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公開番号
2025048797
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-03
出願番号
2024161578
出願日
2024-09-19
発明の名称
極低温液体中の少なくとも1つの不純物の割合を決定するためのシステム
出願人
レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
代理人
弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
主分類
F25J
3/04 20060101AFI20250326BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約
【課題】空気からガスを分離するためのシステムから試料採取された、極低温液体中に溶解した不純物の含有率を決定するためのシステム、及び対応する決定方法を提供する。
【解決手段】極低温液体中に溶解した不純物の割合を決定する決定システム2であり、初期体積の極低温液体を受容する容器3と、不純物が濃縮されたある体積の残留極低温液体が得られるまで初期体積の極低温液体を気化させるための気化手段84(気化手段は、容器の下部に配設されており、極低温液体を気化させる加熱表面を備える)、残留極低温液体中の不純物の割合を決定するための手段と、を備え、気化手段が液体吸入ダクト、液体排出ダクトを備え、気化手段が吸入ダクトと排出ダクトとの間の熱サイフォン効果をもたらし、加熱表面が排出ダクトの内部表面を備え、気化手段がある体積の残留極低温液体を使用して加熱表面を湿潤状態に保つように構成されている決定システム。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するための決定システム(2)であって、前記少なくとも1つの不純物は、前記極低温液体よりも揮発性が低く、
・ 初期体積の前記極低温液体を受容することが可能な容器(3)と、
・ 前記不純物が濃縮されたある体積の残留極低温液体が得られるまで前記初期体積の極低温液体を気化させるための気化手段(84)と、ここで、前記気化手段は、前記容器(3)の下部に配設されており、前記極低温液体を気化させることが可能な加熱表面を備え、
・ 前記残留極低温液体中の不純物の割合を決定するための手段と、
を備え、
前記決定システム(2)は、前記気化手段(84)が、少なくとも1つの極低温液体吸入ダクト(42)と複数の極低温液体排出ダクト(44)とを備え、前記気化手段(84)が、少なくとも1つの前記吸入ダクト(42)と複数の前記排出ダクト(44)との間の熱サイフォン効果をもたらすことが可能であり、前記加熱表面が、前記排出ダクト(44)の内部表面を備えることを特徴とする、極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するための決定システム(2)。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記排出ダクト(44)は前記吸入ダクト(42)を取り囲んでいる、請求項1に記載の極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するための決定システム(2)。
【請求項3】
前記排出ダクト(44)は、前記吸入ダクト(42)よりも小さい直径を有する、請求項1又は2に記載の極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するための決定システム(2)。
【請求項4】
前記気化手段(84)は、円筒の全体形状の熱伝導性の本体(4)を備え、前記本体(4)の高さ(H)にわたって前記吸入ダクト(42)及び前記排出ダクト(44)が作られており、前記吸入ダクト(42)及び前記排出ダクト(44)は、前記容器(3)の底部を画定する前記本体(4)の面(46)に現れている、請求項1~3のいずれか一項に記載の極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するための決定システム(2)。
【請求項5】
前記本体(4)は、前記吸入ダクト(42)と前記排出ダクト(44)との間に配設された断熱ライニング(47)を備える、請求項4に記載の極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するための決定システム(2)。
【請求項6】
前記気化手段は、前記排出ダクト(44)に近接した前記本体(4)の凹部内に配設された少なくとも1つの電気ヒータを備える、請求項4又は5に記載の極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するための決定システム(2)。
【請求項7】
前記気化手段(84)は、加熱カートリッジの形態の複数の電気ヒータを備え、前記本体(4)は、前記排出ダクト(44)の周りに配設された複数の空間(41)であって、前記加熱カートリッジを収める複数の空間(41)を有し、複数の前記空間(41)は、前記容器(3)の前記底部を画定する前記本体(4)の前記面(46)には現れていない、請求項6に記載の極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するための決定システム(2)。
【請求項8】
複数の前記空間(41)は、前記本体(4)の高さ(H)の少なくとも一部にわたって、前記本体(4)の周囲の複数の凹部(45)によって分離されている、請求項7に記載の極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するための決定システム(2)。
【請求項9】
前記本体(4)は、前記容器(3)の底部を画定する前記面(46)の対向面(48)を有し、前記気化手段(84)は、前記対向面(48)に配設されたマニホールド(8)を備え、前記マニホールド(8)は、前記吸入ダクト(42)を前記排出ダクト(44)に流体接続する、請求項4~8のいずれか一項に記載の極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するための決定システム(2)。
【請求項10】
ジャケット(5)が、前記気化手段(84)を取り囲んでおり、前記ジャケット(5)は、前記気化手段(84)と接触する冷却液を収容するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するための決定システム(2)。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学工業に関し、例えば空気からガスを分離するためのシステムから試料採取された極低温液体中に溶解した少なくとも1つの不純物の割合を決定するためのシステム、及び対応する決定方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【0002】
空気からガスを分離するためのシステムは、空気から様々な成分を分離するための低圧蒸留塔及び中圧蒸留塔を備える。空気は塔に入る前に浄化されるが、不純物が塔の供給空気に残っており、特に、一方の塔内の酸素気化器において濃縮される。具体的にいうと、これらの不純物の大部分は、これらの不純物のほとんどすべてが気化器の液相に留まり、ほとんどないに等しい不純物が気相で再び気化器から出ていくような気液平衡係数を有する。そのため、液相の不純物の割合は、連続的な気化サイクルに伴って増加し、最終的に、気化器のアルミニウムマトリックスに液体堆積物又は固体堆積物の形態で蓄積する。
【0003】
蒸留の前に実施される吸収プロセスは、塔の供給空気から、重質炭化水素、換言すれば、4つより多くの炭素原子を有するものと、不飽和結合を有する炭化水素とを除去することを可能にする。これらの吸収プロセスによってかろうじて捕捉されるか又は全く捕捉されない不純物は、特に軽質炭化水素及びプロパンである。1つ又は2つの炭素原子を有する軽質炭化水素は、酸素への高い溶解性を有し、そのため、気化器内の酸素と反応することができる純粋相を生じさせない。しかしながら、プロパンは酸素への溶解性が比較的なく、したがって、気化器内の液体酸素と接触すると純粋相を生じさせる可能性があり、この純粋相は、特に、この不純物から放出されるエネルギーが気化器のアルミニウムマトリックスの燃焼をトリガするのに十分なものであるとき、爆発する状況を発生させる可能性がある。
【0004】
更に、気化器内に存在する不純物が酸素と反応しないときでも、それは、他のすべての不純物の蓄積、したがって酸素と反応する不純物の蓄積も加速する。これは特に、液体酸素の動作温度を上回る凝固温度を有する二酸化炭素及び亜酸化窒素の場合に当てはまる。これらの不純物が吸収プロセスによって捕捉されず、気化器の液体酸素に固相を生じさせることが起こり得、これは、気化器の気化ダクトを閉塞させる可能性がある。「デッドエンドボイリング」と呼ばれるこの仕組みは、気化されている液体に含有されるすべての不純物、特に炭化水素の濃縮を加速し、そのため、気化マトリックスの燃焼のリスクを増大させる。
【0005】
したがって、蒸留塔及び/又は気化器の酸素浴における不純物の許容可能な最大量を維持するため、そして空気からガスを分離するためのシステムの動作安全性を保証するために、そこに入る不純物の割合を監視する必要がある。
【0006】
克服すべき1つの問題は、測定される不純物、特に二酸化炭素及び亜酸化窒素についての非常に低い溶解性及び気液平衡係数を考えると、これらの不純物のレベルが極めて低いことである。不純物の許容可能な最大量を制御することができるようにするためには、100ppb(百億分の1)未満、好ましくは10~50ppbの割合を測定することが必要である。これらの測定は、連続的なものであってもよいし、又は不純物の臨界割合に達するかなり前に措置を講じることを可能にする頻度で実施されてもよい。
【0007】
現在、蒸留される空気中の又は気化器の酸素中の不純物の含有率を決定するための技法は、複雑な機器を使用し、相当な運転スキルを必要とする。これらの技法は、蒸留塔又は気化器に入る極低温液体を試料採取し、特別な装置内で気化させて、次いでそれを分析することができるようにすることを必要とするガス分析器のみを使用する。好みに応じて、試料は、気化器が空気からガスを分離するためのシステムの臨界点であることを考えて、気化器の入口で、又は気化器の出口で、又は必要に応じて様々な気化段階の合間に採取される。
【0008】
これらの先行技術の技法は、試料とその不純物の完全な気化を行い、分析されるガスを得るようにすることを伴い、ここで、不純物の割合は極低温液体の試料中の不純物の割合と同一であり、気化は、ガス分析器によって得られる測定値を歪めないように、試料採取する又は試料を気化させるためのデバイスへの不純物の蓄積を防止する条件下で実施される。
【0009】
極低温液体中の不純物の割合を測定しやすくするために、本発明者らは、文献FR3066596及びFR3066597に記載されている、この割合を分析するための装置及び方法を発展させた。本装置は、容器内での分析される極低温液体の大量の試料の気化を可能にし、そのように気化されたガスは開回路で排出され、試料の不純物が濃縮される残留量の極低温液体がこの気化の終わりに保持される。次いで、容器は閉じた状態に保たれ、残留量の極低温液体が容器内で完全に気化され、それにより、初期試料のそれよりも遥かに高い不純物の割合を有し、したがってガス分析器が遥かに測定しやすいガスが得られる。
【0010】
この革新的な手法には、濃度が測定される不純物が、それが含まれている極低温液体よりも低い揮発性を有することが必要となるが、開回路での気化中に蒸発する不純物の量が残留極低温液体中に残る不純物の量と比較してごくわずかであることも必要となる。これらの条件は、不純物とそれらの溶媒との熱力学的平衡の値に依存し、これら値自体は、気化圧力及び温度に依存する。気化圧力が低いほど、気化がより残留極低温液体中の不純物の濃縮の助けとなる。
(【0011】以降は省略されています)
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