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公開番号2025110212
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-28
出願番号2024004019
出願日2024-01-15
発明の名称コンクリート藻場増殖礁基材を用いた二酸化炭素固定方法及び藻場造成方法
出願人住友大阪セメント株式会社
代理人個人,個人
主分類A01G 33/02 20060101AFI20250718BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】二酸化炭素を吸収貯留して、藻類の成長を有効に促進することができるとともに、水中においてもブルーカーボンを有効に貯留してカーボンニュートラルの実現に寄与可能な、多孔質のコンクリート藻場増殖礁基材を製造することによる、二酸化炭素固定方法及び前記コンクリート藻場増殖礁基材を用いた藻場造成方法を提供する。
【解決手段】早強セメントを260~310kg/m3、水/セメント比を55~67、JIS A 1128により空気量を5.0~12.0で含むコンクリート組成物を、二酸化炭素を含む中性化養生をすることにより、二酸化炭素が20~80kg-CO2/m3で貯留し、28日圧縮強度が30~43N/mm2である多孔質コンクリート体を調製し、該多孔質コンクリート体の孔に、藻類の根を植付け及び/又は胞子を撒種し、該コンクリート体をコンクリート増殖礁基材として海底に設置して、該藻類が海中の二酸化炭素を吸収する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
早強セメントを260~310kg/m

、水/セメント比(質量%)を55~67、JIS A 1128による空気量(容量%)を5.0~12.0で含むコンクリート組成物を、二酸化炭素を含む中性化養生をすることにより、二酸化炭素を20~80kg-CO

/m

で貯留し、28日圧縮強度が30~43N/mm

である多孔質コンクリート体を調製して、該多孔質コンクリート体の孔に、藻類の根を植付け及び/又は胞子を撒種し、該コンクリート体をコンクリート増殖礁基材として海底に設置して、該藻類が海中の二酸化炭素を吸収することを特徴とする、コンクリート藻場増殖礁基材を用いた二酸化炭素固定方法。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
請求項1記載の二酸化炭素固定方法において、該コンクリート組成物は、更にAE剤又は発泡剤を含むことを特徴とする、コンクリート藻場増殖礁基材を用いた二酸化炭素固定方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の二酸化炭素固定方法において、該コンクリート増殖礁基材は、リニアトラバース法(ASTM C 457)を用いて算出した300μm以上の気泡量が3.0~8.9容量%であることを特徴とする、コンクリート藻場増殖礁基材を用いた二酸化炭素固定方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の海中の二酸化炭素固定方法において、上記中性化養生は、セメント工場からの排ガスを用いておこない、該排ガス中の二酸化炭素により、該多孔質コンクリート体が炭酸化されて、二酸化炭素が固定されることを特徴とする、コンクリート藻場増殖礁基材を用いた二酸化炭素固定方法。
【請求項5】
早強セメントを260~310kg/m

、水/セメント比(質量%)を55~67、JIS A 1128による空気量(容量%)を5.0~12.0で含むコンクリート組成物を用いて、二酸化炭素を含む中性化養生をすることにより、二酸化炭素を20~80kg-CO

/m

で貯留し、28日圧縮強度が30~43N/mm

である多孔質コンクリート体を調製し、該多孔質コンクリート体の孔に藻類の根を植付け及び/又は胞子を撒種し、該コンクリート体をコンクリート増殖礁基材として海底に設置して、該藻類が海中の二酸化炭素を吸収して成長する藻場を造成することを特徴とする、コンクリート藻場増殖礁基材を用いた藻場造成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート藻場増殖礁基材を用いた二酸化炭素固定方法及び藻場造成方法に関し、特に、二酸化炭素を有効に吸収貯留することができ、また、藻類の生育が有効に促進され、CO

吸収源(ブルーカーボン)として貢献できる藻場を構築できる、コンクリート藻場増殖礁基材を用いた二酸化炭素固定方法及び藻場造成方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、気候変動に伴う海水温の上昇等の影響により、従来の海藻類の藻場が縮小するとともに、ウニ等の食害によるいわゆる「磯焼け」海域が拡大している。
かかる「磯焼け」が拡大することにより、維持されてきた生物多様性が喪失されるほか、生態系へのダメージによる漁獲高の減少等、漁業への影響が問題となっている。
【0003】
このような現状に鑑み、周辺海域の藻場再生のための核藻場の形成をするために、藻場増殖礁が使用されて、藻場の形成に利用されてきた。
従来の藻場増殖礁の基本的な構成は、主として普通ポルトランドセメントを使用したコンクリート等の基材に、海藻類の種子(遊走子、受精卵)や根を設置して、魚類等による食害対策としてネットで囲ったものが一般的である。
【0004】
しかし、普通ポルトランドセメントを利用したコンクリートでは、一定以上の強度を得るために水セメント比を大きくできないことから、コンクリート混練中に連行される気泡量が少なくなってしまい、二酸化炭素(CO

)の吸収貯留に十分に適するものではない。
また、気泡量を増加させると、コンクリート硬化体の強度が低下し、亀裂や割れ等が発生するなどの課題があった。
【0005】
従来のコンクリート増殖礁基材としては、特開2011-229489号公報(特許文献1)に、石炭灰を粒状化した石炭灰粒状材を骨材として形成され炭酸ガスによる中性化処理が行われたブロックであって、前記石炭灰粒状材が、石炭火力発電所において生成される石炭灰100質量部と、高炉セメント3~7重量部を含む原料から形成されたものであることを特徴とする魚礁・藻礁ブロックが開示されている。
【0006】
また、特開2006-081501号公報(特許文献2)には、骨材、セメントおよび、炭酸水を混練して混合物を得る混練工程と、前記混合物を型に注入して、少なくとも上部側がポーラス性状をなす成型体を得る成型工程と、前記成型体を炭酸と接触させる炭酸処理工程とを含み、セメントの一部を人工ゼオライトで置換することを特徴とする着生基盤の製造方法が記載されている。
【0007】
更に、特開2015-167524号公報(特許文献3)には、海藻の着生を促す複数の着生ブロックを有する着生部と、前記着生部を囲繞するようにして収容するかご部とを備え、前記着生部は、直方体形状に形成され、好ましくはポーラスコンクリートブロックであり、前記かご部は、前記着生部と相補的形状の内包形状を有する直方体形状に形成され、更にかご部の少なくとも1の面に、海底に定着させるための複数の突起を有している、藻場造成礁が開示されている。
【0008】
しかし、従来のものは、二酸化炭素(CO

)吸収貯留性能を十分に発揮できるものではなく、特に藻場増殖礁基材として二酸化炭素吸収貯留が十分に考慮されているものではない。
【0009】
また、昨今は、二酸化炭素等の温室効果ガスを低減させたカーボンニュートラルが注目され、温室効果ガス排出量の削減等の強化が必要とされており、特に藻場は光合成によりCO

吸収源(ブルーカーボン)として位置づけられ、藻場の再生は気候変動対策上も重要な課題として捉えられている。
【0010】
かかる環境保護の点に鑑みて、特開2023-110190号公報(特許文献4)には、浚渫土と固化材とを混合し、500kN/m

以上、9800kN/m

以下の材令28日強度を発現する基盤材料が水中に投入されて設置され、次式から求められる空隙率が最大で20%である海藻の着生基盤であって、空隙率の式は、空隙率%=(1-前記基盤材料の投入量m

/前記基盤材料による体積m

)×100である。
(【0011】以降は省略されています)

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