TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024149932
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2021144568
出願日2021-09-06
発明の名称通信装置および通信方法
出願人シャープ株式会社
代理人個人,個人
主分類H04W 28/04 20090101AFI20241016BHJP(電気通信技術)
要約【課題】マルチリンクを構成する無線通信装置のパケット合成において、再送先リンクがDoze stateまたは前記再送先リンクを他のフレームが使用中である場合に、効率的なパケット合成が実施されない。
【解決手段】本発明の通信装置は、2つ以上のリンクを用いてフレームを送信する無線通信装置であって、前記通信装置は、MACレイヤにて前記各々のリンクの負荷状況に応じて、再送先リンクの候補を選出するマルチリンク制御部を備え、前記制御部は、前記再送先リンクの候補と再送方法を制御情報として生成するとともにPHYレイヤに伝達し、前記フレームに対する肯定応答を受信しなかった場合に、前記制御情報が指定する再送先リンクの候補以外での再送を許可しない。IEEE802.11標準において、マルチリンクデバイスでのパケット合成を可能とし、低遅延化と受信SNRの改善に寄与する。
【選択図】図13
特許請求の範囲【請求項1】
2つ以上のリンクを用いてフレームを送信する通信装置であって、前記通信装置は、MACレイヤにて前記各々のリンクの負荷状況に応じて、再送先リンクの候補を選出する制御部を備え、前記制御部は、前記再送先リンクの候補と再送方法を制御情報として生成するとともにPHYレイヤに伝達し、前記通信装置は、PHYレイヤにてフレームを生成する送信部を備え、前記フレームに対する肯定応答を受信しなかった場合に、前記制御情報が指定する再送先リンクの候補以外での再送を許可せず、前記通信装置は、前記制御情報に従って、再送先リンクの候補で前記フレームを受信する受信部と、前記フレームをパケット合成し、復号する信号復調部と、を備える、通信装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記再送先リンクの候補は、前記再送方法としてARQによる再送を制限し、HARQによる再送を制限しない、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記各々のリンクが同一の負荷状況である場合、前記制御情報に再送先リンクの候補を含めず、再送方法を設定する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記各々のリンクにおいて、前記フレームに対する肯定応答を受信しなかった場合に、または、所定の時間内に受信しなかった場合、前記再送先リンクの候補を更新する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記各々のリンクにおける1つのリンクにおいて、前記フレームに対する肯定応答を複数回連続して受信しなかった場合に、また、所定の時間内に受信しなかった場合、前記リンクの次に低い負荷状況のリンクを前記再送先リンクの候補に含める、請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御部は、送信側の前記各々のリンクにバッファされた最後のフレームと同一の識別子を含むフレームが、前記各々のリンクと別のリンクで後続してバッファ済である場合、前記同一の識別子を含むフレームに対する肯定応答を受信するまでの所定の時間だけ前記別のリンクにNAVを設定するための制御データを前記制御情報に付加する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
前記通信装置は、前記各々のリンクに再送用のアクセスカテゴリーを設定し、前記再送用のアクセスカテゴリーのフレームを最優先に送信する制御部を備える、請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信装置における前記制御部は、前記各々のリンクにおいてバッファのReorderingを実施することで、前記フレームを最優先に再送する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記再送先リンクで別のフレームが送信されている場合において、前記再送先リンクの候補が指定する別のリンクで前記フレームを再送する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項10】
2つ以上のリンクを用いてフレームを受信し、前記フレームを前記制御情報が指定するリンクに割り当て、復調・復号する信号復調部と、前記信号復調部は、前記フレームにHARQが設定されている場合に、前記フレームのパケット合成を実施する、請求項1に記載の通信装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置および通信方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers Inc.)は、無線LAN(Local Area Network)通信の速度高速化、周波数利用効率化を実現するために無線LAN標準規格であるIEEE802.11の仕様更新に取り組んでいる。近年では、無線LANデバイスの急速な普及に伴って、遠隔医療やVR/ARといったリアルタイムアプリケーションとしての利用用途の拡大が見込まれており、IEEE802.11ax標準規格のさらなる低遅延化と通信容量の大容量化を実現するIEEE802.11beの標準化が進められている。
【0003】
IEEE802.11標準では、スループットの高速化技術として誤り制御が導入されている。誤り制御は、前方誤り訂正(Forward Error Correction:FEC)と自動再送要求(Automatic repeat request:ARQ)に大別される。前方誤り訂正は、誤り訂正符号を用いて伝送路で生じる誤りを受信側で訂正する方式であり、誤ったパケットに対する送信側への再送要求を不要とする。誤り訂正能力は、符号語に占める冗長ビットの割合を増やすことで向上するが、復号処理の増大や伝送効率の低下などとトレードオフの関係にある。一方、ARQは、受信側で適切に復号化されなかったパケットの再送を送信側に要求する方式である。復号時のパケット誤りは、受信側の媒体アクセス制御(Medium Access Control:MAC)で検出され、バッファに蓄積されることなく破棄される。パケットが正常に復号された場合は確認応答(Acknowledgement:ACK)が、パケット誤りが検出された場合には否定応答(Negative Acknowledgement:NACK)が送信側へと伝達される。パケットの再送処理は、送信側にNACKが伝達されるか一定期間内にACKが送信側へと伝達されない場合にARQによって実施される。前記したIEEE802.11標準での誤り制御に加え、IEEE802.11beの標準化活動では、前方誤り訂正符号とARQを組み合わせたハイブリッドARQ(Hybrid ARQ:HARQ)が検討されている。HARQは、再送時に同じパケットを送信し、受信側でパケット合成することで、受信信号の信号対雑音電力比(Signal to Noise power ratio:SNR)を改善させるチェイス合成と、再送時に冗長信号(パリティ信号)を新たに送信することで、受信側の誤り訂正復号能力を高めるインクリメンタルリダンダンシー(Incremental redundancy:IR)合成が検討されている。
【0004】
IEEE802.11n以降の標準規格では、MACレイヤのオーバーヘッド低減によるスループットの高速化技術として、無線フレームとACKにそれぞれアグリゲーションが導入されている。無線フレームのアグリゲーションは、A-MSDU(Aggregated MAC Service Data Unit)とA-MPDU(Aggregated MAC Protocol Data Unit)に大別される。ACKのアグリゲーションは、例えば、複数のMPDUに対する受信完了通知を実施可能であるブロックACK(Block Acknowledgement:BA)、複数のユーザに対する受信完了通知を実施可能であるマルチSTAブロックACK(Multi STA Block ACK:M-BA)が挙げられる。無線フレームのアグリゲーションは、1度に多くのパケットを送信可能とし、伝送効率を向上させる一方で、伝送誤りの可能性を高める。このことから、IEEE802.11ax以降の標準規格では、スループットの高速化に主要な要素技術として、無線フレームのアグリゲーションによる伝送効率の向上に加え、各々のMPDUに対する効率的な誤り制御が見込まれる。そこで、IEEE802.11beの標準化活動では、HARQによる時間ダイバーシチを得ることで、伝送品質の改善が検討されている。
【0005】
一方、使用周波数帯の観点では、欧州においてはETSI(European Telecommunications Standards Institute)が、米国においてはFCC(Federal Communications Commission)が6GHz帯(5.935~7.125GHz)をアンライセンスバンドとして使用できるように検討しており、その他の世界各国においても同様の検討が進んでいる。このことは、無線LANが2.4GHz帯、5GHzに追加して6GHz帯も使用可能となる見込みがでてきたということである。対象周波数拡大に対応するために、Wi-Fi AllianceはWi-Fi6の拡張版であるWi-Fi6E(登録商標)を策定し、6GHz帯使用するとしている。
【0006】
2.4GHz帯はカバレッジ(通信可能な範囲)が比較的広くとれる一方で、使用可能な帯域幅が比較的狭く、通信装置間の干渉の影響も大きくなる。一方で、5GHz帯、6GHz帯は通信帯域幅を広くとれる一方で、カバレッジは広く取れない。よって、様々なサービス・アプリケーションを無線LANで実現するためには、ユースケースに応じて使
用する周波数バンド(2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯など。もしくは各周波数バンドに含まれるチャネル、もしくはチャネルに含まれるサブチャネル)を適切に切り替えることが望ましい。しかし、従来の無線LAN通信装置においては、通信に用いる周波数バンドを切り替えるためには、一度現在の周波数バンドの接続を切断し、別の周波数バンドに接続する必要があった。
【0007】
以上より、IEEE802.11be標準化においては、通信装置が複数の周波数バンドを使用した、複数の接続(リンク)を維持することを可能とする、複数接続動作(Multi-link Operation:MLO)に関する議論が行われている(非特許文献2参照)。MLOの一例を挙げると、IEEE802.11be標準化では、2.4GHz帯の接続、5GHz帯の接続、6GHz帯の接続、前記全帯域の同時接続など、様々な周波数バンド、チャネル、サブチャネルの組み合わせが可能となる。MLOによれば、通信装置は、使用する無線リソースや通信に係る設定が異なる接続を複数維持することができる。すなわち、MLOを用いることで、通信装置は、異なる周波数バンドの接続を同時に維持することができるから、再接続動作を行うことなく、フレーム送受信する周波数バンドを変更することが可能となる。
【0008】
また、IEEE802.11be標準化では、2つ以上の複数のリンクを備えるマルチリンクデバイス(Multi-link Device: MLD)を用いた無線通信方式が議論されている。当該マルチリンクを使用してフレーム送信することで、単一端末-基地局間だけではなくシステム全体としてのスループットを増大させる大容量通信の実現が期待されている。また、マルチリンクを構成する各リンクを束ねた同時使用はせずに、独立して使用し、フレームの送受信が行ってもよい。例えば、混雑している無線チャネルを避けて空いているリンクを適宜選択してフレーム送信することで、送信時に生じる遅延、レイテンシを小さくして、低遅延(Low Latency)通信を実現できる可能性がある。これらマルチリンクによる大容量通信、低遅延通信の特徴は、当該各々のリンクの品質(無線通信装置間での電波干渉が少ない、受信信号強度が大きい、またはフレーム受信エラー率が小さいなど)が高まるほどマルチリンクの性能が向上する点にある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
IEEE802.11-20/0472r2、May.2020
IEEE802.11-20/1060r1、October.2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
MLDにおいて、マルチリンクを管理するエンティティ(Multi-link Management Entity: MLME)は、全リンクのロード(負荷、load)を監視し、ロードバランスを実施するものの、既存の仕組みではMLDでHARQの効果を得られない可能性がある。IEEE802.11標準では、リンクにバッファされた最後のPPDUフレームを送信した後、当該フレームの後にバッファされたフレームの有無を示すフィールドが更新される。すなわち、MLDを構成するリンクで誤ったPPDUフレームを別のリンクで再送するとき、再送先リンクがDoze stateである場合に、HARQによるパケット合成は実施されない可能性がある(非特許文献1)。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

シャープ株式会社
冷却庫
9日前
シャープ株式会社
端末装置
6日前
シャープ株式会社
走行装置
6日前
シャープ株式会社
端末装置
6日前
シャープ株式会社
画像形成装置
9日前
シャープ株式会社
画像形成装置
8日前
シャープ株式会社
画像形成装置
7日前
シャープ株式会社
画像形成装置
7日前
シャープ株式会社
電源装置及び光源装置
13日前
シャープ株式会社
通信装置および通信方法
1日前
シャープ株式会社
制御システム及び制御方法
9日前
シャープ株式会社
定着装置及び画像形成装置
7日前
シャープ株式会社
定着装置及び画像形成装置
6日前
シャープ株式会社
端末装置、基地局装置、方法
6日前
シャープ株式会社
定着装置および画像形成装置
6日前
シャープ株式会社
端末装置、基地局装置、方法
6日前
シャープ株式会社
画像処理装置および操作認識方法
6日前
シャープ株式会社
音声処理システム及び音声処理方法
13日前
シャープ株式会社
IMS分析装置およびIMS分析方法
13日前
シャープ株式会社
画像形成装置及び画像形成装置システム
6日前
シャープ株式会社
動画像復号装置および動画像符号化装置
6日前
シャープ株式会社
UE(User Equipment)
6日前
シャープ株式会社
UE(User Equipment)
6日前
シャープ株式会社
電子ペーパーおよび電子ペーパーの制御方法
6日前
シャープ株式会社
情報処理システム、複合機連携方法及びプログラム
1日前
シャープ株式会社
処理装置、画像処理装置、及びインポートデータの処理方法
9日前
シャープ株式会社
加熱調理器
13日前
シャープ株式会社
画像形成装置
6日前
シャープ株式会社
電子計算機、電子計算機の制御方法、プログラム、および記録媒体
13日前
シャープ株式会社
光触媒組成物、ヨウ素溶液、光触媒分散液、抗菌性活性化方法及び抗菌性活性化装置
6日前
シャープ株式会社
動画像復号装置及び画像符号化装置
6日前
シャープ株式会社
刺激応答性高分子ゲル及び高分子ゲル
8日前
個人
仮想アース
1日前
個人
ヘッドホン
1か月前
個人
車両の制御装置
20日前
株式会社シグマ
撮像装置
1か月前
続きを見る