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公開番号
2025111624
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-30
出願番号
2025071366,2024052420
出願日
2025-04-23,2024-03-27
発明の名称
Sm-Fe-N系磁性粉体の製造方法およびSm-Fe-N系磁性粉体
出願人
DOWAホールディングス株式会社
,
国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
個人
主分類
H01F
41/02 20060101AFI20250723BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】高い最大エネルギー積(BH)
max
を呈し、かつ不純物が少ない、ボンド磁石の性能向上、製造性向上に有用なSm-Fe-N系磁性粉体を提供する。
【解決手段】ガスアトマイズ法による凝固過程で形成されたSm/Feモル比が0.09以上0.25以下であるSm-Fe系合金の粉体を、900℃以上1200℃以下の温度に加熱することにより、その粉体の粒子の結晶粒を粗大化させる熱処理工程と、
前記熱処理工程によって結晶粒が粗大化したSm-Fe系合金の粉体を粉砕することにより、その粉体の粒子を、結晶粒内破壊を含む破断により微細化する粉砕工程と、
前記粉砕工程により微細化したSm-Fe系合金の粉体を、窒素化合物または窒素を含有する非酸化性ガス雰囲気中で500℃以下の温度範囲に加熱保持することにより、その粉体の粒子に窒素を導入する窒化工程と、
を有するSm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
ガスアトマイズ法による凝固過程で形成されたSm/Feモル比が0.09以上0.25以下であるSm-Fe系合金の粉体を、900℃以上1200℃以下の温度に加熱することにより、その粉体の粒子の結晶粒を粗大化させる熱処理工程と、
前記熱処理工程によって結晶粒が粗大化したSm-Fe系合金の粉体を粉砕することにより、その粉体の粒子を、結晶粒内破壊を含む破断により微細化する粉砕工程と、
前記粉砕工程によって微細化したSm-Fe系合金の粉体を、窒素化合物または窒素を含有する非酸化性ガス雰囲気中で500℃以下の温度範囲に加熱保持することにより、その粉体の粒子に窒素を導入する窒化工程と、
を有するSm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記粉砕工程で粉砕に供するSm-Fe系合金の粉体は、前記熱処理工程後に、水素雰囲気中で加熱保持する水素処理が施されたものである、請求項1に記載のSm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。
【請求項3】
前記粉砕工程において、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布における累積50%粒子径D
50
が0.5μm以上5.0μm以下である粉体を得る、請求項1または2に記載のSm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。
【請求項4】
前記粉砕工程において、Sm-Fe系合金の粉体を、ジェットミルを用いて粉砕する、請求項1または2に記載のSm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。
【請求項5】
前記窒化工程における非酸化性ガス雰囲気が窒素ガス雰囲気である、請求項1または2に記載のSm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。
【請求項6】
前記Sm-Fe-N系磁性粉体は、最大エネルギー積(BH)
max
が150kJ/m
3
以上である、請求項1または2に記載のSm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。
【請求項7】
前記Sm-Fe-N系磁性粉体は、Th
2
Zn
17
型結晶構造を有するものである、請求項1または2に記載のSm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。
【請求項8】
前記Sm-Fe-N系磁性粉体は、N/Feモル比が0.06以上0.30以下である、請求項1または2に記載のSm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。
【請求項9】
Sm、Fe、Nを主成分とする粒子からなる粉体であって、Feに対するSmのモル比Sm/Feが0.09以上0.25以下、かつ当該粉体中のCa含有量が0.005質量%以下である組成を有し、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布における累積50%粒子径D
50
が0.5μm以上5.0μm以下であり、最大エネルギー積(BH)
max
が150kJ/m
3
以上である、Sm-Fe-N系磁性粉体。
【請求項10】
角形比σ
r
/σ
s
が0.760以上である、請求項9に記載のSm-Fe-N系磁性粉体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、Sm-Fe-N系磁性粉体の製造方法およびSm-Fe-N系磁性粉体に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
Sm
2
Fe
17
金属間化合物に窒素を導入した物質(代表的な組成式はSm
2
Fe
17
N
3
)は優れた硬磁性を呈する強磁性体であることが知られている。本明細書では、Sm
2
Fe
17
の化学量論組成またはその周辺組成におけるSm-Fe系合金に窒素を導入した物質の粉体であって、強磁性体であるものを「Sm-Fe-N系磁性粉体」と呼ぶ。Sm-Fe-N系磁性粉体は、ボンド磁石の素材として有用である。
【0003】
Sm-Fe-N系磁性粉体の製造技術として、アトマイズ法、単ロール法などの凝固プロセスを利用する方法や、Caなどを還元剤に用いた還元拡散法を利用する方法が知られている。
【0004】
例えば特許文献1には、ガスアトマイズ法によりSm
2
Fe
17
合金の球状粒子を合成し、得られた粉体を管状炉で窒化処理して、Sm
2
Fe
17
N
3
組成の合金粉末を得たことが記載されている。ガスアトマイズ法で得られた粒子の平均粒径は110μm(段落0012)あるいは80μm(段落0014)である。
【0005】
特許文献2には、ガス噴霧、ガス-水噴霧および水噴霧によるアトマイズ法で、Sm-Fe系あるいはSm-Fe-C系にSi等の元素を添加した組成の磁性粉を合成した例が記載されている。粒子径は80~110μm程度である(段落0019)。得られた粒子を窒化処理することによりSm-Fe-(C)-Si-N系の粉体が得られている。窒化後の磁性粉は、最大エネルギー積(BH)
max
が6~13MGOe(48~103kJ/m
3
)程度であるものが多く、最大でも18.2MGOe(145kJ/m
3
)(表5)である。
【0006】
特許文献3には、単ロール法で得られた薄板状の急冷合金を750℃で熱処理したのち450℃で2時間窒化処理し、その後、粉砕する方法で、粒径106μm以下のSm-Fe-N系磁性粉体を得た例が示されている(実施例1)。その粉体の最大エネルギー積(BH)
max
は102kJ/m
3
である(表2)。
【0007】
特許文献4には、Caを用いた還元拡散法および窒化処理を利用してSm-Fe-N系などの磁性粉体を得るに際し、還元反応を2回に分けて行う工程を採用することにより、粉砕工程を一切用いないで平均粒子径5μm以下の粉体を得る技術が開示されている。第二還元工程を終えた粉末について、「水洗の後に酢酸等の弱酸を使用してカルシウムの分離を徹底する。」と記載されている。それでも実施例で得られた粉末には0.01wt%のCaが残存している(段落0034、0037、0047、0050、0060)。
【0008】
特許文献5には、Caを用いた還元拡散法で得られた粒子に、水素処理と解砕処理を施したのち窒化処理を施す方法を利用して、コアシェル構造のSm-Fe-N系磁性粉体を得る技術が開示されている。実施例で得られているSm-Fe-N系磁性粉体の粒子径はD
50
が2.8~9.1μmであり(段落0122、0131、0136、0139、0144、0151、0158、0165、0172)、残留磁化σ
r
は101~102Am
2
/kg程度である(段落0123、0133)。粒子にはCaが例えば0.01質量%未満で含まれる(段落0114)。外層と内層からなるシェルの内層にはCaが含まれないとされるが、特許文献5でいう「Caを含有しない」とは、Ca含有量が1.0原子%未満であることを意味する(段落0043)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平7-11307号公報
特開2001-68315号公報
特開2002-246212号公報
特開平11-310807号公報
特開2022-177699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
近年、自動車モーターやセンサーの高性能化に対応すべく、Sm-Fe-N系磁性粉体を用いたボンド磁石には、磁気特性のより一層の向上が期待されている。特に、異方性ボンド磁石の特性向上には、最大エネルギー積(BH)
max
ができるだけ高い磁性粉体を適用することが有利となる。アトマイズ法、単ロール法などの急冷凝固プロセスで得られる凝固金属は微結晶からなる多結晶組織となるのが一般的である。そのような微細多結晶の凝固金属に由来する磁性粉体において、高い(BH)
max
を実現することは容易でない。特許文献2、3には上述のようにSmを用いた磁性粉体の(BH)
max
値が示されているが、異方性ボンド磁石の特性改善に寄与するためには(BH)
max
の更なる向上が望まれる。
(【0011】以降は省略されています)
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