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公開番号2025117108
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024011795
出願日2024-01-30
発明の名称回転電機及びこれを備えた車両
出願人株式会社日立インダストリアルプロダクツ
代理人ポレール弁理士法人
主分類H02K 9/06 20060101AFI20250804BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】冷却性能を向上させた回転電機を提供する。
【解決手段】回転子2を構成する回転子鉄心7には、前記回転子の軸方向に貫通し界磁コイル12の径方向内側の位置において周方向に沿って複数形成されたアキシャルダクト18と、周方向において隣り合う界磁コイル12の間に位置する磁極部24と、回転子2の径方向内側から径方向外側に向かって延びる複数の回転子側中間ダクトと、を備える。回転子側中間ダクトは、径方向内側の先端部がアキシャルダクト18の径方向外側端部よりも径方向外側に位置する回転子側第1中間ダクト21aと、径方向の長さが回転子側第1中間ダクト21aよりも長い回転子側第2中間ダクト21bと、を備える。磁極部24の周方向端部には、回転子側第1中間ダクト21aを配置するようにした。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
回転子鉄心のスロットに界磁コイルが巻回された回転子と、前記回転子の径方向外側にギャップを設けて配置され固定子鉄心に固定子コイルが巻回された固定子と、を備えた回転電機において、
前記回転子鉄心には、
前記回転子の軸方向に貫通して冷媒を流通させると共に、前記界磁コイルの径方向内側の位置において周方向に沿って複数形成された空孔部と、隣り合う前記空孔部を接続するブリッジ部の径方向外側に位置し、周方向において隣り合う前記界磁コイルの間に位置する磁極部と、前記回転子の径方向内側から径方向外側に向かって延び、前記界磁コイルと前記磁極部に前記冷媒を流す回転子側通風路を形成する複数の回転子側中間ダクトと、を備え、
前記回転子側中間ダクトは、径方向内側の先端部が前記空孔部の径方向外側端部よりも径方向外側に位置する回転子側第1中間ダクトと、径方向の長さが前記回転子側第1中間ダクトよりも長い回転子側第2中間ダクトと、を備え、
前記磁極部の周方向端部には、前記回転子側第1中間ダクトを配置したことを特徴とする回転電機。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、
前記固定子鉄心には、前記回転子側通風路から吐出された前記冷媒を前記固定子コイルに流すための固定子側通風路を形成する固定子側中間ダクトを備えたことを特徴とする回転電機。
【請求項3】
請求項2に記載の回転電機において、
前記回転子側中間ダクトと前記固定子側中間ダクトは、軸方向位置を一致させたことを特徴とする回転電機。
【請求項4】
請求項2に記載の回転電機において、
前記回転子側中間ダクト及び前記固定子側中間ダクトの径方向内側端部は円弧形状に形成したことを特徴とする回転電機。
【請求項5】
請求項2に記載の回転電機において、
前記固定子鉄心の径方向外側に、前記固定子鉄心を固定するフレームを備え、
前記固定子鉄心と前記フレームとの間には、軸方向に連通し、前記固定子側通風路と接続する背面ダクトを備えたことを特徴とする回転電機。
【請求項6】
請求項1に記載の回転電機において、
前記回転子側第2中間ダクトは、前記ブリッジ部から前記磁極部に亘って配置したことを特徴とする回転電機。
【請求項7】
請求項6に記載の回転電機において、
前記回転子側第2中間ダクトは、前記ブリッジ部から前記磁極部に亘る一つの領域に複数備えたことを特徴とする回転電機。
【請求項8】
請求項1に記載の回転電機において、
前記界磁コイルに前記冷媒を流す通風路は、前記回転子側第1中間ダクトのみで構成したことを特徴とする回転電機。
【請求項9】
請求項1に記載の回転電機において、
隣り合う前記スロットの間には円柱状のダンパーバーを備え、
前記回転子側中間ダクトの周方向幅は前記ダンパーバーの直径より小さくしたことを特徴とする回転電機。
【請求項10】
請求項1に記載の回転電機において、
前記回転子側第2中間ダクトの径方向内側に、周方向の幅を厚くした肉厚部を備えたことを特徴とする回転電機。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機及びこれを備えた車両に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、CO2排出量を抑えるために、回転電機の高効率化が図られている。また、自動車、鉄道等のビークル系に適用される回転電機に関しては、高効率化の他に小型・軽量化も求められている。回転電機の軽量化を図ることで、車体自体を軽くすることができることから、燃費が向上し、結果的に自動車、鉄道システムとしての効率を向上することに繋がっている。
【0003】
鉄道車両や建設車両等の電源供給用に適用される回転電機では、車体を駆動させための電源(トラクション用)と、その他のアクセサリー用の補助電源の二系統を有することになる。この二系統は、用途が全く異なるため、双方の容量、電気特性は全くことなる仕様となる。このため、回転電機のフレーム内に容量が異なる回転電機が二台配置され、回転する同軸上に回転子が二台連なる構成となる。
【0004】
一般的に、小型・軽量化と回転電機の効率はトレードオフの関係になるため、小型・軽量化を優先させれば回転電機の効率は低下する。即ち、損失が大きくなることを意味している。つまり、出力密度の増加と同時に発熱密度も増加することとなる。このため、小型・軽量化を優先して回転電機として成立させるためには、冷却性能の向上が必須となる。回転電機の冷却には様々な方式があるが、構造が単純で冷却性能が高い冷却方式は軸流開放形である。回転電機の内部と外部(外気)がダイレクトに繋がっている構造である。回転電機を冷却するための冷媒(空気)は回転電機内の回転軸に配置される自冷ファンや、回転電機とは別に設置される電動ブロアにより得ることができる。特に、回転電機が停止中でも冷却する必要がある場合等は、電動ブロアにより強制的に冷媒を回転電機内に流す方法が採用される(強制通風)。
【0005】
更に回転電機内部の風量の増加と冷却効果を向上させるために、回転電機の軸方向に中間ダクトが配置される。回転電機の電磁気部は電磁鋼板が積層され、積層した電磁鋼板と中間ダクトが交互に軸方向へ配置される構造となる。この中間ダクトを配置することで、回転子が回転することによる、ファンアクション(オイラーヘッド圧力)が加味され、全体の冷媒流量が増加される。また、界磁コイル及び固定子コイルが直接、冷媒に晒されるため温度低減効果が向上する。このため、中間ダクトを設けた回転電機の冷却方式が検討されており、例えば特許文献1に記載の技術が提案されている。
【0006】
特許文献1には、回転子の径方向外側に向かって延びた中間ダクトを備えた回転電機が記載されている。特許文献1の中間ダクトは、同一形状のものが複数用いられており、周方向に等ピッチになるように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2021-72714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1では、回転子の内径に空孔部(アキシャルダクト)が設けられている。これはブロアやファンによる冷媒を軸方向へ通風させるための空孔部となる。空孔部は界磁コイルの径方向内側(内周側)の延長上に位置するように配置されている。界磁コイルに冷媒を導く中間ダクトは、空孔部を跨ぐように配置されている。空孔部から流入した冷媒は上述したファンアクションにより、中間ダクトによって径方向に通風することになるが、通風路としての大半は界磁コイルが配置された部分のみとなり、磁極部(界磁コイルが配置されていない領域)には、ほぼ流入しない構造となっている。これは、円筒形同期回転電機特有の構造であり、界磁コイル部と磁極部が周方向に交互に構成され、且つ、中間ダクトが特許文献1のような構成のため生じる。回転子の径方向への冷媒通風路は界磁コイルと中間ダクトの隙間となり、この間隔は狭いことから、通風抵抗としては過大となり、ギャップへ入流する冷媒流量も低下し全体風量も低下することになる。
【0009】
本発明の目的は、冷却性能を向上させた回転電機及びこれを備えた車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、回転子鉄心のスロットに界磁コイルが巻回された回転子と、前記回転子の径方向外側にギャップを設けて配置され固定子鉄心に固定子コイルが巻回された固定子と、を備えた回転電機において、前記回転子鉄心には、前記回転子の軸方向に貫通して冷媒を流通させると共に、前記界磁コイルの径方向内側の位置において周方向に沿って複数形成された空孔部と、隣り合う前記空孔部を接続するブリッジ部の径方向外側に位置し、周方向において隣り合う前記界磁コイルの間に位置する磁極部と、前記回転子の径方向内側から径方向外側に向かって延び、前記界磁コイルと前記磁極部に前記冷媒を流す回転子側通風路を形成する複数の回転子側中間ダクトと、を備え、前記回転子側中間ダクトは、径方向内側の先端部が前記空孔部の径方向外側端部よりも径方向外側に位置する回転子側第1中間ダクトと、径方向の長さが前記回転子側第1中間ダクトよりも長い回転子側第2中間ダクトと、を備え、前記磁極部の周方向端部には、前記回転子側第1中間ダクトを配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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