物には次の課題があることを本発明者らは確認した。即ち、特許文献1に記載の消臭剤組成物は、アルデヒド類に由来する臭気に対して消臭できるものの、それ以外の臭気を含む糞尿臭、体臭及び食べ物臭に対する消臭効果が不充分である(比較例1参照)。また、特許文献2に記載の組成物は、へそ凹部特有の臭いだけでなく高濃度に配合すれば糞尿臭、体臭及び食べ物臭をある程度消臭できるものの、高濃度化によりケミカル臭が発生するため、不快感を生じさせる(比較例2参照)。ここで、本明細書において「ケミカル臭」とは、化学的で人工的な不快感を生じさせる心地よくない臭いのことをいい、具体的には、油性ペンで使用される有機溶剤様の臭いを指す。
したがって、本発明の課題は、ケミカル臭を生じさせることなく、糞尿臭、食べ物臭及び体臭のすべてを消臭可能な消臭用香料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題に鑑み種々検討した結果、特定の香料成分を組み合わせたうえで、両者の質量比及び合計含有量を制御することにより、高濃度化したとしても、ケミカル臭により不快感を生じさせることなく、糞尿臭、食べ物臭及び体臭のすべてを消臭できることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、次の〔1〕~〔11〕を提供する。
〔1〕 下記の成分(A)及び(B)を含有し、
成分(A)に対する成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.07以上5以下であり、かつ
成分(A)と成分(B)との合計含有量[(A)+(B)]が0.5質量%以上である、
消臭用香料組成物。
(A)分子量が100以上200以下であり、かつ、炭素数が7以上11以下であるカルボン酸エステル
(B)2-メチル-2-ペンテン酸、cis-3-ヘキセニル=ベンゾアート、シトロネリル=ブチラート、ベンズアルデヒド、trans-3-ヘキセノール、cis-6-ノネン-1-オール及びチモールから選ばれる1種又は2種以上
〔2〕 成分(A)がエチル=2-メチルブチラート、エチル=ブチラート、エチル=ヘプタノアート、ヘキシル=アセタート、エチル=3-フェニルグリシダート、p-クレシル=イソブチラート、ベンジル=アセタートから選ばれる1種又は2種以上である、前記〔1〕に記載の消臭用香料組成物。
〔3〕 成分(A)の含有量が0.5質量%以上40質量%以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の消臭用香料組成物。
〔4〕 成分(C)として、cis-ジャスモン、l-カルボン、α-ピネン、ヘリオナール、ヘキシルシンナムアルデヒド及びリナロールから選ばれる1種又は2種以上を更に含有する、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の消臭用香料組成物。
〔5〕 成分(A)に対する成分(C)の質量比[(C)/(A)]が0.07以上10以下である、前記〔4〕に記載の消臭用香料組成物。
〔6〕 成分(B)に対する成分(C)の質量比[(C)/(B)]が0.1以上35以下である、前記〔4〕又は〔5〕に記載の消臭用香料組成物。
〔7〕 成分(C)に対する成分(A)及び(B)の合計含有量の質量比[{(A)+(B)}/(C) ]が0.1以上5以下である、前記〔4〕~〔6〕のいずれか一に記載の消臭用香料組成物。
〔8〕 糞尿臭、体臭及び食べ物臭のうちのいずれか1以上の悪臭に曝される前の対象者に適用される、前記〔1〕~〔7〕のいずれか一に記載の消臭用香料組成物。
〔9〕 前記〔1〕~〔8〕のいずれか一に記載の消臭用香料組成物をシールに含侵させた香料含侵シールであって、
当該香料含侵シールの単位質量当たりの成分(A)の含有量が0.001g/g以上0.05g/g以下である、香料含侵シール。
〔10〕 前記〔1〕~〔8〕のいずれか一に記載の消臭用香料組成物をマスクに含侵させた香料含侵マスクであって、
当該香料含浸マスクの単位質量当たりの成分(A)の含有量が0.0001g/g以上0.005g/g以下である、香料含侵マスク。
〔11〕 下記の成分(A)及び(B)を含有し、
成分(A)に対する成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.07以上5以下であり、かつ
成分(A)と成分(B)との合計含有量[(A)+(B)]が0.5質量%以上である、
消臭用香料組成物を、糞尿臭、体臭及び食べ物臭のうちのいずれか1以上に曝される前の対象者に適用する、
糞尿臭、体臭及び食べ物臭の消臭方法。
(A)分子量が100以上200以下であり、かつ、炭素数が7以上11以下であるカルボン酸エステル
(B)2-メチル-2-ペンテン酸、cis-3-ヘキセニル=ベンゾアート、シトロネリル=ブチラート、ベンズアルデヒド、trans-3-ヘキセノール、cis-6-ノネン-1-オール及びチモールから選ばれる1種又は2種以上
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ケミカル臭を生じさせることなく、糞尿臭、食べ物臭及び体臭のすべてを消臭可能な消臭用香料組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔消臭用香料組成物〕
本発明の消臭用香料組成物は、成分(A)及び成分(B)を、特定の量比及び合計含有量で含有するものである。
ヒトの鼻腔には約400個の嗅覚受容体が存在する。そして、各嗅覚受容体は特定の臭い物質をアゴニストとして認識することで活性化し、嗅神経を興奮させて臭い情報を脳に伝える。しかし、アゴニストが認識する特定の臭いとは別異の臭いであっても嗅覚受容体を活性化させる場合がある。即ち、本発明の消臭用香料組成物は、糞尿臭、食べ物臭及び体臭(以下、「対象悪臭」という)とは全く別異の香りであるところ、「対象悪臭」に応答する嗅覚受容体を、本発明の消臭用香料組成物の香りに順応させることで、「対象悪臭」に対する嗅覚感受性を低下又は変化させ、「臭いの交差順応」を惹起する。このように、本発明の消臭用香料組成物は、成分(A)及び成分(B)を、特定の量比及び合計含有量で含有することで、「臭いの交差順応」に基づいてヒトに認識される「対象悪臭」の臭い強度の低下又は変質を生じさせて「対象悪臭」に対する応答を抑制する。したがって、本発明の消臭用香料組成物による消臭は、強い匂いを発する香料成分で「対象悪臭」を隠蔽する従来のマスキングとは作用機序が全く異なる。
【0010】
ここで、本明細書において「糞尿臭」とは、ヒトの便や尿の臭いをいい、原因物質としては、例えば、スカトール、インドール等の環状含窒素化合物、p-クレゾール等のフェノール類、酪酸、イソ吉草酸等の低級脂肪酸、その他チオール化合物や、スルフィド化合物及び窒素化合物等の混合物を挙げることができる。また、「体臭」とは、ヒトの体や着用した衣類から臭う臭いをいい、原因物質としては、例えば、オクタナール、ノナナール等の飽和アルデヒド類、ノネナール等の不飽和アルデヒド類、イソ吉草酸、酪酸等の低級脂肪酸、その他ラクトン類を挙げることができる。さらに、「食べ物臭」とは、調理したインスタント食品から発生する臭いをいい、例えば、調理したカップ麺から発生する臭いであり、原因物質としては、例えば、ジアセチル、イソバレルアルデヒドを挙げることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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