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公開番号2025070255
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023180428
出願日2023-10-19
発明の名称分散機
出願人淺田鉄工株式会社
代理人弁理士法人タス・マイスター
主分類B02C 17/16 20060101AFI20250424BHJP(破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理)
要約【課題】容器の排出口に偏在するメディアの停滞および閉塞を抑制し、大量の分散対象物を高速に処理可能な分散機を提供する。
【解決手段】 分散機は、回転軸と、回転軸に間隔をおいて取り付けられる複数の分散ディスクと、排出部に対向するよう回転軸に取り付けられる遠心ロータ30とを備えている。遠心ロータ30は、円柱状のロータ本体部31と、ロータ本体部31の外径よりも大きい外径を有する大径部32とを有する。大径部32は、上流側の上面32Aおよび下流側の下面32Bのロータ本体部31の周りに形成されたリング状溝と、両リング状溝の各々の外縁と連通しつつ当該リング状溝から放射状に形成された複数の溝34A、34Bとを有する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
容器内のメディアと当該容器の上流側に設けた投入部から投入した分散対象物を下流側に設けた排出部に向けて送りながら前記メディアを用いて分散するメディア型の分散機であって、
回転軸と、
前記回転軸に間隔をおいて取り付けられる複数の分散ディスクと、
前記複数の分散ディスクの全てよりも下流側において、前記排出部に対向するよう前記回転軸に取り付けられる遠心ロータと、を備え、
前記遠心ロータは、円柱状のロータ本体部と、前記ロータ本体部の外径よりも大きい外径を有する大径部とを有し、
前記大径部は、上流側の上面および下流側の下面の両面に前記ロータ本体部の周りに形成されたリング状溝と、前記リング状溝の外縁と連通しつつ当該リング状溝から放射状に形成された複数の溝とを有し、
前記大径部と前記分散ディスクの下流側面が対向するよう構成したことを特徴とする分散機。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記下面の各溝は、少なくとも前記排出部側が他の部分よりも深く形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の分散機。
【請求項3】
前記排出部は、前記容器の底面中央から挿通される前記回転軸の周りに設けられており、
前記大径部の下面は、外縁から前記回転軸に向けて先細りテーパ状であり、当該下面の溝は、外縁から前記回転軸に向けて深く形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の分散機。
【請求項4】
前記下面の各溝は、前記上面の各溝の深さよりも深く形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の分散機。
【請求項5】
前記回転軸の両端から前記大径部の上面および下面の各々を正面視したとき、複数の溝の占有面積が、前記大径部の面積の15.3%から80%の範囲に設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の分散機。
【請求項6】
前記リング状溝は、前記大径部の厚み方向に貫通する複数の孔を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の分散機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料、インキ、医薬品、化粧品、食品、電池、電子部品などの分散ペーストなどを製造する過程で、分散対象物を供給しながら容器内に投入済みのメディアと一緒に混合しながら分散または粉砕させるメディア型の分散機に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来の分散機としてメディア(例えば、ガラス、ジルコニアなどのビーズ)を用いて分散対象物を分散、撹拌または粉砕させるメディア式の分散機が知られている。例えば、分散機は、容器内の回転軸に等間隔に設けられた分散用の複数のディスクおよび分散ロータクよりも下流側に設けられた遠心ロータを備えている。遠心ロータは、円柱状のロータ本体部と、ロータ本体部の下流側の一端にロータ本体部の外径よりも大きい外径を有する大径部と、大径部の外周側においてロータ本体部を囲うように上流側に突き出た外囲部と、大径部の径方向におけるロータ本体部と外囲部との間に当該大径部の厚み方向に貫通するように大径部に形成された貫通孔とを有する。遠心ロータは、その回転に伴って外囲部により撹拌流を発生させ、排出部側から容器の端面および内周壁に沿って分散対象物および分散対象物に含まれるメディアを上流側に戻している(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7111400号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の分散機は、次のような問題点がある。容器の外径を大きくして分散対象物の投入量を増やす分散機のスケールアップ(例えば、容器を5リットルから20リットル)をすると、遠心ロータの外径も大きくなる。遠心ロータの外径が大きくなると、分散対象物およびメディアを上流側に戻すことができず、メディアが排出口に偏在して停滞および閉塞するといった問題が生じた。そこで本願の発明者達は、当該問題を解決すべく鋭意検討した結果、スケールアップ前の小型機と同じ周速で遠心ロータを回転させると回転数が遅くなり、遠心ロータの上流側に突き出た外囲部によって発生させていた撹拌流ではメディアに作用する遠心力が低下してメディアを運動させることができないといった新たな知見を得た。
【0005】
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、容器の排出口に偏在するメディアの停滞および閉塞を抑制し、大量の分散対象物を高速に処理可能な分散機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような分散機を提供する。
【0007】
すなわち、容器内のメディアと当該容器の上流側に設けた投入部から投入した分散対象物を下流側に設けた排出部に向けて送りながら前記メディアを用いて分散するメディア型の分散機であって、
回転軸と、
前記回転軸に間隔をおいて取り付けられる複数の分散ディスクと、
前記複数の分散ディスクよりも下流側において、前記排出部に対向するよう前記回転軸に取り付けられる遠心ロータと、を備え、
前記遠心ロータは、円柱状のロータ本体部と、前記ロータ本体部の外径よりも大きい外径を有する大径部とを有し、
前記大径部は、上流側の上面および下流側の下面の両面に前記ロータ本体部の周りに形成されたリング状溝と、前記リング状溝の外縁と連通しつつ当該リング状溝から放射状に形成された複数の溝とを有し、
前記大径部と前記分散ディスクの下流側面が対向するよう構成したことを特徴とする分散機。
【0008】
この構成によれば、複数の分散ディスクの回転によって容器に投入したメディアおよび分散対象物が、分散されながら容器の内周壁に沿って下流へと流れる。複数の分散ディスクよりも下流側において、排出部に対向するよう回転軸に取り付けられた遠心ロータは、その回転により大径部を挟んでその上面側および下面側の2つの空間でメディアを含む分散対象物を循環させる。すなわち、遠心ロータの上面および下面に形成された複数の溝が、遠心ロータ周りに到達したメディアを分散対象物とともに掻き上げて溝内にキャッチしたまま容器の内周壁に向けて送り出す。
【0009】
上面の溝から送り出されたメディアを含む分散対象物(以下、適宜に「分散対象物等」と称す)は、容器の内周壁に衝突し、上面と当該上面に対向する分散ディスクの下流側面との空間で回転軸側に戻る。下面の溝から送り出された分散対象物等は、容器の内周壁に衝突し、下面と当該下面に対向する容器の底面との空間で回転軸側に戻る。両空間で回転軸側に戻る分散対象物等は、各リング状溝に引き込まれて再び各溝内を通って容器の内周壁に向けて送り出される。この分散対象物等の一連の流れが繰り返されて循環流となる。
【0010】
したがって、分散機は、回転軸の最下流側に遠心ロータを設けることにより、排出部にメディアが偏在して停滞および閉塞するのを抑制することができ、ひいては分散対象物を容器から効率よく排出することができる。さらに、大径部を挟んで上面側および下面側の2つの空間で生じる各循環流によってメディア同士の速度差による剪断やメディア同士の衝突による分散対象物の微粒子化の作用が得られる。これらの相乗効果により、単位時間当たりの分散対象物の処理量を増加させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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