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公開番号
2025076416
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-15
出願番号
2024204530,2024078189
出願日
2024-11-25,2024-05-13
発明の名称
無機粒子分散スラリー、電極シート、電解質シートおよびリチウムイオン電池
出願人
株式会社オハラ
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01B
1/06 20060101AFI20250508BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】LATP系結晶を含む無機粒子の濃度が高いときに、無機粒子の凝集が起こり難い無機粒子分散スラリーと、それを用いた電極シート、電解質シートおよびリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】無機粒子分散スラリーは、溶剤と、溶剤中に分散状態で存在する無機粒子とを含み、無機粒子は、一般式Li
1+x+y
M
1
x
M
2
2-x
Si
y
P
3-y
O
12
(ここで、M
1
はAlおよびGaのうちの一方または両方の原子であり、M
2
はTiおよびGeのうちの一方または両方の原子であり、かつ、xおよびyはいずれも0以上1以下の範囲の数値である)で表されるリチウムイオン伝導性結晶を含み、かつ、体積基準のメジアン径(D50)が0.050μm以上10.000μm以下の範囲であり、無機粒子の濃度は、無機粒子分散スラリーに対して5質量%以上であり、かつ、溶剤の双極子モーメントが0.50以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
溶剤と、
前記溶剤中に分散状態で存在する無機粒子と
を含む無機粒子分散スラリーであって、
前記無機粒子は、
一般式Li
1+x+y
M
1
x
M
2
2-x
Si
y
P
3-y
O
12
(ここで、M
1
はAlおよびGaのうちの一方または両方の原子であり、M
2
はTiおよびGeのうちの一方または両方の原子であり、かつ、xおよびyはいずれも0以上1以下の範囲の数値である)で表されるリチウムイオン伝導性結晶を含み、かつ、
体積基準のメジアン径(D50)が0.050μm以上10.000μm以下の範囲であり、
前記無機粒子の濃度は、前記無機粒子分散スラリーに対して5質量%以上であり、かつ、
前記溶剤の双極子モーメントが0.50以上である、無機粒子分散スラリー。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
前記リチウムイオン伝導性結晶は、珪素(Si)原子を含む、請求項1に記載の無機粒子分散スラリー。
【請求項3】
前記溶剤は、比誘電率が6.0以上である、請求項1に記載の無機粒子分散スラリー。
【請求項4】
前記溶剤は、ドナー数(DN)が16.0以上である、請求項1に記載の無機粒子分散スラリー。
【請求項5】
前記溶剤は、1種類の液体化合物からなる単一溶剤である、請求項1に記載の無機粒子分散スラリー。
【請求項6】
分散剤、バインダーおよび添加剤をいずれも含有しない、請求項1に記載の無機粒子分散スラリー。
【請求項7】
分散剤を含有しない、請求項1に記載の無機粒子分散スラリー。
【請求項8】
電極活物質をさらに含有する電極形成用スラリーである、請求項1に記載の無機粒子分散スラリー。
【請求項9】
集電体と、前記集電体の表面に、請求項8に記載の電極形成用スラリーを塗布および乾燥して形成される電極膜とを有する、電極シート。
【請求項10】
請求項1に記載の無機粒子分散スラリーからなる電解質形成用スラリーを塗布および乾燥して形成される電解質膜によって構成される、電解質シート。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機粒子分散スラリー、電極シート、電解質シートおよびリチウムイオン電池に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、高電圧が得られ、かつ高エネルギー密度を有する電源として、リチウムイオン電池に注目が集まっており、電気自動車用電源、携帯端末用電源などの用途に用いられている。
【0003】
リチウムイオン電池は、正極および負極を有する電極組立体を備える。ここで、正極と負極は、正極活物質または負極活物質のほかに、高いリチウムイオン伝導性を有する無機粒子を電極添加材として含有することが好ましい。
【0004】
また、正極と負極の間に位置する電解質にも、イオン伝導性を高めるとともに、電解質の機械的強度を向上させる目的で、高いリチウムイオン伝導性を有する無機粒子を含有することが好ましい。
【0005】
ここで、一般式Li
1+x+y
M
1
x
M
2
2-x
Si
y
P
3-y
O
12
(ここで、M
1
はAlおよびGaのうちの一方または両方の原子であり、M
2
はTiおよびGeのうちの一方または両方の原子であり、かつ、xおよびyはいずれも0以上1以下の範囲の数値である)で表される結晶(以下、「LATP系結晶」という場合がある。)を含むガラスセラミックスは、電極添加材として用いた際に電池特性を向上する能力が高く、かつリチウムイオン伝導性が高いため、無機粒子として、リチウムイオン電池の電極添加材や電解質に好適に用いることができる。このようなLATP系結晶を、電極添加材や電解質として電極や複合電解質に含有させたときに、電池特性を向上する特性や、リチウムイオン伝導性を高める特性を発揮するには、電極や複合電解質にLATP系結晶を均一に分散させる必要があるため、LATP系結晶が均一に分散されたスラリーを準備する必要がある。しかしながら、LATP系結晶は、時間が経つにつれてスラリー内で沈降または凝集する傾向がある。
【0006】
無機粒子を含有するスラリーとして、例えば特許文献1には、無機物粒子と、有機バインダー高分子と、及び溶剤とを含んでなり、このうち無機物粒子が0.01μm~15μmの直径を有し、無機物粒子の平均直径をd[μm]としたときに、粘度ηの範囲について、40d
2
で得られる値を下限とし、かつ10,000cPを上限とする、スラリーが記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、少なくともイオン導電体粉体材料と溶剤を含み、ここで、イオン導電体粉体材料は、ガーネット型固体電解質材料、NASICON型固体電解質材料、LISICON型固体電解質材料、ペロブスカイト型固体電解質材料およびその誘導材料のうちの1つを含み、イオン導電体粉体の粒径は1nm~100μmの間であり、ダイヤフラムのコーティング材料、正極材料のクラッド材料、負極材料のクラッド材料、正極材料の添加剤、負極材料の添加剤、高分子固体電解質の添加剤または固体液体混合の固体電解質に用いられる、イオン導電体スラリーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2015-534710号公報
特表2022-528080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1で開示されているスラリーは、無機粒子としてアルミナ無機物粒子やボヘマイト無機物粒子を用いており、それらよりもリチウムイオン伝導度が高い結晶を無機粒子として含ませたときの、無機粒子の溶剤に対する分散性は開示されておらず、ましてや、スラリーに含まれる無機粒子の凝集についても開示されていない。
【0010】
また、特許文献2に記載されるイオン導電体スラリーは、無機粒子としてLi
1.5
Al
0.5
Ti
1.5
(PO
4
)
3
を用いた例が開示されているものの、この例では無機粒子の濃度がイオン導電体スラリーに対して1質量%前後しか含まれておらず、無機粒子の濃度を高めたときに、無機粒子の凝集が起こり難いスラリーを得るためには、分散剤などを含有させる必要があった。ここで、無機粒子の濃度が低いと、イオン導電体スラリーを用いてリチウムイオン電池の電極や電解質を形成する際に、正極活物質や負極活物質などの他の材料などと混合した際に溶剤が過剰になることで、スラリーの粘度の調整が困難になるほか、スラリーの組成を調整することが困難になる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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