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公開番号2024145665
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058116
出願日2023-03-31
発明の名称電子供与体供給回収装置、電子供与体の供給方法及び電子供与体の回収方法
出願人株式会社イワキ,一般財団法人電力中央研究所
代理人弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
主分類C02F 3/34 20230101AFI20241004BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】電子供与体を含む液体の容器への供給及び回収を、部品点数を少なくして設備コストを抑えつつ容器の破損を防止し正確且つ効率的に行って省力化を図る。
【解決手段】電子供与体供給回収装置は、電子供与体を含む液体が収容される密閉袋状の複数の容器と、容器の上方に配置され、内容積が圧力変動によって変化しない複数のバッファタンクを直列に接続してなり、一方を液体の注入側、他方を液体の排出側とするバッファタンクアセンブリと、これの液体の注入側及び排出側にそれぞれ接続される複数の弁装置、及び液体の排出側に接続されたポンプ装置を含むポンプ機構と、これの動作を制御する制御手段と、供給する液体を貯留する第1タンクと、回収した液体又は使用済み廃液を貯留する第2タンクとを備える。バッファタンクは、対応する一つの容器にのみ接続される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
微生物に与える電子供与体を含む液体が収容される密閉袋状の複数の容器と、
前記容器の上方に配置され、内容積が圧力変動によって変化しない複数のバッファタンクを直列に接続してなり、一方を前記液体の注入側、他方を前記液体の排出側とするバッファタンクアセンブリと、
前記バッファタンクアセンブリの前記液体の注入側及び排出側にそれぞれ接続される複数の弁装置、及び前記液体の排出側に接続されたポンプ装置を含むポンプ機構と、
前記ポンプ機構の動作を制御する制御手段と、
前記バッファタンクアセンブリの前記液体の注入側に配置され前記容器に供給する前記液体を貯留する第1タンクと、
前記バッファタンクアセンブリの前記液体の排出側に配置され前記容器から回収した前記液体又は使用済み廃液を貯留する第2タンクと、
を備え、
前記バッファタンクは、対応する一つの前記容器にのみ接続され、
前記制御手段は、前記ポンプ機構を制御して、前記バッファタンクアセンブリの複数のバッファタンク内に前記第1タンクから前記液体を供給し、前記バッファタンク内に収容された前記液体を前記容器内に供給し、前記ポンプ機構を制御して、前記液体又は前記廃液を前記容器内から前記第2タンクに回収する
電子供与体供給回収装置。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
前記バッファタンクは、円筒状に形成され、中心軸が垂直方向に延びるように配置され、上端部に水平方向に並ぶように設けられた第1接続口及び第2接続口と、下端部に設けられた第3接続口と、を有し、前記第3接続口を介して前記容器と接続され、
前記バッファタンクアセンブリは、水平方向に配列された前記複数のバッファタンクを有し、
隣設する前段の前記バッファタンクの前記第2接続口と後段の前記バッファタンクの前記第1接続口とは、前記液体の注入側の先頭に配置された前記バッファタンクから前記液体の排出側の後尾に配置された前記バッファタンクにかけて配管でそれぞれ連結され、
前記先頭に配置された前記バッファタンクの前記第1接続口及び前記後尾に配置された前記バッファタンクの前記第2接続口は、前記複数の弁装置のうちの異なる前記弁装置にそれぞれ接続されている
請求項1記載の電子供与体供給回収装置。
【請求項3】
前記ポンプ機構は、
前記バッファタンクアセンブリの前記先頭に配置された前記バッファタンクの前記第1接続口及び前記第1タンクの間に設けられた第1弁装置と、
前記先頭に配置された前記バッファタンクの前記第1接続口に接続された大気開放用の第2弁装置と、
前記後尾に配置された前記バッファタンクの前記第2接続口及び前記ポンプ装置の吸込口の間に設けられた第3弁装置と、
前記バッファタンクアセンブリの前記複数のバッファタンクの前記第3接続口及び前記ポンプ装置の前記吸込口の間に設けられた第4弁装置と、
前記ポンプ装置の吐出口及び前記第1タンクの間に設けられた第5弁装置と、
前記ポンプ装置の前記吐出口及び前記第2タンクの間に設けられた第6弁装置と、
を含む
請求項2記載の電子供与体供給回収装置。
【請求項4】
前記バッファタンクは、円筒状に形成され、中心軸が水平方向に延びるように配置され、中心軸方向の一方の端部に垂直方向の下側及び上側に並ぶようにそれぞれ設けられた第1接続口及び第2接続口を有し、前記第1接続口を介して前記容器と接続され、
前記バッファタンクアセンブリは、水平方向に配列された前記複数のバッファタンクを有し、
隣設する前段の前記バッファタンクの前記第2接続口と後段の前記バッファタンクの前記第1接続口とは、前記液体の注入側の先頭に配置された前記バッファタンクから前記液体の排出側の後尾に配置された前記バッファタンクにかけて配管でそれぞれ連結され、
前記先頭に配置された前記バッファタンクの前記第1接続口及び前記後尾に配置された前記バッファタンクの前記第2接続口は、前記複数の弁装置のうちの異なる前記弁装置にそれぞれ接続されている
請求項1記載の電子供与体供給回収装置。
【請求項5】
前記ポンプ機構は、
前記バッファタンクアセンブリの前記先頭に配置された前記バッファタンクの前記第1接続口及び前記第1タンクの間に設けられた第1弁装置と、
前記先頭に配置された前記バッファタンクの前記第1接続口に接続された大気開放用の第2弁装置と、
前記後尾に配置された前記バッファタンクの前記第2接続口及び前記ポンプ装置の吸込口の間に設けられた第3弁装置と、
前記先頭に配置された前記バッファタンクの前記第1接続口及び前記ポンプ装置の前記吸込口の間に設けられた第4弁装置と、
前記ポンプ装置の吐出口及び前記第1タンクの間に設けられた第5弁装置と、
前記ポンプ装置の前記吐出口及び前記第2タンクの間に設けられた第6弁装置と、
前記後尾に配置された前記バッファタンクの前記第2接続口に接続された大気開放用の第7弁装置と、
を含む
請求項4記載の電子供与体供給回収装置。
【請求項6】
前記第1弁装置及び前記第1タンクの間に流量調節機構を備えた
請求項3又は5記載の電子供与体供給回収装置。
【請求項7】
前記バッファタンクアセンブリの前記各バッファタンク及び前記容器の間に、それぞれ前記容器を前記バッファタンクに対して着脱可能に接続するカプラを備えた
請求項3又は5記載の電子供与体供給回収装置。
【請求項8】
請求項1記載の電子供与体供給回収装置による電子供与体の供給方法であって、
前記制御手段によって前記ポンプ機構を、前記バッファタンクアセンブリの複数のバッファタンク内の圧力が負圧となるように動作させて、前記液体を前記第1タンクから前記複数のバッファタンク内に供給する工程と、
前記制御手段によって前記ポンプ機構を、前記複数のバッファタンク内の圧力が大気圧に近づくように動作させて、前記バッファタンク内に収容された前記液体を前記容器内に供給する工程と、を含む
電子供与体の供給方法。
【請求項9】
請求項3又は5記載の電子供与体供給回収装置による電子供与体の供給方法であって、
前記液体の前記容器内への供給時に、前記制御手段によって、前記第3弁装置及び前記第5弁装置を開動作させると共に前記ポンプ装置を動作させ、前記バッファタンクアセンブリの前記各バッファタンク内の圧力を前記バッファタンクアセンブリと前記容器との水頭未満の負圧にして、前記第1弁装置を開動作させて前記第1タンク内の前記液体を前記バッファタンクアセンブリの前記各バッファタンク内に移送する工程と、
前記制御手段によって、前記第2弁装置を開動作させて前記バッファタンクアセンブリの前記各バッファタンク内の圧力を大気開放させて前記各バッファタンク内の前記液体を自重落下により前記容器内に供給する工程と、を含む
電子供与体の供給方法。
【請求項10】
前記各バッファタンク内の圧力を大気開放するに際し、前記制御手段によって、前記第2弁装置を繰り返し開閉動作させて前記バッファタンクアセンブリの前記各バッファタンク内の負圧を所定期間経過後に大気圧に戻す工程を含む
請求項9記載の電子供与体の供給方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的な脱窒のための電子供与体供給回収装置、電子供与体の供給方法及び電子供与体の回収方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、水生生物の飼育において、飼育水中の排泄物及び残餌等から生じた窒素成分の除去には、新鮮な飼育水を補給して換水を行うことが一般的であった。ただし、換水を常時行うためには、多量の飼育水が必要となり、飼育水の調達及び温度維持等のためのランニングコストが増大する。そして、例えば温度維持に基づくエネルギー消費に伴う二酸化炭素排出量の増大に繋がる等の問題が生じ得る。
【0003】
そのため、近年では、飼育水を換水せずに循環して再利用することで、飼育水の補給量の削減を図ることが求められている。しかし、飼育水の換水量を減らすと飼育水中の硝酸性窒素が増加して水生生物に悪影響を与えるため、飼育水中の硝酸性窒素を効率良く取り除く必要がある。
【0004】
このような飼育水等の被処理水の水中の硝酸性窒素を取り除く方法として、脱窒菌等の微生物を利用する方法が知られている。例えば、下水及び生活排水等の被処理水の処理技術として、槽式間欠曝気装置(特許文献1参照)によって、被処理水に対し脱窒菌が硝酸性窒素を窒素に変換するためのメタノール(電子供与体)を一定量添加する。これにより、硝酸性窒素を窒素に変換(脱窒)し、被処理水の硝酸性窒素の低減を図っている。
【0005】
一方、脱窒バイオリアクター(特許文献2参照)及び電子供与体供給装置(特許文献3参照)等の装置では、メタノール等のアルコール(電子供与体)を封入した膜を袋状に貼り合わせて形成した密閉構造の容器を飼育槽に投入する。これにより、袋状の容器の外側表面に付着した脱窒菌に対し、容器の膜を透過した電子供与体を与えて被処理水の脱窒を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第3260554号公報
特許第3025964号公報
特許第5222234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術の槽式間欠曝気装置では、脱窒の反応槽全体を嫌気に保つ必要がある。このため、水生生物の飼育水の脱窒に用いる場合は、脱窒を行う反応槽を水生生物の飼育槽とは別に設ける必要があり、設備が肥大化してしまうという問題がある。また、反応槽を飼育槽とは別に設けた場合であっても、予期せぬ事故等により反応槽での脱窒の被処理水が飼育槽に混入してしまうと、水生生物が酸欠により死滅してしまうというリスクも否めない。
【0008】
これに対し、上記特許文献2及び3に開示された従来技術の装置では、嫌気状態を保つ箇所を被処理水と接する容器の外側表面のみとすることができるので、反応槽全体を嫌気にする必要はなく、飼育槽を反応槽として利用することが可能である。また、嫌気状態の被処理水による水生生物の死滅のリスクを非常に小さくすることができるので、安全性の高い脱窒を行うことも可能である。
【0009】
その一方で、袋状に密閉した容器に封入した電子供与体を含む液体は、定期的に容器に充填して供給する必要があり、電子供与体に容器の膜を透過できない成分が含まれている場合には、更に容器内に残った液体を適宜回収する必要があるので、手間がかかるという問題がある。また、容器に対して電子供与体を含む液体の充填による供給量が一定でない場合、及び容器内に残った液体を十分に回収できない場合は、安定した脱窒性能が得られないという問題もある。また、容器が膜を貼り合わせて袋状に形成した構造からなるため、液体を充填して供給する際に、容器が内部から加圧されると、破損してしまうおそれもある。
【0010】
また、電子供与体を含む液体の充填による供給及び回収を正確に行うためには、容器に対して切換弁を用いてポンプ装置を接続して行うことが一般的に想定されるが、容器が複数存在する場合は、全ての容器に対してそれぞれ切換弁を設けなければならず、部品点数が増えて設備が煩雑化するという問題がある。更に、電子供与体を含む液体の充填による供給量を直接測定して供給を行う場合には、流量計が必要となるため、設備コストの増加を招いてしまうおそれがある。
(【0011】以降は省略されています)

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