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公開番号2025104903
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023223076
出願日2023-12-28
発明の名称電力変換装置
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人個人
主分類H02M 3/28 20060101AFI20250703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】DABコンバータにおいて、偏磁抑制と高効率化を両立させる。
【解決手段】DABコンバータにおいて、制御回路(13)は、第1直流部(E1、Ca)から第2直流部(E2、Cb)へ降圧して電力を伝送する場合、第1直流部(E1、Ca)と絶縁トランス(TR1)の二次巻線(n2)が導通する第1の期間と、絶縁トランス(TR1)の一次巻線(n1)の両端が第1ブリッジ回路(11)内で短絡する第2の期間と、を含むように制御する。制御回路(13)は、第1の期間から第2の期間に遷移する際に第1ブリッジ回路(11)に設定する第1のデッドタイムより、第2の期間から第1の期間に遷移する際に第1ブリッジ回路(11)に設定する第2のデッドタイムを長く設定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1スイッチング素子と第2スイッチング素子が直列接続された第1レグと、第3スイッチング素子と第4スイッチング素子が直列接続された第2レグを有し、前記第1レグと前記第2レグが第1直流部に並列接続される第1ブリッジ回路と、
第5スイッチング素子と第6スイッチング素子が直列接続された第3レグと、第7スイッチング素子と第8スイッチング素子が直列接続された第4レグを有し、前記第3レグと前記第4レグが第2直流部に並列接続される第2ブリッジ回路と、
前記第1ブリッジ回路と前記第2ブリッジ回路の間に接続された絶縁トランスと、
前記第1スイッチング素子-前記第8スイッチング素子を制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記第1直流部から前記第2直流部へ降圧して電力を伝送する場合、前記第1直流部と前記絶縁トランスの二次巻線が導通する第1の期間と、前記絶縁トランスの一次巻線の両端が前記第1ブリッジ回路内で短絡する第2の期間と、を含むように制御し、
前記第1の期間から前記第2の期間に遷移する際に前記第1ブリッジ回路に設定する第1のデッドタイムより、前記第2の期間から前記第1の期間に遷移する際に前記第1ブリッジ回路に設定する第2のデッドタイムを長く設定する、
電力変換装置。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記第1のデッドタイムは、直列接続された2つのスイッチング素子の同時オンが回避されることが担保された時間以上に設定され、
前記第2のデッドタイムは、前記第2の期間に前記トランスの二次巻線に流れる電流がゼロに到達することが担保された時間以上に設定される、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第2のデッドタイムは、前記第2の期間に前記トランスの二次巻線に流れる電流がゼロに到達することが担保された固定値に設定される、
請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記第2のデッドタイムは、前記第2の期間に前記トランスの二次巻線に流れる電流がゼロに到達することが担保された変動値に設定される、
請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記制御回路は、
前記第2の期間において、前記第2ブリッジ回路に含まれる対角の2つのスイッチング素子をオン状態に制御し、前記絶縁トランスを流れる電流の絶対値が所定の閾値以下になると、前記対角の2つのスイッチング素子の少なくとも一方をターンオフし、
前記第2の期間から前記第1の期間に遷移する際に前記第2ブリッジ回路の一方のレグに設定されるデッドタイムを、前記第1デッドタイム以上の可変値に設定する、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記制御回路は、
前記第2直流部から前記第1直流部へ降圧して電力を伝送する場合、
前記第1スイッチング素子-前記第4スイッチング素子に供給する駆動信号と、前記第5スイッチング素子-前記第8スイッチング素子に供給する駆動信号を入れ替える、
請求項1に記載の電力変換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、直流電力を別の電圧の直流電力に変換する電力変換装置に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムやV2H(Vehicle to Home)システムに使用されるパワーコンディショナは、高効率な電力変換が求められる。V2Hシステムは、電動車(例えば、EV、PHEV)に搭載された蓄電池と、商用電力系統または宅内の負荷との間で充放電することができる。例えば、家庭用の太陽光発電システムで発電した電力を電動車の蓄電池に充電することができる。また、電動車に搭載された蓄電池を、宅内の負荷のピークシフトやバックアップ用途に利用することができる。V2Hシステムで使用されるDC/DCコンバータには高効率であること、絶縁型であることに加え、広範囲の電圧レンジが求められる。電動車に搭載された蓄電池は、車種により蓄電池の電圧が大きく異なるためである。これらの要求を満たすDC/DCコンバータの一つに、DAB(Dual Active Bridge)コンバータがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
DABコンバータにおいて、電流連続モードで動作させると、トランスに印加される電圧期間が正負の半周期で一致しなくなる。これにより、励磁電流に直流電流が流れ、磁気飽和により励磁インダクタンスが急激に減少してしまう「偏磁」という現象が発生する。この偏磁現象により、トランスに流れる励磁電流が増加し、損失増加や回路の定格電流を超えて保護停止や機器故障などにつながるため、偏磁現象が起きないように回路を動作させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第16/125373号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
偏磁抑制のために、DABコンバータを電流不連続モードで動作させるには、トランスに流れる電流が0となるまでの、長時間のデッドタイムが必要となる。通常、フルブリッジ回路内のスイッチング素子のデッドタイムには、固定された値が使用される。デッドタイムを長く設定した場合、偏磁を抑制することができるが、損失が増加する。反対に、デッドタイムを短く設定した場合、損失を減少させることができるが、偏磁が発生しやすくなる。
【0006】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、DABコンバータにおいて、偏磁抑制と高効率化を両立させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の電力変換装置は、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子が直列接続された第1レグと、第3スイッチング素子と第4スイッチング素子が直列接続された第2レグを有し、前記第1レグと前記第2レグが第1直流部に並列接続される第1ブリッジ回路と、第5スイッチング素子と第6スイッチング素子が直列接続された第3レグと、第7スイッチング素子と第8スイッチング素子が直列接続された第4レグを有し、前記第3レグと前記第4レグが第2直流部に並列接続される第2ブリッジ回路と、前記第1ブリッジ回路と前記第2ブリッジ回路の間に接続された絶縁トランスと、前記第1スイッチング素子-前記第8スイッチング素子を制御する制御回路と、を備える。前記制御回路は、前記第1直流部から前記第2直流部へ降圧して電力を伝送する場合、前記第1直流部と前記絶縁トランスの二次巻線が導通する第1の期間と、前記絶縁トランスの一次巻線の両端が前記第1ブリッジ回路内で短絡する第2の期間と、を含むように制御し、前記第1の期間から前記第2の期間に遷移する際に前記第1ブリッジ回路に設定する第1のデッドタイムより、前記第2の期間から前記第1の期間に遷移する際に前記第1ブリッジ回路に設定する第2のデッドタイムを長く設定する。
【0008】
本開示によれば、DABコンバータにおいて、偏磁抑制と高効率化を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施の形態に係る電力変換装置の構成を説明するための図である。
図2(a)-(b)は、電力変換装置の比較例に係る降圧動作における電流の流れを説明するための図である。
電力変換装置の比較例に係る降圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングパターンを説明するための図である。
図4(a)-(b)は、電力変換装置の比較例に係る昇圧動作における電流の流れを説明するための図である。
電力変換装置の比較例に係る昇圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングパターンを説明するための図である。
電力変換装置の実施例に係る降圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングパターンと、トランス電流の第1の推移例を示す図である。
図7(a)-(d)は、電力変換装置の実施例に係る降圧動作におけるスイッチングパターンと電流の流れを説明するための図である(その1)。
図8(a)-(d)は、電力変換装置の実施例に係る降圧動作におけるスイッチングパターンと電流の流れを説明するための図である(その2)。
電力変換装置の実施例に係る降圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングパターンと、トランス電流の第2の推移例を示す図である。
電力変換装置の実施例に係る降圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子の逆方向伝送時のスイッチングパターンと、トランス電流の推移例を示す図である。
電力変換装置の実施例に係る昇圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングパターンと、トランス電流の第1の推移例を示す図である。
図12(a)-(d)は、電力変換装置の実施例に係る昇圧動作におけるスイッチングパターンと電流の流れを説明するための図である(その1)。
図13(a)-(d)は、電力変換装置の実施例に係る昇圧動作におけるスイッチングパターンと電流の流れを説明するための図である(その2)。
電力変換装置の実施例に係る昇圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングパターンと、トランス電流の第2の推移例を示す図である。
電力変換装置の実施例に係る昇圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングパターンと、トランス電流の第3の推移例を示す図である。
電力変換装置の実施例に係る昇圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングパターンと、トランス電流の第4の推移例を示す図である。
電力変換装置の実施例に係る昇圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子の逆方向伝送時のスイッチングパターンと、トランス電流の推移例を示す図である。
電力変換装置の実施例に係る昇降圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングパターンと、トランス電流の推移例を示す図である。
図19(a)-(b)は、電力変換装置の実施例に係る昇降圧動作における第3の期間のスイッチングパターンと電流の流れを説明するための図である。
図20(a)は、昇降圧モードを設けない場合のデューティ比と伝送電力の関係を模式的に描いた図である。図20(b)は、昇降圧モードを設けた場合のデューティ比と伝送電力の関係を模式的に描いた図である。
電力変換装置の昇圧動作時における第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングパターンと、偏磁発生時のトランス電流の推移例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実施の形態に係る電力変換装置1の構成を説明するための図である。電力変換装置1は絶縁型の双方向DC/DCコンバータ(DABコンバータ)であり、第1直流電源E1から供給される直流電力を変換して第2直流電源E2に伝送する。また電力変換装置1は、第2直流電源E2から供給される直流電力を変換して第1直流電源E1に伝送する。電力変換装置1は降圧して電力伝送することも、昇圧して電力伝送することも可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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