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公開番号
2025109059
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-24
出願番号
2024002751
出願日
2024-01-11
発明の名称
タンク積載式液肥施用装置
出願人
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
A01C
23/02 20060101AFI20250716BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】本発明では小型トラクタでも対応可能であって、多量の液肥を土壌中の深層に至るまで施用できる液肥施用装置又は方法を提供する。
【解決手段】トラクタに牽引される圃場に液肥を施用する液肥施用装置であって、液肥を溜めるための液肥タンクと、成形持ち上げ板と前記成形持ち上げ板を介在させて略V字に接続された2本の成形切断刃とを具備する土壌切断部と、前記土壌切断部が下部に固定され、前記液肥タンクが上部に固定され、かつトラクタに着脱可能に接続されるフレームと、 前記成形切断刃の周囲に固定され、前記液肥タンクと連通する液肥挿入管と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
トラクタに牽引される圃場に液肥を施用する液肥施用装置であって、
液肥を溜めるための液肥タンクと、
成形持ち上げ板と前記成形持ち上げ板を介在させて略V字に接続された2本の成形切断刃とを具備する土壌切断部と、
前記土壌切断部が下部に固定され、前記液肥タンクが上部に固定され、かつトラクタに着脱可能に接続されるフレームと、
前記成形切断刃の周囲に固定され、前記液肥タンクと連通する液肥挿入管と、を有し、
前記土壌切断部の土中での進行により、前記成形切断刃が形成する略V字の内側に施肥に適した破砕土壌が形成され、同時に前記液肥タンク内の液肥が前記液肥挿入管から土壌へと施用されることを特徴とする液肥施用装置。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記フレームが前記成形切断刃を固定する成形切断刃フレームとトラクタを接続する3点リンク接続フレームを含み、前記成形切断刃フレームと前記3点リンク接続フレームとを接続する油圧シリンダによって前記3点リンク接続フレームに対する前記成形切断刃フレームの角度を変えることで前記土壌切断部の施工深を0~50cmの範囲で調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の液肥施用装置。
【請求項3】
前記土壌切断部を1~3連備えることができることを特徴とする請求項1に記載の液肥施用装置。
【請求項4】
前記液肥挿入管が、略V字の前記成形切断刃の内側、外側、若しくは進行方向とは反対の後方側の位置、又はそれらを組み合わせた位置にて、前記成形切断刃に沿うように配置されていること、及び、
前記成形切断刃が土中に差し込まれた状態で、前記液肥挿入管における前記液肥の出口である流出口が土中に位置するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の液肥施用装置。
【請求項5】
前記成形切断刃が土中に差し込まれた状態で、前記成形切断刃の土中に差し込まれていない部分の側面に対して垂直に向けて前記液肥挿入管の前記流出口が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液肥施用装置。
【請求項6】
液肥タンクから供給される液肥を複数の液肥挿入管へと分配するための液肥分配器であって、
底面を具備する筒状の分配容器と、分配容器蓋と、前記分配容器蓋に設けられた液肥注入口と、前記分配容器の中心に位置しモーターにより回転可能な回転軸と、その回転軸周りに均等な角度間隔かつ回転軸から等距離に前記底面に設けられた複数の孔と、前記回転軸から前記分配容器の内側面近傍まで延在し前記分配容器の内部を均等に仕切る複数の分配板と、それぞれの前記分配板の鉛直方向上側の縁に設けられた分配板刃と、を有し、
それぞれの前記分配板が前記分配容器の前記底面に対して垂直な面から回転方向に1~30度傾けて配置されていることを特徴とする液肥分配器。
【請求項7】
前記孔の数と前記分配板の数が等しいことを特徴とする請求項6に記載の液肥分配器。
【請求項8】
請求項6の液肥分配器を備えた請求項1~5のいずれかに記載の液肥施用装置。
【請求項9】
液肥タンクと、それと連通する液肥挿入管と、成形持ち上げ板と前記成形持ち上げ板を介在させて略V字に接続された2本の成形切断刃とを具備する土壌切断部と、前記土壌切断部が下部に固定されかつ前記液肥タンクが上部に固定されかつトラクタに着脱可能に接続されるフレームと、を一体的に備える液肥施用装置をトラクタに牽引させることで、前記土壌切断部を土中で進行させ、その内側に略V字状の膨軟な土壌を形成しつつ、各成形切断刃の側面又は進行方向と反対の後方側に沿うように配置された前記液肥挿入管から液肥を膨軟な土壌中に施用する方法。
【請求項10】
前記液肥施用装置が請求項6に記載の液肥分配器を備えることを特徴とする請求項9に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液肥を土壌に施用する装置に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
農村地域内の循環が停滞している畜産排せつ物の家畜糞尿の液体分は、低価格な肥料成分をもつ資源であり、牧草地や水田ではその利用の検討が進んできた。しかし化学肥料の投入量の多い畑作では、従来の散布方法では肥料成分量の代替率が低くなり十分な量の施用が困難であることを理由に、その利用のメリットが小さかった。また、本州では家畜糞尿を用いた液肥を散布するための従来の作業機が大型であるため、導入されていない状況であった。そのため、施肥代替を可能とする肥料成分のアンモニア揮散を抑制するための技術や本州用の小型トラクタにも対応した土中への多量施用を可能とする技術の生産現場への導入により、家畜糞尿等の地域有機質性資源を最大限に活用するための施肥代替を可能とする栽培体系の確立が求められている。
【0003】
従来、家畜糞尿とその発酵残渣等の液体分であるスラリーや消化液は、スラリーローリーの散布車両、スラリータンカのトラクタ用散布機によって表面に散布することで農地に施用されてきた。この方法では40t/ha以内の散布量で施用されている。これ以上の散布量になるとスラリーが表面に滞水し、地形に傾斜がある場合や雨等によってリン酸や塩基などが圃場外に流出してしまう。また、本州では、従来の大型の作業機やニオイが発生する施用方法は利用すること自体が不可能であった。そのため、いくつかのスラリーインジェクタによる土中への液肥の施用技術が提案されてきた。
特許文献1では、2本のサブソイラの爪痕の溝にスラリーを挿入する作業機を用いることで土中の深い位置に液肥を施用し匂いの発生を抑制する施用方法が開示される。しかし固定幅の2列での施用で、施用量の調整もできない機構のため、施用量が偏るなど、施肥代替を目的とした現場への導入が困難であった。
特許文献2では、土壌切断部の浅層にスラリーをインジェクションして施肥と播種を可能としたスラリータンカによる施肥播種装置が開示され、特許文献3では特許文献2の浅層型スラリーインジェクタで用いるスラリーの流量制御装置が開示され、特許文献4では特許文献2及び特許文献3の浅層型スラリーインジェクタスラリーの流量制御装置が開示される。いずれも多連での施用を可能とする技術であるが、土壌への挿入深は浅く、また一定間隔で配置された多連のインジェクタによる施用であるため、機械の横幅が長くなり機械の走行時に支障が生じる。
特許文献5、非特許文献1、非特許文献2では、いずれもの土壌を切断して、そこに家畜糞尿を散布することで土中に施用する装置を開示する。
【0004】
これらの従来技術では、家畜糞尿のスラリーや消化液等の液肥を多量に土中の深層に至るまで施用することが困難である。また小型トラクタにも対応可能であるように考慮された装置に関する開示もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-224909号公報
特開2003-38007号公報
特開2003-38012号公報
特開2003-38013号公報
特開2008-109886号公報
【非特許文献】
【0006】
「臭気抑制効果と作業効率が高い浅層型スラリーインジェクタ小型改造III号機」、[online]、[2023年11月20日検索]、インターネット<https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2005/nilgs05-06.html>
「みんなの農業広場トップページ > 農作業便利帖> 機械 > 土づくり > 土づくり編(1) 堆肥散布作業」、[online]、[2023年11月20日検索]、インターネット<https://www.jeinou.com/benri/machine/soil/2011/03/311310.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来技術には、以下のような問題点がある。
(1)家畜糞尿のスラリーや消化液等の液肥を多量に土中の深層にまで施用できる技術は大型トラクタや大型タンク車を使用したもので小型トラクタに対応した技術ではない。
(2)大型の機械を用いるために施工方法として施用ユニットの機械走行性が悪い。
(3)現場では石礫などの土中埋設物が存在するもののそれに対応可能な施用ユニットの構造となっていない。
(4)液肥等の液体を任意の量で均等に分配するのみならず、液肥等の液体に含まれる不純固形物を小粒化する方法の開示がない。
【0008】
以上の現状に鑑み、本発明では小型トラクタでも対応可能であって、多量の液肥を土壌中の深層に至るまで施用できる液肥施用装置又は方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の目的を達成するために、本発明は以下の構成を提供する。
1)本発明の態様は、
トラクタに牽引される圃場に液肥を施用する液肥施用装置であって、
液肥を溜めるための液肥タンクと、
成形持ち上げ板と前記成形持ち上げ板を介在させて略V字に接続された2本の成形切断刃とを具備する土壌切断部と、
前記土壌切断部が下部に固定され、前記液肥タンクが上部に固定され、かつトラクタに着脱可能に接続されるフレームと、
前記成形切断刃の周囲に固定され、前記液肥タンクと連通する液肥挿入管と、を有し、
前記土壌切断部の土中での進行により、前記成形切断刃が形成する略V字の内側に施肥に適した破砕土壌が形成され、同時に前記液肥タンク内の液肥が前記液肥挿入管から土壌へと施用されることを特徴とする。
2)上記態様において、
前記フレームが前記成形切断刃を固定する成形切断刃フレームとトラクタを接続する3点リンク接続フレームを含み、前記成形切断刃フレームと前記3点リンク接続フレームとを接続する油圧シリンダによって前記3点リンク接続フレームに対する前記成形切断刃フレームの角度を変えることで前記土壌切断部の施工深を0~50cmの範囲で調整可能であることを特徴とする。
3)上記態様において、
前記土壌切断部を1~3連備えることができることを特徴とする。
4)上記態様において、
前記液肥挿入管が、略V字の前記成形切断刃の内側、外側、若しくは進行方向とは反対の後方側の位置、又はそれらを組み合わせた位置にて、前記成形切断刃に沿うように配置されていること、及び、
前記成形切断刃が土中に差し込まれた状態で、前記液肥挿入管における前記液肥の出口である流出口が土中に位置するように配置されることを特徴とする。
5)上記態様において、
前記成形切断刃が土中に差し込まれた状態で、前記成形切断刃の土中に差し込まれていない部分の側面に対して垂直に向けて前記液肥挿入管の前記流出口が配置されていることを特徴とする。
6)本発明の態様は、
液肥タンクから供給される液肥を複数の液肥挿入管へと分配するための液肥分配器であって、
底面を具備する筒状の分配容器と、分配容器蓋と、前記分配容器蓋に設けられた液肥注入口と、前記分配容器の中心に位置しモーターにより回転可能な回転軸と、その回転軸回りに均等な角度間隔かつ回転軸から等距離に前記底面に設けられた複数の孔と、前記回転軸から前記分配容器の内側面近傍まで延在し前記分配容器の内部を均等に仕切る複数の分配板と、それぞれの前記分配板の鉛直方向上側の縁に設けられた分配板刃と、を有し、
それぞれの前記分配板が前記分配容器の前記底面に対して垂直な面から回転方向に1~30度傾けて配置されていることを特徴とする。
7)上記態様において、
前記孔の数と前記分配板の数が等しいことを特徴とする。
8)上記態様において、上記の液肥分配器を備える。
9)本発明の態様は、
液肥タンクと、それと連通する液肥挿入管と、成形持ち上げ板と前記成形持ち上げ板を介在させて略V字に接続された2本の成形切断刃とを具備する土壌切断部と、前記土壌切断部が下部に固定されかつ前記液肥タンクが上部に固定されかつトラクタに着脱可能に接続されるフレームと、を一体的に備える液肥施用装置をトラクタに牽引させることで、前記土壌切断部を土中で進行させ、その内側に略V字状の膨軟な土壌を形成しつつ、各成形切断刃の側面又はトラクタに牽引される方向と反対方向の後方側に沿うように配置された前記液肥挿入管から液肥を膨軟な土壌中に施用する。
10)上記態様において、
液肥施用装置が上記の液肥分配器を備える。
【発明の効果】
【0010】
小型トラクタでも対応可能な液肥施用装置又は方法であって、多量の液肥を土壌中の深層に至るまで施用することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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