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公開番号2025127434
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024190843
出願日2024-10-30
発明の名称窒素電池、燃料合成装置及び燃料合成方法
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人弁理士法人セントクレスト国際特許事務所
主分類H01M 12/06 20060101AFI20250825BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高い電気容量及び高いエネルギー密度を有する窒素電池を提供すること。
【解決手段】窒素を正極活物質とする正極と、
負極と、
少なくとも正極の支持電解質としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含有し、かつ、少なくとも正極側に存在する溶媒としてエーテルを含有し、アルカリ金属イオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えた窒素電池。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
窒素を正極活物質とする正極と、
負極と、
少なくとも正極の支持電解質としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含有し、かつ、少なくとも正極側に存在する溶媒としてエーテルを含有し、アルカリ金属イオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えた窒素電池。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記正極側に存在する溶媒としてのエーテルがポリエチレングリコール系エーテルである、請求項1に記載の窒素電池。
【請求項3】
前記イオン伝導媒体が、少なくとも正極側の添加物としてシラン化合物を更に含有するものである、請求項1に記載の窒素電池。
【請求項4】
前記イオン伝導媒体が、前記正極側に存在して前記正極に接触する正極側イオン伝導媒体と、前記負極側に存在して前記負極に接触する負極側イオン伝導媒体とを含むものであり、
前記正極側イオン伝導媒体が、正極の支持電解質としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含有し、かつ、正極側に存在する溶媒としてエーテルを含有するものであり、
前記負極側イオン伝導媒体が、負極の支持電解質としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含有し、かつ、負極側に存在する溶媒としてエーテルを含有するものである、請求項1に記載の窒素電池。
【請求項5】
前記正極側に存在する溶媒としてのエーテル及び前記負極側に存在する溶媒としてのエーテルがともにポリエチレングリコール系エーテルである、請求項4に記載の窒素電池。
【請求項6】
前記正極が、遷移金属イオンが固定化された電極触媒を備えるものである、請求項1に記載の窒素電池。
【請求項7】
前記電極触媒が遷移金属イオンと芳香族ポリカルボン酸イオンとを含む金属有機構造体である、請求項6に記載の窒素電池。
【請求項8】
前記遷移金属イオンがFeイオンであり、前記芳香族ポリカルボン酸イオンが下記式(1):
JPEG
2025127434000013.jpg
28
61
〔前記式中、R

は芳香環を含有する4価の有機基を表し、XはO又はSを表す。〕
で表される芳香族ジカルボン酸イオンである、請求項7に記載の窒素電池。
【請求項9】
前記Feイオンの少なくとも一部が3価のFeイオンである、請求項8に記載の窒素電池。
【請求項10】
請求項1~9に記載の窒素電池を用いた燃料合成装置であって、
前記窒素電池の作動後に得られる窒素の還元反応生成物を水で処理することにより生成するアンモニアを燃料として得る、燃料合成装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素電池、燃料合成装置及び燃料合成方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
窒素を正極活物質とする窒素電池は、電池の放電に相当する還元反応から計算した窒素の理論容量密度が5740mAh/gと非常に大きいことから、高エネルギー密度の電池として期待されている。
【0003】
このような窒素電池として、Chem、2017年4月13日、第2巻、第4号、525~532頁(非特許文献1)には、負極としてリチウム金属を用い、正極と負極との間に非水電解質を配置し、正極で窒素の還元反応を行う電池が提案されている。また、特開2019-145370号公報(特許文献1)には、窒素を正極活物質とする正極と、負極と、シラン化合物を含有し、アルカリ金属イオンを伝導するイオン伝導媒体とを備え、支持電解質としてLi(CF

SO



N〔LiTFSI〕を用いたた窒素電池が開示されている。しかしながら、これらの窒素電池においては、放電電圧や電気容量が必ずしも十分ではなかった。また、特許文献1には、前記窒素電池を用いた燃料合成装置や燃料合成方法が開示されているが、この装置や方法では、燃料(アンモニア)の生成効率が必ずしも十分ではなかった。
【0004】
また、Nature Commun.、2012年、第3巻、1254頁(非特許文献2)には、触媒として鉄錯体を用いた常温常圧での窒素ガスの還元反応が開示されているが、この還元反応では、Fe触媒、シリル化剤及びアルカリ金属の存在下で、窒素をシリル化することによってシリルアミンを合成し、このシリルアミンを水と接触させることによってアンモニアを合成しているため、この還元反応を窒素電池に適用することは困難であった。
【0005】
さらに、J.Phys.Chem C、2015年、第119巻、6556~6567頁(非特許文献3)には、金属有機構造体(MOF)の中心金属である遷移金属にO

又はN

を配置する安定構造において、遷移金属Mと酸素原子O又は窒素原子Nとの原子間距離とO

の酸素原子間距離又はN

の窒素原子間距離とを第一原理計算により算出して比較し、MOFの中心金属である遷移金属がO

又はN

の吸着サイトとして機能するかどうかを予測解析した結果が開示されている。この予測解析結果では、MOFとして、例えば、遷移金属Mの2,5-ジヒドロキシテレフタル酸塩(M

(dobcd))を用いた場合、遷移金属Mに吸着するO

においては、M-O原子間距離が縮まるにつれてO-O原子間距離が、吸着していないO

のO-O原子間距離に比べて伸びる傾向にあることが示されている。この結果は、O

の還元反応においては、M

(dobcd)による酸素原子間の結合力の低下が起こることを示唆しており、M

(dobcd)がO

の還元反応の触媒として作用することが予測される。一方、非特許文献3には、遷移金属Mに吸着するN

においては、M-N原子間距離が縮まってもN-N原子間距離は、吸着していないN

のN-N原子間距離とほとんど変わらないという予測解析結果も示されている。この結果は、N

の還元反応においては、M

(dobcd)による窒素原子間の結合力の低下が起こらないことを示唆しており、M

(dobcd)はN

の還元反応の触媒として作用しないことが予測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-145370号公報
【非特許文献】
【0007】
Chem、2017年4月13日、第2巻、第4号、525~532頁
Nature Commun.、2012年、第3巻、1254頁
J.Phys.Chem C、2015年、第119巻、6556~6567頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高い電気容量及び高いエネルギー密度を有する窒素電池、並びに高効率でアンモニアを合成することが可能な燃料合成装置及び燃料合成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも正極の支持電解質としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を含有し、かつ、少なくとも正極側に存在する溶媒としてエーテルを含有し、アルカリ金属イオンを伝導するイオン伝導媒体を用いることによって、放電電圧(プラトー電圧)が高く、高い電気容量及び高いエネルギー密度を有する窒素電池が得られることを見出し、さらに、この窒素電池を用いることによって、高効率でアンモニアを合成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下の態様を提供する。
[1]窒素を正極活物質とする正極と、負極と、少なくとも正極の支持電解質としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含有し、かつ、少なくとも正極側に存在する溶媒としてエーテルを含有し、アルカリ金属イオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えた窒素電池。
[2]前記正極側に存在する溶媒としてのエーテルがポリエチレングリコール系エーテルである、[1]に記載の窒素電池。
[3]前記イオン伝導媒体が、少なくとも正極側の添加物としてシラン化合物を更に含有するものである、[1]又は[2]に記載の窒素電池。
[4]前記イオン伝導媒体が、前記正極側に存在して前記正極に接触する正極側イオン伝導媒体と、前記負極側に存在して前記負極に接触する負極側イオン伝導媒体とを含むものであり、前記正極側イオン伝導媒体が、正極の支持電解質としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含有し、かつ、正極側に存在する溶媒としてエーテルを含有するものであり、前記負極側イオン伝導媒体が、負極の支持電解質としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含有し、かつ、負極側に存在する溶媒としてエーテルを含有するものである、[1]~[3]のうちのいずれか1項に記載の窒素電池。
[5]前記正極側に存在する溶媒としてのエーテル及び前記負極側に存在する溶媒としてのエーテルがともにポリエチレングリコール系エーテルである、[4]に記載の窒素電池。
[6]前記正極が、遷移金属イオンが固定化された電極触媒を備えるものである、[1]~[5]のうちのいずれか1項に記載の窒素電池。
[7]前記電極触媒が遷移金属イオンと芳香族ポリカルボン酸イオンとを含む金属有機構造体である、[6]に記載の窒素電池。
[8]前記遷移金属イオンがFeイオンであり、前記芳香族ポリカルボン酸イオンが下記式(1):
(【0011】以降は省略されています)

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