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公開番号
2024143915
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023056863
出願日
2023-03-31
発明の名称
光送信装置、遅延制御回路、及び遅延制御方法
出願人
富士通株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G02F
1/01 20060101AFI20241004BHJP(光学)
要約
【課題】光変調器の動作中に駆動信号の入力タイミングずれを自動制御する遅延制御技術を提供する。
【解決手段】光送信装置は、マッハツェンダ干渉計を構成する導波路に沿って分割された3以上の電極セグメントを有する光変調器と、前記光変調器の動作中に前記3以上の電極セグメントに入力される同一信号の入力タイミングを制御する遅延制御回路と、を備え、前記同一信号が入力される前記3以上の電極セグメントは、前記光変調器を通過する光に対して異なる変調量をもち、前記遅延制御回路は、前記3以上の電極セグメントの中の制御対象の電極セグメントの信号入力タイミングを、他の電極セグメントの中で変調量が最大の電極セグメントの入力タイミングにしたがって制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
マッハツェンダ干渉計を構成する導波路に沿って、分割された3以上の電極セグメントを有する光変調器と、
前記光変調器の動作中に、前記3以上の電極セグメントに入力される同一信号の入力タイミングを制御する遅延制御回路と、
を備え、
前記同一信号が入力される前記3以上の電極セグメントは、前記光変調器を通過する光に対して異なる変調量をもち、
前記遅延制御回路は、前記3以上の電極セグメントの中の制御対象の電極セグメントの信号入力タイミングを、他の電極セグメントの中で変調量が最大の電極セグメントの入力タイミングにしたがって制御する、
光送信装置。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記3以上の電極セグメントは、サイズまたは長さが異なり、
前記サイズまたは前記長さが異なる前記3以上の電極セグメントに、前記同一信号が入力される、
請求項1に記載の光送信装置。
【請求項3】
前記3以上の電極セグメントに入力される前記同一信号は異なる振幅をもつ、
請求項1に記載の光送信装置。
【請求項4】
前記同一信号を異なる増幅率で増幅する増幅回路、
を有する請求項3に記載の光送信装置。
【請求項5】
前記遅延制御回路は、前記3以上の電極セグメントのうち、最も変調量が大きい電極セグメントから順に遅延調整する、
請求項1に記載の光送信装置。
【請求項6】
前記遅延制御回路は、前記光変調器の出力光のパワーが最大に近づくように、前記3以上の電極セグメントに入力される前記同一信号の前記入力タイミングを調整する、
請求項1に記載の光送信装置。
【請求項7】
前記遅延制御回路は、前記光変調器の出力光の検出結果を表す電気信号から所定の周波数成分を抽出する周波数フィルタを有し、
前記周波数フィルタで抽出された前記周波数成分のパワーが最大に近づくように、前記3以上の電極セグメントに入力される前記同一信号の前記入力タイミングを調整する、
請求項6に記載の光送信装置。
【請求項8】
光変調器のマッハツェンダ干渉計の導波路に沿って設けられた異なる変調量の3以上の電極セグメントに入力される同一信号の遅延を調整する遅延回路と、
前記光変調器の出力光のパワーをモニタするモニタと、
前記モニタのモニタ結果に基づいて、前記異なる変調量の前記3以上の電極セグメントに入力される前記同一信号の入力タイミングを制御する制御回路と、
を備える遅延制御回路。
【請求項9】
前記制御回路は、前記モニタでモニタされるパワーが最大になるように、前記3以上の電極セグメントに入力される前記同一信号の前記入力タイミングを制御する、
請求項8に記載の遅延制御回路。
【請求項10】
前記光変調器の出力光の検出結果を表す電気信号から所定の周波数成分を抽出する周波数フィルタ、
前記モニタは、抽出された前記所定の周波数成分のパワーをモニタし、
前記制御回路は、前記所定の周波数成分の前記パワーが最大に近づくように、前記3以上の電極セグメントに入力される前記同一信号の前記入力タイミングを制御する、
請求項9に記載の遅延制御回路。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、光送信装置、遅延制御回路、及び遅延制御方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
光変調器のマッハツェンダ(MZ)干渉計を構成する2本の導波路の一方または両方に沿って複数の信号電極を設け、各電極を独立して駆動する構成が採用されつつある(たとえば、特許文献1及び2参照)。このような構成の光変調器は「セグメント変調器」と呼ばれることがある。長い信号電極を複数の電極に分割し、分割された各電極に個別に駆動電圧を印加することで、素子の容量を低減し、高周波への対応が可能になる。セグメント変調器では、各電極を光が通過するタイミングと、その電極にデータ信号を入力するタイミングとを一致させる遅延制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-24347号
国際公開第2012/063413号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のセグメント変調器の遅延制御は、主として電気信号の配線長のばらつきに起因する遅延(数ピコ秒から数十ピコ秒)と、光信号の伝搬遅延(50ピコ秒程度)に起因する遅延を制御するものであり、工場出荷時に遅延調整が行われるのが一般的である。近年の通信トラフィックの急激な増大に応じてボーレートが高くなると、光変調器が用いられる環境における温度、湿度などのばらつきや変動で、電子回路側に発生する遅延変動が無視できなくなる。光変調器の動作中に遅延量が変動すると、波形が歪み、通信品質が劣化する。本開示は、光変調器の動作中に駆動信号の入力タイミングずれを自動制御する遅延制御技術を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、光送信装置は、
マッハツェンダ干渉計を構成する導波路に沿って、分割された3以上の電極セグメントを有する光変調器と、
前記光変調器の動作中に、前記3以上の電極セグメントに入力される同一信号の入力タイミングを制御する遅延制御回路と、
を備え、
前記同一信号が入力される前記3以上の電極セグメントは、前記光変調器を通過する光に対して異なる変調量をもち、
前記遅延制御回路は、前記3以上の電極セグメントの中の制御対象の電極セグメントの信号入力タイミングを、他の電極セグメントの中で変調量が最大の電極セグメントの入力タイミングにしたがって制御する。
【発明の効果】
【0006】
光変調器の動作中に駆動信号の入力タイミングずれを自動制御する遅延制御技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態の遅延制御の基本概念を示す図である。
ある電極セグメントへの信号入力タイミングずれの調整例を示す図である。
ある電極セグメントへの信号入力タイミングずれの調整例を示す図である。
実施形態の遅延制御が適用されるデジタルコヒーレント向け光送信器の構成例を示す図である。
比較構成での遅延制御を示す図である。
同じ信号が入力される複数の電極セグメントの構成例を示す図である。
遅延調整のケース1を示す図である。
遅延調整のケース2を示す図である。
遅延調整のケース3を示す図である。
変形例の遅延制御の基本概念を示す図である。
図10の遅延制御が適用されるデジタルコヒーレント向け光DAC送信器の構成例を示す図である。
遅延制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下で、図面を参照して、実施形態の遅延制御の具体的な構成と手法を説明する。以下に示す形態は、本開示の技術思想を具現化するための一例であって、開示内容を限定するものではない。各図面に示される構成要素の大きさ、位置関係等は、発明の理解を容易にするために、誇張して描かれている場合がある。同一の構成要素または機能に同一の名称または符号を付けて、重複する説明を省略する場合がある。
【0009】
実施形態では、光変調器の信号電極を複数の電極セグメントに分割したセグメント光変調器の実動作中に、遅延ずれ、すなわち電極セグメントへの信号入力のタイミングずれを調整し、制御する。工場出荷時や現場での光変調器の立ち上げ時には、通信の開始前にランダムなトレーニング系列などを用いて、電極セグメント間の遅延量を相対的に調整できる。制御対象となる電極セグメントと基準となる電極セグメントの間で相対的に遅延ずれを調整する間、その他の電極セグメントへの信号入力はオフにされる。遅延制御回路は、光変調器の出力光のモニタ結果が、どの電極セグメントと電極セグメントの間での相対的なタイミングずれを表しているのかを認識できる。これに対し、実動作中は光変調器へのデータ信号の入力を停止できない。光変調器を動作させつつ、複数の電極セグメント間の相対的な遅延ずれ、すなわち信号入力のタイミングずれを調整するための工夫が必要である。
【0010】
光変調器の実動作中に、同一の信号が入力される3以上の電極セグメント間での信号入力タイミングを制御するために、同一信号が入力される3以上の電極セグメント間で変調量を異ならせる。変調量は、電極セグメントのサイズを異ならせる、変調強さを異ならせる、などにより変更可能である。同一の信号入力に対して電極セグメントの長さを異ならせると、光と電気の相互作用長が変化して変調量が変わる。変調強さまたは変調度は、搬送波の強度に対する信号の強度で表され、たとえば、電極セグメント間で入力される同一信号の振幅を異ならせることで、変更可能である。
(【0011】以降は省略されています)
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