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公開番号2025109320
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-25
出願番号2024003118
出願日2024-01-12
発明の名称線材の巻線装置
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人服部国際特許事務所
主分類H01F 41/04 20060101AFI20250717BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】線材をワークに整列して巻付け可能な線材の巻線装置及び線材の巻線方法を提供することにある。
【解決手段】
巻線装置は、基台4に対しワーク5を回転軸線13周りに回転する第1駆動部7と、基台4に対しワーク5を回転軸線13方向に往復移動する第2駆動部8と、基台4に設けられ、ワーク5の外壁2に巻付けるテープ10を供給する線材供給部12と、基台4に設けられ、ワーク5の外壁2に巻付けるテープ10にテンションを付与するテンション付与部6と、線材供給部12とワーク5との間で、線材供給部12からワーク5へ供給するテープ10の姿勢又は状態を調節するシフトローラ部20とを備える。シフトローラ部2は、基台4に対して微小移動可能であって、巻付け動作と同期してピッチ分の傾きを発生させる。折り返し時に、ワーク5の巻付け動作を停止することなしに、ワーク5の外壁2にテープ10を継続して巻付ける。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
ワークの外壁に線材を巻回する巻線装置であって、
基台（４）と、
前記基台に対しワーク（５）を回転軸線（１３）周りに回転する第１駆動部（７）と、
前記基台に対しワークを前記回転軸線方向に往復移動する第２駆動部（８）と、
前記基台に設けられ、前記ワークの外壁（２）に巻き付ける線材（１０）を供給する線材供給部（１２）と、
前記基台に設けられ、前記ワークの前記外壁に巻き付ける線材にテンションを付与するテンション付与部（６）と、
前記線材供給部と前記ワークとの間で、前記線材供給部から前記ワークへ供給する線材の姿勢を調節するシフトローラ部（２０）とを備える線材の巻線装置。
続きを表示（約 940 文字）【請求項２】
前記シフトローラ部は、線材を搬入する入口（４０）から線材を搬出する出口（４２）に向けて、線材の一面（Ｆ１）側を巻き掛ける第１自由ローラ（２２）、線材の他面（Ｆ２）側を巻き掛ける第２自由ローラ（２７）、及び、線材の前記一面（Ｆ１）側を巻き掛ける第３自由ローラ（３２）を有し、前記第１自由ローラ及び前記第３自由ローラはローラ面が凸面（２２１、３２１）であり、前記第２自由ローラはローラ面が凹面又平面（２７１）である、請求項１記載の線材の巻線装置。
【請求項３】
ワーク送り方向切替時、前記第１駆動部によるワークの回転を停止することなしに、前記第２駆動部により前記ワーク回転軸線（１３）上のワーク送り方向を逆送り方向へ切り替える、請求項１記載の線材の巻線装置。
【請求項４】
ワークに巻回する線材の送り方向の折返し時、ワークの前記回転軸線周りの回転を停止することなしに、線材のテンション低下を抑制する請求項２記載の線材の巻線装置。
【請求項５】
前記シフトローラ部が調節する前記線材の姿勢は、前記線材の前記ワークへの巻付開始位置、巻付開始角度、又はピッチ角度の１個以上の要素で決まる姿勢である請求項１記載の線材の巻線装置。
【請求項６】
前記線材は、横断面形状が矩形状のテープである請求項５記載の線材の巻線装置。
【請求項７】
回転するワークの外壁に線材を巻回する巻線方法であって、
回転するワークの外壁に線材を供給する工程と、
回転中心軸線の周りに回転するワークの回転を停止することなしに、前記回転中心軸線に沿ってワークの送り方向を逆送り方向に切り替える工程と、
ワークの前記送り方向を逆方向に切り替えるとき、ワークに巻き取られる線材の姿勢又は状態をシフトローラ部により調節する工程とを含む線材の巻線方法。
【請求項８】
前記線材はテープである請求項７記載の線材の巻線方法。
【請求項９】
前記線材の姿勢又は状態は、テープの前記ワークへの巻付開始位置、巻付開始角度、又はピッチ角度である請求項７記載の線材の巻線方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
線材をワークに巻付ける巻線装置及び巻線方法に関する。
続きを表示（約 1,700 文字）【背景技術】
【０００２】
従来の巻線装置としては、特許文献１に示すようなボビン整列密着巻線装置であって、線材の巻かれるボビンの送り用ステッピングモータを備えたコンピュータ制御の巻線装置が知られている。このものは、線材の固定ガイドホイールとボビンの間に、複数のガイドホイールを基台上に一直線に配置し、その直線がボビンの軸と直交するように保持され、且つそのボビンの軸方向に自由に移動可能にされた揺動基台を有し、その揺動基台上のガイドホイールのラインが固定ガイドホイールと同一線上になった時に、その揺動基台をクランプする機構を有するシフト機構部を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開平１０－１４４５５３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、この巻線装置では、線材にかかるテンションが変動すれば、巻付け状態で線材のシワ、捩れ等を生じる。このようなテンションの変動に起因する巻線状態の不具合を解消する課題は解決されない。
【０００５】
また、炭素繊維強化プラスティック（ＣＦＲＰ）からなるテープ形状の線材を巻付け治具に相当するワークに巻付ける場合、テープ形状の線材をピッチ巻きするため、ワークに対してピッチ分の傾きを付けて線材を巻付ける必要がある。
【０００６】
高テンションを発生させるテンション装置や巻付け回転力を発生させる巻付け部をピッチ分の傾きを持たせて折り返すためには、巻付け動作を一旦停止させ、停止後にワークの送り動作と回転動作に相当する巻付け動作を再開させる必要がある。巻付け動作を一旦停止させると、ワークに巻付けられる線材のテンションが低下し、巻付け状態にシワ、捩れ等を生じ、整列巻が困難になるという問題があった。
【０００７】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、線材をワークに整列して巻付け可能な線材の巻線装置及び線材の巻線方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の線材の巻線装置は、
ワークの外壁に線材を巻回する巻線装置であって、
基台（４）と、
前記基台に対しワーク（５）を回転軸線（１３）周りに回転する第１駆動部（７）と、
前記基台に対しワークを前記回転軸線方向に往復移動する第２駆動部（８）と、
前記基台に設けられ、前記ワークの外壁（２）に巻付ける線材（１０）を供給する線材供給部（１２）と、
前記基台に設けられ、前記ワークの前記外壁に巻付ける線材にテンションを付与するテンション付与部（６）と、
前記線材供給部と前記ワークとの間で、前記線材供給部から前記ワークへ供給する線材の姿勢又は状態を調節するシフトローラ部（２０）とを備える構成を採用する。
【０００９】
本発明の線材の巻線方法は、
回転するワークの外壁に線材を巻回する巻線方法であって、
回転するワークの外壁に線材を供給する工程と、
回転軸線の周りに回転するワークの回転を停止することなしに、前記回転軸線に沿ってワークの送り方向を逆送り方向に切り替える工程と、
ワークの前記送り方向を逆方向に切り替えるとき、ワークに巻き取られる線材の姿勢又は状態をシフトローラ部により調節する工程とを含む。
【００１０】
本発明の線材の巻線装置及び巻線方法によると、ワークの外壁に線材を巻付けるとき、折り返し時に、線材が巻付けられるワークの回転動作に相当する巻付け動作を停止することなしに、ワークの外壁に線材を継続して巻付ける。
したがって、巻付けられる線材のテンションの一時低下を生じないから、巻付け開始から巻付け終了まで所定値以上のテンションを確保することができる。ワークの外壁への線材の巻量を大きくしなくとも線材の折り返し巻きをすることができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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