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公開番号
2025073358
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-13
出願番号
2023184068
出願日
2023-10-26
発明の名称
バイオマスペレット粉砕装置の調整方法及びバイオマスペレット粉砕装置の運転方法、並びにバイオマスペレット粉砕装置及びボイラ設備
出願人
三菱重工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B02C
15/04 20060101AFI20250502BHJP(破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理)
要約
【課題】適切な高さのダムリングを設置することによって燃料層を安定的に形成することができるバイオマスペレット粉砕装置の調整方法及びバイオマスペレット粉砕装置の運転方法、並びにバイオマスペレット粉砕装置及びボイラ設備を提供する。
【解決手段】バイオマスペレット粉砕装置の調整方法であって、バイオマスペレット粉砕装置は、ハウジング11と、回転テーブル12と、駆動部と、ダムリングと、燃料供給管17と、粉砕ローラ13と、注水部82と、を備え、バイオマスペレット粉砕装置の運転中における、テーブル差圧、ミル差圧及びミル動力をミル負荷指標としたとき、ミル負荷指標の少なくとも1つと、バイオマスペレットへの注水量と、に基づいてダムリングの高さ寸法を決定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
バイオマスペレット粉砕装置の調整方法であって、
前記バイオマスペレット粉砕装置は、
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、中心軸線の回りに回転する回転テーブルと、
前記回転テーブルを駆動する駆動部と、
前記回転テーブルの上面に設けられ、前記中心軸線を中心とした環状部材と、
バイオマス原料を成形したバイオマスペレットを前記環状部材の内側にある前記回転テーブルの領域へ供給する燃料供給管と、
前記バイオマスペレットを前記回転テーブルとの間で噛み込んで粉砕する粉砕ローラと、
前記回転テーブル上の前記バイオマスペレットに注水する注水部と、
を備え、
前記回転テーブルの上方空間と下方空間との差圧をテーブル差圧とし、
粉砕された前記バイオマスペレットを搬送するための搬送ガスが流入する前記ハウジングの入口と、粉砕された前記バイオマスペレット及び搬送ガスが排出される前記ハウジングの出口と、の差圧をミル差圧とし、
前記駆動部の動力をミル動力
とした場合において、
前記バイオマスペレット粉砕装置の運転中における、前記テーブル差圧、前記ミル差圧及び前記ミル動力をミル負荷指標としたとき、
前記ミル負荷指標の少なくとも1つと、前記バイオマスペレットへの注水量と、に基づいて前記環状部材の高さ寸法を決定する
バイオマスペレット粉砕装置の調整方法。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記バイオマスペレット粉砕装置は、
前記ハウジングと前記入口にて接続され、粉砕された前記バイオマスペレットを搬送するための搬送ガスを前記ハウジングの内部に供給する搬送ガス供給ライン
を備え、
前記バイオマスペレット粉砕装置の運転中における前記入口の近傍の温度であるミル入口温度、前記バイオマスペレット粉砕装置の運転中における前記バイオマスペレットの供給量であるバイオマス供給量、及び前記バイオマスペレット粉砕装置を停止させた後に前記回転テーブル上に残った前記バイオマスペレットの量であるバイオマス残量に基づいて前記環状部材の高さ寸法を決定する
請求項1に記載のバイオマスペレット粉砕装置の調整方法。
【請求項3】
バイオマスペレット粉砕装置の運転方法であって、
前記バイオマスペレット粉砕装置は、
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、中心軸線の回りに回転する回転テーブルと、
前記回転テーブルを駆動する駆動部と、
前記回転テーブルの上面に設けられ、前記中心軸線を中心とした環状部材と、
バイオマス原料を成形したバイオマスペレットを前記環状部材の内側にある前記回転テーブルの領域へ供給する燃料供給管と、
前記バイオマスペレットを前記回転テーブルとの間で噛み込んで粉砕する粉砕ローラと、
前記回転テーブル上の前記バイオマスペレットに注水する注水部と、
を備え、
前記回転テーブルの上方空間と下方空間との差圧をテーブル差圧とし、
粉砕された前記バイオマスペレットを搬送するための搬送ガスが流入する前記ハウジングの入口と、粉砕された前記バイオマスペレット及び搬送ガスが排出される前記ハウジングの出口と、の差圧をミル差圧とし、
前記駆動部の動力をミル動力
とした場合において、
前記テーブル差圧、前記ミル差圧及び前記ミル動力をミル負荷指標としたとき、
前記ミル負荷指標の少なくとも1つと、前記バイオマスペレットへの注水量と、に基づいて新たな注水量を決定する
バイオマスペレット粉砕装置の運転方法。
【請求項4】
前記バイオマスペレット粉砕装置は、
前記ハウジングと前記入口にて接続され、粉砕された前記バイオマスペレットを搬送するための搬送ガスを前記ハウジングの内部に供給する搬送ガス供給ライン
を備え、
前記入口の近傍の温度であるミル入口温度及び前記バイオマスペレットの供給量であるバイオマス供給量に基づいて注水量を決定する
請求項3に記載のバイオマスペレット粉砕装置の運転方法。
【請求項5】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、中心軸線の回りに回転する回転テーブルと、
前記回転テーブルの上面に設けられ、前記中心軸線を中心とした環状部材と、
バイオマス原料を成形したバイオマスペレットを前記環状部材の内側にある前記回転テーブルの領域へ供給する燃料供給管と、
前記バイオマスペレットを前記回転テーブルとの間で噛み込んで粉砕する粉砕ローラと、
前記回転テーブル上の前記バイオマスペレットに注水する注水部と、
を備えている
バイオマスペレット粉砕装置。
【請求項6】
請求項5に記載のバイオマスペレット粉砕装置と、
前記バイオマスペレット粉砕装置で粉砕された粉砕バイオマスを燃焼装置で燃焼して蒸気を生成するボイラと、
を備えている
ボイラ設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、バイオマスペレット粉砕装置の調整方法及びバイオマスペレット粉砕装置の運転方法、並びにバイオマスペレット粉砕装置及びボイラ設備に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
火力発電設備等に設置される竪型ローラミル(以下、「ミル」という。)は、石炭やバイオマスペレット等の固体燃料の粉砕・乾燥・分級を行う設備である。
固体燃料は、ハウジング内で回転する粉砕テーブル上に供給され、粉砕テーブルの遠心力により粉砕テーブルの外周部にある粉砕部に供給され、回転自由に支持された粉砕ローラと粉砕部と間で粉砕される。
粉砕ローラは、粉砕部に対して近づいたり離れたりすることができるように支持されており、固体燃料が粉砕ローラと粉砕テーブルの間に噛み込むと、粉砕テーブル上に燃料層が形成されて、それに乗り上がるように粉砕ローラが持ち上がることでローラリフトが生じる。そして、持ち上がった粉砕ローラに油圧シリンダ等で粉砕テーブルに押し付ける方向の粉砕荷重を負荷して粉砕を行う。
粉砕された固体燃料は、粉砕テーブルの最外周部にある吹上げ部から吹き上がる搬送ガスにより乾燥され、吹き上げられ、分級機により粗粉燃料を分離した後、後流へ搬送される。
【0003】
近年は再生可能エネルギの活用が進められており、従来の石炭用ミルでバイオマスを粉砕するニーズが高まっている。
しかしながら、バイオマスは繊維質のため、石炭と比較してミルの圧砕作用による粉砕性が悪く、石炭用ミルを使用して粉砕を行うには、バイオマスの繊維を予め細かく切断する下処理を行い、ペレタイザ等により円柱状に圧縮成形したバイオマスペレットをミルに供給するか、小さく切断したバイオマスチップを石炭に少量(数wt%程度)混入し石炭の摩砕作用によりバイオマスの繊維を切断しながら粉砕を行う必要があった。
【0004】
バイオマスを大量に粉砕する場合は、一般的にはバイオマスペレット(以下、「ペレット」という。)が使用されることが多い。
ペレットは、石炭と比較して粉砕テーブル上に燃料層が形成されにくいため、ローラリフトが小さい傾向にある。これは、供給されるペレットが、円柱状に成形されているために石炭と比較して表面が滑らかで凹凸が少なく、かつ、粒径が揃っており、石炭のように粒子同士の凹凸が噛み込むことで粒子の動きが拘束されることが少ないうえ、外形が円柱状であることからコロのように転がりやすく、粉砕テーブルの回転による慣性力(遠心力)や粉砕荷重によりペレットが容易に移動してしまい、粉砕ローラと粉砕テーブルの間からペレットが逃げ出やすいからである。
【0005】
また、ペレットは、原料によっては樹脂分、蝋分、脂分、タンニンなどを多く含むことがあり、これらの成分は、ペレット表面の摩擦係数の低下を引き起こし、さらに粉砕テーブル上での燃料層の形成を阻害する。
更に、ペレットは、輸送や貯蔵などのハンドリング中の発酵、形状崩壊を防止するため、その水分量は概ね10wt%以下となるように管理される。木材は表面が乾きすぎると、急激に摩擦係数が低下する傾向がある。したがって、過乾燥となる冬季には、ペレットの摩擦係数が低下し、滑りやすくなる。
【0006】
摩擦係数が低下したペレットは、粉砕テーブル上に供給されると、粉砕テーブルの回転による慣性力(遠心力)により粉砕テーブルの外周部にある粉砕部を超えて、粉砕テーブルの最外周部にある吹上げ部まで滑り、もしくは転がって移動するため、粉砕テーブル上の粉砕部に燃料層が形成されにくくなる。
また、粉砕部に留まったペレットも、粉砕ローラから粉砕荷重を受けると滑り、もしくは転がって粉砕部から移動するため、なかなか粉砕ローラと粉砕テーブルの間に噛み込まれず、燃料層を安定的に形成することが難しい。特に、ペレットの原料として、硬くて樹脂分を多く含む原料(例えば、アカシア等の一部の広葉樹)から製造されたペレットは、転がり摩擦係数、滑り摩擦係数が共に低く、滑りやすい。
このようなペレットについては、ローラリフトの確保が難しいだけではなく、粉砕ローラと粉砕テーブルとの間に噛み込まれないことによってミルの粉砕能力の低下を引き起こす。その際、ミルは、動力的な余裕を大きく余した状態でありながら、未粉砕のペレットがミルの内部に滞留して粉砕テーブルを挟んだ上方空間と下方空間と間の差圧(テーブル差圧)が上昇していく状態となるため、安定的な運転継続が困難となり、対策が課題となっていた。
【0007】
ペレットではなく岩石などの鉱物を粉砕する粉砕装置であるが、特許文献1には、粉砕テーブルの外周部にダムリングを設けることで粉砕テーブル上での原料層の厚さを調整できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2003-71306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
燃料層を安定的に形成するために、粉砕ローラと粉砕テーブルとの間に噛み込まれる前のペレットに注水することで摩擦抵抗を増加させて粉砕ローラと粉砕テーブルとの間での噛み込み性を向上させて粉砕性を高める方法が考えられる。
【0010】
一方で、バーナでの燃焼性を確保する観点からミル出口での微粉燃料(ここではペレットが粉砕されたもの意味する。)は乾燥している必要があり、これはミルの出口における一次空気(微粉燃料を搬送するための気体)及び微粉燃料の混合気体の温度(以下、「ミル出口温度」という。)を所定の温度以上に保つことで管理される。
また、一般的にバイオマスは石炭と比較して揮発分が多く発火性が高いため、ペレットへ発火の可能性等を考慮して、ミルの入口における一次空気の温度(以下、「ミル入口温度」という。)を所定の温度未満に保つこととしている。
このような管理手法のため、ペレットへ注水すれば、ハウジング内の雰囲気温度が低下して、これによってミル出口温度も低下する。そうすると、下がったミル出口温度を再び所定の温度以上に保つためにミル入口温度を増加させようとするが、ミル入口温度が所定の温度を超えるような場合にはミルの運転を継続することができなかった。
また、ミルに注水された水分は、気体の状態でボイラから排ガスとして排出されるため、その過程で必要となった蒸発潜熱が排ガス損失となり、ボイラ効率を低下させる可能性がある。
(【0011】以降は省略されています)
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