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公開番号2025125995
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-28
出願番号2024022335
出願日2024-02-16
発明の名称複合炭素質導電材及び非水電解質二次電池
出願人三星エスディアイ株式会社,SAMSUNG SDI Co., LTD.
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01M 4/62 20060101AFI20250821BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高電圧仕様の電池において正極が高電位状態になり強い酸化環境にさらされた場合であっても、高電圧環境下での炭素質導電材の劣化及び副反応を十分に抑制し、酸化電流の発生を十分に抑制することができる炭素質導電材を提供する。
【解決手段】 カーボンナノチューブと、
該カーボンナノチューブの表面を被覆する被覆層と、を備えた複合炭素質導電材であって、
前記被覆層が、窒素元素(N)とホウ素元素(B)と酸素元素(O)とを含有するものであり、
前記被覆層中における窒素元素(N)の含有量に対するホウ素元素(B)の含有量の比(B/N比)が質量比で0.7以上1.3以下であり、
前記被覆層が含有するホウ素元素(B)の量が、前記複合炭素質導電材100質量%に対して1.0質量%以上21質量%以下である、複合炭素質導電材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
カーボンナノチューブと、
該カーボンナノチューブの表面を被覆する被覆層と、を備えた複合炭素質導電材であって、
前記被覆層が、窒素元素(N)とホウ素元素(B)と酸素元素(O)とを含有するものであり、
前記被覆層中における窒素元素(N)の含有量に対するホウ素元素(B)の含有量の比(B/N比)が質量比で0.7以上1.3以下であり、
前記被覆層が含有するホウ素元素(B)の量が、前記複合炭素質導電材100質量%に対して1.0質量%以上21質量%以下である、複合炭素質導電材。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記被覆層が含有する窒素元素(N)及び窒素元素(B)の合計含有量が、前記複合炭素質導電材100質量%に対して2.0質量%以上50.0質量%以下である、請求項1に記載の複合炭素質導電材。
【請求項3】
前記被覆層が窒化ホウ素を含むものである、請求項1に記載の複合炭素質導電材。
【請求項4】
前記被覆層が含有するホウ素元素(B)の量が、前記複合炭素質導電材100質量%に対して2質量%以上15質量%以下である、請求項1に記載の複合炭素質導電材。
【請求項5】
前記被覆層が含有するホウ素元素(B)の量が、前記複合炭素質導電材100質量%に対して3.6質量%を超えて10質量%以下である、請求項1に記載の複合炭素質導電材。
【請求項6】
前記複合炭素質導電材中における酸素元素(O)の含有量に対するホウ素元素(B)と窒素元素(N)の含有量の比((B+N)/O比)が質量比で0.5以上8.0以下である、請求項1に記載の複合炭素質導電材。
【請求項7】
前記被覆層の厚みが0.3nm以上20nm以下である、請求項1に記載の複合炭素質導電材。
【請求項8】
正極活物質と、導電材とを含有する二次電池用正極であって、
前記導電材が、請求項1~7のいずれか一項に記載の複合炭素質導電材である、二次電池用正極。
【請求項9】
硫化物固体電解質をさらに含有する、請求項8に記載の二次電池用正極。
【請求項10】
正極、負極、セパレータ及び非水電解液を備えた非水電解質二次電池であって、
前記正極が、請求項8に記載の非水電解質二次電池用正極であることを特徴とする非水電解質二次電池。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複合炭素質導電材及びこれを含有する非水電解質二次電池等に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池をはじめとする非水電解質二次電池は、スマートフォンやノート型パソコン等の電源として広く用いられており、最近は車載用など大型電池にも使用されており、さらなる高容量化及び高出力化を目的として、電池の高電圧化が求められている。
【0003】
リチウムイオン二次電池の正極は、主な構成物質である正極活物質だけでなく、正極としての電子伝導性を補完する電子伝導性の優れたカーボンナノチューブ等の炭素質導電材を含有している。
前述したような、高電圧仕様の電池においては、正極が高電位状態になり強い酸化環境にさらされる。正極中の炭素質導電材が高電位環境下に置かれる場合、炭素質導電材自身の劣化または炭素質導電材とリチウムイオン二次電池中の非水電解質との副反応が生じることにより、電池の性能には寄与しない酸化電流が発生し、結果的に電池全体としての性能が低下してしまう。
【0004】
そこで、前述した炭素質導電材の劣化や副反応を抑制する方法として、特許文献1又は特許文献2に記載されているように、炭素質導電材の表面を被覆する被覆層を設けることが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-099355号公報
特開2023-155562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1や特許文献2に記載されている方法では、特に従来よりも高い高電圧環境下における炭素質導電材の劣化及び副反応の抑制が十分ではないことが分かった。ここでいう高電圧環境下とは、例えば、4.5V超える、さらには5.0V以上の電圧環境を指す。
【0007】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、高電圧仕様の電池において正極が高電位状態になり強い酸化環境にさらされた場合であっても、高電圧環境下での炭素質導電材の劣化及び副反応を十分に抑制し、酸化電流の発生を十分に抑制することができる炭素質導電材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は以下のようなものである。
[1] カーボンナノチューブと、
該カーボンナノチューブの表面を被覆する被覆層と、を備えた複合炭素質導電材であって、
前記被覆層が、窒素元素(N)とホウ素元素(B)と酸素元素(O)とを含有するものであり、
前記被覆層中における窒素元素(N)の含有量に対するホウ素元素(B)の含有量の比(B/N比)が質量比で0.7以上1.3以下であり、
前記被覆層が含有するホウ素元素(B)の量が、前記複合炭素質導電材100質量%に対して1.0質量%以上21質量%以下である、複合炭素質導電材。
[2] 前記被覆層が含有する窒素元素(N)及び窒素元素(B)の合計含有量が、前記複合炭素質導電材100質量%に対して2.0質量%以上50.0質量%以下である、[1]に記載の複合炭素質導電材。
[3] 前記被覆層が窒化ホウ素を含むものである、[1]又は[2]に記載の複合炭素質導電材。
[4] 前記被覆層が含有するホウ素元素(B)の量が、前記複合炭素質導電材100質量%に対して2質量%以上15質量%以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の複合炭素質導電材。
[5] 前記被覆層が含有するホウ素元素(B)の量が、前記複合炭素質導電材100質量%に対して3.6質量%を超えて10質量%以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の複合炭素質導電材。
[6] 前記複合炭素質導電材中における酸素元素(O)の含有量に対するホウ素元素(B)と窒素元素(N)の含有量の比((B+N)/O比)が質量比で0.5以上8.0以下である、[1]~[5]のいずれか一項に記載の複合炭素質導電材。
[7] 前記被覆層の厚みが0.3nm以上20nm以下である、[1]~[6]のいずれか一項に記載の複合炭素質導電材。
[8] 正極活物質と、導電材とを含有する二次電池用正極であって、
前記導電材が、[1]~[7]のいずれか一項に記載の複合炭素質導電材である、二次電池用正極。
[9] 硫化物固体電解質をさらに含有する、[8]に記載の二次電池用正極。
[10] 正極、負極、セパレータ及び非水電解液を備えた非水電解質二次電池であって、
前記正極が、[8]又は[9]に記載の非水電解質二次電池用正極であることを特徴とする非水電解質二次電池。
[11] 4.5Vを超える電圧で充放電可能なものである[10]に記載の非水電解質二次電池。
[12] 正極、負極及び固体電解質層を備えた固体二次電池であって、
前記正極が、[8]又は[9]に記載の二次電池用正極であることを特徴とする固体二次電池。
[13] 前記固体電解質層が、硫化物固体電解質を含有するものである、[12]に記載の固体二次電池。
[14] 4.5Vを超える電圧で充放電可能なものである[12]又は[13]に記載の固体二次電池。
[15] カーボンナノチューブの表面の一部又は全部を覆うように酸化ホウ素からなる前駆層を形成する前駆層形成工程と、
前記前駆層を形成している酸化ホウ素を窒化させて、前記前駆層をホウ素元素と窒素元素とを含有する被覆層とする窒化工程とを含む、複合炭素質導電材の製造方法であって、
前記被覆層中における窒素元素(N)の含有量に対するホウ素元素(B)の含有量の比(B/N比)が質量比で0.7以上1.3以下であり、
前記被覆層が含有するホウ素元素(B)の量が、前記複合炭素質導電材100質量%に対して1.0質量%以上21質量%以下である、複合炭素質導電材製造方法。
[16] 前記前駆層形成工程が、カーボンナノチューブを表面にホウ素元素(B)を含有する溶液に浸漬する工程、又はカーボンナノチューブの表面にホウ素元素(B)を含有する溶液を塗布する工程を含むものである、[15]に記載の複合炭素質導電材製造方法。
[17] 前記被覆層が窒化ホウ素を含むものである、[15]又は[16]に記載の複合炭素質導電材製造方法。
[18] 前記被覆層の厚みが0.3nm以上20nm以下である、[15]~[17]のいずれか一項に記載の複合炭素質導電材製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高電圧仕様の電池において正極が高電位状態になり強い酸化環境にさらされた場合であっても、高電圧環境下での炭素質導電材の劣化及び副反応を十分に抑制し、酸化電流の発生を十分に抑制することができる炭素質導電材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態に係る二次電池の具体的な構成について説明する。
<1.非水電解質二次電池の基本構成>
本実施形態に係る非水電解質二次電池は、図1に示すように、正極と、負極と、セパレータ(separator)と、非水電解液と、これらを内部に収容する筐体とを備えるリチウムイオン二次電池である。
リチウムイオン二次電池の形態は、特に限定されないが、例えば、円筒形、角形、ラミネート(laminate)形、またはボタン(button)形等のいずれであってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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