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公開番号2025103293
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220594
出願日2023-12-27
発明の名称アルカリ金属含有燃料の燃焼システム及びアルカリ金属含有燃料の燃焼方法
出願人JFEエンジニアリング株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類F23C 10/10 20060101AFI20250702BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】燃焼炉内で流動層を形成する流動媒体においてアグロメーションによる流動不良を抑える。
【解決手段】流動媒体により流動層を形成し、アルカリ金属を含む燃料を前記流動層で燃焼する燃焼炉を用いる燃焼システムにおいて、前記燃焼炉から排出された流動媒体を予め定められた粒径値以下の流動媒体と予め定められた粒径値を超える流動媒体とに分離する篩装置と、前記篩装置で分離された予め定められた粒径値以下の流動媒体から放出されるγ線のスペクトルを測定し、当該スペクトルの測定結果から、当該流動媒体に含まれる放射性カリウムの濃度を推定する測定装置と、前記燃焼炉から排出する前記流動媒体の量と、前記燃焼炉へ供給する前記流動媒体の量とを前記濃度に応じて制御する制御装置と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
流動媒体により流動層を形成し、アルカリ金属を含む燃料を前記流動層で燃焼する燃焼炉を用いる燃焼システムにおいて、
前記燃焼炉から排出された流動媒体を予め定められた粒径値以下の流動媒体と予め定められた粒径値を超える流動媒体とに分離する篩装置と、
前記篩装置で分離された予め定められた粒径値以下の流動媒体から放出されるγ線のスペクトルを測定し、当該スペクトルの測定結果から、当該流動媒体に含まれる放射性カリウムの濃度を推定する測定装置と、
前記燃焼炉から排出する前記流動媒体の量と、前記燃焼炉へ供給する前記流動媒体の量とを前記濃度に応じて制御する制御装置と、
を備えるアルカリ金属含有燃料の燃焼システム。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記流動媒体を研磨する研磨装置と、
前記研磨装置で研磨された前記流動媒体を選別する選別装置と、
を有し、
前記濃度が予め定められた閾値以下である場合、前記測定装置で前記濃度が推定された前記流動媒体が前記研磨装置へ送られ、前記選別装置で選別された前記流動媒体が前記燃焼炉へ送られる
請求項1に記載のアルカリ金属含有燃料の燃焼システム。
【請求項3】
前記濃度が予め定められた閾値を超えている場合、前記測定装置で前記濃度が推定された前記流動媒体を廃棄する
請求項1に記載のアルカリ金属含有燃料の燃焼システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記燃焼炉へ供給する前記燃料の量を前記濃度に応じて制御する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアルカリ金属含有燃料の燃焼システム。
【請求項5】
炉内で流動媒体により流動層を形成し、アルカリ金属を含む燃料を前記流動層で燃焼する燃焼炉を用いる燃焼方法において、
前記燃焼炉から排出された流動媒体を予め定められた粒径値以下の流動媒体と、予め定められた粒径値を超える流動媒体とに分離する分離ステップと、
前記分離ステップで分離された予め定められた粒径値以下の流動媒体から放出されるγ線のスペクトルを測定し、当該スペクトルの測定結果から、当該流動媒体に含まれる放射性カリウムの濃度を推定する測定ステップと、
前記燃焼炉から排出する前記流動媒体の量と、前記燃焼炉へ供給する前記流動媒体の量とを前記濃度に応じて制御する制御ステップと、
を備えるアルカリ金属含有燃料の燃焼方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ金属含有燃料の燃焼システム及びアルカリ金属含有燃料の燃焼方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
バイオマスを燃料として発電を行なう方法として流動層炉を用いた方法がある。流動層炉は、吹き上がる流動化空気によって高温の流動媒体を流動させた流動層を形成し、炉内に供給された燃料を流動層の中で燃焼するものである。燃料となるバイオマスとしては、例えば、パーム椰子空果房(EFB:Empty Fruit Bunch)のように植物由来で安価なバイオマスが注目されているが、パーム椰子空果房を流動層炉で燃焼させて発電を行なう際には、以下のような問題が生じる。
【0003】
パーム椰子空果房には、アルカリ金属であるカリウムが多く含まれている。流動層炉の流動媒体としては珪砂が用いられるが、流動層炉内でパーム椰子空果房から放出されたガス状のカリウムと珪砂粒子の酸化ケイ素が反応し、珪砂粒子の表面にSiO

-K

O化合物が生成される。このSiO

-K

O化合物の溶融温度は、流動層炉内の温度より低いため、溶融して珪砂粒子の表面に粘着層が形成される。この粘着層が形成されると、数粒の珪砂粒子同士が融着し、珪砂の凝集と塊化(アグロメレーション)が生じると珪砂が流動しなくなり、流動層炉の正常な運転が妨げられることとなる。そこで、このような問題を解決する発明として、例えば特許文献1、2に開示された発明がある。
【0004】
特許文献1に開示された発明は、流動媒体が粒子状鉱物及び/又は粒子状スラグからなり、石英の含有量を14質量%以下としている。流動媒体が含有する石英の量が14質量%以下であるため、流動媒体中の石英と燃料中のアルカリ金属成分とが反応して粒子表面に粘着層が形成されても流動媒体の凝集や塊化が生じない又は生じても僅かであり、流動層は良好な流動を維持することができる。
【0005】
特許文献2に開示された発明は、流動層炉内部における流動化ガス速度を4m/sの近傍になるように制御しながら流動層炉の出口近傍における流動媒体の吹き上げ状況をレーザ監視装置にて検知し、吹き上げ状態に応じた焼却用空気量を燃焼用空気の供給側にフィードバックしている。流動層炉内の流動化ガス速度を4m/s程度まで増大させることにより、流動媒体中の限界塩蓄積量を増大させることができ、これによって流動層での流動不良を起こすことなく処理可能な廃棄物の量を増加させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-106244号公報
特許第3294172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された発明では、流動媒体としてガーネット、イルメナイト、かんらん石、フェロニッケルスラグ等が挙げられている。しかしながら、特許文献1の表2に記載されているように、これらは安価で汎用的な珪砂より価格が高く、流動媒体の入れ替えにコストが掛かる。特許文献2の発明では、流動媒体中の限界塩蓄積量を増大させることができるものの、アグロメレーションはアルカリ金属のわずかな変化で発生するため、限界塩蓄積量を超えた場合には急激にアグロメレーションが発生して流動不良に至る虞がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、燃焼炉内で流動層を形成する流動媒体においてアグロメーションによる流動不良を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面に係るアルカリ金属含有燃料の燃焼システムは、流動媒体により流動層を形成し、アルカリ金属を含む燃料を前記流動層で燃焼する燃焼炉を用いる燃焼システムにおいて、前記燃焼炉から排出された流動媒体を予め定められた粒径値以下の流動媒体と予め定められた粒径値を超える流動媒体とに分離する篩装置と、前記篩装置で分離された予め定められた粒径値以下の流動媒体から放出されるγ線のスペクトルを測定し、当該スペクトルの測定結果から、当該流動媒体に含まれる放射性カリウムの濃度を推定する測定装置と、前記燃焼炉から排出する前記流動媒体の量と、前記燃焼炉へ供給する前記流動媒体の量とを前記濃度に応じて制御する制御装置と、を備える。
【0010】
また、本発明に係るアルカリ金属含有燃料の燃焼システムは、前記流動媒体を研磨する研磨装置と、前記研磨装置で研磨された前記流動媒体を選別する選別装置と、を有し、前記濃度が予め定められた閾値以下である場合、前記測定装置で前記濃度が推定された前記流動媒体が前記研磨装置へ送られ、前記選別装置で選別された前記流動媒体が前記燃焼炉へ送られるようにしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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