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公開番号
2025061895
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-11
出願番号
2025012507,2021062435
出願日
2025-01-28,2021-03-31
発明の名称
ポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法
出願人
KBセーレン株式会社
代理人
主分類
D01F
6/76 20060101AFI20250403BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】 紡糸や延伸工程での操業性、効率よく繊維を得ることができ、毛羽や単糸切れの少ない品位の高いポリフェニレンスルフィド繊維を得ること。
【解決手段】 口金ノズル孔部の紡糸ドラフトと剪断速度との関係が(1)~(5)のいずれか1の条件を満たし、口金ノズル孔部のランド長(L)とノズル孔の直径(D)の比である、L/Dが0.8~4の口金を用いて紡糸する、主たる構成単位がp-フェニレンスルフィド単位であるポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法である。
(1)紡糸ドラフト5以上7.5未満の時、剪断速度85,000~140,000
(2)紡糸ドラフト7.5以上9.5未満の時、剪断速度60,000~100,000
(3)紡糸ドラフト9.5以上14未満の時、剪断速度45,000~80,000
(4)紡糸ドラフト14以上18未満の時、剪断速度20,000~60,000
(5)紡糸ドラフト18以上180未満の時、剪断速度5,000~40,000
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
口金ノズル孔部の紡糸ドラフトと剪断速度との関係が(1)~(5)のいずれか1の条件を満たし、口金ノズル孔部のランド長(L)とノズル孔の直径(D)の比である、L/Dが0.8~4の口金を用いて紡糸する、主たる構成単位がp-フェニレンスルフィド単位であるポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
(1)紡糸ドラフト5以上7.5未満の時、剪断速度85,000~140,000
(2)紡糸ドラフト7.5以上9.5未満の時、剪断速度60,000~100,000
(3)紡糸ドラフト9.5以上14未満の時、剪断速度45,000~80,000
(4)紡糸ドラフト14以上18未満の時、剪断速度20,000~60,000
(5)紡糸ドラフト18以上180未満の時、剪断速度5,000~40,000
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
紡糸油剤の成分として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールから選ばれる1種からなる単成分ポリエーテルまたは2種以上を共重合した共重合ポリエーテルを含むことを特徴とする請求項1記載のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
【請求項3】
紡糸油剤として、オクチルホスフォネート塩を含むことを特徴とする請求項1記載の低乾熱性ポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
【請求項4】
単糸繊度4dtex以上であり、100万mあたりの毛羽数が2個以下であるポリフェニレンスルフィド繊維。
【請求項5】
単糸繊度2dtexを超えて4dtex未満であり、100万mあたりの毛羽数が5個以下であるポリフェニレンスルフィド繊維。
【請求項6】
単糸繊度2dtex以下であり、100万mあたりの毛羽数が8個以下であるポリフェニレンスルフィド繊維。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
工業用フィルターは、耐薬品性や寸法安定性、熱耐久性等の点から、現在では、ポリフェニレンスルフィド、ポリフッ化ビニリデン、液晶ポリエステルなどからなるメッシュ織物が多く使用されている。特に、ポリフェニレンスルフィド製のメッシュ織物は、耐薬品性、寸法安定性やコストパフォーマンスに優れ、高度なフィルター性能が求められる分野に適しているため、広く用いられている。さらに、近年、フィルターの高性能化から、単糸繊度の極細化、細物のモノフィラメント、かなりの太い繊維など要求される繊度、単糸繊度、物性(強度、収縮率)など多岐にわたる。これに伴って、繊維の生産性や均一性なども重要視されている。
特許文献1は、高強度、高伸度で熱的寸法安定性の高いポリフェニレンスルフィド繊維を直接紡糸延伸法で延伸し、毛羽や糸切れの少なくする主に延伸工程での製造方法について記載されている。
また、特許文献2には、高強度、高伸度で熱的寸法安定性の高いポリフェニレンスルフィド繊維を直接紡糸延伸法で延伸する手法で、メルトフローレート、口金のL/D、冷却法、延伸条件などを規定し、毛羽や糸切れの少なくする製造方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4962361号公報
特開2001-262436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法では、具体的には、インターレースを使用し糸の5から20個/mの交絡を入れ、糸を収束させるなどして製造されており、毛羽数は1千万km当たり、20個を超える個数があり、糸品位が優れているものではなかった。
特許文献2のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法に規定されているL/Dは2.5~8が良いと記載されているが、L/Dが高すぎると、ノズル孔部の背圧が高くなり過ぎて、パック内の後圧が高くなり、紡糸不可、長時間の紡糸ができないという課題がある。また、ゲルやコンタミの混入を除去するためのフィルターのクリアランスを細かくできない恐れがある。また、紡糸油剤として、平滑剤、活性剤、乳化剤などを主成分とする水系エマルジョンが使用されているが、ポリエーテル類やホスホン酸塩などの制電剤が含まれている記述は無く、毛羽の減少対策には不十分である。
【0005】
したがって、本発明は上記の課題を解決し、紡糸や延伸工程での操業性、効率よく繊維を得ることができ、毛羽や単糸切れの少ない品位の高いポリフェニレンスルフィド繊維を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、ポリフェニレンスルフィド繊維において、特定の紡糸ノズル孔部のL/Dの紡糸ドラフト及び剪断速度にすることによって、繊維中の含まれる毛羽数の低減を可能にして、品位の高い繊維が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、第一に、口金ノズル孔部の紡糸ドラフトと剪断速度との関係が(1)~(5)のいずれか1の条件を満たし、口金ノズル孔部のランド長(L)とノズル孔の直径(D)の比である、L/Dが0.8~4の口金を用いて紡糸する、主たる構成単位がp-フェニレンスルフィド単位であるポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法である。
(1)紡糸ドラフト5以上7.5未満の時、剪断速度85,000~140,000
(2)紡糸ドラフト7.5以上9.5未満の時、剪断速度60,000~100,000
(3)紡糸ドラフト9.5以上14未満の時、剪断速度45,000~80,000
(4)紡糸ドラフト14以上18未満の時、剪断速度20,000~60,000
(5)紡糸ドラフト18以上180未満の時、剪断速度5,000~40,000
本発明は第二に、紡糸油剤の成分として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールから選ばれる1種からなる単成分ポリエーテルまたは2種以上を共重合した共重合ポリエーテルを含むことを特徴とする上記ポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法である。
本発明は第三に、紡糸油剤として、オクチルホスフォネート塩を含むことを特徴とする上記の低乾熱性ポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法である。
本発明は第四に、単糸繊度4dtex以上であり、100万mあたりの毛羽数が2個以下であるポリフェニレンスルフィド繊維である。
本発明は第五に、単糸繊度2dtexを超えて4dtex未満であり、100万mあたりの毛羽数が5個以下であるポリフェニレンスルフィド繊維である。
本発明は第六に、単糸繊度2dtex以下であり、100万mあたりの毛羽数が8個以下であるポリフェニレンスルフィド繊維である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維によれば、紡糸ノズル孔部のL/Dの紡糸ドラフト及び剪断速度を特定することによって、紡糸及び延伸操業性の大きな向上と繊維中の毛羽の低減し、繊維の品位の向上ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の繊維の製造方法において、紡糸ドラフトと剪断速度との関係を示すグラフの例である。
本発明の繊維の製造方法において、紡糸ドラフトと剪断速度との関係を示すグラフの他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明において、ポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法としては、例えば、紡糸機を用いて、樹脂を溶融し、溶融した樹脂をフィルターでろ過した後、紡糸ノズル、口金ノズル孔部を介して紡出する。その後、糸条は冷却ゾーンにて冷却固化し、所定の紡糸速度でワインディングし、未延伸糸ボビンを採取し、延伸機にて、延伸及び熱セットを行い、延伸糸を製造する方法コンベンショナル法が好適に挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)
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