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公開番号2025054180
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-07
出願番号2024111165
出願日2024-07-10
発明の名称繊維及び繊維用品
出願人大日本印刷株式会社
代理人個人,個人
主分類D01F 6/62 20060101AFI20250328BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】環境負荷を低減できる繊維と、該繊維を用いた繊維用品とを提供する。
【解決手段】本開示の繊維は、ポリエステルペレットを用いた繊維であって、前記ポリエステルペレットが、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを含み、前記ジオール単位が、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1種のガスを原料とするエチレングリコールを含み、前記ポリエステルペレットの固有粘度が、0.50dL/g以上0.90dL/g以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステルペレットを用いた繊維であって、
前記ポリエステルペレットが、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを含み、
前記ジオール単位が、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1種のガスを原料とするエチレングリコールを含み、
前記ポリエステルペレットの固有粘度が、0.50dL/g以上0.90dL/g以下である、繊維。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記ジカルボン酸単位が、化石燃料由来のテレフタル酸、バイオマス由来のテレフタル酸、及び二酸化炭素ガスを原料とするテレフタル酸からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の繊維。
【請求項3】
前記ポリエステルペレットの、JIS K7122:2012に準拠した示差走査熱量測定(DSC)により得られる第2回昇温時における融解熱量が、8J/g以上である、請求項1又は2に記載の繊維。
【請求項4】
前記ポリエステルペレットの、JIS K7122:2012に準拠した示差走査熱量測定(DSC)により得られる第2回降温時における凝固熱量が、7J/g以上である、請求項1又は2に記載の繊維。
【請求項5】
前記ポリエステルペレットにおけるケルダール窒素の含有量が、90μg/g以下である、請求項1又は2に記載の繊維。
【請求項6】
前記ポリエステルペレットにおける水素分子の含有量が、7.5×10
17
個/g以下である、請求項1又は2に記載の繊維。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の繊維を用いた、繊維用品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、繊維及び繊維用品に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステルは、その機械的特性、化学的安定性、耐熱性、透明性等に優れ、かつ安価であることから、各種産業用途に広く使用されている。ポリエステルは、ジオール単位とジカルボン酸単位とを重縮合して得られ、例えば、ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールとテレフタル酸とを原料として、これらをエステル化反応させた後に重縮合反応させて製造されている。これらの原料は化石資源である石油から生産され、例えば、エチレングリコールはエチレンから、テレフタル酸はキシレンから工業的に生産されている。
【0003】
近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれており、バイオマスといった、化石燃料以外の原料からポリエステルを製造することが検討されている。バイオマスとは、枯渇性資源でない、現生生物体構成物質起源の産業資源である。バイオマスに含まれる炭素は、生物体の成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素に由来するため、バイオマスを燃焼して二酸化炭素が排出されても、全体として見れば大気中の二酸化炭素の量を増加させていないと考えられる。そのため、バイオマスはカーボンニュートラルな再生可能エネルギーとして注目されている。
昨今、これらバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックの実用化が急速に進んでおり、汎用高分子材料であるポリエステルをこれらバイオマス原料から製造する試みも行われている(例えば、特許文献1及び2)。バイオマス由来の原料から製造したポリエステル(バイオマスポリエステル)を、化石燃料由来の原料を用いて製造したポリエステルの代わりに使用することで、化石燃料の使用量を削減し、環境負荷を低減できるようになる。
【0004】
バイオマスポリエステルの製造に用いるバイオエタノールは、サトウキビ等の可食原料から糖発酵法によって製造することが一般的である。しかしながら、サトウキビ等の作物の収穫量は気象要因によって大きく左右されることが経験上知られている。そのため、気候変動によりバイオエタノールの原料であるサトウキビを安定的に調達しにくくなることが懸念されている。
プラスチックの原料にも使われるエタノール等を、化石燃料でもバイオマスでもない資源から製造することが行われている。例えば、製鉄所や工場から発生する排ガス等に存在する一酸化炭素を原料とし、微生物発酵によりエタノールを製造することが行われている(例えば、特許文献3)。また、製鉄所や工場から発生する排ガス等に存在する二酸化炭素を電気分解し、エチレングリコールを製造することも行われている(例えば、特許文献4)。さらに、これらの化合物からポリエステルを製造することも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2011-527348号公報
特表2012-519748号公報
特表2011-512869号公報
特開2018-123390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
石油由来の原料から製造したポリエステルや、バイオマス原料から製造したポリエステルから、繊維や繊維用品を製造することは、従来から行われてきた。しかしながら、一酸化炭素ガスを原料とするエタノールや二酸化炭素ガスを原料とするエチレングリコールを用いて製造したポリエステルから、繊維や繊維用品を製造できるか否かは、明らかとなっていなかった。
【0007】
従って、本開示の目的は、環境負荷を低減できる、繊維を提供することである。
また、本開示の別の目的は、該繊維を用いた繊維用品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、一酸化炭素ガスや二酸化炭素ガスを原料とするエチレングルコールを用いて製造したポリエステルペレットが、所定の固有粘度を有しており、繊維及び繊維用品への加工に適することを見出した。
本開示は、かかる知見に基づき、さらに検討を重ねて完成させるに至ったものである。
【0009】
本開示は、以下の実施形態により解決される。
<1>
ポリエステルペレットを用いた繊維であって、
前記ポリエステルペレットが、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを含み、
前記ジオール単位が、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1種のガスを原料とするエチレングリコールを含み、
前記ポリエステルペレットの固有粘度が0.50dL/g以上0.90dL/g以下である、繊維。
<2>
前記ジカルボン酸単位が、化石燃料由来のテレフタル酸、バイオマス由来のテレフタル酸、及び二酸化炭素ガスを原料とするテレフタル酸からなる群から選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載のポリエステルペレット。
<3>
前記ポリエステルペレットの、JIS K7122:2012に準拠した示差走査熱量測定(DSC)により得られる第2回昇温時における融解熱量が、8J/g以上である、<1>又は<2>に記載の繊維。
<4>
前記ポリエステルペレットの、JIS K7122:2012に準拠した示差走査熱量測定(DSC)により得られる第2回降温時における凝固熱量が、7J/g以上である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の繊維。
<5>
前記ポリエステルペレットにおけるケルダール窒素の含有量が、90μg/g以下である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の繊維。
<6>
前記ポリエステルペレットにおける水素分子の含有量が、7.5×10
17
個/g以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の繊維。
<7>
<1>~<6>のいずれか1つに記載の繊維を用いた、繊維用品。
【発明の効果】
【0010】
本開示は、環境負荷を低減できる、繊維を提供できる。
また、本開示は、該繊維を用いた繊維用品を提供できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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