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公開番号2025115481
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024009952
出願日2024-01-26
発明の名称回転電機の巻線構造及びその製造方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人桐朋
主分類H02K 3/18 20060101AFI20250731BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】より効果的に循環電流を防止又は抑制できる巻線構造を提供する。
【解決手段】回転電機12において、ステータ14の径方向に複数の単位巻線25が束ねられることにより巻線24が形成されている。スロット20に巻線24が巻回されることにより巻線構造10が形成されている。巻線24がスロット20に対して1周巻回された状態を1ターンとする。1ターンは、ステータ14の軸方向に延在する一対の巻線領域のうちの一方である第1軸方向部34aと、一対の巻線領域のうちの他方である第2軸方向部34bとを有する。径方向における複数の単位巻線25の並び順が、第1軸方向部34aと第2軸方向部34bとにおいて互いに逆転している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
複数の素線を束ねることにより単位巻線が形成され、回転電機のステータの径方向に複数の前記単位巻線が束ねられることにより巻線が形成され、前記ステータにおいてロータに向かい合って設けられる複数のティース間に形成されたスロットに前記巻線が巻回されることにより形成された回転電機の巻線構造であって、
前記巻線が前記スロットに対して１周巻回された状態を１ターンとし、
前記１ターンは、前記ステータの軸方向に延在する一対の巻線領域のうちの一方である第１軸方向部と、一対の前記巻線領域のうちの他方である第２軸方向部とを有し、
前記径方向における複数の前記単位巻線の並び順が、前記第１軸方向部と前記第２軸方向部とにおいて互いに逆転している、回転電機の巻線構造。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
請求項１に記載の回転電機の巻線構造において、
複数の前記単位巻線の個数はｎ個であり、
複数の前記単位巻線では、前記径方向に沿って１番目の単位巻線である第１単位巻線からｎ番目の単位巻線である第ｎ単位巻線まで順番に並べられ、
前記第１軸方向部及び前記第２軸方向部の一方において、複数の前記単位巻線の中で前記第１単位巻線が最も径方向外側に位置し、
前記第１軸方向部及び前記第２軸方向部の他方において、複数の前記単位巻線の中で前記第１単位巻線が最も径方向内側に位置する、回転電機の巻線構造。
【請求項３】
請求項２に記載の回転電機の巻線構造において、
前記巻線は、前記第１軸方向部と前記第２軸方向部との間で１８０°捻られている、回転電機の巻線構造。
【請求項４】
請求項１に記載の回転電機の巻線構造において、
前記巻線は、前記スロットに対して複数周巻回されることで複数のターンを有する、回転電機の巻線構造。
【請求項５】
請求項１～４のいずれか１項に記載の回転電機の巻線構造において、
複数の前記スロットの各々において前記巻線が巻回されることにより複数のコイル部が形成され、
複数の前記コイル部の各々において、前記径方向における複数の前記単位巻線の並び順が、前記第１軸方向部と前記第２軸方向部とにおいて互いに逆転している、回転電機の巻線構造。
【請求項６】
回転電機のステータにおいてロータに向かい合って設けられる複数のティース間に形成されたスロットに巻線が巻回されることにより形成された巻線構造の製造方法であって、
複数の素線を束ねることにより単位巻線が形成され、複数の前記単位巻線が束ねられることにより形成された前記巻線を提供する第１ステップと、
前記巻線が前記スロットに対して１周巻回された状態を１ターンとし、前記１ターンが、前記ステータの軸方向に延在する一対の巻線領域のうちの一方である第１軸方向部と、一対の前記巻線領域のうちの他方である第２軸方向部とを有し、且つ複数の前記単位巻線が前記ステータの径方向に並ぶように、前記巻線を前記スロットに巻回する第２ステップと、を有し、
前記第２ステップにおいて、前記第１軸方向部と前記第２軸方向部との間で前記巻線を１８０°捻ることにより、前記径方向における複数の前記単位巻線の並び順を、前記第１軸方向部と前記第２軸方向部とにおいて互いに逆転させる、巻線構造の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、回転電機の巻線構造及びその製造方法に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼できる持続可能且つ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、回転電機の分野を含め、様々な分野においてエネルギーの効率化に関する研究開発が行われている。回転電機のステータにおいて、漏れ磁束（鎖交磁束）に起因する循環電流が発生すると、回転電機の効率が低下する。このため、例えば特許文献１の巻線構造では、巻線（素線束）の断面の形状を工夫することにより、循環電流の発生を抑制しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００８－１３６３００号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１の巻線構造では、巻線の巻き方次第では循環電流が増大する。このため、より効果的に循環電流を防止又は抑制できることが望まれる。
【０００５】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示の第１の態様は、複数の素線を束ねることにより単位巻線が形成され、回転電機のステータの径方向に複数の前記単位巻線が束ねられることにより巻線が形成され、前記ステータにおいてロータに向かい合って設けられる複数のティース間に形成されたスロットに前記巻線が巻回されることにより形成された回転電機の巻線構造であって、前記巻線が前記スロットに対して１周巻回された状態を１ターンとし、前記１ターンは、前記ステータの軸方向に延在する一対の巻線領域のうちの一方である第１軸方向部と、一対の前記巻線領域のうちの他方である第２軸方向部とを有し、前記径方向における複数の前記単位巻線の並び順が、前記第１軸方向部と前記第２軸方向部とにおいて互いに逆転している、回転電機の巻線構造である。
【０００７】
本開示の第３の態様は、回転電機のステータにおいてロータに向かい合って設けられる複数のティース間に形成されたスロットに巻線が巻回されることにより形成された巻線構造の製造方法であって、複数の素線を束ねることにより単位巻線が形成され、複数の前記単位巻線が束ねられることにより形成された前記巻線を提供する第１ステップと、前記巻線が前記スロットに対して１周巻回された状態を１ターンとし、前記１ターンが、前記ステータの軸方向に延在する一対の巻線領域のうちの一方である第１軸方向部と、一対の前記巻線領域のうちの他方である第２軸方向部とを有し、且つ複数の前記単位巻線が前記ステータの径方向に並ぶように、前記巻線を前記スロットに巻回する第２ステップと、を有し、前記第２ステップにおいて、前記第１軸方向部と前記第２軸方向部との間で前記巻線を１８０°捻ることにより、前記径方向における複数の前記単位巻線の並び順を、前記第１軸方向部と前記第２軸方向部とにおいて互いに逆転させる、巻線構造の製造方法である。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によれば、複数の単位巻線の並び順が第１軸方向部と第２軸方向部とで互いに逆であるため、巻線の１ターン内での電位差が相殺され、循環電流の発生を防止又は抑制することができる。ひいては、エネルギーの効率化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
図１は、本発明の実施形態に係る回転電機の巻線構造の斜視図である。
図２は、図１におけるＩＩ－ＩＩ線に沿った断面図である。
図３は、巻線構造の模式図である。
図４は、巻線構造の回路図である。
図５は、巻線構造の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
図１において、回転電機１２のステータ１４においてロータ１６に向かい合って複数のティース１８が設けられる。複数のティース１８間に複数のスロット２０が形成される。回転電機１２の巻線構造１０は、複数のスロット２０に巻線２４が巻回されることにより形成されている。回転電機１２は、電動機又は発電機であり得る。回転電機１２は、３相交流電動機又は３相交流発電機であり得る。
（【００１１】以降は省略されています）

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