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公開番号2024168562
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085355
出願日2023-05-24
発明の名称設計支援装置および設計支援プログラム
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G06F 30/367 20200101AFI20241128BHJP(計算;計数)
要約【課題】パワーインテグリティの設計を容易にする。
【解決手段】パワーインテグリティの設計を支援するための設計支援装置70において、動作パラメータ入力部82は、集積回路(IC)によって実行される複数の機能の各々に対して、動作周波数または動作タイミングの情報と平均消費電流の情報との入力を受ける。電流波形計算部84は、動作パラメータ入力部82によって入力された情報に基づいて、ICチップを電流源としてモデル化したときの電流波形を計算する。モデル生成部85は、ICチップの電流源モデルに基づいて、シミュレーションに用いられるIC部品モデルを生成する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
パワーインテグリティの設計を支援するための設計支援装置であって、
集積回路(IC)によって実行される複数の機能の各々に対して、動作周波数または動作タイミングの情報と平均消費電流の情報との入力を受ける動作パラメータ入力部と、
前記動作パラメータ入力部によって入力された情報に基づいて、ICチップを電流源としてモデル化したときの電流波形を計算する電流波形計算部と、
前記ICチップからICパッケージの電源端子およびグランド端子に至るまでのIC部品の電源配線構造に関する構造情報の入力を受ける構造情報入力部と、
前記ICチップの電流源モデルと前記構造情報とに基づいて、シミュレーションに用いられるIC部品モデルを生成するモデル生成部とを備える、設計支援装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記ICチップを電流源としてモデル化したときの前記電流波形は、周期的に生成される電流パルスを含み、
前記電流波形計算部は、前記動作周波数または前記動作タイミングに基づいて、前記ICの前記機能ごとに前記電流パルスが生成されるタイミングを決定し、前記ICの前記機能ごとの前記平均消費電流にさらに基づいて前記電流パルスのピーク値を決定する、請求項1に記載の設計支援装置。
【請求項3】
前記構造情報は、前記IC部品の前記電源配線構造を等価回路で表した場合の回路パラメータを含む、請求項1に記載の設計支援装置。
【請求項4】
前記IC部品モデルと前記IC部品が実装されるプリント基板の情報とに基づいて回路シミュレーションを実行することにより、前記IC部品の電源・グランド端子間の電圧を計算するパワーインテグリティ解析部をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の設計支援装置。
【請求項5】
前記パワーインテグリティ解析部は、前記IC部品の前記電源・グランド端子間の電圧の許容範囲の入力を受け、前記計算された電源・グランド端子間の電圧が前記許容範囲内か否かを判定する、請求項4に記載の設計支援装置。
【請求項6】
パワーインテグリティの設計を支援するための設計支援プログラムであって、
集積回路(IC)によって実行される複数の機能の各々に対して、動作周波数または動作タイミングの情報と平均消費電流の情報との入力を受けるステップと、
前記入力された動作周波数または動作タイミングの情報と平均消費電流の情報とに基づいて、ICチップを電流源としてモデル化したときの電流波形を計算するステップと、
前記ICチップからICパッケージの電源端子およびグランド端子に至るまでのIC部品の電源配線構造に関する構造情報の入力を受けるステップと、
前記ICチップの電流源モデルと前記構造情報とに基づいて、シミュレーションに用いられるIC部品モデルを生成するステップとをコンピュータに実行させる、設計支援プログラム。
【請求項7】
前記ICチップを電流源としてモデル化したときの前記電流波形は、周期的に生成される電流パルスを含み、
前記電流波形を計算するステップは、
前記動作周波数または前記動作タイミングに基づいて、前記ICの前記機能ごとに前記電流パルスが生成されるタイミングを決定するステップと、
前記ICの前記機能ごとの前記平均消費電流にさらに基づいて前記電流パルスのピーク値を決定するステップとを含む、請求項6に記載の設計支援プログラム。
【請求項8】
前記構造情報は、前記IC部品の前記電源配線構造を等価回路で表した場合の回路パラメータを含む、請求項6に記載の設計支援プログラム。
【請求項9】
前記IC部品モデルと前記IC部品が実装されるプリント基板の情報とに基づいて回路シミュレーションを実行することにより、前記IC部品の電源・グランド端子間の電圧を計算するステップを、前記コンピュータにさらに実行させる、請求項6~8のいずれか1項に記載の設計支援プログラム。
【請求項10】
前記IC部品の前記電源・グランド端子間の電圧の許容範囲の入力を受け、前記計算された電源・グランド端子間の電圧が前記許容範囲内か否かを判定するステップを、前記コンピュータにさらに実行させる、請求項9に記載の設計支援プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、設計支援装置および設計支援プログラムに関し、たとえばパワーインテグリティの設計に適用される。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
パワーインテグリティとは、プリント基板の電源ラインおよび/または電源プレーンにおける電源電圧の品質をいう。たとえば、LSI(Large Scale Integration)の内部で発生したノイズが電源ライン/電源プレーンを伝搬したり、LSIの電流消費によって電源電圧の低下が生じたりすることは、パワーインテグリティの問題である。
【0003】
LSIの誤動作を防ぐためのパワーインテグリティの設計手法の一つに、プリント配線板上のLSIの端子位置から見た電源プレーンとグランドプレーンとの間のインピーダンス(「入力インピーダンス」と称する)が上限値(「ターゲットインピーダンス」と称する)を超えないように設計する手法がある。しかしながら、設計の初期段階でターゲットインピーダンスを決定することは容易でない。
【0004】
特開2011-22822号公報(特許文献1)は、ターゲットインピーダンスの決定を容易にするための手法を開示する。具体的に、この文献のパワーインテグリティ解析装置では、時間軸上でのLSIの消費電流の変化を表す電流波形、すなわち一定間隔で同一の三角波が発生する波形が仮定される。この電流波形の極大値、定常値から極大値に変化するのに要する変化時間、三角波の周期は、設計者によって入力される。パワーインテグリティ解析装置は、上記の時間軸上の電流波形を周波数軸上の電流スペクトラムに変換する。そして、パワーインテグリティ解析装置は、電源電圧の定格値および許容される電源電圧の変動率に基づいて、電源電圧定格値×許容変動率/消費電流スペクトラムに従って、ターゲットインピーダンススペクトラムを算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-22822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特開2011-22822号公報(特許文献1)に開示された手法よっても、依然としてターゲットインピーダンスの決定は容易とは言えない。なぜなら、プリント基板の設計者が、LSIの消費電流波形の極大値および定常値から極大値に変化するのに要する時間などを特定することは困難であるからである。
【0007】
本開示は、上記の背景技術を考慮してなされたものであり、その目的は、パワーインテグリティの設計を容易にする設計支援装置および設計支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、パワーインテグリティの設計を支援するための設計支援装置が提供される。設計支援装置は、動作パラメータ入力部と、電流波形計算部と、構造情報入力部と、モデル生成部とを備える。動作パラメータ入力部は、集積回路(IC:Integrated Circuit)によって実行される複数の機能の各々に対して、動作周波数または動作タイミングの情報と平均消費電流の情報との入力を受ける。電流波形計算部は、動作パラメータ入力部によって入力された情報に基づいて、ICチップを電流源としてモデル化したときの電流波形を計算する。構造情報入力部は、ICチップからICパッケージの電源端子およびグランド端子に至るまでのIC部品の電源配線構造に関する構造情報の入力を受ける。モデル生成部は、ICチップの電流源モデルと構造情報とに基づいて、シミュレーションに用いられるIC部品モデルを生成する。
【発明の効果】
【0009】
上記の実施形態によれば、ICの機能ごとの動作周波数または動作タイミングの情報と平均消費電流の情報とに基づいてICチップを電流源としてモデル化したときの電流波形が計算される。この電流源モデルを利用することにより、パワーインテグリティの設計が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
シミュレーションで用いられる回路モデルの一例を示すブロック図である。
図1のIC部品モデルのより詳細な構成例を示す回路図である。
実施の形態1に係る設計支援装置の構成例を示すブロック図である。
図3の構造情報入力部のより詳細な構成例を示すブロック図である。
図3の動作パラメータ入力部のより詳細な構成例を示すブロック図である。
各機能のパラメータの入力画面の一例を示す図である。
GPIOのパラメータの入力画面の一例および通信回路のパラメータの入力画面の一例を示す図である。
ICチップの一機能の電流波形を概念的に示すタイミング図である。
図3の設計支援装置の動作を示すフローチャートである。
実施の形態2の設計支援装置の構成例を示すブロック図である。
図10の設計支援装置の動作を示すフローチャートである。
実施の形態3の設計支援装置の動作を示すフローチャートである。
実施の形態1~3の設計支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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