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公開番号2024044416
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022149919
出願日2022-09-21
発明の名称勾配光干渉顕微鏡
出願人株式会社SCREENホールディングス
代理人個人
主分類G02B 21/00 20060101AFI20240326BHJP(光学)
要約【課題】勾配光干渉顕微法において、撮像時間を短縮する技術を提供する。
【解決手段】この勾配光干渉顕微鏡1は、光源20からサンプル配置位置40へ光を入射させる入射経路30と、サンプル配置位置40から出射される透過光または反射光を撮像素子60へ入射させる出射経路50とを含む。入射経路30は順に、入射光を直交する第1偏光波および第2偏光波に分離する第1偏光複像プリズム32と、コンデンサレンズ33とを有する。出射経路50は順に、対物レンズ51と、第2偏光複像プリズム52と、第2偏光複像プリズム52からの出射された合成光を複数経路に分岐する分岐機構56と、複数の分岐光のそれぞれの第2偏光波に互いに異なる位相遅延を生じさせる位相遅延機構58と、偏光板72とを有する。光波を分岐させ、それぞれに位相遅延を行うことで、複数の位相遅延量について同時に撮像することができ、撮像時間を短縮できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
偏光波を用いて位相イメージングを行う勾配光干渉顕微鏡であって、
光源からサンプル配置位置へ光を入射させる入射経路と、
前記サンプル配置位置から出射される透過光または反射光を撮像素子へ入射させる出射経路と、
を含み、
前記入射経路は、順に、
入射光を直交する第1偏光波および第2偏光波に分離する第1偏光複像プリズムと、
前記第1偏光複像プリズムと前記サンプル配置位置との間に配置されるコンデンサレンズと、
を有し、
前記出射経路は、順に、
前記サンプル配置位置から出射される前記透過光また前記反射光が入射される対物レンズと、
前記第1偏光波および前記第2偏光波を合成する第2偏光複像プリズムと、
前記第2偏光複像プリズムからの出射された合成光を、3経路以上の複数経路に分岐する分岐機構と、
複数の分岐光のそれぞれの前記第2偏光波に、互いに異なる位相遅延を生じさせる位相遅延機構と、
複数の分岐光のそれぞれの前記第1偏光波および前記第2偏光波の偏光方向を揃える偏光板と、
を有する、勾配光干渉顕微鏡。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
請求項1に記載の勾配光干渉顕微鏡であって、
前記分岐機構は回折格子である、勾配光干渉顕微鏡。
【請求項3】
請求項2に記載の勾配光干渉顕微鏡であって、
前記分岐機構は位相格子である、勾配光干渉顕微鏡。
【請求項4】
請求項3に記載の勾配光干渉顕微鏡であって、
前記位相格子は、前記撮像素子の撮像面において2次元的に2行2列にフーリエスペクトル分布が現れるように設けられる、勾配光干渉顕微鏡。
【請求項5】
請求項4に記載の勾配光干渉顕微鏡であって、
前記位相遅延機構は、2次元的に2行2列に配置された4つの波長板であり、
4つの前記波長板は、位相遅延量が互いに異なる、勾配光干渉顕微鏡。
【請求項6】
請求項1に記載の勾配光干渉顕微鏡であって、
前記位相遅延機構は、前記分岐光のそれぞれに対応する複数の波長板である、勾配光干渉顕微鏡。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の勾配光干渉顕微鏡であって、
前記分岐機構は、前記合成光を4経路以上に分岐し、
前記位相遅延機構は、4つの分岐光のそれぞれの前記第2偏光波に、0、π/2、π、3π/2の位相遅延を生じさせる、勾配光干渉顕微鏡。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、勾配光干渉顕微法に基づいて定量位相イメージングを行うための撮像装置および撮像方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
細胞などの無色透明な物体をイメージングする技術として、従来、位相差顕微鏡や微分干渉顕微鏡が開発され、使用されている。これらの顕微鏡で得られる位相分布は定性的な位相分布であり、細胞に関する定量的な情報は得られない。
【0003】
例えば、微分干渉顕微鏡では、サンプルを照射する光を、ウォラストンプリズムやノマルスキプリズム等の微分干渉プリズムによって、偏光方向の直交するP偏光とS偏光とに分離するとともに、P偏光とS偏光との照射位置をずらす。このP偏光とS偏光とのずれ量をシア量と称する。そして、各偏光波のサンプルからの透過光または反射光を再度プリズムによって合波させ、干渉させる。このときの干渉強度は、シア量に対する位相差によて変化する。これにより、無色透明な細胞や凹凸のある物体について、形状の変化量(微分)を可視化することができる。しかしながら、この方法では、形状や位相の変化量を可視化できるものの、定量的な情報を取得できない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Nguyen, T.H., Kandel, M.E., Rubessa, M. et al. Gradient light interference microscopy for 3D imaging ofunlabeled specimens. Nat Commun 8, 210 (2017).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、計測対象の位相情報を定量的に取得する定量位相イメージングを行うために、微分干渉顕微鏡に液晶変調素子を追加することにより定量位相を取得する、GLIM(Gradient Light Interference Microscopy)と呼ばれる勾配光干渉顕微法が提案されている。勾配光干渉顕微法については、例えば、非特許文献1に記載されている。
【0006】
非特許文献1に記載の勾配光干渉顕微法では、液晶変調素子を用いて、P偏光とS偏光との一方に4通りの異なる位相遅延量を付加し、それぞれの合波における干渉強度分布から、偏光間の位相差を取得している。そして、偏光間の位相差をシア量で除算することによって、局所的な位相微分を算出する。位相の微分値が画像の各位置において算出されるため、これを積分することによって、計測対象の位相分布を取得することができる。
【0007】
ただし、非特許文献1に記載の勾配光干渉顕微法では、4通りの位相遅延量について撮像を行うためには、4回撮像を行わなければならない。すなわち、従来の微分干渉顕微鏡に比べて、撮像時間が4倍となるため、動的なサンプルへの適用が制限される。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、勾配光干渉顕微法において、撮像時間を短縮する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、偏光波を用いて位相イメージングを行う勾配光干渉顕微鏡であって、光源からサンプル配置位置へ光を入射させる入射経路と、前記サンプル配置位置から出射される透過光または反射光を撮像素子へ入射させる出射経路と、を含み、前記入射経路は、順に、入射光を直交する第1偏光波および第2偏光波に分離する第1偏光複像プリズムと、前記第1偏光複像プリズムと前記サンプル配置位置との間に配置されるコンデンサレンズと、を有し、前記出射経路は、順に、前記サンプル配置位置から出射される前記透過光また前記反射光が入射される対物レンズと、前記第1偏光波および前記第2偏光波を合成する第2偏光複像プリズムと、前記第2偏光複像プリズムからの出射された合成光を、3経路以上の複数経路に分岐する分岐機構と、複数の分岐光のそれぞれの前記第2偏光波に、互いに異なる位相遅延を生じさせる位相遅延機構と、複数の分岐光のそれぞれの前記第1偏光波および前記第2偏光波の偏光方向を揃える偏光板と、を有する。
【0010】
本願の第2発明は、第1発明の勾配光干渉顕微鏡であって、前記分岐機構は回折格子である。
(【0011】以降は省略されています)

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