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公開番号2025116345
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-08
出願番号2024010709
出願日2024-01-29
発明の名称燃料電池システム
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類H01M 8/04746 20160101AFI20250801BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】燃料電池システムにおいて、スタックの乾燥を防止し、かつ、動作点の変動を低減する技術が求められていた。
【解決手段】燃料電池システムであって、燃料電池とエアコンプレッサと流量センサと電流センサと電圧センサと負荷装置と制御部とを備え、制御部は、要求流量になるように、エアコンプレッサを制御し、第1エアストイキ比になるようにカソードガスを供給させる引き上げ運転と、第1エアストイキ比よりも低い第2エアストイキ比になるようにカソードガスを供給させる引き下げ運転と、のいずれかを実行し、引き下げ運転が実行されている場合において、出力電圧または出力電流が第1範囲に含まれる値であることを含む第1条件が満たされるときに、第1時間の間、引き上げ運転を実行し、出力電圧または出力電流が第1範囲よりも小さい第2範囲に含まれる値であることを含む第2条件が満たされるときに、引き上げ運転を実行しない、燃料電池システム。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池に流入させるカソードガスの流量を調整するエアコンプレッサと、
前記流量を取得する流量センサと、
前記燃料電池の出力電流を取得する電流センサと、
前記燃料電池の出力電圧を取得する電圧センサと、
前記燃料電池の出力電力を消費する負荷装置と、
前記燃料電池システムを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記流量が、前記負荷装置から要求される要求電力と前記出力電力とに基づいて定められる要求電流に応じた前記出力電圧を出力させるための予め定められた要求流量になるように、前記エアコンプレッサを制御し、
1以上のエアストイキ比である第1エアストイキ比になるように前記エアコンプレッサに前記カソードガスを供給させる引き上げ運転と、前記1以上のエアストイキ比であって、前記第1エアストイキ比よりも低い第2エアストイキ比になるように前記エアコンプレッサに前記カソードガスを供給させる引き下げ運転と、のいずれかを実行し、
前記引き下げ運転が実行されている場合において、
前記出力電圧または前記出力電流が第1範囲に含まれる値であることを含む第1条件が満たされるときに、予め定められた第1時間の間、前記引き上げ運転を実行し、
前記出力電圧または前記出力電流が前記第1範囲よりも低い第2範囲に含まれる値であることを含む第2条件が満たされるときに、前記引き上げ運転を実行しない、燃料電池システム。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池に流入させるカソードガスの流量を調整するエアコンプレッサと、
前記流量を取得する流量センサと、
前記燃料電池の出力電流を取得する電流センサと、
前記燃料電池の出力電圧を取得する電圧センサと、
前記燃料電池の出力電力を消費する負荷装置と、
前記負荷装置の要求電力と前記出力電力に基づいて定められる要求電流になるように前記出力電流を調整する出力調整部と、
前記燃料電池システムを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記流量が、前記要求電流に応じた前記出力電圧を出力させるための予め定められた要求流量になるように、前記エアコンプレッサを制御し、
1以上のエアストイキ比である第1エアストイキ比になるように前記エアコンプレッサに前記カソードガスを供給させる引き上げ運転と、前記1以上のエアストイキ比であって、前記第1エアストイキ比よりも低い第2エアストイキ比になるように前記エアコンプレッサに前記カソードガスを供給させる引き下げ運転と、のいずれかを実行し、
前記引き下げ運転を実行し、かつ、前記要求電流を前記出力電流の応答速度が第1応答速度になるように制御している場合において、
前記出力電圧または前記出力電流が第1範囲に含まれる値であることを含む第1条件が満たされるときに、前記出力電流の応答速度を前記第1応答速度よりも遅い第2応答速度になるように制御する第1制御を実行し、
前記出力電圧または前記出力電流が前記第1範囲よりも低い第2範囲に含まれる値であることを含む第2条件が満たされるときに、前記第1制御を実行しない、燃料電池システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の燃料電池システムであって、
前記第1条件は、予め定められた周期における前記出力電圧または前記出力電流の振幅が、前記第1範囲に含まれることを含む、燃料電池システム。
【請求項4】
請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、前記第1時間の経過後に、前記引き下げ運転を実行する、燃料電池システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
燃料電池は、劣化を防止するために、スタックの乾燥を防止する必要がある。特許文献1の燃料電池システムは、発電による生成水の単位時間あたりの発生量を調整することにより、スタックの乾燥を防止する。より具体的には、特許文献1の燃料電池システムは、スタックに供給するカソードガスを減少させることにより、カソードガスにより除去される水分量を減少させる。これにより、スタックの乾燥が防止される。
【0003】
このような場合において、エアストイキ比は、通常よりも低下した状態である。エアストイキ比とは、負荷の要求電力を発電するために必要なカソードガスの最低量に対する、実際にスタックに供給するカソードガスの量の割合である。エアストイキ比は、比率が小さいほど、スタックに供給されるカソードガスが少ないことを表す。
【0004】
特許文献1の燃料電池システムでは、エアストイキ比は、1.0以上に保たれている。燃料電池システムは、アノードガスが要求電力を発電するために必要な量を供給されている状態において、カソードガスの流量を調整する。すなわち、エアストイキ比が変動する場合、燃料電池の発電電力も変動する。なお、発電電力が要求電力を超過または不足する場合、燃料電池システムが備えている2次電池が、不足する電力を放電する、または、余剰の電力を充電する。
【0005】
エアストイキ比が通常より低下した状態は、スタックに水分が滞留しやすい状態である。スタックに過剰な水分が生成される場合、フラッディングが生じる。フラッディングが濃度過電圧を生じさせるため、燃料電池は、出力電圧の低下により、要求電力を出力できなくなる場合がある。このため、特許文献1の燃料電池システムは、フラッディングが生じる前に、排水処理を行う。排水処理により、スタックに供給するカソードガスの量が増加するため、スタックに滞留する水分が除去される。
【0006】
燃料電池の出力電圧は、活性化過電圧と抵抗過電圧と濃度過電圧により構成される過電圧が生じることにより、低下する。過電圧は、出力電流が大きくなるほど、大きくなる。さらに、過電圧は、出力電流が大きくなるほど、過電圧における濃度過電圧の割合が顕著に大きくなる。すなわち、出力電流に対する出力電圧の変化量は、過電圧における濃度過電圧の割合が大きくなるほど、大きくなる傾向を示す。燃料電池システムは、DCDCコンバータにより燃料電池の出力電流を調整することにより、出力電力を調整する。しかし、過電圧における濃度過電圧の割合が変わる場合、出力電力を一定の精度で調整することが難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-4675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の燃料電池システムの排水処理は、スタックを乾燥させやすくするため、燃料電池の劣化を促進する可能性がある。このため、発明者らは、エアストイキ比が通常より低下した状態において、排水処理を減らす方法を検討していた。
【0009】
しかし、排水処理を減らす場合、フラッディングによる濃度過電圧が生じやすくなる。燃料電池システムは、カソードガスの流量を増加させることにより、発電電力が増加する。すなわち、負荷が要求する電流が一定の場合では、出力電圧が上昇する。このため、濃度過電圧により出力電圧が低下する場合、燃料電池システムは、カソードガスの流量を増やすことにより、低下した出力電圧を元に戻す。しかし、カソードガスの流量の増加により、スタックの水分が除去される。したがって、フラッディングによる濃度過電圧が解消される。これにより、燃料電池の出力電圧が上昇するため、燃料電池システムは、カソードガスの流量をフラッディングによる濃度過電圧が生じる前に戻す。しかし、エアストイキ比が通常より低下した状態において排水処理を減らしているため、再びフラッディングの発生と消滅が生じる。
【0010】
すなわち、燃料電池の出力電圧と出力電流により規定される動作点は、過電圧における濃度過電圧の割合が比較的大きな領域と、濃度過電圧の割合が比較的小さい領域と、の間で変動する。
(【0011】以降は省略されています)

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