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公開番号2025092991
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-23
出願番号2023208454
出願日2023-12-11
発明の名称回転機の異常診断装置及び異常診断方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類G01M 99/00 20110101AFI20250616BHJP(測定;試験)
要約【課題】絶縁被膜の吸湿と放湿により静電容量が変化する環境下において、絶縁被膜の汚損または劣化による異常を検出することが可能な異常診断装置を提供する。
【解決手段】異常診断装置は、回転機の巻線を流れる巻線電流に基づいて巻線の静電容量である巻線静電容量を算出する静電容量算出部と、回転機が設置される領域の環境情報を取得する環境情報取得部と、環境情報の変化に対する、巻線静電容量の特性変化を記憶する回転機情報記憶部と、環境情報取得部から回転機が稼働しているときの環境情報を取得し、環境情報が変化したとき、回転機情報記憶部から特性変化を取得し、変化した環境情報に対応する推定巻線静電容量を推定する巻線状態推定部と、環境情報が変化したあとの巻線静電容量を静電容量算出部から取得し、巻線静電容量を推定巻線静電容量と比較することにより回転機の異常を診断する診断部と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
回転機の巻線を流れる巻線電流に基づいて前記巻線の静電容量である巻線静電容量を算出する静電容量算出部と、
前記回転機が設置される領域の環境情報を取得する環境情報取得部と、
前記環境情報の変化に対する、前記巻線静電容量の特性変化を記憶する回転機情報記憶部と、
前記環境情報取得部から前記回転機が稼働しているときの前記環境情報を取得し、前記環境情報が変化したとき、前記回転機情報記憶部から前記特性変化を取得し、変化した前記環境情報に対応する推定巻線静電容量を推定する巻線状態推定部と、
前記環境情報が変化したあとの巻線静電容量を前記静電容量算出部から取得し、前記巻線静電容量を前記推定巻線静電容量と比較することにより前記回転機の異常を診断する診断部と、
を備える、
ことを特徴とする回転機の異常診断装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の異常診断装置であって、
前記環境情報は前記巻線の周辺の温度、湿度、又は気圧のいずれかである、
ことを特徴とする異常診断装置。
【請求項3】
請求項2に記載の異常診断装置であって、
前記回転機情報記憶部は、前記巻線の周囲の湿度検出値と回転機の構造または材料に関する情報を用いて前記巻線の周辺の湿度を推定する、
ことを特徴とする異常診断装置。
【請求項4】
請求項2に記載の異常診断装置であって、
前記回転機情報記憶部は、前記巻線の周囲の温度検出値と前記回転機の巻線を流れる巻線電流と回転機の構造または材料に関する情報を用いて前記巻線の周辺の温度を推定する、
ことを特徴とする異常診断装置。
【請求項5】
請求項2に記載の異常診断装置であって、
前記回転機情報記憶部は、前記環境情報を用いて前記巻線の吸湿または放湿に関する物理現象を計算する、
ことを特徴とする異常診断装置。
【請求項6】
請求項2に記載の異常診断装置であって、
前記巻線状態推定部は、前記巻線の吸湿・放湿現象に伴う巻線静電容量の可逆的な変化を含むモデルに基づいて、推定巻線静電容量を推定する、
ことを特徴とする異常診断装置。
【請求項7】
請求項2に記載の異常診断装置であって、
前記特性変化は、前記巻線静電容量の変化の遅延を示す巻線静電容量変化遅延情報及び/又は前記巻線静電容量の変化速度を示す巻線静電容量変化速度情報である、
ことを特徴とする異常診断装置。
【請求項8】
回転機の巻線を流れる巻線電流に基づいて前記巻線の静電容量である巻線静電容量を算出し、
前記回転機が設置される領域の環境情報を取得し、
前記環境情報の変化に対する、前記巻線静電容量の特性変化を記憶し、
前記回転機が稼働しているときの前記環境情報を取得し、前記環境情報が変化したとき、前記特性変化を取得し、変化した前記環境情報に対応する推定巻線静電容量を推定し、
前記環境情報が変化したあとの巻線静電容量を取得し、前記巻線静電容量を前記推定巻線静電容量と比較することにより前記回転機の異常を診断する、
ことを特徴とする回転機の異常診断方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータや発電機といった回転機に対する異常診断装置及び異常診断方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
モータや発電機が停止すると、大きな損害が発生する。特に、電動航空機に用いられるモータの突発故障による停止は、システムおよび乗客の安全確保に対する影響が大きい。そのため、実環境で使用している状態のまま高精度に故障予兆診断を実施し、モータの突発故障を防止することに対するニーズが高まっている。
【0003】
そのようなニーズに対して、下記特許文献1には、回転機の異常を診断する技術が記載されている。具体的には特許文献1では、絶縁部材の静電容量を計測し、絶縁材料の劣化を高感度に検知できる手法が示されている。しかしこの技術では、気圧や温度や湿度の変化により絶縁材料の被膜が吸湿し、比誘電率が変化することにより静電容量が変化する場合、誤診断するおそれがあるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7184706号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回転機周辺の湿度が増加あるいは温度が減少または気圧が上昇すると回転機中の巻線に含まれる絶縁被膜の吸湿により絶縁被膜の比誘電率が増加することで静電容量が増加する。一方、湿度が減少あるいは温度が上昇あるいは気圧が低下すると絶縁被膜の放湿により絶縁被膜の比誘電率が減少することで静電容量が減少する。このように、絶縁被膜の吸湿と放湿による静電容量の変化は可逆的である。一方、気圧、湿度、温度の変化あるいは外部環境により絶縁被膜が汚損または劣化すると、絶縁被膜の比誘電率が増加し巻線静電容量が増加する。このような絶縁被膜の汚損または劣化による静電容量の変化は不可逆的である。
【0006】
上述のように回転機の異常を診断する際に絶縁部材の静電容量を監視する手法があるが、従来の技術においては静電容量が変化した場合に、それが可逆的なものなのか不可逆的なものなのかを判別することができなかった。
【0007】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、絶縁被膜の吸湿と放湿により静電容量が変化する環境下において、絶縁被膜の汚損または劣化による異常を検出することが可能な異常診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明の回転機の異常診断装置は、回転機の巻線を流れる巻線電流に基づいて巻線の静電容量である巻線静電容量を算出する静電容量算出部と、回転機が設置される領域の環境情報を取得する環境情報取得部と、環境情報の変化に対する、巻線静電容量の特性変化を記憶する回転機情報記憶部と、環境情報取得部から回転機が稼働しているときの環境情報を取得し、環境情報が変化したとき、回転機情報記憶部から特性変化を取得し、変化した環境情報に対応する推定巻線静電容量を推定する巻線状態推定部と、環境情報が変化したあとの巻線静電容量を静電容量算出部から取得し、巻線静電容量を推定巻線静電容量と比較することにより回転機の異常を診断する診断部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、絶縁被膜の吸湿と放湿により静電容量が変化する環境下において、絶縁被膜の汚損または劣化による異常を検出することが可能な異常診断装置を提供することが可能になる。
本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の課題、構成および効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1による回転機システム100の構成の一例を示す図。
実施例1による異常診断装置30の構成の一例を示す機能ブロック図。
実施例1による異常診断装置30が実行する処理を示すフローチャートの一例。
実施例1による環境情報の時間変化に対する巻線静電容量の時間変化の一例。
実施例1による環境情報の時間変化に対する巻線静電容量と推定巻線静電容量の時間変化の一例。
実施例1による環境情報が時間変化する環境下における、回転機が稼働中の巻線状態推定部と静電容量算出部と診断部の動作の一例。
実施例1によるコンピュータの一例。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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