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公開番号2024089252
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-03
出願番号2022204510
出願日2022-12-21
発明の名称水処理用微生物固定化担体
出願人日清紡ケミカル株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C02F 3/10 20230101AFI20240626BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】水処理槽内に投入後速やかに沈降し、良好な水中流動性を有し、環境負荷が小さい水処理用微生物固定化担体を提供する。
【解決手段】ポリウレタンフォームで形成された水処理用微生物固定化担体であって、担体の内部に設定可能な最も長い直線の長さが121mm以下である前記水処理用微生物固定化担体は、25℃の純水における水面から水中への沈降時間が30秒以下、かつ水中における沈降速度が4.0cm/秒以下であり、下記(試験1)において、曝気開始から終了までの間、前記水処理用微生物固定化担体は流動し、かつ水槽の高さを超える量の泡が発生しない、水処理用微生物固定化担体。
(試験1)幅150mm×奥行150mm×高さ350mmの前記水槽に、5Lの純水と、嵩容積で0.5L分の前記水処理用微生物固定化担体とを入れ、該水処理用微生物固定化担体を該水槽の底面に沈降させた後、流量1.5L/分で10分間曝気する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリウレタンフォームで形成された水処理用微生物固定化担体であって、
担体の内部に設定可能な最も長い直線の長さが121mm以下である前記水処理用微生物固定化担体は、25℃の純水における水面から水中への沈降時間が30秒以下、かつ水中における沈降速度が4.0cm/秒以下であり、
下記(試験1)において、曝気開始から終了までの間、前記水処理用微生物固定化担体は流動し、かつ水槽の高さを超える量の泡が発生しない、水処理用微生物固定化担体。
(試験1)幅150mm×奥行150mm×高さ350mmの前記水槽に、5Lの純水と、嵩容積で0.5L分の前記水処理用微生物固定化担体とを入れ、25℃にて該水処理用微生物固定化担体を該水槽の底面に沈降させた後、流量1.5L/分で10分間曝気する。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
水膨潤時の膨潤密度が15.0~60.0kg/m
3
である、請求項1に記載の水処理用微生物固定化担体。
【請求項3】
絶乾状態の体積に対する水膨潤時の体積の比で表される体積膨潤率が150超250%以下である、請求項1又は2に記載の水処理用微生物固定化担体。
【請求項4】
セル構造が、ウォール構造である、請求項1又は2に記載の水処理用微生物固定化担体。
【請求項5】
絶乾密度が、35.0~100.0kg/m

である、請求項1又は2に記載の水処理用微生物固定化担体。
【請求項6】
前記膨潤密度が20.0~30.0kg/m
3
である、請求項2に記載の水処理用微生物固定化担体。
【請求項7】
前記絶乾密度が、45.0~55.0kg/m

である、請求項5に記載の水処理用微生物固定化担体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理用微生物固定化担体(以下、単に「担体」とも言う。)に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
下水やし尿、産業排水等の有機排水の水処理において、微生物により有機物を分解させて水を浄化処理する方法がある。微生物を利用した水処理方法の一つとして、樹脂やセラミックス等の担体に、水処理に有効な微生物を付着(固定化)させた水処理用微生物固定化担体を用いる方法が知られている。水処理用微生物固定化担体は、水処理槽内において、所定の位置に保持される固定床や、微生物による水処理能力向上等の観点から、曝気にて移動可能な状態で使用される流動床等の態様で使用される。
【0003】
従来のポリウレタンフォーム製の担体は、親水性に劣るため、排水処理場の生物処理槽に投入した場合、水に容易に沈降せず水面に浮かんでいる時間が長く、一度に大量の担体を投入すると担体が生物処理槽からあふれたり風で飛ばされてしまうため、担体を必要量投入するまでに時間がかかるという問題があった。従って担体は、水処理用微生物固定化担体投入の効率化の観点から、水処理槽内に投入後、速やかに水面から水中に沈降することが求められる。
ここで、例えば密度の高い担体であれば、担体を水面から水中に早く沈降させることができる。しかし流動床に使用される担体は、水中に沈降した後、曝気によって担体が生物処理槽内を流動することにより、該生物処理槽内の微生物量を高濃度に維持し、処理性能を高く保つことができる。従って担体は、排水処理性能を高く保つため、水中に沈降後、生物処理槽内を十分に流動することが求められる。
このような課題に対して、例えば、特許文献1では、担体をアルコールもしくは界面活性剤溶液中に浸漬して担体自体を親水化することが記載されている。また、例えば、特許文献2では、生物処理槽の槽内水に浸透剤を添加した後に担体を投入し、該担体が沈降した後に曝気を開始して槽内水の旋回流によって担体を流動化させると共に消泡剤を添加することを特徴とする担体の投入方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平5-15889号公報
特開2002-126776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の担体は、親水化されていることから、水処理槽内に投入後、速やかに水面から水中に沈降することができる。しかしながら、投入後に水処理槽内にアルコールや界面活性剤が溶出し、排水の水質を悪化させるという問題があった。さらに、流動床では、界面活性剤が溶出した状態で曝気を開始すると、界面活性剤の影響で気泡が発生し、発生した気泡が担体に付着して担体の流動を阻害するという問題もあった。
また、特許文献2に記載の担体においても、槽内水に浸透剤(界面活性剤)が添加されていることから、速やかに水面から水中に沈降することができる。しかしながら、槽内水に添加された浸透剤により曝気後気泡が発生するため消泡剤が必要となるが、浸透剤や消泡剤により、排水の水質が悪化するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、水処理槽内に投入後速やかに水面から水中に沈降し、良好な水中流動性を有し、かつ環境負荷が小さい水処理用微生物固定化担体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、所定の担体が、水処理槽内に投入後速やかに水面から水中に沈降し、良好な水中流動性を有し、環境負荷が小さいことを見出したことに基づくものである。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の手段を提供する。
[1]ポリウレタンフォームで形成された水処理用微生物固定化担体であって、
担体の内部に設定可能な最も長い直線の長さが121mm以下である前記水処理用微生物固定化担体は、25℃の純水における水面から水中への沈降時間が30秒以下、かつ水中における沈降速度が4.0cm/秒以下であり、
下記(試験1)において、曝気開始から終了までの間、前記水処理用微生物固定化担体は流動し、かつ水槽の高さを超える量の泡が発生しない、水処理用微生物固定化担体。
(試験1)幅150mm×奥行150mm×高さ350mmの前記水槽に、5Lの純水と、嵩容積で0.5L分の前記水処理用微生物固定化担体とを入れ、25℃にて該水処理用微生物固定化担体を該水槽の底面に沈降させた後、流量1.5L/分で10分間曝気する。
[2]水膨潤時の膨潤密度が15.0~60.0kg/m
3
である、上記[1]に記載の水処理用微生物固定化担体。
[3]絶乾状態の体積に対する水膨潤時の体積の比で表される体積膨潤率が150超250%以下である、上記[1]又は[2]に記載の水処理用微生物固定化担体。
[4]セル構造が、ウォール構造である、上記[1]又は[2]に記載の水処理用微生物固定化担体。
[5]絶乾密度が、35.0~100.0kg/m

である、上記[1]又は[2]に記載の水処理用微生物固定化担体。
[6]前記膨潤密度が20.0~30.0kg/m
3
である、上記[2]に記載の水処理用微生物固定化担体。
[7]前記絶乾密度が、45.0~55.0kg/m

である、上記[5]に記載の水処理用微生物固定化担体。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水処理槽内に投入後速やかに水面から水中に沈降し、良好な水中流動性を有し、環境負荷が小さい水処理用微生物固定化担体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
水処理用微生物固定化担体のリブ構造の例を示す図である。
本発明の水処理用微生物固定化担体の一実施形態であるウォール構造の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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