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公開番号2025071802
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-08
出願番号2024185882
出願日2024-10-22
発明の名称メディア及びその製造方法
出願人株式会社ニッカトー
代理人弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
主分類B02C 17/16 20060101AFI20250428BHJP(破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理)
要約【課題】メディア及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ビーズミルを使用し、粉砕及び/又は分散用のメディアを、下記条件1を満たすようにビーズミルの粉砕室に入れ、水を、下記条件2を満たすように粉砕室に循環させ、粉砕室内で周速が8m/秒である第1回転速度で撹拌ローターを6時間回転させて測定した前記メディアの第1摩耗率W1と、周速が10m/秒である第2回転速度で前記撹拌ローターを6時間回転させて測定した前記メディアの第2摩耗率W2と、の摩耗比W2/W1が1.7以下であるメディアである。
条件1:メディアの充填量が粉砕室の有効容積の70~85容積%
条件2:ビーズミルに循環させる流量が150~190mL/分
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビーズミルを使用し、
粉砕及び/又は分散用のメディアを、下記条件1を満たすように前記ビーズミルの粉砕質に入れ、
水を、下記条件2を満たすように前記粉砕室に循環させ、前記粉砕室内の撹拌ローターを回転させ、周速が8m/秒である第1回転速度で前記撹拌ローターを6時間回転させて測定した前記メディアの第1摩耗率W1と、周速が10m/秒である第2回転速度で前記撹拌ローターを6時間回転させて測定した前記メディアの第2摩耗率W2と、の摩耗比W2/W1が1.7以下である、メディア。
条件1:メディアの充填量が粉砕室の有効容積の70~85容積%
条件2:ビーズミルに循環させる流量が150~190mL/分
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記メディアが、ジルコニア質メディア、窒化ケイ素質メディア又はアルミナ質メディアである、請求項1に記載のメディア。
【請求項3】
前記メディアが、ジルコニア質メディアであり、前記ジルコニア質メディアが、Y



/ZrO

モル比が2.5/97.5以上3.2/96.8以下の範囲内であり、Al



の含有量が0.1質量%以上30.0質量%以下の範囲内であり、正方晶系ジルコニアを90体積%以上含有し、SiO

が0.2質量%以上1.0質量%以下の範囲内である、請求項1に記載のメディア。
【請求項4】
走査型電子顕微鏡を用いたSEM画像で確認できる前記メディアの最大径であるメディア直径の平均値が、0.015~0.5mmである、請求項1又は2に記載のメディア。
【請求項5】
前記条件1を満たすように前記ビーズミルの粉砕室に入れ、
水を、前記条件2を満たすように前記粉砕室に循環させ、前記粉砕室内で、前記第1回転速度で撹拌ローターを100時間回転させて測定した前記メディアの第3摩耗率W3が50質量ppm/時間以下である、請求項1又は2に記載のメディア。
【請求項6】
電子部品材料に用いる粉体又は医薬用の粉体の粉砕及び/又は分散に用いる、請求項1又は2に記載のメディア。
【請求項7】
ビーズミルを使用し、
粉砕及び/又は分散用のメディアを、下記条件1を満たすように前記ビーズミルの粉砕室に入れることと、
水を、下記条件2を満たすように前記粉砕室に循環させ、前記粉砕室内で、周速が8m/秒である第1回転速度で撹拌ローターを6時間回転させ、前記メディアの第1摩耗率W1を測定することと、
水を、下記条件2を満たすように前記粉砕室に循環させ、前記粉砕室内で、前記第1回転速度よりも速い周速が10m/秒である第2回転速度で前記撹拌ローターを6時間回転させ、前記メディアの第2摩耗率W2を測定することと、
前記第1摩耗率W1に対する前記第2摩耗率W2の摩耗比W2/W1を導き出すことと、
前記摩耗比W2/W1が1.7以下であるメディアを得ること、を含む、メディアの製造方法。
条件1:メディアの充填量が粉砕室の有効容積の70~85容積%
条件2:ビーズミルに循環させる流量が150~190mL/分
【請求項8】
前記粉砕室が縦型の粉砕室である、請求項7に記載のメディアの製造方法。
【請求項9】
前記粉砕室内の温度が15℃以上25℃以下の範囲内である、請求項7に記載のメディアの製造方法。
【請求項10】
前記第1摩耗率W1及び前記第2摩耗率W2は、第1回転速度で撹拌ローターを6時間回転させた後、又は、前記第2回転速度で撹拌ローターを6時間回転させた後、前記水中に含まれる前記メディアを構成する元素のうち最も多い金属元素又は半金属元素である元素Mの量をそれぞれ測定し、前記元素Mの酸化物換算又は窒化物換算の量から、下記式(1)に基づき、前記第1摩耗率W1及び前記第2摩耗率W2を導き出す、請求項7に記載のメディアの製造方法。
TIFF
2025071802000006.tif
31
159
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、メディア及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
セラミックス積層コンデンサ等の電子部品は、小型化や高性能化が進んでいる。原料として使用される粉体の製造には、微粉化、高分散化、及び、高純度化が要求される。これらの要求を満たす粉体を得るために、より微小なメディアを媒体としたビーズミルによる粉砕、分散処理が行われる。ビーズミルは、粉砕室内で、微小メディアを高速撹拌することで被処理粉体の粉砕及び分散を行っている。そのため、使用するメディアに与えられる負荷が大きく、耐衝撃性や耐摩耗性に優れた例えばY



強化ジルコニア質微小メディアが用いられている。
【0003】
ビーズミルに用いられる微小メディアは、大きさが小さいため、ビーズミル等の粉砕室内に多量に投入する必要がある。ビーズミルに投入された微小メディアは、長期間の使用により結晶粒子の脱粒が生じたり、衝撃の繰り返しにより発生したクラックがゆっくり伸展し、ある時点で急激に摩耗が加速したり、割れが発生することがある。メディアの摩耗率が増大すると、微細な摩耗粉が被処理物に混入し、被処理物の純度の低下を招く。メディアに割れが生じると、被処理物に比較的サイズの大きな異物が混入することに繋がり、高性能の被処理物の製造に影響を及ぼす。
長期間の使用により発生する破損等の微小メディアの安定性の評価は、微小メディアの製造時に測定された密度や圧壊荷重値から推測することできない。
【0004】
例えば特許文献1には、ボールミルの粉砕及び/又は分散媒体として用いる部分安定化ZrO

球体が開示されている。特許文献1に開示されている部分安定化ZrO

球体は、安定化剤と少量のAl



を含有し、理論密度に対するかさ密度を特定の範囲とし、平均結晶粒子径及び表面から半径の1/3までの領域における平均結晶粒子径と球心から半径の2/3までの領域における平均結晶粒子径との比を特定の範囲としている。特許文献1には、ボールミルに球体を入れて20~30℃に維持した水を循環させながら一定の周速でディスクを動かして40時間とも擦りをさせ、試験前の重量と試験後の重量とから耐摩耗率を測定することが記載されている。しかしながら、例えば球体の直径が0.5mm以下の微小な球体である場合には、一定の周速でディスク等の撹拌部材を動かしても、球体に加えられる負荷の大小が変化しないため、球体の耐摩耗性等の安定性を評価できない場合がある。
【0005】
例えば特許文献2には、粉砕・分散用メディアとして用いることができる、ZrO

-Y



系ジルコニア質焼結体が開示されている。特許文献2に開示されているZrO

-Y



系ジルコニア質焼結体は、特定の組成を有し、相対密度が特定の範囲であり、平均結晶粒径が特定の範囲である。特許文献2には、ダイノーミルに評価用試料であるメディアを入れ、被処理物を含むスラリーを特定の流速で循環させて、一定の周速でディスク等の撹拌部材を動かして24時間を1回として5回運転し、時間あたりのメディアの摩耗率を測定したことが記載されている。しかしながら、メディアの直径が0.5mm以下の微小メディアである場合、一定の周速でディスク等の撹拌部材を動かしてもメディアに加えられる負荷の大小が変化しないため、メディアの安定性を評価できない場合がある。また、被処理物を含むスラリーを循環させた場合には、被処理物によってメディアの安定性が変化し、メディアの耐摩耗性等の安定性を評価できない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-315246号公報
特開2014-205586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、安定した耐摩耗性を評価されたメディア及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本件発明の第一態様は、ビーズミルを使用し、粉砕及び/又は分散用のメディアを、下記条件1を満たすように前記ビーズミルの粉砕室に入れ、水を、下記条件2を満たすように前記粉砕室に循環させ、前記粉砕室内の撹拌ローターを回転させ、周速が8m/秒である第1回転速度で前記撹拌ローターを6時間回転させて測定した前記メディアの第1摩耗率W1と、周速が10m/秒である第2回転速度で前記撹拌ローターを6時間回転させて測定した前記メディアの第2摩耗率W2と、の摩耗比W2/W1が1.7以下である、メディアである。
条件1:メディアの充填量が粉砕室の有効容積の70~85容積%
条件2:ビーズミルに循環させる流量が150~190mL/分
【0009】
本件発明の第二態様は、ビーズミルを使用し、粉砕及び/又は分散用のメディアを、下記条件1を満たすように前記ビーズミルの粉砕室に入れることと、水を、下記条件2を満たすように前記粉砕室に循環させ、前記粉砕室内で、周速が8m/秒である第1回転速度で撹拌ローターを6時間回転させ、前記メディアの第1摩耗率W1を測定することと、水を、下記条件2を満たすように前記粉砕室に循環させ、前記粉砕室内で、前記第1回転速度よりも速い周速が10m/秒である第2回転速度で前記撹拌ローターを6時間回転させ、前記メディアの第2摩耗率W2を測定することと、前記第1摩耗率W1に対する前記第2摩耗率W2の摩耗比W2/W1を導き出すことと、前記摩耗比W2/W1が1.7以下であるメディアを得ること、を含む、メディアの製造方法である。
条件1:メディアの充填量が粉砕室の有効容積の70~85容積%
条件2:ビーズミルに循環させる流量が150~190mL/分
【発明の効果】
【0010】
本発明は、安定した耐摩耗性が評価されたメディア及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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